2010年04月13日

まれに見るロリコン小説

阿部和重が面白い。
そう数年前に聞いて以来、「読まなきゃなあ」とは思っていました。
でも、なかなか読むタイミングがつかめなかったわけです。

今回、やっと読みました。
で、要約するとタイトルの感じです。

「グランド・フィナーレ」(講談社文庫)
表題作は芥川賞を受賞しています。
その表題作の感想を少し。
ロリコンの主人公が、娘を失って、無気力になるわけです。
その無気力さを増幅させるのが、周りの人間の描き方。
主人公である「わたし」にとって、どうでもいい人間はイニシャルで描かれている。
主人公まで変な性癖はなくても、人には家族にだって知られたくない一面があるでしょう。
周りの人間にしても、表面上は友達だって「どうでもいい」やつがたくさんいる。
そんな妙なリアルさが上手に表されています。
で、リアルさがゆえに「その行動はおかしい」と思い、
読後にどこか釈然としないものが残るんです。
前半は設定が変な割には、行動は納得できます。
だから、後半、二人の少女との出会い以降の行動に不思議さを感じずにはいられません。
よく、「事実は小説より奇なり」と言いますが、
この小説、本当に事実ばりの「奇」を表現しているんです。
だからこそ、純文学の新人賞、芥川賞をとったんでしょうね。

でも、中学生以下には薦めませんよ。


さて、日本にはロリコン文学が多いと言われます(本当か?)。
最古の物語の竹取物語もそうだし。
源氏物語も(これはきれいな女性ならばなんでも………)そう読めます。
近代文学も、川端康成「伊豆の踊子」なんかがそうですよね。
田山花袋の「蒲団」も有名。
あまり年上の女性の話は聞かないですよね。
不思議です。 

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