2010年08月17日
沖田総司 第一章の四十二
血を噴き出しながらも起き上がろうとする芹沢に総司は肩を添えた。芹沢は、何か言おうとしているが、すでに気管は血で詰まっていた。
総司は芹沢を苦しみから解放するため、刀を握る。
そして芹沢の首筋に峰をそっとあてがう・・・
「芹沢先生、先に逝かれて・・・閻魔天に逢われましたら、
どうぞ、お伝えください。
それがし、沖田総司房良が御前にまかりこしましたおりには、 御詮議は無用と・・・
堕ちる先の覚悟は・・できておりますと・・・
どうぞ、そのようにお伝えください・・・」
その総司の言葉に相槌を打つかのように
芹沢は、最期の力を振り絞って総司の肩を「ぽん」と叩いた。
カシャッン
総司が柄の握りを変えた。
芹沢の首筋にあてがわれていた峰が刃先にかわる。
・・・・夜空に真紅の花びらが散った・・・・・・
そして、月は立会人としての役目を終えたかのように
再び鉛色の雲の中に消える。
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