2010年04月19日

かたりの椅子

世田谷パブリックシアターにて
二兎社
作・演出:永井愛
出演:竹下景子、山口馬木也、銀粉蝶、
   大沢健、内田滋、吉田ウーロン太、松浦佐知子、
   でんでん、花王おさむ

可多里市で開催されるアート・フェスティバルを前に結成された実行委員会。
そこにイベントプロデューサーとしてやってくる六枝りんこ(竹下景子)は、メールで送られた来た二つの企画のうち、後から送られたものが練り直されたものだと理解していた。
ところが、最初の企画は市の文化振興財団理事長(銀粉蝶)、後の方は実行委員長を任された造形作家入川(山口馬木也)で、その構想は相容れないものだった。
りんこは企画としての意味や面白さは入川案が優れていると思ったが、理事長から提示される問題点も否定しきれない。
一端は実行委員の面々の意見が一致して理事長の説得にかかることになったのだが、
一方で理事長は都庁から出向になっている常務理事と結託して裏工作を始めていた。
そして委員たち一人ひとりを宥め、賺し、または脅して懐柔して行った。

結末はドラマのようにはいかない。
純粋に自分の心に嘘はつかない造形作家の入川は知らぬ間に実行委員長を降ろされることになり、理事長の思い通りになってしまう。
これが現実、というのを実感させられるラストである。
お役所仕事だからねぇと言うは簡単。
でもそこに落ち着いてしまう自分って何だ?という疑問も残る。
自分の中にも長いものに巻かれる遺伝子があるのかもしれない。
社会に育てられた後天的なものなのかもしれない。とすると、日本の社会って?
考えが違う者同士がわかり合える言葉って存在するのだろうか。
この物語は可多里という小さな町で起こった世界の縮図なのかもしれません。

二兎社のお芝居を長く観てらっしゃる方のお誘いで行ってきました。
折りしも瀬戸内芸術祭の計画を練っている最中。
違う県や市に跨って行われるこの芸術祭の裏側はさぞ大変なことだろうと話しました。
組織というものはどんな規模、分野においても大なり小なり同じような問題があり、本質から離れた所で事が進みがちですよね。会社という利益を追求した組織ならまだ利益を生むと言う大きな目的がありますが、
芸術祭の様な公的な機関が中心になって行われるものは、関係者それぞれの立場が邪魔をして、目的を見失ってしまうような気がします。
面白いお芝居でした。
竹下景子ももちろんよかったけれど、銀粉蝶がとても良かった。プロの芝居を見せてもらったという感じです。





この記事へのコメント
 問題作、見逃しました。旅行などもありましたが、行けないことも
なかった。気合が足りない。遅くなりましたが。
Posted by F3 at 2010年04月30日 10:51
F3さんへ
二兎社(と言うより永井愛さん)は初めてでした。
楽しみながら言葉について考えました。

最近は今までになく精力的に動いてらっしゃいますよね。
すごいです。
それで気合いが足りないなら私はどうなるんでしょう。
やるべきことさえできてません……。
頑張ります!
Posted by strauss at 2010年04月30日 18:04


 
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