僕が初めてテント芝居を見たのが、黒テントの『逆光線玉葱』だった。後は唐組、黒テントで斉藤晴彦久々登場の芝居、あとは去年だったっけ、期待していた分サイテーな気分にさせられた某芝居ぐらい。 僕はおバカな熱い芝居が好きだ。
出来上がった台本を、上手い役者が、演出に任せ、ただ朗読しているような芝居よりも、技術もクソもないヤツが、与えられた台詞を好都合に『自分』をただ訴えるがために叫び、汗を飛び散らせ、唾跳び散らかして、不格好な啖呵を切り、ダサい見栄を切る芝居。そいつが必死に訴えてくる『何か』が僕の体内の奥底のとある部分と共鳴し、そのグルーヴが、僕を震わせどーしよーもなく『ナケテクル』芝居。
今回僕にとって初めてのどくんご観劇。前々から噂には聞いていて一度見てみたかったのが、今回豊橋ならばと久々にJRかっ飛ばして(笑)・・・あっ初めて知ったんだけど、JRって、土日限定で名古屋市内〜豊橋間が往復で1500円になる切符があるんだね。千種からだと片道1280円するのがこの値段はお得だよ。
19時半開演が約10分押し。客席超満員。上演時間2時間15分。
感想・・・嬉しかった。久々におバカで熱い芝居を見ることが出来た。
正確なことは分からないが、この劇団は恐らくキャストスタッフ総勢7人だろう。構成演出の方が照明オペ。役者がメイクそのまま客入れ受付・・・他のテント芝居に比べてこの数は少ない。だからかどうか、テントが他に比べて小さいなあ・・・というのが一番最初の感想だった。ステージはおよそ畳6畳分ぐらい?客席は七ツ寺のソレよりも狭い?
『テント芝居なのだから、どんな形にも出来る』
という考え方よりも、
『外に自分専用の小屋を押っ建てる』
の方が近いだろう。
『じゃあ、そろそろはじめさせてもらいますぅ』
と、ついさっきまで舞台に座って物販も担当していた女優の一声で、何となく芝居が始まった。6畳ほどのステージ上につられていた、白の紗幕で作られた蚊帳のようなものをたくし上げ、役者と照明・音響オペ計7人がそれぞれ楽器を持ち出してきて、
『じゃあまず、曲をやります。【そよ風とわたし】という曲です。』
から、芝居が始まった。クラリネット、バンジョー、12弦ギター、アコーディオン、パーカッション、ウッドクロック、ベース。インストミディアムテンポでいい感じ・・・。
芝居が進むにつれ、その蚊帳が取られ、つるしてあったのれんやなんかが芝居が進行して行くに従い取り外されていく。芝居中盤以降はステージは骨組みのみ、外の景色丸見え。あっぱっぱー。外の公園のベンチで『なんかやっとるなあ・・・ばっかじゃない?』みたいな感じで足組んで並んで座っているカップルが居る。僕は思う。『あんたら、この芝居の小道具にさせられているのに全く気づかないでやんの。』
お話の内容は・・・さっぱり分からない。
でもこれだけは分かる。役者が最高に輝いた姿の自分をこれでもかと見せつけている。啖呵を切る、唾跳び散らかす、転げ回る、走り回る、何言ってんのかわからん、でも伝わる、感じる、この人達からどくんご取ったら一体何が残る?まさにアイデンティティー、またダサい見得を切る、まだ続く、まだ続く、まだ続く・・・
ラスト、再びバンド状態になり最後の曲。バンジョー抱えた演出がVoを取る曲のラスト『ラーラーラーラーララー』の繰り返しの頃には、僕は涙流しながら一緒に唄っていた。
『相当つぼにはまる』
帰りの電車の中でふと思い出したことがある。
昔々、愛大豊橋演研の公演を見に行って、時間も考えずその後の打ち上げに参加して、帰りの電車がなくなってしまい、路面電車の線路の上をつたいながら豊橋駅まで歩き、始発の時間まで茂みに隠れて寝ていたのを警官に起こされたことを。
おバカで熱い芝居・・・目一杯の褒め言葉です。
久々に、自分の見たい芝居が見られました。
PS:いろいろネットで検索していたら、今回の全国ツアー2009で北海道を回っていた頃、地元ローカルニュースが本公演を中心に彼らのことを特集していたのがYou Tubeにアップされていた。劇団の背景も含めてうまく紹介されています。