2010年01月16日

近刊案内

グンナー・ミュルダールのことを知ったのは、権丈善一先生の『再分配政策の政治経済学〈1〉日本の社会保障と医療』慶應義塾大学出版会,2005.8でした。



藤田菜々子『ミュルダールの経済学 福祉国家から福祉世界へ』NTT出版,2010.2.11

定価:3,990円
サイズ:A5判



○内容紹介
スウェーデン生まれの経済学者、グンナー・ミュルダール(1898-1987)は、貨幣理論家から研究キャリアを開始し、経済学説史・方法論研究、スウェーデンでの政治活動(失業・福祉政策への関わり)、アメリカ黒人問題調査、国連欧州経済委員会活動、インドの貧困問題調査などを次々にこなし、1974年、ノーベル経済学賞を受賞した。
本書は、この多様性に富むミュルダールの諸研究について、その全体像を明らかにする。中でも、ミュルダールにおける福祉、あるいは福祉国家論の展開に注目し、ミュルダールが思索と行動の先に見出したものが現代にあって、いかなる意味と価値を持つかを問い直す。1930年代スウェーデンの人口問題から、第二次世界大戦後のスウェーデン福祉国家の経済的・社会的成功、先進諸国の繁栄とは対照的な低開発諸国の状況、そして「福祉国家を越える」という提言まで、ミュルダールが提起した問題を、現代のグローバル化の中で再検討する。

○目次
序 章 ミュルダールの経済学の全体像

第1部 伝記
第1章 グンナー・ミュルダール―人と業績

第2部 ミュルダールの経済学の方法と理論
第2章 「価値前提の明示」の方法論
第3章 累積的因果関係の理論
第4章 累積的因果関係論の諸潮流とミュルダール

第3部 福祉国家から福祉世界へ
第5章 1930年代スウェーデンの人口問題
補 章 人口論におけるケインズとミュルダール
第6章 福祉国家の形成
第7章 低開発経済の動態
第8章 福祉世界の構築

終 章 ミュルダールから現代へ

○著者紹介
藤田菜々子(ふじた・ななこ)
1977年三重県生まれ。
1999年名古屋大学経済学部卒業。
2005年名古屋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。
現在、名古屋市立大学大学院経済学研究科准教授。
主な業績に「ミュルダールにおける福祉国家と福祉世界――累積的因果関係論 による統合的理解」
(小峯敦編『福祉国家の経済思想――自由と統制の統合』 ナカニシヤ出版、2006年)ほか。

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