2009年11月18日
シンシア動物病院(倉敷)ニュースレター:倉敷夜間ペットクリニックが倉敷(福島)にオープン
今まで、倉敷市内の3病院が当番制で夜間の診察を行っていましたが、倉敷の福島という所で、夜間ペットクリニックを開設しました。
今日からオープンです。いままでは、当番病院を探して来て頂いていましたが、これからは一箇所で行いますので便利になるかと思います。
診察時間は、従来と同じ夜9時から12時までです。
今度は、各病院の院長先生が交代で詰めるようになりますので、どうぞ安心して来て下さい。
しばらくは、受け入れ側の慣れないための不手際があると思いますが、許していただければとおもいます。
今日からオープンです。いままでは、当番病院を探して来て頂いていましたが、これからは一箇所で行いますので便利になるかと思います。
診察時間は、従来と同じ夜9時から12時までです。
今度は、各病院の院長先生が交代で詰めるようになりますので、どうぞ安心して来て下さい。
しばらくは、受け入れ側の慣れないための不手際があると思いますが、許していただければとおもいます。
2009年07月08日
シンシア動物病院(倉敷)ニュースレター73:第三世代のワクチン、DNAワクチン
今までのワクチンと言うと、病原体の毒性を弱めた生ワクチンと、病原体を不活化して作る不活化(死菌)ワクチンが主である。
生ワクチンは免疫効果は高いが、病原性が出たりする危険がある。不活化ワクチンは効果は低いが、病原性は、十分不活化されているため問題ない。しかし免疫力を高めるために、複数回接種したり、抗原を沢山入れたり、免疫反応を刺激するアジュバントを加えたりする必要がある。そのためアレルギー反応が出やすいと言う欠点もある。また、ワクチンを作るのに、培養する卵や細胞を準備して培養するなど、時間と経費がかかるため、新型インフルエンザが出ても直ぐには対応できない。
次に遺伝子工学の発展でできたのが、遺伝子組み換えワクチンである。
これは、病原体のDNA遺伝子の一部を病原性のないウィルスに組み込んでワクチンにしたものである。病原体の遺伝子を組み込まれたウィルスが接種されると、体内の細胞に取り込まれ、その細胞内で病原体の遺伝子が病気の抗原を作ることで免疫反応が起きる。細胞内で抗原が複製されるため、免疫反応は生ワクチンと同じように液性免疫と細胞性免疫の両方を獲得でき高い免疫効果が得られる。他の遺伝子組み換えワクチンとして、大腸菌などの細菌に、病原体の遺伝子を組み込んで免疫反応を起こす抗原を作らせ、それを精製してワクチンにするというのもある。この場合は、不活化ワクチンと同じで液性免疫しか獲得しないので、アジュバントを加えるなどして、免疫反応を高める必要がある。
次に開発されたのが、第三世代のワクチンであるDNAワクチンである。
これは病原体ウィルスのDNAの一部を細菌ノループ状DNA(プラスミド)にくみこみ、それを直接筋肉内に接種し、筋肉細胞内で免疫応答をおこす抗原を複製させて免疫ができるというワクチンである。
病原体の一部のDNAなので病原性はないが、DNAが注入されることによりその細胞のガン遺伝子になんらかの作用をして発ガン性が出るとか、持続して抗原が作られるため、免疫が刺激され慢性の炎症が起きたり、自己免疫疾患が起きるなどと危惧される。そうゆう問題がクリアーされると、従来のに比べて、製法も簡単であるため、安くて大量生産可能なワクチンが出来るという事になる。現在、人ではまだ実用化はされていないが、HIVやインフルエンザなどで研究がなされている。動物では、ウマの西ナイルウィルス感染症、以前ここのブログでも取り上げたが、犬の悪性黒色腫(メラノーマ)に対するDNAワクチンがアメリカで実用化されている。
このワクチン、感染症以外にも、ガン、アレルギー、アルツハイマーなどの病気に対しても研究がなされて大いにその成果が期待されるワクチンである。
生ワクチンは免疫効果は高いが、病原性が出たりする危険がある。不活化ワクチンは効果は低いが、病原性は、十分不活化されているため問題ない。しかし免疫力を高めるために、複数回接種したり、抗原を沢山入れたり、免疫反応を刺激するアジュバントを加えたりする必要がある。そのためアレルギー反応が出やすいと言う欠点もある。また、ワクチンを作るのに、培養する卵や細胞を準備して培養するなど、時間と経費がかかるため、新型インフルエンザが出ても直ぐには対応できない。
次に遺伝子工学の発展でできたのが、遺伝子組み換えワクチンである。
これは、病原体のDNA遺伝子の一部を病原性のないウィルスに組み込んでワクチンにしたものである。病原体の遺伝子を組み込まれたウィルスが接種されると、体内の細胞に取り込まれ、その細胞内で病原体の遺伝子が病気の抗原を作ることで免疫反応が起きる。細胞内で抗原が複製されるため、免疫反応は生ワクチンと同じように液性免疫と細胞性免疫の両方を獲得でき高い免疫効果が得られる。他の遺伝子組み換えワクチンとして、大腸菌などの細菌に、病原体の遺伝子を組み込んで免疫反応を起こす抗原を作らせ、それを精製してワクチンにするというのもある。この場合は、不活化ワクチンと同じで液性免疫しか獲得しないので、アジュバントを加えるなどして、免疫反応を高める必要がある。
次に開発されたのが、第三世代のワクチンであるDNAワクチンである。
これは病原体ウィルスのDNAの一部を細菌ノループ状DNA(プラスミド)にくみこみ、それを直接筋肉内に接種し、筋肉細胞内で免疫応答をおこす抗原を複製させて免疫ができるというワクチンである。
病原体の一部のDNAなので病原性はないが、DNAが注入されることによりその細胞のガン遺伝子になんらかの作用をして発ガン性が出るとか、持続して抗原が作られるため、免疫が刺激され慢性の炎症が起きたり、自己免疫疾患が起きるなどと危惧される。そうゆう問題がクリアーされると、従来のに比べて、製法も簡単であるため、安くて大量生産可能なワクチンが出来るという事になる。現在、人ではまだ実用化はされていないが、HIVやインフルエンザなどで研究がなされている。動物では、ウマの西ナイルウィルス感染症、以前ここのブログでも取り上げたが、犬の悪性黒色腫(メラノーマ)に対するDNAワクチンがアメリカで実用化されている。
このワクチン、感染症以外にも、ガン、アレルギー、アルツハイマーなどの病気に対しても研究がなされて大いにその成果が期待されるワクチンである。
2009年06月20日
シンシア動物病院(倉敷)ニュースレター72:育毛剤(リアップ)を使用している愛猫家の皆さん注意!
何時だったか忘れてしまったが、オーストラリアで猫が育毛剤の付いた飼い主の髪の毛をグルーミングして中毒を起こしたと言う記事があった。
この育毛剤はリゲインといい、日本ではリアップと言う名で大正製薬から発売されている。
成分はミノキシジルと言って、ファイザー社が心臓の薬として研究開発していたのであるが、毛が生えると言う副作用に着目し、育毛剤として売り出したものである。この薬は血管を拡張し血圧を下げる作用がある。ですから、この薬の付いた髪の毛を舐めた猫ちゃんは、虚脱状態になると言うわけである。
当時、このニュースをここで取り上げなかったのは、海外ではミノキシジルの濃度が5%から多いもので15%のものまであるが、日本では1%しかなかったため、日本ではこんな事故は起きないだろうと考えたためである。
しかし、この春から日本でも5%のものが販売されるようになり、ひょっとしたら、と思い書いている。
猫ちゃんと仲の良い飼い主さん、この育毛剤を使用する場合は注意してください。
話はずれるが、日本での販売をするのに、アメリカと同じリゲインで行くつもりであったが、ドリンク剤でリゲインと言うのがあり、使えないということでリアップという名で発売したと聞く。どうでもいいことなのですが、ただ名前を考えるとき担当者は、ああでもないこうでもないと苦労して考えたのだろうなと思ったまでで。私も病院名をシンシアと決めるまで苦しんでもので。ちなみに、横浜にも同名の病院がありますが、
私のほうが元祖ですから。
この育毛剤はリゲインといい、日本ではリアップと言う名で大正製薬から発売されている。
成分はミノキシジルと言って、ファイザー社が心臓の薬として研究開発していたのであるが、毛が生えると言う副作用に着目し、育毛剤として売り出したものである。この薬は血管を拡張し血圧を下げる作用がある。ですから、この薬の付いた髪の毛を舐めた猫ちゃんは、虚脱状態になると言うわけである。
当時、このニュースをここで取り上げなかったのは、海外ではミノキシジルの濃度が5%から多いもので15%のものまであるが、日本では1%しかなかったため、日本ではこんな事故は起きないだろうと考えたためである。
しかし、この春から日本でも5%のものが販売されるようになり、ひょっとしたら、と思い書いている。
猫ちゃんと仲の良い飼い主さん、この育毛剤を使用する場合は注意してください。
話はずれるが、日本での販売をするのに、アメリカと同じリゲインで行くつもりであったが、ドリンク剤でリゲインと言うのがあり、使えないということでリアップという名で発売したと聞く。どうでもいいことなのですが、ただ名前を考えるとき担当者は、ああでもないこうでもないと苦労して考えたのだろうなと思ったまでで。私も病院名をシンシアと決めるまで苦しんでもので。ちなみに、横浜にも同名の病院がありますが、
私のほうが元祖ですから。
2009年02月16日
シンシア動物病院(倉敷)ニュースレター71:ストレスは傷の治りを遅くする
先月は、二度もインフルエンザで熱を出してダウン。一度目は伊豆の方に旅行して帰ってから。二度目は大学の内科教室の新年会に行ってからである。ちょっと人ごみにもまれただけでうつるなんて、軟弱になってしまった。と言う訳で久々のニュースレターである。
ストレスは万病のもとと昔から言われ、経験的に病気に罹りやすくなったり、治りにくしていることは、よく知られている。
ストレスがかかると、生体の反応は、交感神経が刺激されてアドレナリンが出、つぎに副腎皮質ホルモンが出てストレスに対処するのであるが、ストレスが長く続くとアドレナリンにしても副腎皮質ホルモンにしても体に悪い影響を及ぼす。
今まで、ストレスに対する悪い反応については、副腎皮質ホルモンについてよく着目され、免疫機能の低下など良く知られている。アドレナリンについては、血圧が上がるとか、血糖値があがるとかで病気を起こす可能性はあるが、それ自体が病気の治癒過程を遅らすことは知られていなかった。
それが、皮膚の損傷の治癒過程でアドレナリンの作用をブロックすることで治癒が早まるという報告(Raja K.Sivamani et al.PLOS Medicine Jan.2009 Vol6)があった。皮膚の角化上皮細胞にアドレナリンに反応するリセプター(β2アドレナリン受容体)があり、それを薬でブロックしてやると、上皮細胞の増殖、移動性が増して傷が早く塞がるという。試験管内やネズミを使った実験であるが、皮膚の傷を早く綺麗に治せるかもしれない。
現在の創傷治療は、組織の治癒能力を阻害しないようにウェットタイプのバンデージで傷を保護し、組織の治癒過程で必要な因子を取り除かないように修復を促すようにしている。
ウェットタイプなので傷に対する刺激が少なく、痛みのストレスが少なくなり、アドレナリンの放出が少なくなり傷の治りも早まるということになるのだろうか。理に適った治療法である。
実験で使われたβ2アドレナリンリセプター・ブロッカーが使えるようになるまでは、痛み止めやストレスが掛からないようにすれば良いだろう。
昔は、少々の痛みは我慢して耐えろ。とかいってぎりぎりまで我慢して痛み止めを飲まなかった。以前は痛み止めで胃潰瘍になることが多かったが、最近は改良されている。痛みは積極的に治療したほうが後々のために良い。痛みを持続させていると、痛みを感じる脳神経が過敏に反応するようになり、ちょっとした痛みでもかなり痛く感じるのである。
最近は、獣医療においてもペイン・コントロールを積極的にするようになった。物言わぬペットの痛みを出来るだけ取ってあげる事の重要性を、改めて感じる。
今後、さらに良い痛み止めの薬が出来ることを期待したい。
ストレスは万病のもとと昔から言われ、経験的に病気に罹りやすくなったり、治りにくしていることは、よく知られている。
ストレスがかかると、生体の反応は、交感神経が刺激されてアドレナリンが出、つぎに副腎皮質ホルモンが出てストレスに対処するのであるが、ストレスが長く続くとアドレナリンにしても副腎皮質ホルモンにしても体に悪い影響を及ぼす。
今まで、ストレスに対する悪い反応については、副腎皮質ホルモンについてよく着目され、免疫機能の低下など良く知られている。アドレナリンについては、血圧が上がるとか、血糖値があがるとかで病気を起こす可能性はあるが、それ自体が病気の治癒過程を遅らすことは知られていなかった。
それが、皮膚の損傷の治癒過程でアドレナリンの作用をブロックすることで治癒が早まるという報告(Raja K.Sivamani et al.PLOS Medicine Jan.2009 Vol6)があった。皮膚の角化上皮細胞にアドレナリンに反応するリセプター(β2アドレナリン受容体)があり、それを薬でブロックしてやると、上皮細胞の増殖、移動性が増して傷が早く塞がるという。試験管内やネズミを使った実験であるが、皮膚の傷を早く綺麗に治せるかもしれない。
現在の創傷治療は、組織の治癒能力を阻害しないようにウェットタイプのバンデージで傷を保護し、組織の治癒過程で必要な因子を取り除かないように修復を促すようにしている。
ウェットタイプなので傷に対する刺激が少なく、痛みのストレスが少なくなり、アドレナリンの放出が少なくなり傷の治りも早まるということになるのだろうか。理に適った治療法である。
実験で使われたβ2アドレナリンリセプター・ブロッカーが使えるようになるまでは、痛み止めやストレスが掛からないようにすれば良いだろう。
昔は、少々の痛みは我慢して耐えろ。とかいってぎりぎりまで我慢して痛み止めを飲まなかった。以前は痛み止めで胃潰瘍になることが多かったが、最近は改良されている。痛みは積極的に治療したほうが後々のために良い。痛みを持続させていると、痛みを感じる脳神経が過敏に反応するようになり、ちょっとした痛みでもかなり痛く感じるのである。
最近は、獣医療においてもペイン・コントロールを積極的にするようになった。物言わぬペットの痛みを出来るだけ取ってあげる事の重要性を、改めて感じる。
今後、さらに良い痛み止めの薬が出来ることを期待したい。
2008年12月18日
シンシア動物病院(倉敷)ニュースレター70:犬の避妊手術法、卵巣摘出術と卵巣子宮摘出術どっちが良いか
年の瀬も押し迫ってきて、仕事、家事、忘年会などとなんとなくあわただしい。私もこの一ヶ月ほど、病院の忘年会の余興のため、久々にギターを練習した。昔からの定番は、わが愛するキャロル・キングのYou've got a friend,それにPP&MのDon't think twice it's all right.今年は、新しくエリック・クラプトンのChange the world、AIKOのボーイフレンド、つじあやのの風になるを練習した。中でも、風になるは病院スタッフ皆で振り付けを考えて、踊りながら歌ったのでとても楽しかった。
そんな訳で、ニュースレターひさしぶりに書いている。あまり新しいテーマではないが、Veterinary Surgeryという雑誌に犬の避妊手術法について記事があったので紹介する。
避妊手術法には二つあり、ひとつは卵巣だけ取る方法、もうひとつは卵巣と子宮どちらもとる方法である。どちらが良いかということであるが、過去の文献からそれを考察したものである。
結論は、卵巣だけ取る方がベターであるという。子宮を取る方は、侵襲性が大きい、出血しやすい、子宮を取った断端に肉芽腫ができる、尿管に障害を起こしやすいと言う結果であった。長期的副作用として起こる子宮内膜炎や子宮蓄膿症、尿失禁に関しては差が見られなかった。
ヨーロッパでは、卵巣摘出が主流であるが、アメリカでは卵巣子宮摘出が主流であるらしい。アメリカの先生に影響を受けた先生は、卵巣だけ取るのは後々子宮の疾患を起こすかもしれないので、良くないと言う。そんな先生に影響をうけた飼い主さんもそれを信じてしまう。時々そんな飼い主さんから、避妊手術についての問い合わせがある。私の病院では卵巣だけを取っていると言うと、子宮を取らないなんて信じられないと言う風な対応がある。そんな飼い主さんに何を説明しても言い訳にしか取られないので何も言わないのであるが、もしわが身がされるのであれば、痛くないほうを選ぶと思う。
そんな訳で、ニュースレターひさしぶりに書いている。あまり新しいテーマではないが、Veterinary Surgeryという雑誌に犬の避妊手術法について記事があったので紹介する。
避妊手術法には二つあり、ひとつは卵巣だけ取る方法、もうひとつは卵巣と子宮どちらもとる方法である。どちらが良いかということであるが、過去の文献からそれを考察したものである。
結論は、卵巣だけ取る方がベターであるという。子宮を取る方は、侵襲性が大きい、出血しやすい、子宮を取った断端に肉芽腫ができる、尿管に障害を起こしやすいと言う結果であった。長期的副作用として起こる子宮内膜炎や子宮蓄膿症、尿失禁に関しては差が見られなかった。
ヨーロッパでは、卵巣摘出が主流であるが、アメリカでは卵巣子宮摘出が主流であるらしい。アメリカの先生に影響を受けた先生は、卵巣だけ取るのは後々子宮の疾患を起こすかもしれないので、良くないと言う。そんな先生に影響をうけた飼い主さんもそれを信じてしまう。時々そんな飼い主さんから、避妊手術についての問い合わせがある。私の病院では卵巣だけを取っていると言うと、子宮を取らないなんて信じられないと言う風な対応がある。そんな飼い主さんに何を説明しても言い訳にしか取られないので何も言わないのであるが、もしわが身がされるのであれば、痛くないほうを選ぶと思う。


