2005年03月26日

「CASSHERN」

「CASSHERN」 監督:紀里谷和明 2004年公開

 公開されたのはもう1年近く前の話になりますね。アニメの方も見ているはずなのですが、記憶にはほとんど残っていなかったのでアニメのイメージにまったく縛られることなく見てきました。賛否両論くっきり別れたようですが、私は良い映画だったと思っています。ハマリました。

 伊勢谷友介・麻生久美子・要潤・佐田真由美・及川光博らのアニメキャラクターにもひけをとらないプロポーションとルックス(ある意味、雨上がりの宮迫さんも)、寺尾聡・大滝秀治の老獪な雰囲気、樋口可南子・唐沢寿明・西島秀俊・小日向文世の存在感。こういった豪華な俳優陣を画面に配して作られた紀里谷監督の映像はよく計算されたすばらしい“作り物”でした。

 あらすじ等はここでは書きませんが、長い戦争の中で生れ落ちた「新造人間」対「人間」または対「キャシャーン」の戦いのドラマの中で、「人はなぜ争うのか」というテーマがストレートに前面に押し出されています。あまりにも人の口にのぼりやすいテーマだということと、提示のされ方があまりにストレートであるために拒絶反応が出てしまった人も多かっただろうと思いますが、観念的で難解な映画よりもずっと感じるところのある映画だと思いました。

 「キャシャーン」はこの映画ではヒーローとしてではなく東鉄也という一個人として描かれています。彼が戦うのは誰かの為というより彼自身の都合や恨みのためであって、ちっとも「キャシャーンがやらねば誰がやる!」っていう気持ちは持ってなさそうです。鉄也だけでなく新造人間の面々や東博士その他登場人物たちもそれぞれの自分のドラマをもっていて、その登場人物たちの一個人としてのドラマの集合体が「CASSHERN」という映画なのだと思います。個人と個人のドラマが交錯したときに争いが生まれてしまう悲しさ。使い古されたテーマだということはそれだけ根の深いテーマだということでもあります。

 この映画で小日向文世さんが好きになったのですが、後に佐野史郎さんらと共演の舞台「マダラ姫」を観ることができました。映画での役柄とは一変したテンション高めのおかしなキャラでした。役者さんてすごい。



ところで、「CASSHERN」の“んん〜?”だったところをいくつか・・・

●・新造細胞の研究所に落ちてきた稲妻はなぜ、どうやって飛んできたの? どんな効果があったの?
・第7管区にあったはずの鉄也の体が新造細胞の研究所に落ちてきたのはなぜ?
映画のテーマには直接関係ないことだと思ったからあまり気にせずスルーしていますが、気になる人には気になるようで、公式サイトの掲示板で映画のディティールについて泥仕合のような書き込みがされていて悲しかったです。

●鉄也は第7管区の村人を新造人間・バラシンの手から救うために一度だけ村人が信じる神「CASSHERN」を名乗って戦うのですが、それも村人を守らねば!というヒーローの使命感からというよりは、目の前で人が惨殺されるのは嫌だから助けるって感じで、ここでいきなり「CASSHERN」を名乗るのはいかにもとってつけたような印象で“ん?”でした。

●「たった一つの命を捨てて生まれ変わった不死身の体、鉄の悪魔を叩いて砕く。キャシャーンがやらねば誰がやる!」。キャシャーンといえばこの名文句ですが、前にも書いたとおり本作の鉄也からはそんな気概は感じられない・・・というかそういったヒーローとして描かれていないだけに、宣伝にこの文句が使われるのはいかにも不似合いに感じました。

ここまで考えてみると、果たしてこの映画は「キャシャーン」のリメイクでなければいけなかったのか?という疑問は残りますねぇ。

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総論:言いたいことは解るが、こんなに説教クサく語り倒さないで欲しい。タツノコプロの名作アニメ「新造人間キャシャーン」の実写映画化。監督は宇多田ヒカルのPVで独特の世界観を表??.
CASSHERN / キャシャーン(31点)評価:×【映画批評OX】 at 2010年11月11日 23:21
この記事へのコメント
初めまして。私もこの作品を観ました。好きです。確かに「ん?」と思いだしたら止まらないところはありますが、映像と音楽の良さ、役者さんたちの良さがそれを補って余りある作品だと思います。なぜ争わなければならないのか。善人も悪人もいない話。こんなのもアリだなと思います。私が一番「ん?」と思ったのは、何故、唐沢が「キャシャーンがやらねば誰がやる」を言うのかですね。好きですが。笑。長々と失礼しました。
Posted by ツッコミ at 2005年03月26日 22:26
どうもです。
オレはご存じの通り「CASSHERN」はさほど面白味を感じませんでした。
長くなるので簡単に言うと、「キャシャーンは月と言うキーワードと密接な関係にある」って事です。ヘルメットの三日月とか、ルナと言う名前とか。そしてあの稲妻は月から落ちてきた…。
後、いきなり「キャシャーン」と名乗った事に疑問ですが、近々うちでこの『ヒーローの名前はどうやってつける?』ってネタをしようと思っているので、お暇な時にでもまた覗いてみて下さい。
「オカーンがやらねば〜」はどんどん頂いちゃって下さい。
Posted by b_funk at 2005年03月27日 11:24
>ツッコミさま
こんばんは。
この映画には確かに突っ込みどころも、ほころびもけっこう沢山あったと思うんですよね〜。でもそれを補って余りある要素も持っている。役者さんの力も大きかったですね。テーマも含めて私にとっては愛すべき映画です。

>b_funkさま
こんばんは。
映画・小説・音楽・・・何がどう人の心に触れるかなんて本当に人それぞれ。たまたま「CASSHERN」は私にはHITしたと・・・そういうことです。

>「キャシャーンは月と言うキーワードと密接な関 係にある」って事です。ヘルメットの三日月と  か、ルナと言う名前とか

詳しく聞きたいなぁ。映画でも月よりの使者「CASSHERN」ってなってたように思うけど・・・何か「月」にまつわる伏線ってはってありましたっけ?
大きな月がブライやキャシャーンのバックに配されていましたよね。ああ・・・気になってきた。DVDもっかい見たいんだけど、3時間かかるからなぁ。

>『ヒーローの名前はどうやってつける?』ってネタ

楽しみにしてますね。また覗きに行かせていただきます。
Posted by sweetpea at 2005年03月27日 21:35


 
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