2008年12月31日

PSPは9800円

PSPがモデルチェンジしなかったら9800円のはずである。

かつてプレイステーションという名機があった。
ソニーにしては珍しく頑丈かつ堅牢な作りだった。

これには裏がある。
有名だから知っている人もいると思う。

プレイステーションは実はスーパーファミコン用CD_ROMプレイヤーとして設計されたものだ。
だから叩きつけても踏んでも壊れない任天堂品質を踏襲している。
これを任天堂が完成間近の実機(スーファミCDROM)を目の前にして契約を反故した。

ソニーにして見れば、スーファミ用CDROMの開発に費やした時間と労力と金が全て水の泡である。

これを何とかして日の目を見させてやりたい。
せめて開発に掛かった赤字だけでも取り戻したい。

そうして生まれたのがプレイステーションではなかろうかと思う。

本来、開発に携わった任天堂との守秘義務があるのだが、これだけひどい裏切り方をされたのだから構わない。
ソニーオリジナルの製品として売れば。

そして皮肉にも本来、任天堂ブランドで発売されるはずだったプレイステーションは爆発的に広がり業界No.1となった。

任天堂がCDROMに移行しなかったのには訳がある。
石(ROMチップ)が売れないからだ。

実はファミコン、スーパーファミコンのゲームカートリッジに搭載されている石(ROM)は全て任天堂製だ(ナムコ等、初期に任天堂と契約したメーカーはその限りではなく、任天堂以外の安い石を別ルートから購入できた)。

ドラクエが売れた。
ファイナルファンタジーが売れた。
エニックスは儲かっただろう。
スクエアは儲かっただろう。

そんなのは上っ面しか見てない人の感想だ。
裏では任天堂も同じぐらい儲けていたのである。

各社から発売されたオリジナルゲームがヒットしようとも、しなくとも、世の中に出たファミコン用の石の金は全て任天堂に入ってくる。
こんな美味しいインフラをみすみす捨て去る訳が無い。

しかし時代は石よりも安く、大量生産が可能なディスクに移行するのは間違いなかった。
 

この時期、任天堂は確実に己を見失っていた。

国内では確実な地位であったが、北欧、欧米ではメガドライブにシェアを奪われていた(ソニックの人気による)。

メガドライブの石は、恐らくSEGA製だが任天堂より安かったはずである。多分、半額ぐらいだろう。
にも関わらず、任天堂はスーファミのROMカートリッジを9800円にするという暴挙に出た。
裏では任天堂が通信衛星事業に投資していたという説がある。

そうやって天狗になってしまった任天堂はこの時期、どんどんシェアを奪われていった。

そうこうしている内にSEGAからはサターン、ソニーからプレイステーションが発売され、当初は2社の戦いになった。
そこに任天堂の座は無い。

サターンが敗れるのは何となく予想できたが、任天堂はそれよりも下になってしまったのだ。

ソニーはさらに畳みかける。

プレイステーションの内部CPUを高性能化。
初期モデルに映像、音源等、各種分担配置されていたチップ。

それらを新しく高性能化した1つのCPUでエミュレーションさせた。
それにより、数十個あったであろう部品は1つにまとめられ、生産スピードが速くなりコストも下がった。

それだけなら純利益は全てソニーに還元されても良さそうなものだが、これを消費者に還元するという形で「攻め」に出た。

9800円で発売したのである。
プレイステーションを。

こうしてソニーは全世界を掌握しプレイステーションはソニーにスーファミ時代の赤字どころか、天文学的単位?の利益をもたらしましたとさ・・・・・・






で、PSP9800円の話は?

前置きが長くなりました。

もう書く必要すらないでしょう。
お判りと思うが、PSPがモデルチェンジしなかったら9800円になっているはずです。

それを値下げせず、モデルチェンジ路線にシフトしたのはDSの人気、ドリキャスの末路が大いに関わっていると思います。

まずDSですが、明らかにPSPより性能が低いです。
しかもPSPは実質PS2のモバイル版であり、PS2と同じ開発環境があれば即座に作れる優位性があります。

それでもDSに勝てないのです。
そこでPSPを値下げしてシェアが広がるでしょうか?

否。

更に売れなくなるでしょう。

その答えの鍵はドリキャスの末路にあります。
ドリキャスはSEGAの命運を賭けて作られた名機でした。
しかしSEGAであるが故か、思うように売れず、最終的には9800円で販売されました。

恐らく赤字を少しでも取り戻したかったのでしょう。
外資系だからなのか、ここら辺の展開はドラスティックです。

今にしてみれば判断を完全に見誤りました。
9800円のドリキャスは誰の目から見ても「貧乏クジ」を引くようなモノだったのです。

これはもうSEGA自身が「売れないから叩き売りします」って言っているようなモン。

その後のSEGAは誰もが知っている通りです。

オレはドリキャスを今でも持っています。
あれは決して9800円のハードではありません。
オレが値を付けるとしたら今でも3万円以上でしょう。

ゲーセンで散々遊んだ「連ジ」等は元々ドリキャスと同じNAOMI基盤でした。
ドリキャスの「連ジ」を持っていますが、ゲーセンと全く同様です。

あれだけ良くできたハードが潰れる理由が分かりません。

ちょっと、長くなりましたが、「値下げ」というのは場合によってはマイナスの結果を招くという事です。

今の状況でPSPを値下げするのはドリキャスと同じ結果をもたらしかねません。
そこでソニーはモデルチェンジ路線に変更したのでしょう。
実際これは大当たり(去年のPSP2000)し、シェアを増やしました。

値下げは、商品がバカ売れしている時しか、やってはいけないんですね。
そこへ行くとDSが値下げしても良さそうなものですが一向にその気配はありません。
さすが京都の商人です。

もっともDSiがバカ売れしているようですが・・・・・

任天堂のサポートは神レベルとか、任天堂神話は現在いくつもありますが、その裏で行われている液晶メーカーへの価格引き下げ要求。
売れているのに値下げしない企業姿勢を冷静に見つめるべきでしょう。

DSの液晶を作っているシャープと日立のカルテル問題は、事件となり新聞にも取り上げられました。

これも「液晶を売る事によって赤字になってしまう所まで追い詰められた価格競争の結果」という背景があります。

確かにDSの液晶は「甘い汁」かもしれません。
その甘い汁欲しさにシャープと日立が値下げ合戦を行った結果、「液晶を納入すればするほど赤字になる」所まで行ってしまったのです。

最終的に、ライバル同士だった2社が「これ以上値下げしたら、お互いに潰れるから値段を統一しよう」って事になったのです。
これをカルテル(談合)と言います。

任天堂はこれを告発し、2社を犯罪者としてしまったのですが、ここに「人の心」はあるでしょうか?

無いです。

シャープと日立が潰れようとも任天堂には関係ないでしょうが、せめてシャープは身内として守るべきじゃないでしょうか?

2社の内、どちらかが潰れれば値下げどころか値上げになるでしょう。

じゃあ、どうするか?
海外のサムソン辺りと競争させるんでしょうね。

こういう強者だけがどんどん、強くなる構造ってどうにかならないもんでしょうかね?

オレが悩んでもどうにもならない事なんだけど。
 

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