2009年04月10日

花屋さんの花見

この間、花見の席で、ちょっと変わった友人が妙な事を言い出した。
「花屋さんの店員も花見するのかな ? 」
「そりゃ、するんじゃないの」
「毎日、嫌って言うほど花を見てるのに、わざわざ ? 休みの日くらい仕事の事は忘れたいって思うだろ、普通」
「それとこれとは別だろ」
「そうかなあ・・・それって、プロ野球選手が休みの日に草野球するようなもんだぞ。そんなことするか ? 」
「する人もいるだろ」
「他で例えたら、薬剤師が休みの日に風邪ひいたからって、風邪薬飲むようなもんだぞ。そんなことするか ? 」
「飲むよ、風邪ひいたら」
「えー !? 毎日、嫌って言うほど薬扱ってるのに ? 」
「だから、それとこれとは別だって」
「他で例えたら、銀行員が休みの日に、現金で買い物するようなもんだぞ」
「だから、するって ! 」
ふと横を見ると、もう一人のちょっと変わった友人が、せっかくの花見なのに、さくらではなくずっと地面を見つめていた。
「何してるんだよ、地面見つめて」
「花見だよ」
「花見 ? 」
その友人の視線の先には、タンポポが咲いていた。
「花は花だけど・・・なんでそんな事してるんだよ。せっかくなんだから、さくら見りゃいいだろ」
「放置プレイだよ」
「放置プレイ ? 」
「さくらは、当然自分が見られると思っていい気になってるからな。鼻をへし折ってやらないと」
「・・・」
「人は、他人から見られると綺麗になるって言うだろ。花も一緒だよ。こうやって、さくらを無視してタンポポを見ることによって、見られてるタンポポは綺麗になるし、無視されてるさくらも、見てもらいたくてしょうがないから、より一層綺麗になるんだよ」
と言って、友人は振り返りさくらを見た。
「なっ」
「なっ、て言われても」
こうして、一風変わった花見は静かに幕を閉じていった。



 
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