2011年11月18日

錦秋博多座大歌舞伎 昼の部

【外郎売】
  こういう綺麗で華やかなの好き! 後見さんたちの息が良くて、舞台がとてもすっきりして見えました。

 幕が開くと、大磯の虎・芝雀さん、化粧坂少将・笑三郎さん、遊君喜瀬川・春猿さんが、まさに妍を競うといった様子で床几に居並び艶やか。その中でも一際目を引く朝比奈妹舞鶴・門之助さんの古風で異風な佇まい〜浮世絵から抜け出したような、ザ・歌舞伎な美しさには胸がドキッと。

 海老蔵さんの外郎売実は曽我五郎は、早口言葉を含めて何かどっか置きにいってる感じ? 五郎のきかん気で向こう見ずな若者っぽさがあんまり見えない。以前TVでみた團十郎さんの助六の方がずっとやんちゃな少年に見えたなぁ。

 外郎売から曽我五郎へのお着替え中、胸を反らし裲襠を広げて立つ化粧坂少将・笑三郎さんが美しくって、カッコよくって! 「ネェさぁぁぁ〜んっ!」ってその胸に飛び込みたいって気持ちになる。こんな素敵な彼女がいる五郎がうらやましい。

【連獅子】
 ん〜もぅ! ビバ・澤瀉!

 前シテの狂言師右近・左近・・・「連獅子」って宗教的で厳かなもんだと思ってたけど、澤瀉屋の「連獅子」は粋で、明るく、心が浮き立つような華やかさがある。蝶と戯れるあたりなんて匂うような艶っぽささえ感じてしまう。

 間狂言・・・浄土の僧・猿三郎さん、法華の僧・弘太郎さんは滑稽な中にも品よく。

 そして、後ジテの獅子の精・・・精霊の神々しさも宿しつつ、迸る生命力、その荒々しさはまさに獣! 二頭の獅子が激しく舞い、気を放つ。人の世界からは遥か遠い、獣の世界に棲む気高い獅子の姿。迫力あったぁ〜。

【与話情浮名横櫛】木更津海岸見染めの場・源氏店の場
 花道を歩いてくる与三郎・海老蔵さんにめちゃめちゃ顔がほころんだ。何?!このなよなよ、ぽぉ〜っとしたお坊ちゃま! 縁台に腰掛ける姿も、う・・・内股っ! ふわふわして実にいいんだけど、海老蔵さん、しゃべりだすとちょっとやりすぎな感じがして・・・だまってぽわ〜んとしてる時の様子の方が良いです。

 でも、見染めの衝撃は・・・ちょっと薄かったなぁ。海老蔵さんの与三郎、福助さんのお富っていう組み合わせの相性もどうなんだろう? 他を見たことないからわかんない。この場の最後、お富に見蕩れる与三郎をニヤニヤ眺める金五郎・右近さんは絵になってて素敵。

 「源氏店」は・・・あの名セリフがあるわけだけども・・・何か聞いてるのがしんどかった。やっぱり・・・与三郎とお富の間に何があったか、知識としてはちょこっと知ってても、実際には場面をぶつ切りに見ているわけで・・・感情移入ができていないところにあのセリフを聞くのはつらい。市蔵さんの蝙蝠安はあの臭ってきそうな汚いなりでも、何かずって見ていたい憎めなさ、面白さがあって良かったです。

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この記事へのコメント
今回の博多座では海老蔵さんが非常に神妙で上手くなり、大進歩しましたね。
外郎売の力まない感じがやはり、当家当代の花形は他所の役者とは全然違う格を感じました。
与三郎は11代目の当たり狂言ですが、11代目のは江戸前で翳の付きまとう感じが強かったですが、孫は絶世の美貌はそん色ないですし、本来の明るさと幼さを武器にした自分なりの与三郎で、やっとこの役が等身大に近づいた感じです。
15世羽左衛門さんの名セリフに近い台詞回しでなかなか聞かせます。
放蕩息子だったころともキチンと演じ分けが出来ていました。
金五郎役の右近さんは一番猿之助丈に近いので、亀治郎さんよりこちらが継ぐべきだったと改めて思いました。
Posted by 妹背おとわ at 2011年11月19日 00:36
今回、海老蔵さんはどのお役も丁寧に演じられているのだなと感じました。その分、人によってはちょっと眉を顰めてしまうかもしれないような、はみ出し気味なやんちゃぶりがみられないのかなと。

右近さんは猿之助さんの下でずっと様々な役をつとめてこられただけあって、自ずと澤瀉屋若手の筆頭という風格があります。私も一時期、猿之助の名前は右近さんが継ぐのだろうかと思っていました。亀治郎さんの襲名後、現猿之助門下の人たちとのバランスはどうなるんだろうと気になります。
Posted by sweetpea at 2011年11月19日 20:25


 
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