2008年09月03日
深き森に蠢く漆黒の魔獣
ギルドからの急使がポッケ村へとたどり着いたのは、タマゾウ達がクエスト成功を祝うささやかな酒宴を催している最中のことだった。
かなりあわてた様子の急使はギルドマネージャーに密書を手渡すと、ギルドマネージャーが止めるのを遮って、次なるギルド出張所へと向かった。その様子を見ていたシャオがギルドマネージャーにすぐさま駆け寄り、急使が携えた密書をのぞき込む。
ギルドマネージャーはそんなシャオの素早い動きを制して、厳かに宣言した。
「ちょっとシャオさん、あわてる乞食はもらいが少ないって言うでしょ。あわてなくてもちゃんとみんなに密書の内容を教えるわよ。」
シャオはマネージャーに機先を制され、すごすごと元の席につく。
周囲からは笑みが漏れるが、シャオがひと睨みすると、笑おうとしていた輩が八つ当たりを避けようと素知らぬ顔をつくる。
マネージャーが読み上げた密書の内容は、樹海で確認された未知の飛竜について、至急調査して欲しいと言うもので、すでに先発したギルドの調査部が消息を絶っているという情報も付け加えられていた。
「未知の飛竜だって!?いったい、どんな飛竜なんだ?」シャオが身を乗り出してマネージャーに問う。
「残念ながらギルドでもその飛竜に関しての情報がほとんどないみたいなの。だからこそ調査をかねた狩猟の依頼なのでしょうね。」そう答えるマネージャーはどことなく密書の内容に不満のようだ。
「ギルドの調査部って、結構腕がたつって聞いてたけど、そいつらが消息を絶ったってのが気になるな。少しの情報もないんじゃ、どんな武器でいったらいいのか見当もつかない。」タマゾウがそう言うと、ユズとオトメがそれに同調する。
「じゃあ、今回はお前ら留守番な!」
シャオはそう言ってギルドからの急使がもたらしたクエストを受注する事を宣言した。あまりの早業にタマゾウはあっけにとられたが、すぐに抗議の声をならす。
「おいおいシャオ、あわてる乞食はなんとやらってマネージャーに言われたばかりだろうが!」タマゾウがそう言って立ち上がると、シャオは素早くギルドのカウンターへ走り、受付嬢から紙とペンを奪い取るとそこに何かを書き記すとボードに貼ってしまったのだ。この間わずか30秒。
「へへん!もうクエスト貼っちまったぞ!なんなら連れてってやってもいいけど?」シャオは得意げに言い放つと元の席に戻って飲み残したブレスワインをあおる。
「この野郎…」あまりの早業にタマゾウは歯ぎしりするしかない。
そうこうする間にもシャオが貼ったクエストに興味を持ったハンター達が群がっている。
ハンターが未知なるモンスターには恐怖と同時に好奇心を刺激されるのはもはや習性であるといって過言ではない。どんな攻撃を繰り出すのか、どんな属性攻撃に弱いのか。そこからどんな装備や武器が作れるのか。
恐怖心よりも好奇心の強いことがハンターになるための条件のひとつだといっていいだろう。
クエストボードに群がるハンター達を見やると、タマゾウはシャオに
負け惜しみともとれる発言をする。
「わかった。今回はシャオに譲る!」意外な発言にボードに群がるハンター達からどよめきが起こる。
「そうね。そうしましょう。シャオさん達のパーティを先遣隊として、タマゾウさん達はバックアップにまわって。これはマネージャーである私の決定です。」本来ならクエストメンバーについてまで口出しをしないマネージャーがそう宣言した。
「このクエストにはなにかある…」マネージャーの介入の裏に何かを感じ取ったのはタマゾウ達だけではなかったが、そんな疑念も未知の飛竜との初対戦という誘惑の前には軽く吹き飛んでしまう。それだけ魅力的な臭いがするのだ、このクエストからは…
シャオは同行するメンバーを選ぶのに一苦労していたが、経験や実力をふまえて、イオリ、カノン、ハヤテの3名を選んだと宣言した。
タマゾウはユズ、オトメに同行を申し出、二人とも快諾した。そして、各々のパーティはクエストの準備のため、酒場を出て行く。
翌日、二つのパーティは樹海へと赴くべくポッケ村を出発した。
樹海の奥深く。鬱蒼と茂った樹木は太陽からの光を遮り、昼間であっても夜のような薄暗さに支配されている。そんな闇の中に赤い光が浮かび上がる。その光は禍々しさに満ちた眼差しだった。
赤い眼光を放つ飛竜は闇の中でうごめいていた。自分を狩ろうとする者の気配を察知してか、すでに戦闘態勢が整っているようだ。樹海の木々の間から漆黒の固まりが飛び出してきた。まるで闇そのものが飛び出したかのような黒いその体は全体に光沢を帯び、美しささえおぼえる。
グオオオオオオオオオ!
その飛竜が威嚇の雄叫びをあげた先にはまだ、何者も存在していない。あるいは、身の程知らずにも自分を狩ろうとしている者達への威嚇であったかもしれない…
かなりあわてた様子の急使はギルドマネージャーに密書を手渡すと、ギルドマネージャーが止めるのを遮って、次なるギルド出張所へと向かった。その様子を見ていたシャオがギルドマネージャーにすぐさま駆け寄り、急使が携えた密書をのぞき込む。
ギルドマネージャーはそんなシャオの素早い動きを制して、厳かに宣言した。
「ちょっとシャオさん、あわてる乞食はもらいが少ないって言うでしょ。あわてなくてもちゃんとみんなに密書の内容を教えるわよ。」
シャオはマネージャーに機先を制され、すごすごと元の席につく。
周囲からは笑みが漏れるが、シャオがひと睨みすると、笑おうとしていた輩が八つ当たりを避けようと素知らぬ顔をつくる。
マネージャーが読み上げた密書の内容は、樹海で確認された未知の飛竜について、至急調査して欲しいと言うもので、すでに先発したギルドの調査部が消息を絶っているという情報も付け加えられていた。
「未知の飛竜だって!?いったい、どんな飛竜なんだ?」シャオが身を乗り出してマネージャーに問う。
「残念ながらギルドでもその飛竜に関しての情報がほとんどないみたいなの。だからこそ調査をかねた狩猟の依頼なのでしょうね。」そう答えるマネージャーはどことなく密書の内容に不満のようだ。
「ギルドの調査部って、結構腕がたつって聞いてたけど、そいつらが消息を絶ったってのが気になるな。少しの情報もないんじゃ、どんな武器でいったらいいのか見当もつかない。」タマゾウがそう言うと、ユズとオトメがそれに同調する。
「じゃあ、今回はお前ら留守番な!」
シャオはそう言ってギルドからの急使がもたらしたクエストを受注する事を宣言した。あまりの早業にタマゾウはあっけにとられたが、すぐに抗議の声をならす。
「おいおいシャオ、あわてる乞食はなんとやらってマネージャーに言われたばかりだろうが!」タマゾウがそう言って立ち上がると、シャオは素早くギルドのカウンターへ走り、受付嬢から紙とペンを奪い取るとそこに何かを書き記すとボードに貼ってしまったのだ。この間わずか30秒。
「へへん!もうクエスト貼っちまったぞ!なんなら連れてってやってもいいけど?」シャオは得意げに言い放つと元の席に戻って飲み残したブレスワインをあおる。
「この野郎…」あまりの早業にタマゾウは歯ぎしりするしかない。
そうこうする間にもシャオが貼ったクエストに興味を持ったハンター達が群がっている。
ハンターが未知なるモンスターには恐怖と同時に好奇心を刺激されるのはもはや習性であるといって過言ではない。どんな攻撃を繰り出すのか、どんな属性攻撃に弱いのか。そこからどんな装備や武器が作れるのか。
恐怖心よりも好奇心の強いことがハンターになるための条件のひとつだといっていいだろう。
クエストボードに群がるハンター達を見やると、タマゾウはシャオに
負け惜しみともとれる発言をする。
「わかった。今回はシャオに譲る!」意外な発言にボードに群がるハンター達からどよめきが起こる。
「そうね。そうしましょう。シャオさん達のパーティを先遣隊として、タマゾウさん達はバックアップにまわって。これはマネージャーである私の決定です。」本来ならクエストメンバーについてまで口出しをしないマネージャーがそう宣言した。
「このクエストにはなにかある…」マネージャーの介入の裏に何かを感じ取ったのはタマゾウ達だけではなかったが、そんな疑念も未知の飛竜との初対戦という誘惑の前には軽く吹き飛んでしまう。それだけ魅力的な臭いがするのだ、このクエストからは…
シャオは同行するメンバーを選ぶのに一苦労していたが、経験や実力をふまえて、イオリ、カノン、ハヤテの3名を選んだと宣言した。
タマゾウはユズ、オトメに同行を申し出、二人とも快諾した。そして、各々のパーティはクエストの準備のため、酒場を出て行く。
翌日、二つのパーティは樹海へと赴くべくポッケ村を出発した。
樹海の奥深く。鬱蒼と茂った樹木は太陽からの光を遮り、昼間であっても夜のような薄暗さに支配されている。そんな闇の中に赤い光が浮かび上がる。その光は禍々しさに満ちた眼差しだった。
赤い眼光を放つ飛竜は闇の中でうごめいていた。自分を狩ろうとする者の気配を察知してか、すでに戦闘態勢が整っているようだ。樹海の木々の間から漆黒の固まりが飛び出してきた。まるで闇そのものが飛び出したかのような黒いその体は全体に光沢を帯び、美しささえおぼえる。
グオオオオオオオオオ!
その飛竜が威嚇の雄叫びをあげた先にはまだ、何者も存在していない。あるいは、身の程知らずにも自分を狩ろうとしている者達への威嚇であったかもしれない…
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この記事へのコメント
チョコミントくださぁい!
ワクワクドキドキの展開で、先が気になります・・・。
ワクワクドキドキの展開で、先が気になります・・・。
Posted by いおり at 2008年09月05日 22:09
最近、乙女さんの出番少なすぎない?ww
Posted by 竜 at 2008年09月23日 13:07
いおりさん>
毎度どうも。毎回毎回一本書くごとに充電しないと表現が陳腐になってしまうのです(笑)
続きは忘れたころにアップするかもw
竜さん>
コメントありがとうございます。乙女さんのファンですか?
読み物の方ではこの後の回で活躍予定です。が、次回掲載予定は未定ですw
毎度どうも。毎回毎回一本書くごとに充電しないと表現が陳腐になってしまうのです(笑)
続きは忘れたころにアップするかもw
竜さん>
コメントありがとうございます。乙女さんのファンですか?
読み物の方ではこの後の回で活躍予定です。が、次回掲載予定は未定ですw
Posted by たまぞう@管理人 at 2008年09月25日 11:28

