2010年02月09日

2/9東京・阿佐ヶ谷 ネオ書房


neoshobo.jpg北口のロータリーを突っ切り、『北口アーケード街』を「千章堂書店」を横目に通り抜ける。そのまま歩道にレンガが敷き詰められた『旧中杉通り』を北へ進む。100mほど歩くと、右手に電柱の陰にひっそりと隠れたお店の姿。お店の上方から飛び出した電灯看板には『新刊 貸本 売買』とあるが、今は完全なる古本屋さんである。以前は老舗貸本チェーンの「ネオ書房」だったのだろうか…。大きな日除けの下には、クリスマスの電飾が侘しくからまった『安売り一番をめざす店』と書かれた看板。店頭には、左に90円文庫・50円文庫・50円コミック・90円ビデオ(ラベルが手書きの家庭用ビデオも混入)が並ぶグラグラの棚。右には二冊50円〜五冊100円の文庫&コミック棚と、50円コミック棚が置かれている。ちなみに営業終了後も棚に放置されている本は、出入口左側に設置されたポストに料金を投入することにより、セルフで購入することが出来るのだっ!サッシを開けて中に入ると、本がギッシリの狭めな店内。壁はビッチリ古い造り付けの本棚で、真ん中に背中合わせの棚が一本、左奥に棚に囲まれた木の帳場があり、ニット帽を被った老店主が、座ってハサミでジョキジョキひたすら何かを切っている。正面のビジュアルムック&写真集ラックを避けるように右側通路へ。壁棚には日本文学文庫・古めの創元推理文庫・時代劇文庫がズラッと並び、下には乱雑に積まれたコミックやアニメムック。それほど状態は良くないが、絶版文庫は中々に多い。向かいはコミックが並ぶ奥に、社会運動系の本が集まっている。左通路に移ると、右の通路棚はすべてコミック、左に日本文学・ノンフィクション・社会・科学・映画などがカオスに並び、その後は共産党関連・労働運動・社会運動たちが強烈な光を放ち始める。ふおぉぉっ!金子修介(映画監督)のお父さんの本「ゼッケン8年」(ベトナム戦争当時、『アメリカはベトナムから手をひけ』と書いたゼッケンを着けて、8年間生活した男の話。洋泉社「活字秘宝 この本は怪しい」参照)が売っている!欲しいっ!欲しいが…高いなぁ…くぅ〜…。と俯くと、下にはビニールに包まれて、ズラッと並ぶ大判本。基本的にはタイムカプセル古本屋さん的である。特にコミックはその傾向にあるが、運動関連本の充実っぷりは目を瞠るものがある。値段は意外に高めのしっかり値…表の看板に偽り無く、『安売りのお店』ではなく『安売りをめざすお店』と言うことか。…「ゼッケン8年」…どうしようかなぁ…。新潮文庫「忘れ得ぬ芸術家たち/井上靖」を購入。
 
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2010年02月08日

2/8東京・白金高輪 リサイクル書店 白金ブックセンター


siroganebookcenter.jpg駅の4番出口を出ると『白金アエルシティ』(昭文社の「東京都市図文庫版」では“白金エアルシティ”に!)と言う、小ぶりな複合施設の足元。地上に出て東の大通りへ。そこを北に向かうと魚籃坂下の歩道橋脇に、ビルの一階に陣取るお店を見つけることが出来る。おぉ、道路の対岸には店主がマシラのように本の山に駆け上がる「小川書店」(2008/09/28参照)が見えているではないか。さて、振り返ると軒には巨大な深緑の看板、店頭の両脇には空を舞うような本のイラスト、そして七本の店頭棚にノベルス・単行本・全集端本・コミックが100円均一で並んでいる。雑誌の入ったカゴもあり。メタリックな店頭から中へ足を踏み入れると、何だか新刊書店と見紛うキレイな店内。壁際はすべて本棚で、真ん中の手前と奥に四本ずつ背中合わせの棚が置かれている。棚には『寄りかからないで』の注意書き。そのさらに奥に平台と棚があり、奥の壁際にレジと作業場が設置されている。さらに店舗スペースは右奥に広がり、壁はぐるりと本棚、真ん中に背中合わせの棚が置かれている。入口の左横には児童文学やゲーム攻略本が並ぶが、縦長フロアの左半分はコミックに占領されている。右壁にHOW TO文庫・教養系文庫・純文学文庫・歴史文庫・女流作家文庫・日本文学男性作家文庫がズラーリと並ぶ。向かいには海外文学文庫と共に、ハヤカワSF&ミステリが収まる。右から二番目の通路には、ノベルス・BL文庫・ティーンズ文庫・官能文庫・ハーレクインが手前に並び、奥には新書・自然・動植物・生き方・ガイド・資格が収まる。三番目通路の右側には、女性実用・映画・音楽・スポーツ・タレント・コミックノベライズ・サブカル…むぅ〜見かけも新刊書店なら、棚もかなりな割合で新刊書店っぽいことに…。レジ前には新刊入荷本の棚があり、さらにスピード感のある並び。ただし経済や実用書多し。その横には実用ムックが平台に並ぶ。マスクをした女性がいるレジ前を通過し、右奥のスペースへ。天井近くの梁には、大きなジャンル分けの紙がベタベタと貼られている。壁棚には左からぐるっと、日本文学男女・海外文学・ノンフィクション・宗教・オカルト・経済・パソコン・鉄道・美術・歴史・文化・住宅・全集・文芸誌と続き、一巡り。真ん中の棚には、歴史文学・写真集・雑誌・大判本・政治・日本&海外人物評伝(珍!)・みすず本・詩集・文学評論。横に写真集のラックもあり。最近刊中心の棚は驚異的であり、書店で『いつか買おう』と思ってた本が、ポコポコ見つかる恐ろしさ。値段は定価の半額前後。当然新しいものほど高値になる仕組み。取りあえず買いまくると恐ろしいことになるので、グッと堪えて今日は新書のみを購入。そして帰宅後、ポケットから出てきたレシートに目を落とすと、そこには「ぽんぽん船」の文字と舵のマーク!えっ?横浜方面に多いチェーン古書店の「ぽんぽん船」?……新たなナゾがひとつ生まれた瞬間であった。mille books「本を開いてあの頃へ/堀部篤史」アフタヌーン新書「がっかり力/本田透」を購入。
 
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2010年02月07日

2/7千葉・南柏 書斎


shosai.jpg西口を出るとロータリー。その中心から真っ直ぐ北西にのびる通りを進むと、『水戸街道』とぶつかる『南柏駅西口交差点』。おぉ!すでに左前方、横断歩道の向こうにお店が見えているではないか!西日できらめくアスファルトを渡り、二軒長屋的住宅兼店舗の左側に立つ。店名は…どこにも無い。煙草と清涼飲料水の自販機に囲まれた店頭には、右に雑誌ラック、左に二冊100円文庫や新書の乗った長机と、100均単行本の棚がある。入口の上にはアイドル雑誌・映画雑誌・貴乃花ムック・小野田さん帰国グラビア誌などが飾られている。サッシを開けて入店すると、棚が複雑に入り組む縦長な店内。暖かな石油の匂いが漂い、どこからかテレビの音と身じろぎが聞こえてくる。入口の両脇は“コ”の字に棚が組まれ、真ん中の棚の間を抜けると、左に帳場とその奥がカーテンで隠されたアダルトゾーン。壁を棚が覆い、真ん中に奥の壁まで続く背中合わせの棚が一本あり、狭い二本の通路を造り上げている。ジャージ姿の中年店主は横向きにテレビを鑑賞中。入口の右横は廉価コミックがビッシリ並ぶ、毒々しいコーナー。左横には、女性・実用・最近刊ミステリ・タレント・コミック・100均文庫が並ぶ。スルッと右側の通路に進むと、右壁に経済・語学・辞書・面出し最近刊・岩波文庫・ちくま文庫・雑学文庫と並び、後は日本文学・歴史・社会・探偵小説・科学・文化・自然・戦争などがせめぎ合うカオス的棚。古い本もチョイチョイ顔を見せている。前半の棚は二重で、後ろにコミック揃いがチラリと見えており、棚脇に何が収納されているのかがしっかり明記されている。奥には建築や大判本。向かいの通路棚は、時代劇文庫・純文学文庫・コミック文庫が収まっている。左の通路にそっと移ると、左壁は新書&実用ノベルス棚・アダルト入口・コミック棚。右の通路棚は、文庫揃い・官能文庫・海外文学文庫・作家50音順日本文学文庫が並ぶ。帳場の内側には絶版漫画棚も造られている。街の古本屋さん的ではあるが、文庫に絶版が多く単行本もカオスで、不思議な深さあり。値段は安め。帳場にササッと近付き、精算ついでに気になるお店の名前を尋ねてみると、俯きながら「書斎……」とポツリ。そしてここからベンガルがスッキリした風体を持つ店主の快進撃が始まった。「店の名はね…こっちの裏に…色々いたずらされて…闘いがあってね…」と中々にハードな話がスタート。そこから『世間には相手の都合をまったく考えない人がいること』『客商売&万引との闘いも大変なこと』『最終的には身内が敵になること(何があったんですかっ!?)』『三橋美智也について』『新宿で働いていた時は、キャバレーでディック・ミネや小林幸子の営業を見たこと』『夫婦は50を過ぎたら世間に相手にされなくなるので仲良くなること』などなど…。最初は全く目を合わさずに喋っていたのだが、最後には笑顔も見せていただきました。お話が一体何処に着地するのかヒヤヒヤするが、何とか話の隙間を見つけて「気をつけます!」と訳の判らないことを言って辞去。その帰り際にも「それにしてもそんな本読むんだ。取りあえず並べてたけど、どんなのが売れるか判んないんだよねぇ〜。じゃあどうも〜」のセリフ。おぉ、この暖かな“書斎”と言うシンプルな名の古本屋さんに、幸多からんことを!裳華房「ミステリーと化学/今林嘉明・山崎昶」を購入。
 
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2010年02月06日

2/6埼玉・高坂 古本 陽炎堂


kageroudo.jpg川越を越えると、車窓は関東平野の田園風景と、駅を中心に形成される住宅街の繰り返し。電車からホームに出ると、何かが音を吸い込んでいるように森閑としている。西口に出てロータリーの右側に進み、『川越観光バス』の2番のりばから『鳩山ニュータウン』行きに乗り込む。今日目指すお店は、何たって山の向こうなのである。駅を離れたバスは、銅像と胸像が多数建立された不思議な通りを進み、やがて緩やかな山道に入り込む。『こども動物自然公園』や『大東文化大学』を車窓に流し、雪の残るワインディングロードをユラユラリ。山をひとつ越え、次に丘に上がると、広がり始める住宅街。所要時間15分ほどの『ニュータウン中央』にて下車。バス停から来た道を振り返ると、右に住宅街、左には塔を持った複合施設が見えている。青く広い空の下で静かに佇むその『タウンセンター』は、まるでどこかの港湾施設のようである。その塔の方へ近付いて行く。広場を過ぎ、塔の前を通過し、奥の『西友』へと続く陽の当たらないアプローチに立つと、右手奥に銀色の二階建て建物があり、その一階部分に古本棚が見えている。無機質に乾いた感じが一帯を覆っている…。現代建築風の吊られた庇の下には、全面ガラス窓のファサード。出入口には紙に印刷された店名が貼り付けられている。店頭には『古書』の立看板と、単行本100均棚(料金箱付きのセルフシステム採用!)、椅子の上に置かれた戦争100均箱とビデオ箱が並んでいる。中に入るとちょっと薄暗く広めな店内。奥から店主の高らかな話し声が聞こえてくる。床はツルツルした石のタイルで、壁際にはズラリと本棚、入口右横に小さな棚が二本、真ん中に背中合わせの棚が二本。左側はラックになっており、その向こうは本と絵が雑多に置かれた倉庫状態。左奥に棚に囲まれた通路があり、そこを進むとより薄暗い研究室のような、帳場兼事務所にたどり着く。通路は広めで棚は見やすい。入口右横には海外SF&ミステリ文庫・新書・文学文庫などが並び、そのまま右壁に宗教・思想・文学評論・出版・古本・海外文学評論・戦争&戦記(充実)と続いて行く。向かいの通路棚は、ズラリと並ぶ日本文学を中心に、歴史文学・海外文学が展開。棚脇棚の教養系文庫棚は、そのまま真ん中通路の岩波文庫・中公文庫・講談社文芸文庫・絶版文庫とつながり、社会・推理・幻想・オカルト・ハヤカワポケミスと続く。左側には200円新書・古い新書・世界と収まる。店奥の棚は、歴史・埼玉・郷土・自然・心理学・科学・音楽・映画・演劇・テレビ・落語・趣味・山岳・登山が並ぶ。左端通路は棚脇に図録、左のラックにビジュアルムック・雑誌・写真集・大判本、右の通路棚は文庫揃いと100均作家50音順文庫がズラリ。各棚の上には、全集やハードカバー本が重しのようにキレイに積まれている。帳場への通路には、美術・建築・辞書が並ぶ。店主は先ほどから忙しくお店の中を行き来し、常連客と「彷書月刊」の休刊を嘆いたり、中学生三人組に「何か探してるの?」と声を掛けたり、私の前を「前を失礼します」と言って通ったり、アグレッシブな動きを続けている。お店自体は、本もジャンルも充実の良質な古本屋さん。つながりが見える棚造りが魅力的である。値段は喜びの安めな設定。店主が帳場の奥まで侵入して来た中学生たちに「漫画は無いよ」と釘を刺すと、「漫画を探してるわけじゃないけど…」と言われてました(でも明らかに無目的に店内を徘徊。三人縦に連なって棚の間を移動する姿は、ドラゴンクエストのようである)。中学生と入れ替わりに帳場へ赴き、店主に本を渡すと、さらに喜びの心意気100円引き!ありがとうございます!さて、自分が何処にいるのか今もって良く判らないのだが、目的は達成されたのでまた山を越えて帰るとしよう。陽の落ちるその前に!全音楽譜出版社「音楽入門/伊福部昭」徳間文庫「良平のヨコハマ案内/柳原良平」文春文庫「わが青春の黒沢明/植草圭之助」を購入。
 
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2010年02月05日

2/5神奈川・梶が谷 古本 グリーンブック


greenbook.jpg谷底のホームから上に上がると、線路の上に浮かぶ駅舎。改札前の通りを西北へ進む。左にバスロータリーを見ながらツラツラ歩くと、T字路の交差点に行き当たるので、少し細くなった通りを南西へ進む。アスファルトに混ぜ込まれた青や白の欠片を踏み締め、住宅街を100mほど進むと、そのお店は唐突に現れる。実はここは何度来ても開いていなかったお店。『どうせ開いてないんだろうな…』と決め付けながら近付くと、シャッターが開いている!中に電気が点いている!『Open』の札が下がってる!と小躍りしたほど舞い上がりながら、お店の前に仁王立ち。いやぁ〜しつこいといい事もあるんだなぁ〜と実感。ちなみにこのお店、プレハブと言うか、ほぼ“箱”なのである。住宅の前庭に、ポンと置かれたような違和感がたまらない。右側の壁に『古本』の文字、正面には店名、左側出入口の軒上に『雑誌・文庫・単行本』と書かれていて、その基本色はグリーンである。三和土に上がり、観音開きのサッシ扉を開けて中へ。新しい建材の匂いが漂う店内は、明るくほぼ正方形で、内部も“箱”の印象である。左右の壁は平台付きの本棚、真ん中に平台付きの背中合わせの棚が一本、そこに入口に向かって大きなラックが外からの目隠しのように設置されている。店奥壁には横長の雑誌ラック、レジは入口右横にあり、エプロン姿の実直そうな中年男性が、雑音の多いラジオに耳を傾けている。入口正面の巨大ラックには、児童本や絵本が面出しディスプレイ。左壁棚に目を移すと、二列の100均出版社別文庫から始まっており、100均海外文学文庫・日本文学文庫・教養系文庫と続いて行く。足元の平台下にも棚があり、文庫の他にハーレクイン・ノベルス・新書なども少量並ぶ。文庫の並びはキッチリマジメな印象で、100均棚の方が古い文庫(と言っても70年代)が多く混ざる。向かいには100円単行本と廉価コミック、足元に実用が並ぶ。店奥のラックは、最近の雑誌とビジュアルムックがズラリ。ソロソロと右側に移ると、右壁にはコミック・タレント・エッセイ・ガイド・女性・東京・猫・犬と、ちょっと女性寄りな棚。向かいは絵本・児童文学&文庫がドッサリの、一番の充実ジャンルとなっている。母と子で立ち寄るのが最適なお店である。値段も喜ばれるであろう安めな設定。棚を見終わり“回れ右”の要領で振り向き、レジに本を差し出す。「あ、いらっしゃいませ」と立ち上がり、腰の低い接客。積年の恨みと言うわけではないが、やはり気になる営業時間を聞いてみると「大体14時〜17時なんですよ。ちょっと事情がありまして…。短くてすみません」とハニカミながら答えていただいた。なるほど、入れないわけでした。お互いに会釈をして店を出ると、すぐにシャッターが下り始めた。時間を見ると17時過ぎ…正確無比ですな。文春文庫「銀河鉄道の夜探検ブック/畑山博」集英社文庫「レストラン喝采亭/石和鷹」を購入。
 
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2010年02月04日

2/4東京最奥部古本屋

2009/12/06へのコメント&その後の情報提供者とのやり取りを基に、奥多摩方面へ向かうことを決意。目指すは『日向和田駅』近くにあると言う、恐らくは東京最奥部の古本屋「はらしょう古書店」である!『土間部分に本棚を置いた狭いお店で、古い本も多く表の均一文庫にも珍しいものが混ざっていた』とのこと…何と胸躍る説明であろうか!googleストリートビューでお店の姿を確認した時は、何だかゲームの隠しダンジョンを見つけたように興奮!しかし五年前に訪れた時はシャッターを閉ざしていたそうで、無論閉店している可能性も…しかしそんなことで怯んではいられない。もし何らかの痕跡が残っていれば、「古本屋遺跡」に認定出来るはずだっ!と言うわけで、青梅線は山間を走っている。『青梅駅』からは四両の電車に乗り換え、ドアの開閉も乗客自らがボタンを押して乗降する。駅は片側ホームのみの無人駅で、目の前には小さく山道のようになった『青梅街道』。そこを北へ向かい、すぐに西に現れる『神代橋』を渡る。眼下では多摩川が、深い谷底を『ゾゾゾ』と音を立て流れている。橋を渡り街を進むと『吉野街道』に行き当たるので、そこを北へ。もうすぐにお店の場所である。急ぎ足に歩道を進む……が、お店は無かった。古本屋は無かった。ただ普通の住宅が建っているだけであった。あぁ…やっぱり間に合わなかったのか…今回はとにかく遅かった、大遅刻であった。その住宅の周りと近所をウロウロキョロキョロするが、何の痕跡も発見出来ない…谷間を吹き抜ける風が、ことさら肌を凍てつかせる。…私は一体ここで何をしているのか…いや、まぁ確認しただけでも良しとしなければ…。トボトボと来た道を戻って行くと、『梅郷四丁目交差点』の向こうに“へそまんじゅう”と言う看板が見えている。せめて古本が買えなかった腹いせに、まんじゅうを買って行こうと思い立ち、寂しい売店で八ヶ入り(帰宅後に食すと超美味なのでビックリ!)を購う。再び交差点に戻り信号待ち。その時何気なくまんじゅう屋の方を振り返ると、金網に取り付けられたボロい手描きの町内地図が目に入った。もしや!と思い近付いてみると、酷いシミから逃れたギリギリの部分に「はらしょう古書店」の名を発見!ああぁぁぁぁっ!あったんだ!ちゃんとあったんだ!と汚らしい地図の前で、小さな感動に打ち震えてしまう。これが現在、東京の西・最奥部にある、脆く儚い古本屋遺跡なのです。

harashou.jpg
 
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2010年02月03日

2/3東京・上板橋 林家書店


hayashiya.jpg南口を出ると、小さな広場の向こうに『上板南口銀座』のゲートが見える。そこを潜って商店街に入り込み、中ほどで折れ曲がる部分を過ぎると、右手マンション一階にお店が見える。ちなみにこの商店街には他にも二軒の新刊書店があり、中々本に対して篤い街となっている。店正面左側に巨大な緑色テント地の店名看板。軒には同素材の日除けがあり、下には雑誌ラック三台・廉価コミック回転棚・廉価コミック棚が三本置かれ、非常に賑やかな店頭となっている。それに加え右側面にも五本の壁棚が展開。一冊100円三冊200円文庫&単行本が収まっている…日本交通公社「新婚旅行の手引き」と言う新書が笑える!こちらにも日除けと小さな出入口あり。外に開かれ、お客さんの出入りも多く、活気のあるお店である。正面から中に入ると、素っ気無く棚が並ぶ白い店内。右壁は出入口を挟んで本棚に覆われ、真ん中に背中合わせの棚が三本、左奥はラック付きの棚が置かれ、その奥にアダルトゾーンが造られている。出入口の両脇にラック、店の奥には乱雑だが絶妙なバランスで積み上がる巨大な本の島があり、その左端に帳場が埋もれている。出入口右横ラックにはムックとビジュアルムックが乱雑に並ぶ。右端の通路はコミックと少量のゲーム攻略本、二番目の通路もコミックで埋まっている。そこから見える店奥の本の島の向こうに、辞書や自然が並ぶ棚がチラリと見えている。右から三番目の通路には、右側が作家50音順ミステリ&エンタメ文庫・ラノベ・海外文学文庫、左側が教養系文庫・雑学文庫・時代劇文庫・新書・ノベルスが並ぶ。出入口左横には実用ムックと児童文学。左端通路の左側には、児童文学・ビジュアルムック・写真集・映画・大判本。右の通路棚には、最近刊文学・サブカル・タレント・日本文学・探偵小説・随筆・風俗・落語・歴史と並ぶ。並びは雑だが、ここには古い本も集まっている。基本は完全な街の古本屋さんだが、落語・歴史はその枠を超えている。値段も街のお店に相応しく、庶民の味方な安い設定に拍手!本を手に帳場へ向かうと、そこにはマスクをアゴに引っ掛け、おばあちゃんがチンマリと座っている。「いらっしゃいませ、ありがとうございます」とマイペースなおばあちゃん時間での応対。本の値段を確認しながら、声に出して暗算で計算して行く…と突然、そのウチの一冊に疑問を放ち始めた。「あら、これは400円。高いわね〜。何でこんなに高いのかしら?ねぇ何でかしらね?」と掟破りな質問!「あ、ちょっと古いからじゃないですか?」「だってほら、元は280円よ。それより高くなっちゃうなんて…これはいい本なの?」「いや、どうでしょう…」とあまりに素朴なおばあちゃんに、長嶋的返答しか出来ない私…。おぉぅ、こんな古本屋さんもあるんですね。心がザブンと洗われました。旺文社文庫「雪まろげ/安藤鶴夫」創元推理文庫「殉教カテリナ車輪/飛鳥部勝則」朝日文庫「江戸東京《奇想》徘徊記/種村季弘」を購入。
 
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2010年02月02日

2/2東京・京成立石 岡島書店


okajima.jpg駅南側に出て、さらに南の『奥戸街道』へ向かう。駅から街道までの間には商店街が展開しているが、ここはアーケード付きの細路地、『立石仲見世』を通ることをおススメする。立ち並ぶ小さなお店・看板、そして広がる横道の向こうに見える魅力的な飲み屋たち…すべてが心をザワつかせてくれる、そんな通りなのである。街道に出たならばひたすら東へ。ポツポツ残る古い商店建築が、心のザワつきを持続させてくれる。500mほど進みたどり着く『渋江公園前交差点』脇に、街道筋にしっかり溶け込んだお店を発見。大きな『誠実買入』の看板に小さな店名。緑の日除けの下には、出入口の両脇にスチール棚と平台が一つずつ。右には文学・復刻本・ノベルス、左には実用系単行本が収まっている。サッシを開けると、すぐの場所に棚が迫りちょっと入り難い。小ぶりな店内の両壁は本棚、真ん中に背中合わせの棚が一本、奥に帳場がありご婦人が薄型テレビで「徹子の部屋」を鑑賞中。右壁は海外文化・風俗・博物学・オカルト・探偵小説とマニアックなスタートダッシュを見せ、幻想文学・日本文学・文学評論・地方都市・江戸・東京・民俗学・美術・思想・辞書と走り抜けて行く。足元には未整理本やビジュアル本あり。向かいには、新書・映画・落語・官能小説が並び、下にはアダルト雑誌がドッサリ。棚脇の大判ビジュアル本棚を見て左側通路へ。帳場のご婦人は、次課長と徹子のやりとりに「アハハハ」と無邪気な笑い声を上げている。左壁は、刀・剣術・武道・ヨガ・宗教・道教・風水・占術・古代史・歴史・魚・料理・動物と並ぶ。向かいの通路棚は、岩波文庫・講談社学術文庫・ちくま文庫・時代劇文庫・一般文庫がズラッと並ぶ。荒俣宏&藤森照信が多く、そこから南方熊楠・今和次郎などがグッドなつながりを見せている。下には雑誌やビジュアル本。単なる下町の古本屋さんと思いきや、博物学・民俗学・宗教・武道の充実に驚愕。この一見乱雑だが、偏執的にギュッと締まった棚は一体…!?値段は普通〜ちょい高。本を手に帳場へ向かおうとすると、半藤一利風の店主がご帰還。「寒い」と言いつつ、本の束をご婦人と共に店の奥へバケツリレー。今日もタップリ仕入れ中のようです!ちくま学芸文庫「江戸・東京を造った人々1/『東京人』編集部編」河出文庫「箆棒な人々/竹熊健太郎」を購入。


matsushima_shoten.jpg●お花茶屋「松島書店」
お店を出た後、もう一軒気になるお店を確認するために、『お花茶屋駅』へ徒歩で向かう。再び立石駅に戻り、異様にテンポの速い踏切の警告音に驚きつつ北へ。商店街にある「ブックスU」は、お花茶屋の支店と共に改めて訪ねる予定。20分ほど歩いて駅に到着し、東側にある『曳舟親水公園』のある広い通りへ出る。すると…目的のお店はもはや古本屋ですらなく、壁面には白いシートが掛かった崩壊寸前の廃墟の姿…ん?お店の扉が開いており、そこを人が忙しく出入りしている…あぁぁぁっ!本を運び出しているっ!素早く店に近付き中を覗き込むと、剥き出しになり傾いだ本棚が見えている。その奥の暗闇にうごめくヘッドランプの男たち…推察するに、建物取り壊しの前に、奥に溜まっていた古本を発掘しているのだろう。手際よく紐で括った本を、次々とトラックの荷台に放り込んでいる。ホコリと汚れが酷いらしく、かなり閉口している模様。今度は荷台に近付くと、確かに汚れ、そして時代の停止した古本たちが山となっている…あぁ、汚れてもいい!掘り出してみたい!暗闇でもいい!お店の中に入ってみたい!しかしそんなことよりも、お店の営業時に来店出来なかったのが、返す返すも残念でならない。このお店と私の接点は、廃業後の古本運び出し現場の目撃のみとは…。「松島書店」よ、長い間お疲れさまでした。
 
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2010年01月31日

1/31東京・鬼子母神前 ひぐらし文庫


higurashi.jpg早稲田から都電荒川線に乗り込む。谷から上がり切り通しのような『目白通り』下を潜ると、10分ほどで目的の駅。線路を横切る『鬼子母神通り商店睦会』を西へ進むと、すぐに景色を一変させるケヤキ並木の参道が現れるが、そこには入らずそのまま西へ進む。すると左手に、出来たばかりの真新しいお店が姿を見せる。小さなハイツの一階部分が店舗となっており、ファサードは白い木材で造り上げられている。路上に小さな立看板が置かれ、裏側には喫茶部門のメニューが貼り付けてある。図案化されたセミのマークはやはり“ひぐらし”なのだろうか?左壁下に木製の店名看板、店頭には箱に入った100円雑誌と50円ワゴン。ブロックのようなカバー無し京極夏彦ノベルスも並んでいる…そう言えばデビュー作の「姑獲鳥の夏」は、雑司ヶ谷や鬼子母神が舞台だったなぁ…。戸を開けて中に入ると、右は喫茶カウンター左は本棚の狭い店内。黄金町の「猫企画」(2009/11/15参照)と似ているが、もちろんいかがわしさはゼロなのである。先客の青年が一人おり、珈琲を飲みながら棚を眺めたり、お店の女性にポツポツ質問などしている。店内BGMは曽我部恵一BANDである。入口左横には雑貨・ミニコミ・実用ムックが並び、左壁際手前の低い棚には、雑貨本・散歩・東京・絵本・コミックが収まっている。奥の背の高い棚には、サブカル・みうらじゅん・思想・雑貨・写真・美術・日本文学・江戸川乱歩関連・阿部和重・伊坂幸太郎・海外文学・古本・出版・編集などが並ぶ。蔵書量は少ないが、あまりにピンポイントなセレクトぶりが、潔く心地良い。本はみなキレイで値段は普通。棚には新刊もかなり混ざっているので注意が必要である。本を買うと、温かいフレッシュハーブティーの試飲を勧められる。ハーブティーと言うのは、どうも歯磨き粉を飲んでいるようで苦手なのだが、身体はしっかり暖まりました。今度はカウンターでほうじ茶でも飲みたいと思います。河出書房新社「ヤンキー文化論序説/五十嵐太郎編著」朝日文庫「風のかたみ 鎌倉文士の世界/伊藤玄二郎」を購入。

帰路、「旅猫雑貨店」と「古書 往来座」にも立ち寄り、往来座にて五月書房「長崎奉行犯科長/森永種夫」を購入。
 
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1/30東京・矢口渡 ドリーム書店


dream.jpg改札を出てすぐの踏切を渡り、南へに延びて行く『矢口渡商店街』をズシズシ進む。お祭でもないのに露店が立ち並び、夕焼けが似合う活気溢れる商店街となっている。香ばしい匂いに鼻をひくつかせ200mほど進むと、二つ目の十字路脇にあるお店にたどり着く。以前来た時(2009/10/20参照)はガッチリ閉まっていた…苦い経験の後に開いている雄姿を見られるのは、どんなお店であろうと到達感倍増である!三階建マンションの三階部分に店名看板(この街にとっては高過ぎる気が…)、他にも正面と横道の軒に店名看板(白地に黄文字で読みづらい…)が設置されている…そこに踊るのは“ドリーム”…。路上には『本』一字の立看板が置かれ、105円コミックワゴン・雑誌ラック二台・105円単行本&文庫棚と続いて行く。ドア式のサッシ扉を『ギキッ』と開けて中に入ると、目に入るのはコミックばかり。しかしさらに奥に目を凝らすと、そこには目指す古本が集められている。手前のコミックゾーンには地元の中学生が頻繁に訪れ、繁盛の気配を見せている。左側にある絶版漫画棚に囲まれたレジには、40代とおぼしきご夫婦がおり、その中学生と楽しげにコミュニケーション中。会話の合間合間に、おススメコミックの連続購入を勧めている…非常にアグレッシブな営業である。コミック棚の間を抜けて奥に進むと、三方の壁が本棚で覆われ、真ん中に背中合わせの棚が三本、右端通路に小さな文庫棚、左端にアダルト小部屋入口の構成となっている。右壁は作家50音順日本文学文庫・ラノベ。店奥壁は雑学文庫・新書・ノベルス・最近刊ミステリ&エンタメ・文化(突然井上円了が出現!&「帝都物語異聞」なども!)・実用・タレント・サブカル。左壁は歴史&時代劇小説・写真集・アイドルと収まっている。真ん中の棚には、右からハーレクイン・海外文学文庫・時代劇文庫・官能文庫・315円単行本と並んでいる。棚を構成するのは新しい本ばかりで、あくまでも新古書店風なのだが、時折あなどれない本が散見されるのが不思議なお店である。値段は定価の半額が中心。レジでは私相手でも元気過ぎる応対が楽しく進行します。ビバ、ドリーム!早川書房「一角獣・多角獣/シオドア・スタージョン」を購入。
 
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2010年01月29日

1/29埼玉・南与野 大学書房


daigakushobo.jpg埼京線の駅はどれも宙に高く浮かび上がっているようである。もちろんここも例外ではない。ようやく地上である西口に出ると、そこに広がるのはだだっ広い荒涼とした空間…そんな駅周辺を囲むように、街が広がっている。200mほど北にある『埼大通り』に出て、ひたすら西へ!途中の『国道17号』も越えて二キロ近く進むと、『埼玉大学』正門前からウネッと北へのびる道沿いのマンション一階にお店を発見…遠かった…どうやら駅からバスで来るのが正解なのであろう。それにしても大学の真ん前に古本屋さんがあるのは、素晴らしいことである。軒には達筆な四分割の店名看板、その下はガラスウィンドウで右側に出入口がある。店頭台などは無く、ウィンドウの向こうには横積みされた全集類が存在感…そして中に入ると乱雑な店内。通路はしっかりと確保され歩き難くはないが、そこかしこに無造作に低く積み上がった本の山が作られている。ドア横の『営業中』の札の裏には『整理整頓』と力強く書かれている…今年中に実行されることを願っております。左右の壁には同型のスチール棚が並び、真ん中にもスチール棚が背中合わせに置かれている。ウィンドウ近くには、洋書や教科書類が収まったラックやワゴンもある。店奥には横向きに背中合わせの一本置かれ、その向こうにある帳場の衝立のようになっている。右の壁は理工系の教科書からスタート。途中に生物・全集・文学評論・映画などが少量顔を見せ、奥には辞書・辞典類がズラリ。向かいは建築系教科書・新書・美術が並ぶ。下を見ると箱から飛び出さんばかりの百人一首の札が目に入る…札が欠けちゃいそうだなぁ…と余計な心配をしながら左側通路へ。棚脇には、東京新聞の社説(特に秋葉原事件関連)がたくさん掲示され、その下には小さな時代劇文庫棚。左壁棚には、社会・心理学・教育・政治・思想・経済・文化と硬めなジャンルがズラリ。向かいは洋書・海外文学文庫・日本文学文庫がタップリ収まっている。古い本も多く乱雑に三重に並んでいるので、辛抱強く掘り起こす気持ちが大事である。奥の横向き棚は、手前が岩波文庫・赤、奥が岩波文庫・青となっている。教科書と硬めな本が集まり、大学正門前に相応しいお店となっている。文庫は絶版も多く、探す楽しみあり。値段は安め〜普通。帳場前に立つと、河原崎長一郎風店主が読書中。「すいません」と本を差し出すと、無言で私を一瞥した後、本を受け取る。しかしその後もめげずに、値段のついていない本についてやり取りをしてゆくと、尻上がりに愛想が良くなってくる。単にスロースターターなだけなようです…よかった。岩波文庫「茶話/薄田泣菫」岩波文庫「怪談/ラフカディオ・ハーン 平田呈一訳」を購入。
 
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2010年01月27日

1/27東京・神保町 虔十書林


kenjyu.jpg『駿河台下交差点』近くの、『明治通り』と『靖国通り』をナナメにつなぐ脇道『富士見坂』。その『明治通り』側口近くの脇道にある。この坂は下っている時は普通の道に近いのだが、『靖国通り』から入ると『坂道なんだな』と思わされる。それにしてもここから富士山が見えたとは…今は古書店街のビルが見えるのみ…。路上には『古本』の立看板、ビル一階の店舗壁面には黄色の巨大看板に、両足を揃えた白黒猫のイラスト。ウィンドウには大量の映画スチールが貼られ、店頭には本棚二本と数台の平台やワゴンがひしめいている。大量の21世紀ブックス・古い日本文学(島崎藤村多し)・古い海外文学・雑誌・浮世絵・映画パンフ&ポスターなどなど。それにしてもこの特徴ある店名…やはり宮澤賢治の「虔十公園林」に由来しているのだろうな、と考えつつ真ん中の出入口から店内へ。中は横長で、スチールの貼られたウィンドウ以外は本棚やガラスケースで覆われている。真ん中には、右側にラック、左側にガラスケースが置かれている。左奥にレジがあり、高倉健と「夕陽のガンマン」ポスターに見守られながら、ご婦人がお仕事中。右のラックにはビジュアルムック・ビジュアル雑誌・音楽・美術図録が並んでいる。右の隅に小さな署名本棚があり、狭く通り難い隙間を抜けて右壁にたどり着くと、そこには大量の宮澤賢治関連本!「虔十」の名に恥じぬ充実の棚である!他にも音楽と詩集が並ぶ。奥の壁には、澁澤・種村・稲垣・中井などの幻想文学・日本文学・海外文学・博物学・シュルレアリスム・ダダ・美術・日本美術・茶・陶芸と続き、真ん中下部のガラスケースには豪華本や詩集が収まっている。そのまま左側ゾーンに踏み込むと、壁棚は写真・テレビ・演劇・SF・特撮・映画雑誌・映画が並ぶ。真ん中のガラスケースには、ドッサリと横積みされた映画パンフが詰め込まれている。上にはチラシファイル、横には映画ポスターラックあり。入口左横には、シネアルバム・ビジュアルムック・画集・イラスト集。ガラスケース内に豆本類。そしてレジ横に梶井基次郎・谷沢永一・中村真一郎など特定作家の本と、こけし・奇書関連が集められている。映画(ビジュアル関連)・美術・宮澤賢治に明るいお店。古い本は何故か店頭が一番多い。値段は普通〜高め。私にとっては、時々覗くとタイミング良く探している本が見つかる、不思議なお店なのである。精算後に本を入れてくれた袋を見ると、猫のイラストに先ごろ亡くなったやまだ紫氏のクレジット。出来れば荒縄を腰に巻いた「虔十」のイラストを描いて欲しかった…と不埒なことを考えて、夕陽が貫く『富士見坂』を帰路に着く。日本テレビ「傷だらけの天使/日本テレビ編」を購入。
 
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2010年01月25日

1/25三重・宇治山田 古本屋ぽらん


polan_ujiyamada.jpg大阪での仕事を無事に終えて、本日は帰京のみのはずが、仕事先の口車に乗せられ“お伊勢参り”に同行する羽目に。ならば私もとことん楽しく行こうじゃないかと、途中から別行動で古本屋ツアー決行!この神道と祝祭の街にも古本屋さんがあったのだ!壮麗で悪夢的に横長のヨーロッパ城砦風駅舎を出ると、西口のロータリー。目の前の『八間道路』をウネウネと北へ。するとすぐにJRの踏切が見えて来る。そこを渡りさらにその先の近鉄の高架を潜り、すぐの脇道を東へ入る。そこを道なりにウネウネ進むと、左に風情ある家が並ぶ、一方通行の道が現れる。駅前の地図には『河崎のまちなみ』と書かれていた。『勢田川』沿いの寂しい裏通りではあるが、時間を遡行したような街並みは、私を一瞬の内にセンチメンタル・トラベラーに変身させるほどである。昔のままのもの、空家になっているもの、店舗として再利用されているものと様々であるが、これからも景観の保全に精を出してていただきたい。そんな通りを200mほど進むと、右手についに『古本』の文字が見えて来た。新しく手を入れた感じはあるが(説明には1806年建造の廻船問屋→医院→古本屋とある)、街道にしっくりと馴染んでいる。店頭台などは無く、右壁に様々な貼紙(子猫の里親募集も!)、左隅にはチラシ類が貼られた立看板、そして真ん中に店名入りの藍染帆布がピンと張られている。昔の街道に立つ旅情気分そのままに、軽い引き戸を開けて中に入ると…いきなりネコと目が合った。何故なら棚上の目の前のダンボールに、薄茶トラのネコがすっぽりと納まり、こちらをクールにガン見。しかし逃げる気配はまったくないので、これ幸いと撫でまくる。ふぅ〜幸せだぁ〜。店内はちょっと横長で広く余裕のある構成になっている。左右両壁は本棚、真ん中には左に背中合わせの棚が一本、右は並んだ棚の左側が特殊な構成になっている。入口右横には小部屋的小スペースがあり、テーブルと椅子も置かれている。所々に小さい棚あり。右の小部屋には、入口に美術&グラビア雑誌の詰まった棚が置かれ、部屋内には映画・伝統芸能・芸術・漫画評論・写真関連・児童文学・絵本が集められている…ハッ!?ネコがこっちを見ている!再び近付き撫でまくる。右壁には、自然・植物・動物・民俗学・歴史・古代史・神道・郷土資料と続く。向かいの通路棚には…あぁっ!また見ている!と言うか、アイツは私から視線をまったく逸らさないのだ!さらに近付き撫でまくる。しかしこのままでは検分が遅々として進まないので、心を鬼にして手を離す。棚に集中だ!…通路棚には教育・心理学・精神世界・自然・女性・現代史・哲学・思想。移動しながらちょっとだけネコをつつき、真ん中の通路へ。右側の棚裏には様々な紙物や資料が貼られたり置かれたりしている。そして奥の方には、三重県に所縁のある著名人のリスト&プロフィールが大量に貼りだされ、その下に関連本が並ぶと言う、嬉しい“三重棚”が展開!おぉう!北園克衛もたくさん並んでいる!…が値が付いてないのもあるので、一部は非売品も含んでいるようだ。向かいには時代劇文庫・大衆文学文庫・教養系ジャンル別文庫がドッサリと並ぶ。教養は細かい棚造りがされている。左側通路に移ろうとすると、奥の帳場の上に寝そべる、新たなネコを発見!今度は白黒だ。店主が奥に入った瞬間を見逃さず、ちょっとだけ撫でる。左の壁際には、辞書・古典文学・海外文学・女流文学・日本文学・詩歌・文学評論・本関連・音楽と収まる。向かいには、歴史文庫・海外文学文庫・中国関連文庫・女流文学文庫・純文学文庫と並んでいる。入口側の壁にはレコードラックが置かれ、水谷豊の「やさしさ紙芝居」の笑顔が絶大な輝きを…ってうわっ!ここにもネコがっ!クロネコがっ!すかさず撫でながら、一体このお店に何匹のネコが潜んでいるのか考えてしまう。途中、店に入って来た業者さんが何かを『ガタガタン』と落としてしまい、ガン見トラネコが店の奥へ一目散に逃げてしまった。そして「あっ、ネコちゃんを驚かしてしまいました。すみません!」と謝っていた…。と言うわけでネコがたくさんいるお店である。三重関連本・教養系文庫・歴史が見応えあり。値段は普通〜ちょい高。ネコと本に埋もれて暮らす、優しいオヤジさんに精算してもらい外に出ようとすると、足元には店内に入ろうとする三毛猫!私を見上げるネコを良く見ると、リード付きである。と言うことは…とそのリードをたどると、ケータイ片手の若者がペコペコと二度ほど会釈。そしてそのまま入れ替わりに店内へスルリ。おかげで初の三重ツアーは、古本よりネコが印象深いものとなってしまった…。伊勢文化舎「巨匠たちの風景 みえシネマ事情」を購入。
 
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2010年01月24日

1/24大阪・心斎橋 colombo cornershop


cornershop.jpg仕事で久々の大阪出張。まだ夜明け前の朝6時に東京を車で出発し、7時間かけて到着。そしてすぐさま仕事に取り掛かる…移動から何からすべてハードスケジュールである。しかしハードであるからこそ、ここはあえて挑戦しなければならないのだ!と言うわけで仕事場からドロン!と消えて、古本屋ツアーへ!その所要時間は20分…短い…。心斎橋の交差点から『御堂筋』をダッシュで北上。すると左手に『難波神社』が姿を現す。石垣沿いにそのまま進み、『南久宝寺3交差点』を西へ入り込む。ちょうど『難波神社』を回り込むカタチになり、先ほどと同様左に石垣を見ながら進むと、その石垣が終わる向こうに神社とはかけ離れた空間が現れる。雑居ビル一階の角地が、シャンゼリゼ通りの一角のようなお店になっているのだ!左の敷地は地面が薄い水色で塗られ、ワイヤーの椅子二脚・ベンチ二台と共に、小さな100円文庫&絵本棚が置かれている。ここはお店で淹れてくれるテイクアウトコーヒーを楽しむ場所らしい。ビルの角は面取りされており、『BUY SELL BOOKS,VINTAGE,FRESH COFFEE』と書かれた日除けの下に出入口。両脇には二本の店頭棚があり、左は300円棚で単行本・新書・雑誌が並び、右には文庫・単行本・絵本・雑誌。さらに右側には方形のショウウィンドウがあり、洋書写真集と帽子や靴下が飾られている。ふ〜む、オシャレだ。入口を緊張の面持ちで押し開き、中にスルッと滑り込む。それほど広くはなく、表の雰囲気がしっかりとそのまま続いている。そして漂う濃い珈琲の香り…。本棚は右奥壁に集まり、縦七列の棚が三本、左隅に鉄製の洒落た回転棚も置かれている。他のテーブルやショーケースには、ヨーロッパの輝ける日用品・雑貨・小物などが可愛らしくディスプレイ中。本棚にはすでに一人の若者が張り付いているので、負けじと棚前へピタリ。洋書・旅・エッセイ・随筆(獅子文六がポイント)・洋絵本・日本文学・建築・海外文学・幻想文学・料理・美術・デザイン・写真・写真集などが並んでいる。実に少数精鋭な棚造りである。横の収納冊数が少なめな回転棚にも、同ジャンルの本たちが収まっている。本にはビニールが掛けられ、裏表紙の右下隅に値札が貼り付けてある。棚は曲者で古い本もあり。実はこのビルの上階に「colombo」と言うお店があり、そちらは本格的な古書店とのこと。下の珈琲ショップがこの濃度なら、上はさらに濃厚な世界がひろがっているのだろうなぁ…と想像ばかりが膨らんでしまう。しかし今日はあまりにも時間が無いので、一階のみで退散!うぅっ、情けない…。値段は普通〜高め。素早く本を抜き取り、奥のカウンターへ差し出す。そこには長身・マッシュルームカット・チョッキの青年…フランスと言うよりイギリス寄りか…。今度は上階目指してまた来ます!文一総合出版「風景と文学/野田宇太郎」恵文社「みんなの古本500冊もっと」(新刊)を購入。
 
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2010年01月22日

1/22東京・東大前 Gallery and books ヴァリエテ本六


variete_motoroku.jpg年末に引き続き、またもや性質の悪い風邪で数日ダウン。その間熱にうなされながら、旧・池袋リブロ風書店の棚を一生懸命覚えようとする夢を見ていた…。と言うわけで、病み上がりの身体で仕事ついでにツアー再開。南北線に乗り込み本郷方面へ。それにしてもこの南北線、どこの駅でもボシャボシャと水が流れているが、大丈夫なのだろうか…大事な水脈などを枯らしていなければ良いのだが…。地上に出ると目の前に『本郷通り』。そこを南へと進み、すぐの『本郷弥生交差点』を渡り、西側歩道を進む。すると、ここは『日本橋から4km』と知らせる道標の向こうに、目指すお店が見えて来た。このお店は、本郷古本屋街の中では異質な香りを放っているので、この界隈をうろつき始めた時から気になっていたのだ。古いモルタル看板建築風建物で、軒に“H6”の大きな看板文字…お店の名である“本六”のローマ字表記、つまりは“本郷六丁目”と言うことか。その下は複雑で洒落た木枠ガラスのファサードが展開。左右の扉はナナメに設置され、真ん中の台形ウィンドウには児童文学・絵本・文学や同設ギャラリーで扱う絵画が飾られている。それにしても、通りから眺める者を幻惑させる多面的店頭…ちょっとしたミラーハウスのようでもある。左の入口横には木箱が置かれ、中にちょっとくたびれた文庫が収まっている。さて、そちらから中に入ろうとしたところ、扉の「慶應書房」の金文字に気付く。右扉にはしっかり現店名の金文字…ここでさらにハッとして表に戻り、上を見上げるとそこには「慶應書房」の店看板。勝手に隣のかと思っていたが、良く見るとしっかりこの建物に設置されていた。おぉ!これこそ古本屋さんに残る「古本屋遺跡」ではないか!思わぬ発見に喜びを覚え、ここでようやく店内へ入ると、静かで薄暗く奥に入り込むと空間が広がるイメージ。入口近くの左右の壁際に本棚、それに挟まれるように背中合わせの棚が横向きに一本、床には180円文庫やパンフ類・絵本の収まる木箱、真ん中棚の裏には教会のような木製ベンチとテーブル、店奥の左右隅にも本棚が設置されている。その他の部分にアーティストの作品や雑貨・安売り本が置かれている。左の壁棚には、古典・児童文学・旅・女性実用。右壁に思想・エッセイ・随筆・ノンフィクション。真ん中の棚には、文庫と新書、裏側には海外文学と日本文学が並ぶ。ベンチの背には飾られた絵本たち。テーブル脇に最近刊文学の詰まる棚あり。壁に掛かる絵や写真を眺めながら奥へ。左側には海外文学文庫と日本文学文庫、右側には東京・建築・新書・教育。そして事務所への入口上には、古めの児童文学と大量の赤瀬川原平本。やはりこの土地には無かった、新しい息吹を吹き込むお店と言えよう(開店は2006年)。つまりは学術的ではなく趣味的であり、体系的ではなく直感的な棚造りが、いいコースをついていて楽しませてくれる(東京&建築がおススメ)。半分はギャラリーとして使われているので余裕のある空間構成になっている。値段は安め〜普通。奥に座るメガネの女性に声を掛け本を渡す。するとお釣りを受け取る段階で面白いことが始まった。彼女がお釣りを計算した後に操作し始めたのは、プラスティック製・円筒形の中に硬貨が詰まった小さなコインマシーン!『ガショガショ』操作しているのを見て、思わず「凄いマシーンンですね」と聞くと「うちのレジこれなんです。レジ買えないから。うはは!」と豪快な答え。どうか、どうかレジを買わずにこのままで、このままでお願いします!理論社「倒立する塔の殺人/皆川博子」講談社現代新書「春の雲/岡潔」を購入。
 
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2010年01月19日

1/19埼玉・川口元郷 ブックバザール ライオン


bookbazar_lion.jpg二番出口から地上へ。エスカレーターは節電のため止められていた…。ロータリーを背にして、目の前の大通りを北へ。そして次の交差点を東へ曲がる。後はひたすら我慢比べのように、一キロほど道なりに進んで行く。風景には住宅と工場が混在し、金属を熱する匂いが漂って来る…ここもまた、キューポラのある街なのである。歩いている人はほとんどおらず、行き交う人々は自転車に乗っている。そしてやがて行き当たる『南平公民館交差点』。大通りの『東京川口線』を東南に入ると、すぐに『本』と書かれた看板が、これまでの疲れを癒してくれる。奥まった店から通りに向かう両翼塀にはそれぞれ看板が設置され、路上にも電飾立看板がひとつ。『価格破壊』の文字が仰々しい。お店に目を向けると、緑・黄・赤のラスタカラーの日除け。店名の“オ”の掃いが可愛くカールしている。ラスタカラーにライオン…ボブ・マーレーを意識しているのだろうか?窓ガラスにも三色の広告文句が、ベタベタと貼られている。その前に『処分品』と書かれた80円単行本ワゴンが一台。縦長の店内は結構広く、地元密着型新古書店の香りがプンプンしている。古本はどうやら左の壁棚のみのようだ。他はコミック・ゲーム・DVD・CDがメインで、入口右横にゲーム攻略本、左横に雑誌&ムックラックがある。右奥にレジがあり、お店の最奥はアダルトスペースとなっている。左壁棚は、日本文学文庫・時代劇文庫・雑学文庫・ノベルス・新書・ハーレクイン・アイドル・ミステリ&エンタメ・タレント・サブカル・映画・実用・資格・官能文庫と並んでいる。下の平台には、おススメ本・最近刊小説(ストックあり)・海外文学文庫・海外文学・特撮・アニメ・タレントなど。清潔な店舗で新しめの本をフツーに売っているお店である。しかし安い!安いのである!あの看板に偽りは無く、最近刊も手にしたくなる値段設定がされている。立派である。レジに本を持って行くと、奥のアダルトゾーンから出て来たのは、上下黒の服で無精髭を生やした体格の良い中年店主…ボブ・マーレーはどこにも感じられない…。いやしかし、価格破壊の精神と共に光り輝くラスタ魂が、胸に渦巻いているのに違いないのだ!ゲラップ!スタンダップ!角川文庫「夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦」三才ブックス「昭和特撮大全/岩佐陽一」を購入。
 
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2010年01月18日

1/18東京・高円寺 勝文堂書店


shobundoshoten.jpg駅から南に『高円寺パル』商店街を経由して、さらに新高円寺まで延びる『ルック商店街』の中ほどにある。このお店は、私が高円寺で初めて入った古本屋さんなのである。その昔、松ノ木に居住していたのだが、高円寺に初のアプローチを試みてみたところ、必然的に『ルック商店街』を南から遡ることになり、そこで発見したのであった。そして入ったのである。その時から印象は“白いお店”として頭の中で固定されている。軒には小豆色の大きな日除けがあり、左下と電話番号部分が修繕されている。白い外壁・白いサッシの前には、台形の白い本棚が二本置かれ、硬めの学術本・ちょっと古めの日本文学・100均海外文学文庫・100均日本文学文庫が収まっている。サッシの脇にもコミックや文庫、文学本が置いてある。『ガタッガコッ』と上下しながら滑るサッシを開けて中へ。白い内装、静寂の空間、石油の匂い。店内は縦長で両壁は本棚、真ん中に手前と奥に背中合わせの棚が一本ずつ。奥が帳場になっているがそこには誰もおらず、壮年の店主は店内を回遊中。右壁は日本文学・海外文学(この「ロートレアモン全集」は昔からず〜っとあるなぁ…)・戦争・現代史・アジア現代史・歴史・古代史・民俗学・哲学・思想・法律・経済・料理・囲碁・将棋・自然・山岳・美術・建築と並ぶ。向かいの通路棚には日本文学文庫が新旧取り混ぜズラリ。下の平台には揃いの文庫が並んでいる。奥の棚には写真集・美術大判本・図録が収まる。手前棚の棚脇には、手前と奥に棚が設置され(ややこしくてすみません)、手前は文学・随筆・文化・ムックなどが雑然と収まり、奥には美少女コミックが整然と収まる。左壁棚はコミックと宗教が入り組んだところから始まり、文学評論・古典文学・言語・またもやコミック・辞書・荒木経惟・日本幻想文学・武道と続いて行く。向かいにはハーレクイン・ハヤカワポケミス・新書・東洋文庫・海外文学文庫・教養系文庫・絶版文庫。通路を挟んで、映画・演劇・落語・歌舞伎・音楽が並ぶ。帳場下に絶版漫画あり。右壁の硬派さと1970年代が、何となくお店全体に浸透している。現代史・宗教・音楽・武道が突出…不思議な組み合わせです。値段は普通〜ちょい高。本を帳場に差し出すとオヤジさんとはテンポの良いやり取りが展開。最後に「どうも毎度ありがとうございます」と声を掛けられ、常連気分に。ちなみにこのお店、何故かここから一キロほど離れた阿佐ヶ谷・河北総合病院近くのコインランドリーに、広告が設置されているのだ。裏通りで広告はそれ一枚のみ。コインランドリーと古本屋…今だ見るたびに唐突な印象を覚えてしまう、不思議な広告である。文春文庫「都市探検家の雑記帳/松山猛」朝日ソノラマ「建築写真の世界/高井潔」を購入。
 
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2010年01月17日

1/17東京・三鷹で濃淡二店!

三鷹まで自転車にまたがりエッチラオッチラ。ところが予想以上に寒い!寒過ぎるっ!足先がこんなにも冷たくなってしまうとは…早く古本屋に避難して暖をとらねば。ところが店前にどうにか到着すると、何とまだ開店前でシャッター半開き状態。仕方なくもう一軒のお店に向かい、開店するのを待つことに…。


books_mitaka.jpg●三鷹「BOOKS 三鷹」
南口の中空から、ビル横の屋外エスカレーターを下ると『中央通り』。真っ直ぐ南に進むと、すぐに『三鷹駅前交差点』にぶつかるので、そこから『さくら通り』を東南に曲がり、すぐの脇道を南に入る。巨大な駐輪場の脇を150mほど進むと、左手のマンション一階にお店がある。洗濯物がはためく下に、巨大なキース・へリング風文字の看板。広い店頭には三台の雑誌ラック、廉価コミックワゴン、六台のガチャガチャ、乱雑な100均単行本&文庫ワゴン。他にも小さなカゴが多数置かれている。真ん中の扉から中に入ると、広く明るく新古書店な雰囲気。左側には主にコミック・CD・DVD・ゲームなどが並ぶ。入口左横に児童文学と絵本、入口前棚脇に最近刊小説。そしてメインは、右側の二本の通路、右壁、入口右横である。入口右横は多めの100円均一棚になっており、文庫・新書・ノベルス・単行本から、赤本まで並んでいる。右側二本の通路棚には、日本文学文庫・少量の海外文学文庫&雑学&教養・時代劇文庫が収まる。奥のレジ横にはライトノベルとティーンズ文庫がコミックに紛れて少々。右壁には実用・女性・ミステリ&エンタメ・新書・文学関連・タレント・サブカル・歴史・哲学・コンピュータ・経済などが並ぶ。右端の通路棚脇には、ビジネス&社会の新書棚があり、勝間和代コーナーも設置されている。一点の曇りも無い新古書店である。新しい本ばかりで、話題の本もしっかりと。そこから脱落して行く本が100円棚を補強するのだろう。値段は定価の四割〜五割引が中心。本を購入すると20円引きのクーポンがいただけます。文春新書「貧民の帝都/塩見鮮一郎」を購入。


regina.jpg●三鷹「REGINA」
そろそろ時間かと最初のお店へ向かう。『さくら通り』に戻り、道なりに東南へ。「AGAIN」(2009/07/21参照)を通り過ぎ、ズンズン進むと、弧を描く道はいつの間にか南へ向かっている。『いずみ通り』と合流すると、通りは『むらさき橋通り』と名前を変える。するとすぐに『仲町交差点』が現れるので、そこを西に入りちょっぴり進むと右手にお店が出現。小さな二階建ての住宅兼店舗で、二階窓下に赤い看板文字、その下に濃紺の日除けがあり『Hobby,Books,Fancy Goods』と書かれている。右壁に不気味なネコが描かれた看板と下の路上に立看板。「ゴジラ」「エヴァンゲリオン」「スラムダンク」のポスターが貼られたサッシの前には、椅子に乗せられた雑誌・80〜200円文庫&コミック・食玩が並んでいる。雑貨やフィギュア中心のお店だろうか…あまり期待せずに小さな店内に足を踏み入れる。ターゲットの本棚は左壁と店奥壁に張り付いている。むぉっ!結構しっかりしてる気配がっ!その他はガラスケースや陳列棚・テーブルなどに、食玩や雑貨類がひしめいている。所々に浮き上がるように、ファンシーなアンティーク調雑貨の姿…何故?そして店内に流れるBGM…これは「攻殻機動隊SAC」のサウンドトラック!何というものを…と思いつつも、三鷹の片隅でちょっと得した気分になる、哀しい私…。テーブルの「大草原の小さな家」や鬼太郎本を眺め、壁棚前にヤモリのようにへばり付く。店奥も含めて五本ほどの白い棚には、コミック・絶版漫画・絵本・児童文学・児童雑誌・サブカル・音楽・日本文学・文学評論・出版・特撮・漫画雑誌・寺山修司・つげ義春・上村一夫・カルトコミック・児童入門シリーズ・大山倍達・神秘・オカルト・陰謀…。そして店奥棚にフィギュアと共に文学文庫本・太宰治・「東京百話」三冊揃い・吸血鬼本などなど。本の量はそう多くはないが、棚造りがとにかく趣味に走ったマニアックさで、楽しめること請け合い。中野「MANDARAKE記憶」と似たような路線だが、オリジナリティはバッチリ滲み出している。お店には子供が次々と飛び込んで来るが、目当ては当然おもちゃたちである。値段は安め〜普通。右の階段下にレジがあり、しっかりとジャケットを羽織ったシブ目の中年男性がひとり。本をレジに置くと「いらっしゃいませ」とハキハキ発言。しかし、レジを打ち始めるとその表示金額が“1000300”というとてつもない数字に!…100万円も買い物した覚えは…。店主は「すいません、打ち間違えましたのでレシートは…」と正直に申告。もちろんそんなことでゴネる必要も無いので、精算を済ませ、満足感を携えお店を出る。子供たちはまだはしゃぎながらおもちゃを物色中。駅からずいぶん離れた裏通りに、こんなお店があるのは素晴らしいことだと思いつつ、再び冷たい風の中へ。主婦と生活社「ボブ・ディランの軌跡/三橋一夫」ちくま文庫「ヘイ!マスター/上村一夫・関川夏央」を購入。

目的のお店に無事に入店でき、しかも予想外の面白さを見せていたので、ペダルも軽く帰路に着く。井の頭公園の日陰の土に霜柱…何だか見るのは久しぶりだ…うぅ、見てたらまた寒くなってきたぞ。
 
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2010年01月15日

1/15東京・神保町 石田書房


ishidashobo.jpg2010/01/01のコメント、岡崎武志氏からの示唆により、再び『すずらん通り』の「キントト文庫」へ。ここの二階にお店が?以前は全く気付かなかったが……あぁっ!本当だ!ビルの右側、上階への入口に「石田書房」の看板が多数展開している!…一体いつの間に?ごく最近設置されたと言うことなのか?階段入口の右側に、キントトさんと同型のペパーミントグリーンの看板。そこには『映画・演劇 サブカルチャー』の文字。他にも軒や階段脇・階段などに、多数の同色店名札が『これでもか!』と貼り付けられている。上を見上げると、三階まで一直線に続く、ちょっとコワイ階段。二階の台車が立て掛けられた踊り場に立つと、左側にモノクロ日本映画のスチールで構成されたポスターが貼り付いたガラスの自動ドア。中に入ると、そこは本当に久しぶりの石田書房である。以前の阿佐ヶ谷店・旧神保町店より規模は小さくなっているが、映画尽くしの濃密な棚は相変わらずのようだ。右の帳場に座り、計算機をパチパチ叩く女性店主もご健在で何よりです。八畳ほどの空間は、左壁と店奥に目線までの棚、右壁に天井までの棚、帳場両脇にも棚が一本ずつ。部屋の真ん中にはテーブルが置かれ、パンフレットや映画雑誌が所狭しと並び、額装した映画ポスターも寄り掛かっている。通路はかなり狭い。左壁棚は小林信彦から始まり、写真・テレビ・芸人・演劇・脚本(オリジナル)・「シナリオ」が並ぶ。店奥棚には、脚本集&脚本関連本・黒澤明・チャンバラ映画・日本映画全般・映画評論…おっ、「陽炎座」のパンフレット!下には「映画芸術」などの雑誌類も並ぶ。右壁棚は引き続き映画評論、そして映画技術&理論・鈴木清順・外国映画全般…ぬぬっ!フリッツ・ラングのインタビュー本がっ!ほ、欲しい…が高いっ!…怪奇&特撮映画・ビジュアルムック・デザイン&アートと収まる。帳場左横には映画関連文庫&新書・思想・幻想文学・三月書房本、右横には海外文学・短歌が並ぶ。やはり店舗内の蔵書量は少なくなったが、その分少数精鋭な棚造りになっている。一番棚から減ったのは美術関連であろうか。値段は昔と変わらず少し高め。「稲垣書店」「キーラーゴ」「水野書店」「映画の冒険(岡山)」さんたちと共に、これからも映画本をよろしくお願いいたします!中公文庫「ひげとちょんまげ/稲垣浩」を購入。
 
Posted by tokusan at 23:32  |Comments(2)TrackBack(0) | 東京

2010年01月14日

1/14神奈川・戸部 古書 翰林書房


kanrinshobo.jpg狭く小さな高架駅から地上に出ると、スクエアに区切られた街路が広がり、住宅・店舗・事務所が混在する不思議な地帯。しかしこの辺り特有の雰囲気は、しっかりと感じ取れる。普請中の高架沿いを南へ。すると車の行き交う『紅梅通り』にぶつかるので、高架下を潜りつつ西へ。道のうねりを抜けると、『御所山交差点』手前の左手にあるお店にたどり着く。ここは何度か訪れたのだが、タイミングを外しまくったお店なのである。『今日こそは!』の思いをフツフツと沸き立て、店頭に立つ!お、営業中の札がっ!よかったぁ〜。店頭台は無く、狭い歩道の向こうは一面のガラスウィンドウで、そこには山と積まれた全集類と共に、左下にお店の手彫り看板が置かれている。右側に自動ドアがあり、コルクボードに店内の案内と『書(物)は知的文化遺産 悠久のひと時に… 旅のおともに…』とのキャッチコピー…最後はおつまみの広告のようだな…。自動ドアから中に入ると、さほど広くなく、不規則な台形が奥ですぼまっている店舗で、その奥には地下への階段が見えている。しかしこの店内は…ほとんどが本のタワー…と言うか本の壁!本棚は右壁と階段入口に小さい棚が置かれているのみである。本の壁の間には巧みに細い通路が造られており、姿は見えないが奥から『シュッシュッシュッ』と本をクリーニングする音が聞こえてくる。右壁棚は『悠コーナー一冊〜三冊1000円』『旅コーナー一冊〜三冊500円』からスタート。文学・文化・歴史・随筆などの単行本や文庫が並ぶ。続いて歴史・随筆・岩波文庫・日本文学・文学評論・言葉に関する本・神奈川関連。階段入口脇には小川国夫・井伏鱒二など。本の壁は様々なジャンルで構成されており、積み方もタテヨコ様々。しかしその姿は精緻で美しく、すべての背が見えるよう工夫されているのがスゴイ。しかし!下の本の取り方が判らない…店主に言って取ってもらうのが無難であろう。日本文学・文学評論・文化・風俗・全集・推理小説・箱入り本…古い本も多く、また所々に手書きポップ付きのおススメ本あり。ここで壁の向こうに「すみません、地下も見せてもらっていいですか?」と声を掛けると、伸び上がり顔をグッとそらせてこちらの様子を伺う丸眼鏡の店主…岡本喜八映画の常連・砂塚秀夫かと思いました…。「あっ、どうぞどうぞ、汚いですけど」と壁の向こうから抜け出てくる一連の行動も、何だか砂塚的。「今片付けますから」と二人で急な螺旋気味の狭い階段を下りる。階段部分の壁もすべて本の壁で覆われている。その階下は乱雑な雰囲気ゼロ。上階と同様整然としております。店主は本を数冊手にすると、そそくさと上階に戻って行った。壁は左右が本棚で、店奥壁は部屋を広く見せるための鏡と、その下に小さな棚がいくつか置かれている。真ん中には平台付きの背の低い背中合わせの棚が一本。右壁は美術&歴史の大判本・文学復刻本・戦国・歴史・学術本と収まっている。店奥の棚には海外文学・ハヤカワポケミス・未整理本・岡部伊都本コーナーなどがある。真ん中の棚には江戸&風俗関連が文庫・新書を交えて並ぶ。裏には俳句と中国古典文学。左壁も中国古典文学棚となっている。好ましいお店である。硬いと思ったら意外に軟らかい部分もあり、古い本もしっかり並び見応えあり。日本文学と歴史が突出している。そして何はともあれ、店内各所に展開する本の壁が特徴的。古本を新たな建材として、お店を普請しているとしか思えません。もしやしっかりとした構造力学に基づいてるのかも…。そんな本の壁は『サグラダ・ファミリア』のように、常に建築中なのであった。値段は安め〜普通。地下から帰還し、壁の向こうの店主に声を掛けると「あらっ!」と驚く店主。あくまでも砂塚的だな…。しかし心優しい50円引きには感謝!表に出て交差点からお店を眺めると、軒に伝説の怪物・グリフォンのレリーフを携えた現代建築ビル。その遥か上の青空を、二羽のトンビが『ピ〜ヒョロ〜』と鳴きながら旋回中。今日もいい日になりました。現代思潮社「うまいもの/多田鐵之助」愛育新書「江戸の迷信と川柳/丸十府」創元社「わが心の地図/岡部伊都子」を購入。
 
Posted by tokusan at 20:57  |Comments(0)TrackBack(1) | 関東