2011年01月27日
手根管症候群
癒術院を開業してから1年ぐらい経った頃だと思います。ある方の紹介で手先にしびれを感じている60歳代の女性の方が来院されました。しびれが起こる様になってからかなり長い年月が経っていて、その時点では常に強いしびれを感じているとのことでした。
しびれている右の手の平を見せてもらうと、親指の拇指球(左の絵をご参照ください)が萎んで膨らみが無くなっていました。今ならば手根管症候群のかなり進んだ状態ということが分りますが、その頃は臨床体験があまり多く無かったので原因を特定することが出来ませんでした。
この時は症状例からいろいろと調べてゆき、やっと手根管症候群がしびれの原因ということを付き止めました。この症状の成り立ちには数多くの可能性が有り、単純に対処法を決めることは出来ません。
成り立ちの例を幾つか挙げますと下記の様になります。同じ繰り返しの動作による手首への負担、手首の骨折や負傷による後遺症、妊娠によるむくみ、手首の腫瘤(腫瘍)、リュウマチ、人工透析により手首へのアミロイドの沈着など多種多様です。
手根管症候群を確認するために手関節屈曲テストというものが有りますが、これは手首を屈曲させてしびれや痛みが増すのかを確認するものです。この症状は自然に解消するものも有りますが、前出の患者さんの様に拇指球が痩せてゆき親指の機能が酷く低下することもあります。
お医者さんの中には手首を固定させて安静に回復を待つという方も居る様ですが、私は手首と手の平に関わる複数の屈曲筋の血流を促進させて、新陳代謝の過程で改善を図る方法を勧めています。もっとも症状の成り立ちにより対処法も違ってくるのは当然ですが。
参考分: 拇指球は短拇指屈筋、短拇指外転筋、拇指内転筋、拇指対立筋から成っていて、これらの筋肉が痩せてしまうと握力などが極端に弱まります。

