2010年02月10日

千本桜―花のない神話 : 渡辺保

『千本桜―花のない神話』 渡辺保

 「仮名手本忠臣蔵」「菅原伝授手習鑑」とともに歌舞伎三代名作に数えられる「義経千本桜」。「義経千本桜」の世界を貫くものとして、作者たちは、知盛、権太、狐忠信を主役とする各段のストーリーの背後に、日本人にとっての神話とも言える三つの伝説をしのばせていると著者は語る。その伝説を形づくる要素とは「判官贔屓(義経)」「天皇制」「狐」。そしてこの三つの伝説をつなぐ「桜」「吉野」「鮓」。これらのキーワードから神話劇としての「義経千本桜」の構造を読み解く。

 私には、著者が示したような「義経千本桜」の持つ神話的な物語の構造がのみこめた訳ではなく、むしろすっかり混乱してしまっているところだが、まぁ、いくつかの段をバラバラに一度ずつしか見たことのない私に(しかも私が見られるのは現代の舞台でしかない)、この狂言に秘められた謎を理解しろというのが無理な話だと一旦あきらめるしかない。

 もともとの原作である浄瑠璃は、太夫が語る物語という形態の為、文学性を保持できるが、歌舞伎にうつされると役者や観客の生理的に気持ち良い方へと流れていく傾向があるため、作者が意図していたものが変形されていたり伝わりにくくなっている部分もあるとは言うが、それ以前に私が戸惑ってしまうのは、この狂言を書き、見た江戸の人たちと、現代の私との距離感をどういうふうにとればいいのかということなのだ。

 例えば桜・・・「桜」と聞いて私が思い浮かべるのは群がり咲くソメイヨシノだが、吉野に咲くのは赤味がかった新芽と共に小さな白い花を咲かせる山桜だ。(私はその吉野の桜を見たことがない)考えてみれば当たり前のことなのだけど、この物語の背後に人々が見て、愛していたのはソメイヨシノではなくて山桜だということを改めて知らされると、それだけで少し江戸の人の心が遠くなってしまう。

 現代人のメンタリティと江戸人のメンタリティ、どこがどのくらい違うのか・・・その辺が私の中でもやもやしたままだから、著者が指摘した神話的なもの 〜 作者たちが、人の情に訴えるだけでなく、時代を批評する目も持った上で巧妙に織り込んだ物語 〜 が、江戸の人々にどのように作用したのか、そして現代の私にどのように作用するのかイメージできない。


 「あ〜 何だか解んね〜!!!」とジタバタしているが、これまで舞台を観てちょびっと違和感を感じていたこと 〜 「安徳帝って割とサックリ知盛から義経に乗り換えちゃうのね〜」とか、「弱いもの、滅びるものにあわれを感じる心情を判官贔屓というとは言いながら、対知盛戦では義経ってガッチリ勝者なんだよね〜」とか 〜 について、「なるほど、そういうことなのか」と気付かされる記述もあり、もう少し歌舞伎体験を積んでから改めて読み直してみなきゃいけないと思う。

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Posted by sweet_pea at 00:12  |Comments(0)TrackBack(0) | 歌舞伎関係の本

2010年02月08日

噂では耳にしていたが…今日、染五郎さんの口から「BL」という言葉を聞いた。

昼間、たまたまテレビをつけたら、徹子の部屋に染五郎さんがゲストで来られてました。ラッキー♪

「染模様」の映像(松竹座での公演のもの)も流れましたが、猛烈に動きがスピーディーですね、染五郎さん。壮絶なドラマでもありながら、登場人物は基本的に明るい性格の人が多そうで、面白そうだな〜と思う。

今、思えば…何で大阪の時観に行かなかったんだろう。
 
Posted by sweet_pea at 23:26  |Comments(0)TrackBack(0) | 雑感

2010年02月06日

卒業生 冬〜春 : 中村明日美子

『卒業生-冬- 』 『卒業生-春-』 中村明日美子

 草壁くん、佐条くん・・・いやねぇ、『同級生』『冬』あたりまでは、二人の、キラキラと光って見えるような恋愛の純粋さは、目の前に未知の未来が大きく広がっている高校時代だからこそのものだと思ったのだよ。二人が別々の道を歩くことになったとき、大切な心の中の芯として、彼らの行く先を守り照らしてくれるような恋なんだと・・・。

 でも、そうかぁ・・・草壁くん、君はこの恋を全うすることにしたんだねぇ。佐条くんを伴侶として、この先も一緒に行く覚悟を、決めていたんだねぇ。若いのにエライねぇ。草壁くん、君は優しいねぇ・・・ 君は賢いねぇ・・・。(佐条くんは、主体的に恋をしているんじゃなくて、草壁くんが発する光を受けてほんのりと・・・輝いているように見えます。)

 そして、もう一人・・・原先生も・・・本気の恋だったのねぇ。『喜怒哀楽も露出は五割』な大人の、(失恋を噛みしめる)一瞬の本気の表情が切ないことこのうえなし。

 いやぁ・・・なんとも、いい作品に出会ったときの切ない脱力感を感じながら余韻に浸っていますが、ふと浮かんでくる思いは“草壁くんみたいな息子が欲しい”っていう母親願望だったりする;;;  草壁くんみたいないい子を育てたお父さん、お母さんは素晴らしいです、ホント。



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Posted by sweet_pea at 23:42  |Comments(0)TrackBack(0) | 中村明日美子

2010年02月05日

BLEACH43

あ? 浮竹隊長は?
 
Posted by sweet_pea at 23:54  |Comments(0)TrackBack(0) | 雑感

2010年02月04日

がぜびい゛だ

 昨日、「博多座でのご挨拶の時、亀治郎さん寒そうだった」って書いたけど・・・ いっやぁ〜 亀治郎さんだけじゃない、私も充分寒かったんだなあ〜 興奮してて気付かなかっただけか・・・。

 風邪ひいちゃいましたよ・・・。昨日、帰ってから“喉痛いなぁ〜”と思ってたんだけど・・・。今日はパブロン飲んで一日寝てました。

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Posted by sweet_pea at 22:43  |Comments(0)TrackBack(0) | 雑感

2010年02月03日

博多座 Kabuki Night

 本日、櫛田神社にて博多座ご出演中の染五郎さん、亀治郎さん、獅童さんも参加されての豆まき神事があったのですが、所要の為豆まきには間に合わず、博多座前でのご挨拶〜「Kabuki Night」を見て、聞いてまいりました。

 博多座前でのご挨拶は10分ほどだったでしょうか。事前に写真撮影は遠慮願いたいとのアナウンスがありましたが、いざ役者さん方が到着されると皆さんバシバシ写真撮られていました;; ま、人情ですよね。別に会場の方も制止してはいないようでしたし・・・。私は写真を撮ろうとすると残念ながら目と耳がお留守になってしまう方ですので、カメラは構えず心のシャッターをきり続けておりました。亀治郎さんをフレームの中心におさめて・・・。

 その亀治郎さん、よほど寒かったのか(確かに今日の博多は寒かった)ず〜と背中を丸めて両手を擦りあわせてる。う〜ん、ご挨拶の時はビシっとした姿が見たかったぞ〜。

 その後、19:00からは「Kabuki Night」。なぜかオープニングにMJの曲が流れる会場。司会者の呼び込みで、花道から獅童さん、亀治郎さん、染五郎さん登場。染五郎さんはゆったり目なグレーの三ツ釦スーツ、亀治郎さんは細身のダークスーツ、獅童さんは全身黒・・・燕尾的?なデザインのジャケットに鋲打ちのベルト・チェーン付き、細身のパンツの裾はブーツにイン。スレンダーな身体ながら太ももは太い!というのを再確認。

 一時間半ほどのトークショーは、演目紹介、お三方が互いのプライベートをプチ暴露するコーナー、クイズ、質問コーナーと進んでいくのですが、亀治郎さん、へそ曲がりっぷりを遺憾なく発揮! 和菓子大好きという染五郎さんと、禁酒中という獅童さんがスウィーツについて話し始めると、「甘いもの大ッキライ」「摂取する糖分はブドウ糖の錠剤だけ」発言で盛り上がりかけた話題をさっさと消火。プライベートの暴露コーナーでは、染五郎さんについて・・・「あまり親しくないので分かりません」、獅童さんについて・・・「初共演なのでわかりません」と、あからさまな嘘をついて企画の腰を折りまくります。ファンサービスする気は無いんですか?(笑) こういうとこでは、獅童さんのサービス精神が光りますね〜。

 ラストの質問コーナーでは、「突然女性になったら何をしますか?」という質問が! これだけならけっこうよくある質問かもですが、「出来れば演技つきで」というリクエストがついていたとこがナイスです。実際に女形をつとめることもある方の「もしも女性になったら・・・」

 見てみたい!と思う気持ちは会場の観客みな同じだったようなのですが、舞台上の役者さんは難しい顔で黙り込んでいらっしゃいます。役者のプライドをかけて演技プランを練っていらっしゃるのか、それとも無言の拒否アピールなのか・・・。みなさんあんまり難しい顔をされているんで、司会者の方が「この質問は後回しにしましょうか」とスルーされてしまい、結局最後までやってもらえないままお開きとなりました。実に残念。 

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2010年02月02日

来てるんです

Image106.jpg中村明日美子さんの『卒業生』冬・春ニ冊、届いてるんだけどまだ手付かず。

今、ちょっとバタバタしてるので早く読みたい気持ちを抑えて大事にとってるんですよ。

いい作品はゆったりした気持ちで読みたいもの…

 
Posted by sweet_pea at 23:45  |Comments(0)TrackBack(0) | 雑感

2010年02月01日

纐纈城綺譚 : 田中芳樹

『纐纈城綺譚』 田中芳樹

 唐の都・長安の外、人間の生血を絞って布を染め、人肉を喰らう者たちの城がある。『宇治拾遺物語』〜「一六九 慈覚大師纐纈城に入り給ふ事」の後日譚を、歴史上実在の人物を配して怖ろしくも痛快な活劇に仕立てた物語!

 忌まわしい所業で人々を脅かす悪鬼たちの根城・纐纈城の存在を知り、その討伐に向かう義侠心に燃える好漢たち。〜皇帝の血をひく凛々しい剣豪。正義感厚い剛力の棒術つかい。戦闘力としてはあまり役に立たない文系青年。その一味に加わる女軽業師に、すばしっこくて目端の利く“使える”子供。彼らを脇でサポートする渋く有能な朝廷の役人。

 お約束な展開に、程好くザックリしたキャラクター造形・・・ホラー要素もありつつも、なんだか『水戸黄門』的に気持ち良くおおらかなお話しで、中国の歴史書にもその名を残す英傑たちの若き日のアツい冒険譚を純粋にワクワク楽しんだ。

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Posted by sweet_pea at 22:58  |Comments(0)TrackBack(0) | 作者名 た行

2010年01月30日

うなぎのぼり

やばい・・・ いつか買おうと思ってブックマークしておいた『伊藤彦造イラストレーション』 なんですけど・・・いつのまにか絶版ですか?! 中古価格がうなぎのぼり・・・のような。ど、どうしよう。このまま価格高騰していってしまうんだろうか・・・。ああ、どうしよう。


 
Posted by sweet_pea at 23:12  |Comments(0)TrackBack(0) | 雑感

2010年01月27日

義経千本桜 (歌舞伎オン・ステージ 21)

『義経千本桜 −歌舞伎オン・ステージ (21)』

 「木の実」〜「鮓屋」は嘉穂劇場での勘三郎襲名披露公演で、「渡海屋」「大物浦」は亀治郎さん、獅童さんたちの博多座花形歌舞伎で、「道行初音旅」「河連法眼館」は文楽で・・・とバラバラに観たことはあったのだけど、ストーリーを通して味わってみたくて、戯曲を読んでみました。

 今更、しかも私なぞが言うことではないけれど・・・名作(溜息)。

 知盛が見せる悲劇的でヒロイックな武将の最期。残酷美とでもいうような小金吾討死。いがみの権太とその家族の人間ドラマ。静と狐忠信の美しい道行。源九郎狐がいじらしく、視覚的な驚きもたっぷりな「河連館」。・・・あぁ、ぜひ舞台で通しで観てみたい。

 滅びる者、追われる者の運命の中で、義経の正室・卿の君や、知盛、権太〜各段のヒーローたちはドラマティックな死を迎える。しかし、本書の解説にあるように、そのドラマティックさに反して彼らの死は結局犬死に。彼らの命を懸けた企み、思いに思った謀りごとも的を外れた無為なことに終わってしまう。

 彼らの甲斐のない死も流転する世界の一コマ。非情、無情、無常・・・あまりに遣る瀬無い世界を、重厚で華麗、滑稽味や人情味もあるエンターテイメントに仕上げた感性に、ただただ溜息。

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Posted by sweet_pea at 23:51  |Comments(0)TrackBack(0) | 歌舞伎関係の本