2006年04月13日

アフリカの岩絵

私が映画を観るのが好きなのは多分、映画に総合芸術みたいなものを感じるのも、ひとつの理由かも知れない。

もう随分前になると思うが、映画「イングリッシュ・ペイシェント」を観た。

オープニングからぐいぐい引き込まれていった。その映像が、砂漠を表していたのだと気が付くまでの、カメラワークの素晴らしさに息を呑んだ。

そして音楽。中近東の物悲しい旋律、ヨーロッパの懐かしいスイング調の旋律、そしてとても印象的だった戦場の、半ば壊れかけたようなピアノから流れてきた、バッハのゴールドベルク変奏曲などなど・・・

しかし今日私が取り上げたかったのは、あの映画の中で何度も登場してきた洞窟の中の岩絵である。

かなり大きく感じられたその洞窟の壁に、人間と思われる絵が沢山描かれていた。私はそれがずっと気になっていた。

先日世界遺産を取り上げたNHKのテレビ番組で、アルジェリアの、タッシリ・ナジェールの岩絵が放映されていた。しかし、あの映画に出てきた岩絵を見ることは出来なかった。

ただ、タッシリ・ナジェール山脈を案内した人がツアレグ族と聞いて、急に2年前のリビアの旅を懐かしく思い出した。

私達を、サハラ砂漠の少し奥まで案内してくれたのがやはり、ツアレグ族だったからだ。あの時精悍な男とは、こういう人たちのことを言うに違いないと思った。

しかし疲れた私達のために、砂を使ってパンのようなものを焼いてくれたり、お茶と思しき飲み物を作ってくれたり、それとなく気を使ってくれる優しい男達でもあった。

私は、思い切って彼らに岩絵のことを聞いた。しかしそれは、ここからはあまりにも遠すぎるという返事だった。それはそうだろうそれらしき岩絵は、アルジェリアまで行かないと見られないというのである。

多分、私の生きているうちにアルジェリアに旅する日を期待するのは無理だろう。

でも私は何千年も昔人間の生きた証である、どこか不思議なリズム感を感じさせた、あの美しい岩絵を忘れることは出来ない。

どなたか「イングリッシュ・ペイシェント」に登場した岩絵の、確かな位置を御存知の方は教えてください。


Posted by red_pepper at 18:59  |Comments(8)TrackBack(0) | 絵画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
red_pepperさん 
今日もまた驚きのサハラ砂漠旅行記ですね。
「イングリッシュ・ペイシェント」は観ていませんが、「タッシリ・ナジェールの岩絵」のことは以前本で読んだことがあります。
1956年にフランスのロート探検隊が「砂漠で無数の岩絵発見」とアルジェから特電が流され、大きな反響を巻き起こしたのですね。
特に砂漠で生きていけるはずのない牛や馬、象やワニ、カバなど多彩な動物群が溢れ、最初は「偽物」の非難もあったようです。
人と云えば「白い巨人」(実際は神様か)が有名ですが、セファールの西に人物の戦闘場面を描いた岩絵があるそうです。


Posted by sekisindho at 2006年04月13日 23:57
sekisindoさん、いつも貴重なコメントありがとうございます。
私は先日のテレビで、映画と同じ岩絵が観られるかと思ってとても期待したのですが、それ程の物ではありませんでした。きっとあの辺りは、広漠としすぎて、ひとつの番組には収まりきれなかったのかなと勝手に思っています。

図書館か書店で、「タッシリ・ナジェール」の本を探してみようと思います。ありがとうございました。
Posted by red_pepper at 2006年04月14日 10:56
ど〜も。。。こんばんわ!
コメントありがとう御座いました。

タッシリ・ナジュールの壁画、有名ですよね。
そこで場所を調べてみました。

 http://www.saiyu.co.jp/osusume/110/aljeria.html に多少詳しく乗ってましたよ。

私も北海道へ移り住む切っ掛けになったのが、道内に点在する縄文時代の「環状列石」を調べたかった。と言うもの。

お陰で私たちは道内の隅々まで熟知することに成ってしまいましたが。(笑)

因みに麗妻の本当の実家は、福井県に存在している日本最古の城として有名な「丸岡城」城主、有馬家の後裔に当り、代々遡ると、どうやら遠縁に当る見たいなんです。
不思議な縁だなぁ〜。と2人で顔を見合わせてますよ。

因みに私ら新婚5ヶ月ですが、未だに彼女は私のことを「先生」と呼び、三歩下がって影すら踏みません。
何時になったら夫婦らしくなるのやら。です。(笑)

Posted by ホーリ at 2006年04月15日 02:00
ホーリさま、貴重な情報をありがとうございました。
以前、この旅行会社、西遊旅行を使ってタクラマカン砂漠など行ったものですが、最近とんと御無沙汰していました。その間にアフリカまで進出していたのですね。びっくりしました。
世界にはまだまだ面白い所があるものですね。

夕べ、ホーリさまの「沈黙の黎明」を読め始めたら面白くて、一気に最後まで読もうとして今日はボーッとしています。お昼から友人に誘われてコンサートに出かけることになっているのですが、少し心配です。せめて大きないびきだけはかかないようにします。
Posted by red_pepper at 2006年04月15日 10:14
「イングリッシュ・ペイシェント」は何年か前に見た覚えがあります。砂漠の中で死んでゆく姿が印象に残っています。

タッシリ・ナジェールの岩絵を放映していたNHKの番組を私も見ました。川で泳ぐ人やきれいに体に装飾を施した人々が描かれていたのが、キリンに変わり、ラクダが登場し、記号だけとなって、最後は何も描かれなくなってしまう様子に
、描けなくなる程に余裕がなくなってしまった環境の移り変わりの厳しさをまざまざと見せ付けられました。

人間の力ではどうにもできない、神の摂理(?)を感じました。
Posted by hirari at 2006年04月16日 21:48
hirariさん
コメントありがとうございました。同じ映画、同じ番組を見てたのですね。私はあの映画の中では、ストーリーもさることながら、洞窟の岩絵が気になって仕方がありませんでした。

でもそれがアルジェリアにあると、聞いたときから自分の目で確かめることは半ば諦めていました。とても危険な国だと聞かされていましたから。

あそこに入る日本の旅行会社があると知って、とても驚いています。あの映画の舞台となった洞窟だったら見てみたいです。
Posted by red_pepper at 2006年04月17日 10:16
私も同じくイングリッシュペイシェントのあの岩絵に見せられ続けているものです。この思いを胸に今年の年末にタッシリ・アジェールに
行く予定です。映画に出ていた絵はどうも映画用に描かれたと
聞いたことがあります。しかし、どこかにあるのではないかと
期待しています。そして、もし見つけることができましたら
ここにまた報告させて頂きたいと思います。
Posted by kaoru at 2007年10月21日 02:11
kaoruさん、コメントありがとうございます。

あの映画の中に出てきた洞窟に、私と同じ感動を覚えてくださる方が、ここにもいらっしゃったのかと、とても嬉しい気持ちです。

私なりにいろいろ調べたり、人に聞いたりしてみたのですが、あの映画の中の岩絵と同じものに関する確実な情報は、未だに手に入っておりません。

>映画に出ていた絵はどうも映画用に描かれたと
聞いたことがあります。
という説に、妙に納得してしまいそうになります。もし見付かったら是非是非教えてください。

見付からなくても、発見までの旅行記は面白そうですね。
Posted by red_pepper at 2007年10月21日 10:24