2011年11月24日
錦秋博多座大歌舞伎 夜の部
【芦屋道満大内鑑】葛の葉
芝雀さん・・・とても情熱的な葛の葉。芝雀さんのしっとりとした外見に、つい騙されてしまうのです。演じる女性も楚々としたおとなしやかな風情を漂わせるんじゃないかと、つい思わされてしまうんだけど、舞台を拝見すると、その纏う空気の濃厚なことに驚かされるのです。(以前見た雲の絶間姫の時にも、その色っぽさに驚いたんだった。)
「恋しくば」の曲書き・・・葛の葉が硯を手に障子の前に立った時には、“ああ、これから、あの有名な見せ場になるのね”と、ちょっと引いて観る余裕?があったのだけど、纏わりついてくる童子をあやし、筆を右手から左に持ちかえながら歌を書きつけていく葛の葉が、筆を口に咥えてきまった時・・・目頭に何かこう・・・“グヮッ”ときた。感動・・・と、はっきり言えるものとは・・・何か違うような気がするんだけど。なんだろうねぇ・・・あれは。
【勧進帳】
「勧進帳」、初めて観ます。舞台にいるすべての人の立ち居振舞いの美しいことに、この演目の緊張感を見た気がします。
恥ずかしながら、「勧進帳」といえば、弁慶と富樫の丁々発止の問答と、主君・義経を打擲する弁慶・・・っていうくらいしか知らなかったのだけど、いやぁ・・・その後の方が凄かったのね。
夢中になって舞台に引き込まれたのは、関を通過した一行を追って富樫があらわれ、その勧める酒を弁慶が飲むあたりから。
大酒を呑み舞う弁慶の姿に、かつて戦場で勇猛に戦った義経たちの姿や、この先の悲劇的な末路がオーバーラップして見える。諸行無常、盛者必衰という声が聞こえるような気がしました。
【楊貴妃】
これ・・・男女の愛憎劇の域を超えてると思います。
高力士のサイコな気味悪さを、海老蔵さんの完璧な美貌が引き立てます。うぅぅ・・・ゾクゾクゾク・・・。高く優しげな宦官の声が時に物凄くて・・・。
勝手に膨らませた恋心が敗れた虚しさを、国を滅ぼすレベルの我儘で埋める美しき楊貴妃も魔的だけど(楊貴妃の純粋さ、驕慢、浅はかさを演じる福助さん見事)、その楊貴妃を生み出した高力士の虚無と激情・・・怪物的です。海老蔵さんには、どこか健やかで明るいだけではない怪物的なパワーがあるような気がするので、こういう美しき怪物を演じられると魅力的です。
右近さんの李白が素敵だったので、もっと狂言回し的にドラマにからんでくれると面白いのにぃ〜とか思いました。
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芝雀さん・・・とても情熱的な葛の葉。芝雀さんのしっとりとした外見に、つい騙されてしまうのです。演じる女性も楚々としたおとなしやかな風情を漂わせるんじゃないかと、つい思わされてしまうんだけど、舞台を拝見すると、その纏う空気の濃厚なことに驚かされるのです。(以前見た雲の絶間姫の時にも、その色っぽさに驚いたんだった。)
「恋しくば」の曲書き・・・葛の葉が硯を手に障子の前に立った時には、“ああ、これから、あの有名な見せ場になるのね”と、ちょっと引いて観る余裕?があったのだけど、纏わりついてくる童子をあやし、筆を右手から左に持ちかえながら歌を書きつけていく葛の葉が、筆を口に咥えてきまった時・・・目頭に何かこう・・・“グヮッ”ときた。感動・・・と、はっきり言えるものとは・・・何か違うような気がするんだけど。なんだろうねぇ・・・あれは。
【勧進帳】
「勧進帳」、初めて観ます。舞台にいるすべての人の立ち居振舞いの美しいことに、この演目の緊張感を見た気がします。
恥ずかしながら、「勧進帳」といえば、弁慶と富樫の丁々発止の問答と、主君・義経を打擲する弁慶・・・っていうくらいしか知らなかったのだけど、いやぁ・・・その後の方が凄かったのね。
夢中になって舞台に引き込まれたのは、関を通過した一行を追って富樫があらわれ、その勧める酒を弁慶が飲むあたりから。
大酒を呑み舞う弁慶の姿に、かつて戦場で勇猛に戦った義経たちの姿や、この先の悲劇的な末路がオーバーラップして見える。諸行無常、盛者必衰という声が聞こえるような気がしました。
【楊貴妃】
これ・・・男女の愛憎劇の域を超えてると思います。
高力士のサイコな気味悪さを、海老蔵さんの完璧な美貌が引き立てます。うぅぅ・・・ゾクゾクゾク・・・。高く優しげな宦官の声が時に物凄くて・・・。
勝手に膨らませた恋心が敗れた虚しさを、国を滅ぼすレベルの我儘で埋める美しき楊貴妃も魔的だけど(楊貴妃の純粋さ、驕慢、浅はかさを演じる福助さん見事)、その楊貴妃を生み出した高力士の虚無と激情・・・怪物的です。海老蔵さんには、どこか健やかで明るいだけではない怪物的なパワーがあるような気がするので、こういう美しき怪物を演じられると魅力的です。
右近さんの李白が素敵だったので、もっと狂言回し的にドラマにからんでくれると面白いのにぃ〜とか思いました。
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