2012年05月24日
5/24岐阜で「ギフノート」に導かれて二店!
月末はかなり忙しくなりそうなので、先手を打って遠くへ!向かうは先日「古書ますく堂」(2011/10/15参照)で入手したリトルプレス「ギフノート」に載っていた二店。これを目にした瞬間から、行きたくて行きたくて仕方無くなってしまったのだ。色々無理して木曽川を越えて、おぉ!久しぶりのギフ!

●岐阜「bicabooks」
北口の空中広場に出ると、まずとにかく目に入るのは金ピカの織田信長像!いや、その輝く色はもはや金を通り越し、カールのチーズ味色!そして火縄銃を携えたその姿は、“戦国武将”の枠を軽々と凌駕しており、“魔王”と呼ぶに相応しいクレイジーさを漂わせている。そんな魔王の足下を、逆鱗に触れぬようこそこそと通り過ぎながら、地下道を抜けて、北へ延びて行く『金華橋通り』に入る。最初のブロックは、昔ながらのお店やビルが集まる繊維街で、店先では多数のブラウスやシャツが風にひらめいている。ここを抜けると、第二・第三ブロックはだだっ広い地方都市の街路。駅から北に600mほどの『金町5交差点』を越えると、息を吹き返したように繁華街へと変化する。さらに北に進んで『高島屋』前を通過し、『柳ケ瀬信号』で安っぽいギリシャ賢人像が見下ろすアーケード街『フローレンス柳ケ瀬』に進入する。東に進んで二つ目の十字路を北へ。飲み屋やスナックの酒精的影が濃くなって行く中、右手に独特なデザインフォントの看板を掲げた『やながせ倉庫』が姿を見せる。古い長屋的店舗ビル三棟(一棟は工事中)に、ショップやギャラリーが細々とひしめく、若者たちの文化的九龍城である!内部はとても複雑で、意外な所に通路があり、お店があり、階段があり、繋がり合い、中をうろついているだけで、たっぷりと探検気分を味わえてしまう。そしてこの中に、カフェが経営する無人古本販売所も紛れ込んでいるのだっ!アーケードから見た右端、『1号館』の長い直線通路を奥へ奥へと進むと、最奥の通路角に古本棚が三本と、四角いボックス棚が設置されている。通路左側の横長棚には、映画・児童文学・文学・エッセイ・アート・デザイン・若者カルチャー。奥壁の本棚には、食・音楽・美術雑誌。一段上がった右奥のガラス天板棚には、絵本・作品集・写真・建築・ファッション。向かいのボックス棚には文庫や雑誌が収まり、その脇にはお店の看板が床に直置きされている。肩肘の張らない、若者向けセレクトの棚造りで、読むための本たちが並んでいる。値段はどれも500円前後で買い易い印象。狭くごちゃついた中庭を通ってたどり着く『ビッカフェ』が営業中の時は、そこに代金を払いに行く。カフェがお休みの時は貯金箱が置かれ、そこに代金を投入する仕組みになっている。地面の矢印に従い中庭を突破し、カフェのカウンターで精算する。青山出版社「メイド・イン・ホンコン/原案フルーツ・チャン 百瀬しのぶ著」を購入する。
『やながせ倉庫』向かいの細長い蕎麦屋で『志の田そば』を頼んで昼食。聞いたこと無い名で、食品サンプルを見ても具が何なのか判然としない。しばらくして出て来た蕎麦は、ざっくりと切られた油揚げがたっぷりと入っていた。そうか!油揚げ→狐→信太の狐→志の田と言うわけか。


●岐阜「古本 徒然舎」
昼食を終えたらアーケードをそのまま北へ抜ける。『若宮町通り』に出たら、東へひたすら進んで行く。最初は風俗街の一角と言う感じだったが、『神田町3交差点』を越すと静かに人影が少なくなり、麓が神社の小山が迫って来る。道なりに進んで南に曲がって行くと、『殿町2交差点』脇に二階屋がくっ付いた、屋根が不思議な片流れの古本屋さん。雑司ヶ谷近辺の『外市』(2010/09/05、2012/01/07参照)で、本を買わせていただいたり、今年の始めにはご挨拶もさせていただいたりしているのだが…。小さな路上の立看板・濃紺の日除け・窓内の店名看板を見やりながら、開け放しのドアから緊張して中へ入る。するとそこは玄関。スリッパを履いてカーペットを踏めば、お店が奥へと広がって行く。奥の窓も開け放たれており、風が本棚の間をフゥッと通り抜けて行く。玄関には100均棚が二本あり、主に文庫がたっぷりと収まっている。室内に上がり込むと、右には低い絵本&児童書棚と、暮しエッセイ本やカラーブックスの姿が。ミニコミ誌棚の後側に帳場があり、女性が一人静かに作業中…あれ?この人が店主さんだっけ?…い、いかん、思い出せん!こりゃ、まずい。しかし向こうも反応無し…よし、このまま気配を殺して、あくまで一般客を装って行くか。帳場向かいの左壁には、食・冒険・旅・本&古本・夏葉社本・写真・建築・工芸・映画・音楽・美術・図録が続く。足下にはミニプラケースも置かれ、棚と同ジャンルの本が詰められている。奥に進むと左側が少し膨らみ、和をテーマにした棚が一本、文具&雑貨棚、犬&猫・切手&手紙・児童文学・絵本が並ぶ。奥壁には雑誌・デザイン・特価文庫。帳場横の右壁は、詩歌・講談社文芸文庫・澁澤龍彦・ミステリ文庫・日本古典文学・貸し棚一本(「五つ葉文庫」さんも!)・復刻児童文学・絵本と続く。…小さく小さく話し声が聞こえる。どうやらどなたかもう一人いるようだ…。真ん中には“T”字型に五本の棚が組まれ、セレクト日本文学・エッセイ&随筆・海外文学・サブカル・鉄道・スポーツ・哲学・思想・科学・動物・文学評論・歴史が収まっている。建物は不思議で面白いが棚造りは丁寧で美しく、扉をちょっとだけ開いた小さな宇宙たちが、人が好奇心一杯で入り込んで来るのを待ち受けている。値段はちょい安〜普通。二冊を選んで帳場へ…あれ?さっきと人が変わってる?気のせいか…この人が…そうだっけ?あぁ〜判らない!ご、ごめんなさい!学研M文庫「後方見聞録/加藤郁乎」みすず書房「科学者点描/岡部昭彦」を購入する。何となく後ろめたい気持ちを抱きながら、お店から脱出。すみません、今度岐阜に来た時にまた寄らせていただき、しっかり名乗って挨拶を…と心の中で謝罪しながら、お店から数十メートル離れたベンチに座り、頭の中に描いた店内見取り図を懸命にメモメモ…。
己の社会性の無さに呆れつつも、奇麗にお店を回れたことに幸せを感じる。帰りは『長良橋通り』から駅へ、と進んで行くと、一軒の木曜が定休日の古本屋さんに行き当たる。下ろされたシャッターを、透視してしまいそうなほど見つめてしまう…中には一体どんな本が…。あぁ、やはりまた来なければ、ギフ!
●岐阜「bicabooks」
北口の空中広場に出ると、まずとにかく目に入るのは金ピカの織田信長像!いや、その輝く色はもはや金を通り越し、カールのチーズ味色!そして火縄銃を携えたその姿は、“戦国武将”の枠を軽々と凌駕しており、“魔王”と呼ぶに相応しいクレイジーさを漂わせている。そんな魔王の足下を、逆鱗に触れぬようこそこそと通り過ぎながら、地下道を抜けて、北へ延びて行く『金華橋通り』に入る。最初のブロックは、昔ながらのお店やビルが集まる繊維街で、店先では多数のブラウスやシャツが風にひらめいている。ここを抜けると、第二・第三ブロックはだだっ広い地方都市の街路。駅から北に600mほどの『金町5交差点』を越えると、息を吹き返したように繁華街へと変化する。さらに北に進んで『高島屋』前を通過し、『柳ケ瀬信号』で安っぽいギリシャ賢人像が見下ろすアーケード街『フローレンス柳ケ瀬』に進入する。東に進んで二つ目の十字路を北へ。飲み屋やスナックの酒精的影が濃くなって行く中、右手に独特なデザインフォントの看板を掲げた『やながせ倉庫』が姿を見せる。古い長屋的店舗ビル三棟(一棟は工事中)に、ショップやギャラリーが細々とひしめく、若者たちの文化的九龍城である!内部はとても複雑で、意外な所に通路があり、お店があり、階段があり、繋がり合い、中をうろついているだけで、たっぷりと探検気分を味わえてしまう。そしてこの中に、カフェが経営する無人古本販売所も紛れ込んでいるのだっ!アーケードから見た右端、『1号館』の長い直線通路を奥へ奥へと進むと、最奥の通路角に古本棚が三本と、四角いボックス棚が設置されている。通路左側の横長棚には、映画・児童文学・文学・エッセイ・アート・デザイン・若者カルチャー。奥壁の本棚には、食・音楽・美術雑誌。一段上がった右奥のガラス天板棚には、絵本・作品集・写真・建築・ファッション。向かいのボックス棚には文庫や雑誌が収まり、その脇にはお店の看板が床に直置きされている。肩肘の張らない、若者向けセレクトの棚造りで、読むための本たちが並んでいる。値段はどれも500円前後で買い易い印象。狭くごちゃついた中庭を通ってたどり着く『ビッカフェ』が営業中の時は、そこに代金を払いに行く。カフェがお休みの時は貯金箱が置かれ、そこに代金を投入する仕組みになっている。地面の矢印に従い中庭を突破し、カフェのカウンターで精算する。青山出版社「メイド・イン・ホンコン/原案フルーツ・チャン 百瀬しのぶ著」を購入する。
『やながせ倉庫』向かいの細長い蕎麦屋で『志の田そば』を頼んで昼食。聞いたこと無い名で、食品サンプルを見ても具が何なのか判然としない。しばらくして出て来た蕎麦は、ざっくりと切られた油揚げがたっぷりと入っていた。そうか!油揚げ→狐→信太の狐→志の田と言うわけか。
●岐阜「古本 徒然舎」
昼食を終えたらアーケードをそのまま北へ抜ける。『若宮町通り』に出たら、東へひたすら進んで行く。最初は風俗街の一角と言う感じだったが、『神田町3交差点』を越すと静かに人影が少なくなり、麓が神社の小山が迫って来る。道なりに進んで南に曲がって行くと、『殿町2交差点』脇に二階屋がくっ付いた、屋根が不思議な片流れの古本屋さん。雑司ヶ谷近辺の『外市』(2010/09/05、2012/01/07参照)で、本を買わせていただいたり、今年の始めにはご挨拶もさせていただいたりしているのだが…。小さな路上の立看板・濃紺の日除け・窓内の店名看板を見やりながら、開け放しのドアから緊張して中へ入る。するとそこは玄関。スリッパを履いてカーペットを踏めば、お店が奥へと広がって行く。奥の窓も開け放たれており、風が本棚の間をフゥッと通り抜けて行く。玄関には100均棚が二本あり、主に文庫がたっぷりと収まっている。室内に上がり込むと、右には低い絵本&児童書棚と、暮しエッセイ本やカラーブックスの姿が。ミニコミ誌棚の後側に帳場があり、女性が一人静かに作業中…あれ?この人が店主さんだっけ?…い、いかん、思い出せん!こりゃ、まずい。しかし向こうも反応無し…よし、このまま気配を殺して、あくまで一般客を装って行くか。帳場向かいの左壁には、食・冒険・旅・本&古本・夏葉社本・写真・建築・工芸・映画・音楽・美術・図録が続く。足下にはミニプラケースも置かれ、棚と同ジャンルの本が詰められている。奥に進むと左側が少し膨らみ、和をテーマにした棚が一本、文具&雑貨棚、犬&猫・切手&手紙・児童文学・絵本が並ぶ。奥壁には雑誌・デザイン・特価文庫。帳場横の右壁は、詩歌・講談社文芸文庫・澁澤龍彦・ミステリ文庫・日本古典文学・貸し棚一本(「五つ葉文庫」さんも!)・復刻児童文学・絵本と続く。…小さく小さく話し声が聞こえる。どうやらどなたかもう一人いるようだ…。真ん中には“T”字型に五本の棚が組まれ、セレクト日本文学・エッセイ&随筆・海外文学・サブカル・鉄道・スポーツ・哲学・思想・科学・動物・文学評論・歴史が収まっている。建物は不思議で面白いが棚造りは丁寧で美しく、扉をちょっとだけ開いた小さな宇宙たちが、人が好奇心一杯で入り込んで来るのを待ち受けている。値段はちょい安〜普通。二冊を選んで帳場へ…あれ?さっきと人が変わってる?気のせいか…この人が…そうだっけ?あぁ〜判らない!ご、ごめんなさい!学研M文庫「後方見聞録/加藤郁乎」みすず書房「科学者点描/岡部昭彦」を購入する。何となく後ろめたい気持ちを抱きながら、お店から脱出。すみません、今度岐阜に来た時にまた寄らせていただき、しっかり名乗って挨拶を…と心の中で謝罪しながら、お店から数十メートル離れたベンチに座り、頭の中に描いた店内見取り図を懸命にメモメモ…。
己の社会性の無さに呆れつつも、奇麗にお店を回れたことに幸せを感じる。帰りは『長良橋通り』から駅へ、と進んで行くと、一軒の木曜が定休日の古本屋さんに行き当たる。下ろされたシャッターを、透視してしまいそうなほど見つめてしまう…中には一体どんな本が…。あぁ、やはりまた来なければ、ギフ!
2012年04月09日
4/8静岡・静岡 あべの古書店 営業時間外セルフサービス
片付けなければいけないことが多数あるのだが、青春18きっぷの使用期限が4/10と迫り来る!なので、今日はどうしても遠くまでいかなければ!と無理矢理東海道線で西へ。行き帰りの時間の読み易い所として選んだ、七ヶ月ぶりの静岡駅に降り立つ。街はとても華やかに飾り立てられており、桃色の提灯がブラリブラリと風に揺れている。どうやら今日は、『静岡まつり』のクライマックスらしく、午後には中尾彬扮する徳川家康が、駅から『駿府城』まで練り歩く予定。幸いまだ午前中だ…混雑や道路封鎖前に、お店にたどり着かないと…。もうすぐ始まる盛大なお祭りへの期待感溢れる街を、切り裂くように歩む。北口から『御幸通り』を黙々と北西へ。とにかく進んで行けば、桜咲く石垣が美しい駿府城のお堀端。県庁や市役所に挟まれた通りを、さらに先へ先へ。一キロほど進んで来ると、真っ赤で巨大な鳥居がヌッと立ちはだかり、それを潜って観光地的商店街の『浅間通り』に入る。直線道の彼方にある『静岡浅間神社』を目指して行けば、左手に40度ほどの鋭角で曲がり込む脇道が現れ、そこには以前訪れたことのある「古本ブックスランド」(2011/08/20参照)。今回はそちらには足を向けずに、神社方面へちょっと進むと、左手に古本屋さん!が、閉まってる!が、店頭には本がっ!…これは一体?と慌てながら近寄ると、放置された無人販売本であることが判明。本は100均と10均で、代金はシャッターの真ん中にある郵便受けに入れるシステム。…お店が開いていないのは痛手だが、とにかく本を見て行こう。シャッター前右側に、文芸雑誌の並ぶ小さな本棚・白い格子の単行本&箱入り本ワゴン・雑誌縁台が並んでいる。左側に、文庫(谷崎潤一郎&田辺聖子多し。店内の“た”の棚に何かあったのだろうか…)+新書+単行本ワゴン.雑誌&図録縁台・「俺は直角」箱。少し離れた左に、10均単行本&カバー無し文庫と言う配置…きっとお店を開けても、店頭はこのままなんだろうなぁ…。あまり期待せずにワゴンに闘いを挑んでいると、奇跡的に欲しかったカラーブックスの発掘に成功!やった!ちょっとだけ報われた気分。一通り漏れの無いよう念入りに眺めてから、では代金を支払うか、と財布を取り出すと、うっ!百円玉が無い。かろうじて、十円玉五枚と五十円玉一枚があったので、支払いは可能…六枚の小銭をコンパクトに重ね、金属の羽を押し開けて郵便受けに落とし込む。ジャラジャラパシャーン!うわ、店内の床に直接落ちたみたいだ…受け皿、用意してないんだな…アバウトな。カラーブックス「クラフト入門/内田邦夫」を購入する。次回こそはお店の中にしっかり突撃したいものである。早々とタイムリミットなので『静岡まつり』を見ずにとんぼ返り。夜は『ぴっぽTV』に出て、『パンの會』について熱く、軽薄に語らせていただく。
2012年02月21日
2/21静岡・袋井で“はた”と“タケ”の双子店!
遠くに行きたい衝動を抑え切れずに、東海道線でガタゴト…。乗り換えを幾度か重ね、いつの間にか三両になった銀色の列車が着いたのは、静岡県の左下、東海道のど真ん中である『袋井』と言う名の街だった…。

●袋井「ブックスはた」
北口はキレイで白っぽいロータリー。左から回り込んで北に向かい、『袋井駅北交差点』を通過して、『袋井商店街』の『西通り(東通りもあるのだ)』をズンズン進んで行く。やがて前方に『原野谷川』が現れ、そこに架かる姿の良い橋の真ん中に立つと、四方に平坦な視界が開け、晴々とした気分になる。街に人影は少ないが、車が多く、開いているお店や事務所が連なり、何かしっかりと人のエネルギーが脈動しているのが伝わって来る。さらに北へ進み、小さな用水路と小さな『沖ノ川』を渡り切ると、左に『古本』の立看板が見えて来た。駅からはおよそ一キロ弱の距離である。側壁には店名と『お売り下さい』の大きな文字。軒にはオレンジ色のプラ日除けがあり、下は素っ気ない手書きの貼紙があるウィンドウとなっている。中に入るとラジオが鳴り響く、ちょっと狭苦しい店内。壁際は本棚で覆われ、フロアには縦に背中合わせの棚が二本置かれている。奥には横向きの棚が一本あり、その奥が秘されたアダルトゾーンとなっている。右側に壁と平行にカウンター帳場が張り出し、マスクをした実直そうな店主が、忙しそうに梱包作業に勤しんでいる。そして店内はそのほとんどがコミック!入口右横に写真集ゾーンと、正面棚脇にグラビア雑誌ゾーンがあるが…もしやこれだけなのか?…おっ、右端極狭通路の帳場前の棚が、一面の文庫棚になっていた!日本文学文庫・海外文学文庫・戦争文庫・ミステリ&エンタメ文庫・日本純文学文庫・105均文庫…純文と105均に絶版&品切れが多いが、血流が増加するような並びではない。ちなみにこの通路、本を見ていると、至近距離の背後に店主がいる形になるので、ちょっとスリリングな時が流れることとなる…。他に普通の古本は…と真ん中通路に進むと、おっ!一部が時代劇文庫・女流作家文庫・雑学文庫棚となっている。コミックとアダルトがメインのお店で、古本は文庫のみの潔さ。値段は安めである。非常に丁寧な応対で、集英社文庫「ポエム君とミラクルタウンの仲間たち/横田順彌」を購入する。

●袋井「Book's TAKE」
お店を出て、来た道をさらに北へ。『永楽町交差点』を越え、いつの間にか郊外的店舗が建ち並ぶ、個性の消えた景色の中を歩いて行く。『国道一号』の陸橋下を潜り、ズンズン…。駅から二キロ強で、行く手に一直線に横たわる『東名高速道』が見えて来た。そこに近付いて行くと、道が二股に分岐し、高速道にピタリと張り付いたような、歩道の島に目が留まる。両脇にトンネルを従えたその島には、駐車場と共に二店のお店がポツリと建っている。ほぉ!右の青い店舗が古本屋さんだ!未だかつて、こんなにも高速道に寄り添った古本屋さんは、見たことがないぞっ!軒にはちょっと壊れかけた看板が架かり、擬人化された『買』の字と、スージィ甘金擬きのイラストが目立っている。あれ?そこに『火よう日定休』の文字…これはやってしまったのか?と少し焦るが、店内には電気が点いており、入口の向こうには車椅子のおばあさんの姿…?店内に入り、その光景の事情を察する。おばあさんは孫に連れられ散歩中らしく、その付き添いの孫は、入口横のカゴに詰まった同人誌を繰るのに、夢中になっているのだ。おばあさん放置!しかし彼女が『もう帰りたい』と訴え、孫は渋々同人誌を置き、お店から去って行った…。そして何だこのお店は!さっきのお店とほとんど同じ造りではないかっ!何故「ブックスはた」と構造が一緒なんだ!?いざと言う時のための…ト、トリック用…!?それとももしや姉妹店なのか?とコミックだらけの店内をウロウロしてみる。違っているのは、入口の両脇に同人誌とアニメ&コミックムック、帳場前はDVD・CD・105均VHS。そして奥に横向きの棚が一つ多く置かれ、その裏側が日本文学文庫・時代劇文庫・官能文庫の文庫棚となっており、帳場奥右壁に実用・サブカル・ノベルスの棚があったことである。それと帳場で働くのはご婦人でした。棚造りはあくまでも一般的だが、値段は安めとなっている。コミック揃いで城門と化しているカウンターにて精算。カッパノベルス「ギャングスターウォーカーズ/吉川良太郎」創元推理文庫「D坂の殺人事件/江戸川乱歩」を購入する。
非常に地道な調査を終えた気分で、道すがらの和菓子屋で『味噌まんじゅう』を買って駅に戻ると、改札の向こうに上りの東海道線が滑り込む光景!慌てて改札と跨線橋を鬼神のように駆け抜けて、滑り込みセーフ。ハァハァ…ふぅ〜。さあ、ゆっくりトロトロ帰りますか。
●袋井「ブックスはた」
北口はキレイで白っぽいロータリー。左から回り込んで北に向かい、『袋井駅北交差点』を通過して、『袋井商店街』の『西通り(東通りもあるのだ)』をズンズン進んで行く。やがて前方に『原野谷川』が現れ、そこに架かる姿の良い橋の真ん中に立つと、四方に平坦な視界が開け、晴々とした気分になる。街に人影は少ないが、車が多く、開いているお店や事務所が連なり、何かしっかりと人のエネルギーが脈動しているのが伝わって来る。さらに北へ進み、小さな用水路と小さな『沖ノ川』を渡り切ると、左に『古本』の立看板が見えて来た。駅からはおよそ一キロ弱の距離である。側壁には店名と『お売り下さい』の大きな文字。軒にはオレンジ色のプラ日除けがあり、下は素っ気ない手書きの貼紙があるウィンドウとなっている。中に入るとラジオが鳴り響く、ちょっと狭苦しい店内。壁際は本棚で覆われ、フロアには縦に背中合わせの棚が二本置かれている。奥には横向きの棚が一本あり、その奥が秘されたアダルトゾーンとなっている。右側に壁と平行にカウンター帳場が張り出し、マスクをした実直そうな店主が、忙しそうに梱包作業に勤しんでいる。そして店内はそのほとんどがコミック!入口右横に写真集ゾーンと、正面棚脇にグラビア雑誌ゾーンがあるが…もしやこれだけなのか?…おっ、右端極狭通路の帳場前の棚が、一面の文庫棚になっていた!日本文学文庫・海外文学文庫・戦争文庫・ミステリ&エンタメ文庫・日本純文学文庫・105均文庫…純文と105均に絶版&品切れが多いが、血流が増加するような並びではない。ちなみにこの通路、本を見ていると、至近距離の背後に店主がいる形になるので、ちょっとスリリングな時が流れることとなる…。他に普通の古本は…と真ん中通路に進むと、おっ!一部が時代劇文庫・女流作家文庫・雑学文庫棚となっている。コミックとアダルトがメインのお店で、古本は文庫のみの潔さ。値段は安めである。非常に丁寧な応対で、集英社文庫「ポエム君とミラクルタウンの仲間たち/横田順彌」を購入する。
●袋井「Book's TAKE」
お店を出て、来た道をさらに北へ。『永楽町交差点』を越え、いつの間にか郊外的店舗が建ち並ぶ、個性の消えた景色の中を歩いて行く。『国道一号』の陸橋下を潜り、ズンズン…。駅から二キロ強で、行く手に一直線に横たわる『東名高速道』が見えて来た。そこに近付いて行くと、道が二股に分岐し、高速道にピタリと張り付いたような、歩道の島に目が留まる。両脇にトンネルを従えたその島には、駐車場と共に二店のお店がポツリと建っている。ほぉ!右の青い店舗が古本屋さんだ!未だかつて、こんなにも高速道に寄り添った古本屋さんは、見たことがないぞっ!軒にはちょっと壊れかけた看板が架かり、擬人化された『買』の字と、スージィ甘金擬きのイラストが目立っている。あれ?そこに『火よう日定休』の文字…これはやってしまったのか?と少し焦るが、店内には電気が点いており、入口の向こうには車椅子のおばあさんの姿…?店内に入り、その光景の事情を察する。おばあさんは孫に連れられ散歩中らしく、その付き添いの孫は、入口横のカゴに詰まった同人誌を繰るのに、夢中になっているのだ。おばあさん放置!しかし彼女が『もう帰りたい』と訴え、孫は渋々同人誌を置き、お店から去って行った…。そして何だこのお店は!さっきのお店とほとんど同じ造りではないかっ!何故「ブックスはた」と構造が一緒なんだ!?いざと言う時のための…ト、トリック用…!?それとももしや姉妹店なのか?とコミックだらけの店内をウロウロしてみる。違っているのは、入口の両脇に同人誌とアニメ&コミックムック、帳場前はDVD・CD・105均VHS。そして奥に横向きの棚が一つ多く置かれ、その裏側が日本文学文庫・時代劇文庫・官能文庫の文庫棚となっており、帳場奥右壁に実用・サブカル・ノベルスの棚があったことである。それと帳場で働くのはご婦人でした。棚造りはあくまでも一般的だが、値段は安めとなっている。コミック揃いで城門と化しているカウンターにて精算。カッパノベルス「ギャングスターウォーカーズ/吉川良太郎」創元推理文庫「D坂の殺人事件/江戸川乱歩」を購入する。
非常に地道な調査を終えた気分で、道すがらの和菓子屋で『味噌まんじゅう』を買って駅に戻ると、改札の向こうに上りの東海道線が滑り込む光景!慌てて改札と跨線橋を鬼神のように駆け抜けて、滑り込みセーフ。ハァハァ…ふぅ〜。さあ、ゆっくりトロトロ帰りますか。
2011年12月26日
12/26静岡・焼津 港書店
仕事のギャラが小切手で送られて来た。こんなこともあるのかと、人生初めての出来事に面食らいながら、苦労して現金化する。むぅ…現金を手にしたら浅はかにも気が大きくなり、遠くへ行きたくなってしまった…。ふと気付くと、停電のためにダイヤが大混乱&大混雑の東海道新幹線に乗り込み、自由席で一時間半…。私はカツオのおつまみ『ツナピコ』発祥の地に到着。ここを古本屋さん目的で訪れるのは三度目なのである。一度目は定休日に来てしまい(2011/01/23参照)、二度目は午後からの臨時休業にぶち当たる(2011/08/20参照)。今日こそは三度目の正直だ!の思いを胸に南口方面へ。ロータリーには下りずに、細い通路からつながる空中歩廊を渡り、駅正面の『駅前通り』に出る。潮の匂いが流れて来る、港をモチーフにした寂しげな商店街である。途中の橋の欄干にある、巨大なタツノオトシゴが不気味なインパクトを放っている。何だか銚子と感じが似てるな、と考えながら強風に抗いつつ、商店街の先を目指して東南へトボトボ。500mほどで商店街が終わり、『本町2丁目交差点』に到着。クロスする『国道150号』に入って、次は南へ。左半身に見えない海の存在を感じつつ、『本町3丁目交差点』を経て一キロ弱で『焼津5丁目交差点』である。進路を東に採って、ひとつめの信号で人魚と時計を備えた鉄製のゲートが迎えてくれる、『神武通り商店街』に足を踏み入れる。奇麗に整備されてはいるが、たっぷりの地元感と、通り沿いに現れる空地が寂しい商店街…果たして今日は開いているのか…祈るような気持ちで眩しい陽光に目を細めながら、南に歩いて行く。左手に二店続きで庶民的に味のある商店建築が見えて来た。二階壁面には『with/週刊現代』の看板があり、窓下には二店共通のオレンジ色の日除け…やった!開いてるぞ!さらにその下には、『こどもの本の』とあるお店の看板があり、さらにその下に緑のテント看板が張り出し、『ミッフィー』…いや、この場合は『うさこちゃん』と呼ぶのが相応しいイラストが描かれている。ここは焼津港にほど近いため、漁船員用の古週刊誌も扱う新刊書店なのである。古本は果たして並んでいるのか…おや?早速店頭右端に、古い木製100均ワゴンがあるではないか!それほど大きくはないが、近付いて何度も視線を走らせてみる。中途半端に古いコミック・古めの文庫・単行本少々・大判ムック…文庫はカバー無しが1/3あるが、創元推理文庫のSFが多い…もしや漁船員にSF好きが…!?私は三冊を手にして店内へ。サッシ戸を開けると同時にチャイムが鳴り響く。古びた町の新刊書店である店内に、人の姿は無い。しばし物憂げで静か過ぎる、私だけの時間が店内に流れる。コミック・雑誌・文庫、それに町の書店にしては充実した児童文学と絵本…そして、右奥角に新刊書店とは異なる棚を発見。その時、奥から老店主が姿を見せ、「いらっしゃい」と言いつつ入口裏の帳場へ座った。右隅に進むと、そこにあるのは横積みされた週刊誌と漫画雑誌で、70or140円で販売されている。一部に地方出版の詩集や古い本も少々。児童用の「あめのひぶんこ」一揃いのようなものも置かれている。まぁ古い本を探すとしたら、表のワゴンに期待するしかないようだ。値段は激安。角川文庫「戯曲 少女仮面/唐十郎」創元推理文庫「スポンサーから一言」「73光年の妖怪」共にフレドリック・ブラウンを購入する。お店を出たら商店街を抜け出して、恐らく今年最後の海を見に行く。青黒く、風が強いのに静かな海と青空を見ていると、雄大さを感じるより先に、畏怖の念を抱いてしまった…。早々に引き上げて、『駅前通り』の『遠州屋』で『一本釣りもなか』を購入して帰路に着く。あぁ、やっぱり遠征はとてつもなく素敵で楽しいなぁ。
昨日は『古本ナイアガラ』内「フォニャルフ」の棚を、半分以上文庫に入れ替える。「盛林堂」さんは月曜は定休日だが、年末は31日まで営業とのこと。今年は後一回くらい、手を入れに行こうと思っております!
2011年10月30日
10/30山梨・月江寺 富士吉田一箱古本市 第二回本町本ずらウォーク
私が衝撃を受けまくった街・『月江寺』(2011/06/29参照)で古本市が開かれると言う!あの、時代から取り残されまくった街で、またもや古本が買えるチャンスが訪れるとは!その麗しい瞬間を貪らねばっ!と富士急行に乗車して、秋に成りかけの山間を進む。何と前々日には、岡崎武志氏がイベントの一環として、中川五郎氏と月江寺でトークしたとの情報あり!そして古本市にも一箱を送り込む予定だったのが、アクシデントにより送り込まれなかったとのこと…残念である。無人駅を出ると駅前も無人。街は以前とまったく変わらず、そのまま時だけをドシャドシャと積み重ねている。まずは飲み屋街の(いや、街全体が飲み屋街なのだが…)横道『ミリオン通り』を目指し、ひとり坂をスタスタ下る。裏側から怪しい通りに入り込むと、以前私を助けてくれた『PONI』とその前の駐車場が小さな会場になっている。テントの下にはフードブースと、地面に置かれた木箱・カゴ・プラケースに本が並べられている。ふむ、結構しっかりした品揃えと率直に感じ、すぐに恒文社「ブタペストの古本屋/徳永康元」を購入する。ここで『下吉田てくてくMAP』を手に入れ、赤丸でポイントされた会場を目指してさらに先へ。『西裏通り』に出ると、そこには『本町本ずらウォーク』の立看板があり、どうやらこれが各会場の目印となっているようだ。通りを下り切る寸前の角に、二店の一箱。子供店長と、カメラを首から提げた若者店長が店番中。若者店長(彼は手にする本の解説をマメにしてくれるのだ)の建築&デザインが充実する箱から、武蔵野美術大学出版局「タウトが撮ったニッポン」を購入。即決の購入に驚く彼に代金を支払い、続いて『月江寺通り』に入る。人影が皆無と言う訳ではないが、時々チラチラと現れる程度…やはり閑散としているのだ。「月之江書房」の雄姿を楽しんでから、空き店舗を使用したオヤジさん店長の店に入ると、日本文学・絵本・出版関係が充実した良い並び。しばらく店内に滞留し、河出文庫「みんな不良少年だった/高平哲郎」を購入する。そしてすぐ近くにもうひとつの会場…こちらは三店で、雑貨と共にSF箱と暮らし関連・絵本が並び、自然派アウトドアなファッションに身を包んだ若者たちが、楽しげに談笑している。ここは何も買えずに先に進むのだが、後で戻って来ることとなる…。最後にこの街のメインストリート『本町通り』に出て、雑貨屋内に並ぶ本を眺める。心やエコの本がメイン…買えずに「お邪魔しました」と奥の女性に声を掛けて表へ。むむ、人が圧倒的に少ないので、やはり全体的に漂う淋しさは否めない。街がひっそりしているのに合わせるかのように、イベントもひっそりと行われているので、もう少し賑やかさが出せると変化が起こるのではないだろうか。この街と古本の組み合わせはとにかく絶品なのだから、今後も工夫して継続し、ぜひ多くの人が訪れることになって欲しいものである。そして私は前述通り、坂を下って再び『月江寺通り』。先ほどの絵本の横で視界に入った手作り雑貨が、妙に気になって仕方なかった…それはテーブル上に可愛く並んだ、廃材のブリキと木片で作られた小さな小さな家たち!おぉ、テーブルの上に、まるで街があるようだ!じっと眺めていると製作者であろう若者が近寄って来て「いらない物で作ったんですが、富士吉田の街みたいですよね」とニンマリ。うん、確かにその通りだ。ひとつとして同じ家は無く、皆錆びて古びている…。私はちょっと夢を見て、真剣に住むならどの家が良いか考え、外階段のある納屋のような家を選択!「これを下さい」と告げると、若者の顔が明るく輝き「ありがとうございます!」と喜びが真摯に伝わるお礼の言葉。「これ、実験作なんですよ」と袋詰めした家を手渡される。袋には『わじあじあ』とある…これがお店の名前なのだろうか…。古本と小さな古いマイホームを携え、ちょっと月江寺を持ち帰れたような心持ちで、駅のホームで四十分待ち。ヒマを持て余して、赤いベンチに家を置いて写真を一枚撮る。ほぅ、まるで中に住めるようではないか…よし、二階には古本を運び込んで書庫にして……小雨が降り始めたホームに、妄想にのめりこむ阿呆な男がひとり…。
2011年09月14日
9/14愛知・渥美半島中ほどで二店!
豊橋駅から至近の新豊橋駅まで歩き、豊橋鉄道渥美線に乗車して、三河湾・伊勢湾・太平洋に囲まれた渥美半島に分け入って行く。出発駅も含め、十六駅をおよそ三十五分で走り抜ける。半島の体幹を貫く、緩やかな三両編成の動脈なのである。錆の浮いたような街を抜け出した後は、農地と住宅の平坦な大地をウネウネと進み、やがて終点の三河田原…。

●三河田原「ゆうゆう書房 田原店」
駅員さんに切符を手渡し駅舎を出ると、遠くに蔵王山がそびえる、閑散とした田舎町。ロータリーには数台のタクシーが列を作り、まだ遠い半島の先端方面へ向かうお客を待ちわびている。そこを通り抜けて『駅前通り』を北に進むと、早速左手に見える『古本』の文字とご対面!こんな近くに!と喜びながらも、何かがっついているのを見透かされたように照れながら、お店の前へ。元は古く黒い出桁造りの建物で、軒回りは黄色い看板で覆い込まれ、それに合わせて下の瓦や前面壁も黄色に塗られている。出入口は素っ気無いサッシ扉で、ちょっと入り難くもある…しかし“難い”だけなら入れるのだっ!と扉をカラッと開き、身体を中に捻じ入れる。入口同様装飾性の無い室内で、コミックを収めたスチール棚が立ち尽くしている。入口右横にはガラスケースで造られた帳場があり、漫画家・湊谷夢吉の描く自画像的主人公に似た男性がひとり。静かな店内を、古本を求めてまずは左側に入り込む。すると入口左横棚裏に、三本の古本棚を発見。上部に小説単行本が並び、ラノベ・出版社別文庫・ノベルスがスチール棚に二重に並べられている。棚造りは一般的で、どうやら嬉しい100均のようだ。文庫は古くても80年代止まり。店内中央の棚にも、上部にノンフィクション・タレント・エッセイ、下部にゲーム攻略本を確認する。角川文庫「SP/金城一紀」を購入。

●三河田原「天満堂 田原」
駅前のお店を出て、そのまま寂しい『駅前通り』を北進すると、大型商業施設のある『田原萱町交差点』。進路を東に採ってテクテク進むと、すぐに『船倉橋西交差点』に到達。ここから再び北に向かい、柳並木の道をさらにテクテク。200mも進めば左手に広い駐車場が現れ、おぉ!奥にまたもや『古本』の文字!側壁の赤い看板に釣られるように近付いて行くと、水色の二階建て店舗の一階が古本屋さん。軒には赤・黄色・水色の看板が巡らされ、ガラス窓には営業時間や『田原の古本屋』『全巻セットたくさんあるよ』の文字が躍っている。入口横の安売り文庫揃い&100均棚を眺めてから、マンガのポスターが貼られた自動ドアから店内へ。横長で広くキレイで、リサイクル古書店な雰囲気だが…。左側のコミック揃いに囲まれた帳場には、肌着姿のおっちゃん店主がおり「いらっしゃいませ」。背後の大きな郷土資本&箱入り本棚が、微かに何かを期待させてくれる。壁際は本棚で、フロアには横向きに長く高い背中合わせの棚が二本。右奥にアダルトゾーンがあり、仕切りにもなっている背中合わせの棚が一本。手前第一通路・左壁棚・第二通路右半分・アダルト仕切り棚は、すべてコミックで埋まっている。真ん中通路左側に、時代劇文庫・夏目漱石関連文庫・出版社別文庫・ラノベ・児童書・児童文学・語学・サブカル・新書・タレント・ハーレクインが集まっている。そのさらに奥の第三通路には、歴史・戦争・実用・オカルト・日本文学・エッセイ・ミステリ&エンタメ・美術・作品集・美術図録・アニメ・写真集・ビジュアルムック・芸能雑誌など。古い本がひょこひょこ顔を出して、古本屋さん的て楽しいぞ…ぬぉぉおおお!大好きな森やすじ先生の幼稚園&保育園用の動物カット集を発見!これは、この前買った展覧会の図録より、遥かに素晴らしいぞっ!うぁ〜、ここまで来た甲斐がありまくりだっ!…値段は…100円!!!!どひゃっほうっ!もう、私の今日は終わりました!お疲れさまでした…と言うように、意外な本がちょっと並んでいたりもする。値段は安め(特に単行本)。おっちゃんに不思議なイントネーションで精算していただく。あ!帰りの車中で気付いたのだが、90円オマケされてる。おっちゃん、ありがとう!小学館「森やすじの動物カット集/森やすじ」講談社文庫「浪漫疾風録/生島治郎」辰巳出版「人喰い映画祭【満腹編】/とみさわ昭仁」中公文庫「カッパドキヤの夏/柳宗玄」を購入。
豊橋からは距離にして十五キロほどなのだが、半島と言う地理的状況が、どうして私はこの地に来てしまったのか…の思いをムクムクと湧き上がらせる。もちろん古本屋さんを目指して来たからなのは判っているのだが、今日この時に、この渥美半島にいるのが本当に不思議でしょうがない。おかげで森やすじが手に入り、万々歳なのではあるが…。楽しさや焦りや後ろめたさや好奇心や探究心や欲望や後悔の念に、背中を押されたり足を引っ張られたりしながら、まだまだツアーは続いて行く…。
●三河田原「ゆうゆう書房 田原店」
駅員さんに切符を手渡し駅舎を出ると、遠くに蔵王山がそびえる、閑散とした田舎町。ロータリーには数台のタクシーが列を作り、まだ遠い半島の先端方面へ向かうお客を待ちわびている。そこを通り抜けて『駅前通り』を北に進むと、早速左手に見える『古本』の文字とご対面!こんな近くに!と喜びながらも、何かがっついているのを見透かされたように照れながら、お店の前へ。元は古く黒い出桁造りの建物で、軒回りは黄色い看板で覆い込まれ、それに合わせて下の瓦や前面壁も黄色に塗られている。出入口は素っ気無いサッシ扉で、ちょっと入り難くもある…しかし“難い”だけなら入れるのだっ!と扉をカラッと開き、身体を中に捻じ入れる。入口同様装飾性の無い室内で、コミックを収めたスチール棚が立ち尽くしている。入口右横にはガラスケースで造られた帳場があり、漫画家・湊谷夢吉の描く自画像的主人公に似た男性がひとり。静かな店内を、古本を求めてまずは左側に入り込む。すると入口左横棚裏に、三本の古本棚を発見。上部に小説単行本が並び、ラノベ・出版社別文庫・ノベルスがスチール棚に二重に並べられている。棚造りは一般的で、どうやら嬉しい100均のようだ。文庫は古くても80年代止まり。店内中央の棚にも、上部にノンフィクション・タレント・エッセイ、下部にゲーム攻略本を確認する。角川文庫「SP/金城一紀」を購入。
●三河田原「天満堂 田原」
駅前のお店を出て、そのまま寂しい『駅前通り』を北進すると、大型商業施設のある『田原萱町交差点』。進路を東に採ってテクテク進むと、すぐに『船倉橋西交差点』に到達。ここから再び北に向かい、柳並木の道をさらにテクテク。200mも進めば左手に広い駐車場が現れ、おぉ!奥にまたもや『古本』の文字!側壁の赤い看板に釣られるように近付いて行くと、水色の二階建て店舗の一階が古本屋さん。軒には赤・黄色・水色の看板が巡らされ、ガラス窓には営業時間や『田原の古本屋』『全巻セットたくさんあるよ』の文字が躍っている。入口横の安売り文庫揃い&100均棚を眺めてから、マンガのポスターが貼られた自動ドアから店内へ。横長で広くキレイで、リサイクル古書店な雰囲気だが…。左側のコミック揃いに囲まれた帳場には、肌着姿のおっちゃん店主がおり「いらっしゃいませ」。背後の大きな郷土資本&箱入り本棚が、微かに何かを期待させてくれる。壁際は本棚で、フロアには横向きに長く高い背中合わせの棚が二本。右奥にアダルトゾーンがあり、仕切りにもなっている背中合わせの棚が一本。手前第一通路・左壁棚・第二通路右半分・アダルト仕切り棚は、すべてコミックで埋まっている。真ん中通路左側に、時代劇文庫・夏目漱石関連文庫・出版社別文庫・ラノベ・児童書・児童文学・語学・サブカル・新書・タレント・ハーレクインが集まっている。そのさらに奥の第三通路には、歴史・戦争・実用・オカルト・日本文学・エッセイ・ミステリ&エンタメ・美術・作品集・美術図録・アニメ・写真集・ビジュアルムック・芸能雑誌など。古い本がひょこひょこ顔を出して、古本屋さん的て楽しいぞ…ぬぉぉおおお!大好きな森やすじ先生の幼稚園&保育園用の動物カット集を発見!これは、この前買った展覧会の図録より、遥かに素晴らしいぞっ!うぁ〜、ここまで来た甲斐がありまくりだっ!…値段は…100円!!!!どひゃっほうっ!もう、私の今日は終わりました!お疲れさまでした…と言うように、意外な本がちょっと並んでいたりもする。値段は安め(特に単行本)。おっちゃんに不思議なイントネーションで精算していただく。あ!帰りの車中で気付いたのだが、90円オマケされてる。おっちゃん、ありがとう!小学館「森やすじの動物カット集/森やすじ」講談社文庫「浪漫疾風録/生島治郎」辰巳出版「人喰い映画祭【満腹編】/とみさわ昭仁」中公文庫「カッパドキヤの夏/柳宗玄」を購入。
豊橋からは距離にして十五キロほどなのだが、半島と言う地理的状況が、どうして私はこの地に来てしまったのか…の思いをムクムクと湧き上がらせる。もちろん古本屋さんを目指して来たからなのは判っているのだが、今日この時に、この渥美半島にいるのが本当に不思議でしょうがない。おかげで森やすじが手に入り、万々歳なのではあるが…。楽しさや焦りや後ろめたさや好奇心や探究心や欲望や後悔の念に、背中を押されたり足を引っ張られたりしながら、まだまだツアーは続いて行く…。
2011年08月20日
8/20静岡・静岡で駿府公園をぐるりと一周二店!
行きたかった焼津のお店に二度目のチャレンジ!…しかし何と、午前中で今日の営業を終えたとの貼紙がっ!?…何故今日に限ってこんなことに…己の不運を呪いながら、取りあえず静岡へ戻る。さてどうするか?と考えてる間にも、貴重な時が流れて行く…そうだ!新しいブックカフェに行ってみよう…くっ?ド、ドアが開かねぇ!ええぃ、こうなったらオーソドックスに、静岡未踏の古本屋さんをツアーしてみよう!

●静岡「文高堂書店」
巨大で新しく、現代的なビルが建ち並ぶ北口ロータリーから、大通りを北西へ。進路を微妙に北に向けて『北街道』に入り、古い歩道屋根の架かる商店街を北にテクテク進む。やがて左手の景色は、お堀と石垣と緑が絶妙に混ざり合う『駿府公園』となるので、城址を偵察するかの如く、さらにお堀に沿って逆時計回りに進んで行く。やがて『草深橋交差点』にたどり着くが、ここは通り過ぎて次の信号で北へ進むと、すぐに『長谷通り商店街』。ここまで来ると観光地的賑やかさはなりを潜め、普通の田舎町の日常が広がっている。道を西に進むとすぐに古本屋さんに出会えた。ほほぅ、時の流れに身を任せた、正統派の街の古本屋さん!黄緑の日除けはビシッと張り詰め若々しいが、サッシ扉の店頭は渋く年月を経たオーラが漂っている。店頭のラックには何も並んでおらず、下部は破れたビニールにより何らかの補修が施されている。店内はコンクリ土間で、壁一面が造り付けの木製本棚、真ん中には手前がラックで奥が本棚の背中合わせの棚が一本。その奥の棚脇に帳場があり、老け役を演じる宇野重吉風店主が読書中。う〜む、素敵な古いお店の芳香が鼻孔をくすぐっている…。左の壁棚は、上部と下部に全集横積みゾーンが重量感たっぷりに存在し、それにサンドイッチされるカタチでコミック・ミステリ&エンタメ・歴史小説・日本文学・江戸東京・歌舞伎・映画と続く。向かいにはビジュアル本・大判本・雑誌が並び、奥に新書が集まっている。奥壁棚を見ようとすると、帳場の店主は左角隅に移動。どうやら棚が見易いように気遣ってくれたようだ。ありがとうございます。と思いながら、歴史・郷土・静岡・オカルト・辞書などを眺めて行く。右壁は奥から、古典文学・文学評論・橋・道・海外文学・戦争・講談社学術文庫・中公文庫・江戸&落語関連文庫・ミステリ&エンタメ文庫・時代劇文庫の流れ。ちなみにこちらも全集サンドイッチ状態である。向かいはノベルス・100均文庫、そして岩波文庫の黄・青・緑・赤。単なる街の寂れた古本屋さんかと思いきや、2/3が硬めな本の硬派なお店!ミステリ&エンタメ・コミック・文庫は新しい本が中心だが、それ以外は古めの本もしっかり混ざり込んでいる。値段は安め〜普通。精算時に袋を辞退すると、「フォッホッホ、そうですか、ありがとう」と喜ばれてしまう。カッパブックス「近代日本の文学史/伊藤整」岩波文庫「古い玩具/岸田国士」を購入。

●静岡「古本ブックスランド」
続いて再び公園のお堀沿いに戻り、またもや逆時計回りにテクテク…この辺りは学校が密集してるなぁ…などと思っていると、公園西側の『御幸通り』に接触。進路を西北に採って、ビルの足元や横断歩道を通り過ぎると、大きな赤い鳥居がドドンと出現!そこを潜れば『浅間通り』で、両側に商店が並ぶキレイに整備された観光地的街路となる。そこをサッサカ進み、一本目の脇道を鋭角に西南に曲がり込むと、今までの明るい感じから景色が一変!『浅間通り』と『御幸通り』をつなぐその道は、古めかしいトタン板の商店街となっているのだ!多くのお店はシャッターを閉じているが、やったぞ!行き先左手に『古本』の文字が見えている!時代を感じさせる、名も無き商店建築の二階に縦看板があり、古いトタン歩道屋根の下には、隠れるようにもうひとつの大きな店名看板。店頭は左に木製壁棚四本、右に雑誌ラックが二台と壁棚が一列備わっている。クナクナの「太陽」やムック類・箱入り大判本と共に、100均文庫&単行本が並んでいる。真ん中のガラス戸は、人々の手で木枠が磨耗し、美しい丸みを帯びている。ガタガタと音を立てるが、驚くほど軽快に滑って開く…む、快感である!中は横長で古く、正にガラス戸と直結した空間となっており、ただひたすらに静かである。入口横・左右壁・奥壁両端に本棚、真ん中に背中合わせの棚が四本。奥に舞台のようなカウンター式帳場があり、奥の椅子でショートカットのおばさまが、のけぞって就寝中…。入口左横はビジュアル本や図録から始まり、途中からパラフィンやビニールに包まれた日本文学が続いて行く。かなりしっかりとした並びは、そのまま右壁に継続し、途中から探偵&推理小説・アダルトとなり、奥壁に古いノベルス&エロ系新書が収まっている。向かいの通路棚は、美しい日本文学の続きで、下段にノベルスと大量のハーレクイン。左から二番目の通路は文庫で埋まっており、上半分は時代劇やミステリ&エンタメが並び、下半分はセンスの良い並びの絶版&品切れ棚となっている。日本文学・児童文学・推理小説・海外ミステリ・SF…通路に屈み込み、長時間目をキラキラとさせてしまう。真ん中はコミック通路。右から二番目は、文学評論・歴史・民俗学・新書・選書・宗教。入口右横は豪華大判本が多く並び、右端通路にはテレビ・文化・政治・犯罪・思想・実用・静岡・ノンフィクション・世界文明・古代・美術・山岳・釣り・映画・戦争が多少カオスに集まり、帳場横に詩歌句あり。その軽い店名からは想像出来ない、芯のあるセンス良しな本棚が立つお店である!特に私は文庫の並びに感心&満足。しかし値段はしっかり値付け…それでも少しは綻びがあるところも…。すでに起床したおばさまに精算をお願いすると、椅子を降りてカウンター前で立膝になり、小さな計算機のボタンを連打!嬉しいことに店内棚の本は30%引きであることを告げられる。すると結構安くなるぞ!ありがとうございます!朝日ソノラマ「人物写真/林忠彦」市民文庫「旧友芥川龍之介/恒藤恭」毎日新聞社「古代文明の謎と発見5 ミイラは語る」を購入。
本日の二店は、年月を経た店舗が非常に好ましく、私の懐古心と旅情を大いに刺激してくれた。棚はしっかりと動き、古本屋さんとしても機能しているが、もはや現代と完全に異相となった空間として存在しているのが、とにかく素敵で素晴らしい!今後もどんどんスライドして、さらなる時空の開きが生まれることを期待しています。
●静岡「文高堂書店」
巨大で新しく、現代的なビルが建ち並ぶ北口ロータリーから、大通りを北西へ。進路を微妙に北に向けて『北街道』に入り、古い歩道屋根の架かる商店街を北にテクテク進む。やがて左手の景色は、お堀と石垣と緑が絶妙に混ざり合う『駿府公園』となるので、城址を偵察するかの如く、さらにお堀に沿って逆時計回りに進んで行く。やがて『草深橋交差点』にたどり着くが、ここは通り過ぎて次の信号で北へ進むと、すぐに『長谷通り商店街』。ここまで来ると観光地的賑やかさはなりを潜め、普通の田舎町の日常が広がっている。道を西に進むとすぐに古本屋さんに出会えた。ほほぅ、時の流れに身を任せた、正統派の街の古本屋さん!黄緑の日除けはビシッと張り詰め若々しいが、サッシ扉の店頭は渋く年月を経たオーラが漂っている。店頭のラックには何も並んでおらず、下部は破れたビニールにより何らかの補修が施されている。店内はコンクリ土間で、壁一面が造り付けの木製本棚、真ん中には手前がラックで奥が本棚の背中合わせの棚が一本。その奥の棚脇に帳場があり、老け役を演じる宇野重吉風店主が読書中。う〜む、素敵な古いお店の芳香が鼻孔をくすぐっている…。左の壁棚は、上部と下部に全集横積みゾーンが重量感たっぷりに存在し、それにサンドイッチされるカタチでコミック・ミステリ&エンタメ・歴史小説・日本文学・江戸東京・歌舞伎・映画と続く。向かいにはビジュアル本・大判本・雑誌が並び、奥に新書が集まっている。奥壁棚を見ようとすると、帳場の店主は左角隅に移動。どうやら棚が見易いように気遣ってくれたようだ。ありがとうございます。と思いながら、歴史・郷土・静岡・オカルト・辞書などを眺めて行く。右壁は奥から、古典文学・文学評論・橋・道・海外文学・戦争・講談社学術文庫・中公文庫・江戸&落語関連文庫・ミステリ&エンタメ文庫・時代劇文庫の流れ。ちなみにこちらも全集サンドイッチ状態である。向かいはノベルス・100均文庫、そして岩波文庫の黄・青・緑・赤。単なる街の寂れた古本屋さんかと思いきや、2/3が硬めな本の硬派なお店!ミステリ&エンタメ・コミック・文庫は新しい本が中心だが、それ以外は古めの本もしっかり混ざり込んでいる。値段は安め〜普通。精算時に袋を辞退すると、「フォッホッホ、そうですか、ありがとう」と喜ばれてしまう。カッパブックス「近代日本の文学史/伊藤整」岩波文庫「古い玩具/岸田国士」を購入。
●静岡「古本ブックスランド」
続いて再び公園のお堀沿いに戻り、またもや逆時計回りにテクテク…この辺りは学校が密集してるなぁ…などと思っていると、公園西側の『御幸通り』に接触。進路を西北に採って、ビルの足元や横断歩道を通り過ぎると、大きな赤い鳥居がドドンと出現!そこを潜れば『浅間通り』で、両側に商店が並ぶキレイに整備された観光地的街路となる。そこをサッサカ進み、一本目の脇道を鋭角に西南に曲がり込むと、今までの明るい感じから景色が一変!『浅間通り』と『御幸通り』をつなぐその道は、古めかしいトタン板の商店街となっているのだ!多くのお店はシャッターを閉じているが、やったぞ!行き先左手に『古本』の文字が見えている!時代を感じさせる、名も無き商店建築の二階に縦看板があり、古いトタン歩道屋根の下には、隠れるようにもうひとつの大きな店名看板。店頭は左に木製壁棚四本、右に雑誌ラックが二台と壁棚が一列備わっている。クナクナの「太陽」やムック類・箱入り大判本と共に、100均文庫&単行本が並んでいる。真ん中のガラス戸は、人々の手で木枠が磨耗し、美しい丸みを帯びている。ガタガタと音を立てるが、驚くほど軽快に滑って開く…む、快感である!中は横長で古く、正にガラス戸と直結した空間となっており、ただひたすらに静かである。入口横・左右壁・奥壁両端に本棚、真ん中に背中合わせの棚が四本。奥に舞台のようなカウンター式帳場があり、奥の椅子でショートカットのおばさまが、のけぞって就寝中…。入口左横はビジュアル本や図録から始まり、途中からパラフィンやビニールに包まれた日本文学が続いて行く。かなりしっかりとした並びは、そのまま右壁に継続し、途中から探偵&推理小説・アダルトとなり、奥壁に古いノベルス&エロ系新書が収まっている。向かいの通路棚は、美しい日本文学の続きで、下段にノベルスと大量のハーレクイン。左から二番目の通路は文庫で埋まっており、上半分は時代劇やミステリ&エンタメが並び、下半分はセンスの良い並びの絶版&品切れ棚となっている。日本文学・児童文学・推理小説・海外ミステリ・SF…通路に屈み込み、長時間目をキラキラとさせてしまう。真ん中はコミック通路。右から二番目は、文学評論・歴史・民俗学・新書・選書・宗教。入口右横は豪華大判本が多く並び、右端通路にはテレビ・文化・政治・犯罪・思想・実用・静岡・ノンフィクション・世界文明・古代・美術・山岳・釣り・映画・戦争が多少カオスに集まり、帳場横に詩歌句あり。その軽い店名からは想像出来ない、芯のあるセンス良しな本棚が立つお店である!特に私は文庫の並びに感心&満足。しかし値段はしっかり値付け…それでも少しは綻びがあるところも…。すでに起床したおばさまに精算をお願いすると、椅子を降りてカウンター前で立膝になり、小さな計算機のボタンを連打!嬉しいことに店内棚の本は30%引きであることを告げられる。すると結構安くなるぞ!ありがとうございます!朝日ソノラマ「人物写真/林忠彦」市民文庫「旧友芥川龍之介/恒藤恭」毎日新聞社「古代文明の謎と発見5 ミイラは語る」を購入。
本日の二店は、年月を経た店舗が非常に好ましく、私の懐古心と旅情を大いに刺激してくれた。棚はしっかりと動き、古本屋さんとしても機能しているが、もはや現代と完全に異相となった空間として存在しているのが、とにかく素敵で素晴らしい!今後もどんどんスライドして、さらなる時空の開きが生まれることを期待しています。
2011年07月31日
7/31静岡・磐田で古本だけでなくビクター犬二店!
今日こそはと早起きして、東海道線を細かく乗り継いで、西へ四時間五十分。もはや浜松一歩手前のその場所は、水色に支配された『YAMAHA FC ジュビロ磐田』の街であった…。

●磐田「武蔵野書店」
北口に出ると、ジュビロのフラッグが翻るロータリー。その右端を抜け『磐田駅前交差点』を通過し、『天平通り』を真っ直ぐ北へ。途中に現れる水色の歩道屋根の商店街は『ジュビロード』と名付けられ、サッカーボールを冠する外灯と、選手の足型がはめ込まれた歩道が続く。400mほど歩けば『商工会議所前交差点』に到るので、そこを西に入って後は道なりにダラダラ。二つの近接した信号を通り抜け、右手に注意を払っていれば、何やらゴチャついたお店が目に入って来る。まずスゴイのは、お店の右横に集まる大量の火鉢で、まるで打ち捨てられたかのように積み重なっている。住宅兼店舗の正面壁面には大きく店名が書かれ、ビッと張り出すオレンジ日除けの下には、陶器や壷・置物と共に二台の100均ワゴンがある。どうやら古本屋と古道具屋の融合店で、『古着・茶道具・古本・古道具』を買入れている。中に入ると、店頭同様ゴチャゴチャした店内。各通路には腰辺りまで和本・古道具類・雑誌・額装絵画&色紙など積まれているが、各棚の上半分は意外にスッキリ見られる状態となっている。壁際はぐるっと本棚で、真ん中に背中合わせの棚が二本、右奥に帳場があり老婦人が古道具と古本の山の向こうで店番中。頭上からは多数の肉筆短冊(俳句)が垂れ下がっている。左壁には美術関連豪華本・日本美術・中世歴史・徳川家康が並び、途中からは静岡・浜松・磐田・遠州などの郷土本が続き、そのまま奥壁までズラリ。向かいには書・禅・文学少々。そしてこの通路には和本と共に、大量の古い占い本が足元に集まっている。真ん中の通路には、歴史・風俗・新書・江戸・刀剣・安部公房・野坂昭如・山岳…むっ!「魔太郎がくる!!」9巻が一冊だけ…。ここには下に絵葉書箱や、古い小冊子が集合している…『電気の使い方』の本が何冊も…。右端通路は半分が古道具&置物の棚となっており、小さな観音像・人形・根付・篆刻などの間に、句集・陶芸大判本・お茶・民芸の姿。最初に表から見た時は、古道具の一部として古本を扱っている雰囲気だったが、しっかりと古本屋さんの部分あり!古い資料本が多く、紙物も豊富である。値段は安め〜ちょい高で、良い本にはプレミア値付けあり。私の他にも車で乗り付けたお客さんがやって来たが、その人は本には見向きもせずに火鉢を購入。金魚鉢にするんだそうです。講談社「猫は知っていた/仁木悦子」(再版だが100円だしジャケ買い!)朋文堂「山の文学紀行/福田宏年」美術出版社「母と子の針穴写真/田所美恵子」陶製置物「ビクターの犬」(全高16cmで千円!)を購入。

●磐田「山田書房」
実は最初に行ったら閉まっていたお店。帰りに立ち寄ると、今度はしっかり開いていた。ひゃっほう!『磐田駅前交差点』から『天平通り』を北に進み、二本目の脇道を東へ。奥にお寺が見える駅近住宅街ゾーンだが、右手奥の壁のように高い三階建住宅に『本』の文字!いそいそ近付いて正面へ回り込むと、ピロティガレージ横の住宅の一部が古本屋さんと化している!細長い直方体看板と、レンガ壁面にも勘亭流の看板文字。さっきは閉まっていたサッシが開いており、中にはちばてつや風のオヤジさんの姿が。静かに入口を通り「こんにちは」と素早く挨拶。十畳ほどの店内に、良く整頓された棚が並んでいる。壁際はすべて本棚、左壁沿い中央辺りに帳場があり、フロアには横向きに背中合わせの棚が二本。各棚の足元にはどこも、隙間無く括られたコミック揃いがキレイに置かれている。左壁手前は、上部に時代劇文庫・下部にミステリ&エンタメ文庫が並び、隅に少量の絶版漫画・児童本・官能文庫のスペース。帳場を越えて右奥スペースには、静岡・磐田の郷土本が集められている。入口右横の壁棚は書・古代史・中国・ちくま文庫・アウトローが並び、向かいに新書・選書・文学評論・古典文学・海外文学・戦争。右壁には、オカルト・鉄道・趣味・実用・古い日本文学・日本文学・歴史小説・美術ビジュアル本・映画ポスター。真ん中の通路は、手前に歴史・江戸風俗・新書、奥に評伝・宗教・ビジュアルムック(特撮あり)・雑誌・美術図録の構成。最奥通路は、手前に釣り・アダルト、奥に植物・牧野富三郎・陶芸・お茶・美術・世界文化・建築・アングラ&幻想文学・落語・映画・アダルト。整頓が行き届き、棚造りのバランスは美しく細かく、街のための知識から欲望までを端整に担ったお店である。あえて言うならば、歴史・中国・郷土が突出している。値段はちょい安〜普通。洋泉社「市川崑大全」を購入。
来るのに四時間五十分かかったと言うことは、帰りにも同じ時間がかかると言うこと…滞在時間一時間十五分で、ジュビロシティーを後にして、またもや東海道線の車中。あぁ、今日はまるで、東海道線の中で暮しているようだ…電車で暮して家で寝る。今度は何線の住人になってみようか。
●磐田「武蔵野書店」
北口に出ると、ジュビロのフラッグが翻るロータリー。その右端を抜け『磐田駅前交差点』を通過し、『天平通り』を真っ直ぐ北へ。途中に現れる水色の歩道屋根の商店街は『ジュビロード』と名付けられ、サッカーボールを冠する外灯と、選手の足型がはめ込まれた歩道が続く。400mほど歩けば『商工会議所前交差点』に到るので、そこを西に入って後は道なりにダラダラ。二つの近接した信号を通り抜け、右手に注意を払っていれば、何やらゴチャついたお店が目に入って来る。まずスゴイのは、お店の右横に集まる大量の火鉢で、まるで打ち捨てられたかのように積み重なっている。住宅兼店舗の正面壁面には大きく店名が書かれ、ビッと張り出すオレンジ日除けの下には、陶器や壷・置物と共に二台の100均ワゴンがある。どうやら古本屋と古道具屋の融合店で、『古着・茶道具・古本・古道具』を買入れている。中に入ると、店頭同様ゴチャゴチャした店内。各通路には腰辺りまで和本・古道具類・雑誌・額装絵画&色紙など積まれているが、各棚の上半分は意外にスッキリ見られる状態となっている。壁際はぐるっと本棚で、真ん中に背中合わせの棚が二本、右奥に帳場があり老婦人が古道具と古本の山の向こうで店番中。頭上からは多数の肉筆短冊(俳句)が垂れ下がっている。左壁には美術関連豪華本・日本美術・中世歴史・徳川家康が並び、途中からは静岡・浜松・磐田・遠州などの郷土本が続き、そのまま奥壁までズラリ。向かいには書・禅・文学少々。そしてこの通路には和本と共に、大量の古い占い本が足元に集まっている。真ん中の通路には、歴史・風俗・新書・江戸・刀剣・安部公房・野坂昭如・山岳…むっ!「魔太郎がくる!!」9巻が一冊だけ…。ここには下に絵葉書箱や、古い小冊子が集合している…『電気の使い方』の本が何冊も…。右端通路は半分が古道具&置物の棚となっており、小さな観音像・人形・根付・篆刻などの間に、句集・陶芸大判本・お茶・民芸の姿。最初に表から見た時は、古道具の一部として古本を扱っている雰囲気だったが、しっかりと古本屋さんの部分あり!古い資料本が多く、紙物も豊富である。値段は安め〜ちょい高で、良い本にはプレミア値付けあり。私の他にも車で乗り付けたお客さんがやって来たが、その人は本には見向きもせずに火鉢を購入。金魚鉢にするんだそうです。講談社「猫は知っていた/仁木悦子」(再版だが100円だしジャケ買い!)朋文堂「山の文学紀行/福田宏年」美術出版社「母と子の針穴写真/田所美恵子」陶製置物「ビクターの犬」(全高16cmで千円!)を購入。
●磐田「山田書房」
実は最初に行ったら閉まっていたお店。帰りに立ち寄ると、今度はしっかり開いていた。ひゃっほう!『磐田駅前交差点』から『天平通り』を北に進み、二本目の脇道を東へ。奥にお寺が見える駅近住宅街ゾーンだが、右手奥の壁のように高い三階建住宅に『本』の文字!いそいそ近付いて正面へ回り込むと、ピロティガレージ横の住宅の一部が古本屋さんと化している!細長い直方体看板と、レンガ壁面にも勘亭流の看板文字。さっきは閉まっていたサッシが開いており、中にはちばてつや風のオヤジさんの姿が。静かに入口を通り「こんにちは」と素早く挨拶。十畳ほどの店内に、良く整頓された棚が並んでいる。壁際はすべて本棚、左壁沿い中央辺りに帳場があり、フロアには横向きに背中合わせの棚が二本。各棚の足元にはどこも、隙間無く括られたコミック揃いがキレイに置かれている。左壁手前は、上部に時代劇文庫・下部にミステリ&エンタメ文庫が並び、隅に少量の絶版漫画・児童本・官能文庫のスペース。帳場を越えて右奥スペースには、静岡・磐田の郷土本が集められている。入口右横の壁棚は書・古代史・中国・ちくま文庫・アウトローが並び、向かいに新書・選書・文学評論・古典文学・海外文学・戦争。右壁には、オカルト・鉄道・趣味・実用・古い日本文学・日本文学・歴史小説・美術ビジュアル本・映画ポスター。真ん中の通路は、手前に歴史・江戸風俗・新書、奥に評伝・宗教・ビジュアルムック(特撮あり)・雑誌・美術図録の構成。最奥通路は、手前に釣り・アダルト、奥に植物・牧野富三郎・陶芸・お茶・美術・世界文化・建築・アングラ&幻想文学・落語・映画・アダルト。整頓が行き届き、棚造りのバランスは美しく細かく、街のための知識から欲望までを端整に担ったお店である。あえて言うならば、歴史・中国・郷土が突出している。値段はちょい安〜普通。洋泉社「市川崑大全」を購入。
来るのに四時間五十分かかったと言うことは、帰りにも同じ時間がかかると言うこと…滞在時間一時間十五分で、ジュビロシティーを後にして、またもや東海道線の車中。あぁ、今日はまるで、東海道線の中で暮しているようだ…電車で暮して家で寝る。今度は何線の住人になってみようか。
2011年06月29日
6/29山梨・月江寺 PONI
大月から哀しみの富士急行で四十分。2010/11/12以来の山梨行である。古本屋さんの少ない山梨での、危険な賭けなのである!ホームの向こうに溶岩石がゴロゴロと転がる駅から出ると、そこは何とゴーストタウン化が進行しつつある、昭和三十年代の街!シャッターを下ろした店舗がほとんどだが、街が、街が、風雪に晒され続けた看板建築と木造建築で構成されている!先日の秩父行(2011/06/07参照)でも似た体験をしたが、こっちの方がかなり衝撃的だ!コンビニもまったく見当たらないし…。おぉ、それほど省みられずに、朽ち果てて行く文化遺産たちよ!と嘆きながら興奮し、駅から延びる『中央通り』を南東に下って行く。脇道には驚くほどの大量の小飲食店が蔓延り、街全体が『新宿ゴールデン街』の、恐るべき猥雑な姿となっている!もはや心も身体も擬似タイムスリップしながら、目指すのは古本が置いてあるチベット料理屋さんなのだが…。『中央通り』の坂を下り、水流の速過ぎる川を越えてテクテク。すると小さな交差点が現れるので、北東に坂を下る『西裏通り』へ進む。とにかく壮絶な建物が続くのに目を奪われながら200mほど歩くと、左手にある小道が目に入る。行く手には建て込んだ飲み屋街と、その入口に『ミリオン通り』とある小さなゲート。おぉ、あったぞ。ここにお店があるはずなのだが…と昼間の白けた飲み屋通りに入る…しかしお店が無いっ!何処にも無いっ!これはかなりキツイ空振りだぞ…小さな通りを何度往復してみても、やっぱりお店は無かった…肩をガックリ落としながら、昭和三十年代的街路を、当ても無く一時間ほど散策する。ひたすら網の目のような飲み屋街と、次々と現れる倦怠感溢れる商店街を巡り、もしかしたら古本屋さんが!と期待するが、そううまくいかないのが世の中である。午後三時二十分。いつの間にか迫った帰りの電車時間ではあるが、諦め切れずにもう一度だけ『ミリオン通り』へ。すると先ほどまで閉まっていた、通り入口横のハンドメイドアクセサリーのお店が開いていた。古着や雑貨も売っているようだが…と、道より低くなったお店の中を覗き込むと、ほわぁ!奥に細いが本棚があるぞ!これこそ“地獄に仏”ではないかっ!即座にお店に飛び降りるように入り込むと、カウンターにいた若い女性が、目を丸くして驚きながらも「いらっしゃいませ」と迎え入れてくれた。飲み屋の造作そのままに、右は年代もののカウンターバーで、左は一段高くなったアクセサリー売場。古本は正面奥の扉と仕切りに挟まれた、六段ほどの細い壁棚に並んでいる。真っ直ぐその棚前に進んだ私を見て、女性は「電気点けますね」とオレンジ色の白熱電球をパチリ。「ありがとうございます」と言ったものの、古本への飢えと予想外の出会いに我を忘れて、心はすでに棚の上。そこにはしっかり『USED BOOKS』の紙札があり、水族館・アジア・旅・ファッション・大宅歩・宮城まり子・小林紀晴・竹久夢二・海野弘・荒俣宏・泉麻人・片岡義男・枝川公一などなど。冊数は少なく、女子方面に寄り気味だが、決してただ不要な本を並べているのではなく、店主の個性と息遣いと心遣いを感じ取れる棚である。値段は普通〜高め。「これを下さい」とカウンターに本を出すと、女性は古本購入に驚き、「おっ!」と小さな叫び声。精算中に、件のチベット料理屋について尋ねると、やはり閉店されたとのこと。「でもイベントに出店したりするので、どうか注目しといて下さい」と、元隣人を守り立てる優しい一言。いや、それよりも、本当に古本を売ってくれていて、ありがとうございます!これからもこの、素晴らしくも恐ろしい街で、小さな古本棚の優しい明かりを、灯し続けて下さい!河出書房新社「メイド・イン・オキュパイド・ジャパン/小坂一也」を購入。
●おまけ・月江寺「月の江書店(新刊)」
街を所在無く彷徨っている最中に、『月江寺大門商店街』で見つけたお店である。古本は売っていないが、とにかくこの姿でここにあるのがワンダフルっ!年代物の軒看板と店名書体とその擦れ具合に心震わせ、脇にある『春陽文庫』の文字に心撃ち抜かれる。かすかに波打つ板ガラスの六枚の引戸の向こうには、本は新しいが薄暗くそれでいて華やかな昭和三十年代的商品陳列風景!本棚や平台はすべて昔そのままで、ここが古本屋さんであったなら…と中に入れば、その妄想は止め処無く回り続ける!奥では首にタオルを巻いたご婦人が、番台のような帳場で、正座をしながら店番中。たっぷりと店内を回遊して、まちミュー友の会「ふじよしだ歩楽百景ガイドブック 下吉田編 上吉田・下吉田編」を購入する。
2011年04月30日
4/30富山・高岡 文明堂書店
仕事の都合に乗っかって、そこから遥か遠くへ流れ流れて富山県。去年の12月以来…と言うか、こんなに早くこの土地を再訪するとは思わなかったな…。高岡は富山のちょっと西にある都市である。正面口から外に出ると、路面電車の駅もある昭和四十年代な地方都市のロータリー。うっとり見とれる間も無く、駅と直結するようにある『高岡ステーションデパート駅前地下入口』に深く潜り込む。地下世界も、地上同様ノスタルジックな状態である。北の高岡大仏方面へ進み、『C2出口』から地上に出ると、歩道にプラ製屋根の架かる『末広町通り』に出る。お祭りの準備のためか、大量の屋台が組み上がる脇を擦り抜けるように北へ。300mほど進むと『末広町交差点』に差し掛かり、東にも歩道プラ屋根が続いて行く。その下をそのまま東に進むと、途中から薄暗いアーケード商店街『御旅屋通り』に入ることとなる。少しうねりつつ、地方アーケード街を楽しみながら、さらに東へ。すると、アーケードが途切れる左手手前に、屋根から下がる『古書』の文字がある看板を発見。おぉ、古い擬洋風商店建築である。そしてお店の名前を見て、単純にカステラを連想…。軒のタイル部分には赤い看板文字が並び、店内正面両脇にも、店名と『読書は精神の糧』とある、縦看板が確認出来る。店頭には木箱ワゴンが三台、ダンボール一箱、屋根付きワゴンが展開し、時代劇文庫・時代小説・一般文庫・「太陽」・雑誌・松本清張全集が並んでいる。サッシ戸を開けて中に入ると、古い古いお家の匂いがプンと鼻をつき、ラジオからは地方放送が流れている。店内はシンプルな二通路式で、壁際は下に平台付きの本棚、真ん中に背中合わせの棚が一本あり、入口側に大判豪華本ディスプレイ、奥側にガラスケースが置かれている。さらに奥には広めな帳場があり、老婦人がちょこなんと座っている。右壁棚は新書と辞書から始まり、食・料理・歴史・民俗学が並んだ後は、帳場の背後まで富山&石川本が多ジャンルで並びまくる。むむ、壮観。下の平台には、箱に入った単行本や絵葉書・小冊子・観光地図・雑誌・和本が詰まっており、紙物率高し。これは各棚下共通である。向かいは、世界・日本文学・猿・動物学・解剖学・戦傷学・科学・スポーツ・思想・映画・現代史・社会・東洋文庫が収まる。ガラスケース内のプレミア詩歌本を恐る恐る眺めて左通路へ。壁棚には日本文学文庫・囲碁・海外文学文庫・教養系文庫・日本近代文学・評伝・古典文学・文学評論・詩歌・宗教・ウィトゲンシュタイン全集と続く。向かいは、お茶・京都・「キング」・「婦人之友」・美術・書が並ぶ。入口近くには、通路に置かれた絶版コミック箱あり。古い本が多く、地方都市の文化を古くから担う古本屋さんである。棚造りは背筋がビッと通っており、大判本も目立つ。値段は普通で、良い本にはバッチリプレミア値が。よし!続いて氷見線に乗って、伏木に向かおう。意気揚々とお店を出ると、激しい雷と、アーケード屋根をバラバラ叩く雨粒…春雷に出会う。雄山閣「日本の盗賊/原田種純」を購入。
この後、一時間に一本のディーゼル車に乗って伏木へ。ここの駅構内に「よか書房」と言う古本屋さんがあるはずなのだが…無かった…ただの観光案内所があるだけだった。遅かったか…(後で調べてみると、一駅先の越中国分に移転していることが判明)。およそ四十分後の上りにて高岡駅へ引き返す。サッサと東京へ戻らねばならないのだが、次の特急『はくたか』が来るまで三十分…時間潰しに駅ビル内をウロウロ。すると二階に『北洋スタンプ』と言うコイン屋さんがあるのを発見。漫然とコインや切手を眺めていると、寺田寅彦の肖像10円切手を見つけてしまい、つい200円で購入してしまう…あぁ、私は一体こんなところで、何をしているのだろうか!?
2011年04月23日
4/23静岡・静岡鉄道沿線二店!
東海道線と静岡鉄道を乗り継ぎ西へ。くるくる変わる天気を潜り抜けて行くと、結局は雨風の街。コンビニで傘を手に入れ、湿気に包まれた街に古本を求めて、よし行くぞ!

●県総合運動場「古書 悠悠堂書店」
静鉄の島式ホームから、地下道と改札を抜けて『総合運動場』方面へ。そしてすぐ東にある大通り『南幹線』へ出て、東北に300mほど。二つ目の信号を過ぎて、前方に高速の陸橋が近付いた所で、左手マンションの一階に広がる店頭棚群が目に入って来る。軒の日除けは跡形も無く、骸骨のようなフレームだけが残っている。店頭左端にはボロボロの黄色い立看板があり、『古本・CD・レコード』の文字。七本の店頭棚は六本がコミックで、左端の一本に50均文庫が並んでいる。ガゥ〜ンとうるさい自動ドアから店内へ。縦長で右側がより奥まるカタチである。壁際はすべて本棚で、フロア手前に縦に背中合わせの棚が二本、右側中ほどに横向き棚が一本、右側最奥に縦置き背中合わせの棚が一本。中央左側にはガラスケースで造られた帳場があり、白髪を刈り込み黒縁メガネがお洒落な“いしかわじゅん”風男性が、膝元のテレビで大河ドラマを鑑賞中。左側はコミックばかりなので、一瞥しただけで右側へ。真ん中通路は左側が雑誌ラックで、帳場のガラスケースにはプレミアアイドル写真集・漫画雑誌・文学雑誌・パンフレットなどが飾られている。良く見ると帳場の背後に絶版コミック棚が一本。向かいの通路棚は、新書・廉価サブカル本・ハーレクイン・ノベルス・雑学文庫。足元には廉価コミックが詰まったダンボールがズラリ。入口右横は雑誌ムック棚で、右壁は実用・絵本・児童文学・ガイドブック・資格・ミステリ&エンタメ・サブカル・時代小説・日本文学・新書・アダルト・自然・生物・鉄道・旅・登山・釣り・囲碁・将棋と奥まで続く。手前の通路棚には日本文学文庫、真ん中の横向き棚にはジャズ・アイドル写真集・J-POP本が収まっている。奥の壁棚には、映画・美術・科学・詩歌・みすず本・哲学・思想・宗教・歴史が並び、フロア棚には海外文学文庫・日本純文学文庫・岩波文庫・教養文庫・絶版文庫の姿。左壁棚には語学・大判美術本・静岡関連本・京都・東京・郷土本が並び、足元にはレコード箱が置かれている。広くて本の量も中々の街の古本屋さん。ソヨソヨとした緩い棚造りの風が、優しい気持ちを呼び起こす地元店なのである。値段は全体的に安めで嬉しい。静岡県地学会「東海自然歩道の地学案内」小学館文庫「小さな博物誌/河合雅雄」創元推理文庫「樽/F・W・クロフツ」を購入。

●草薙「子供の本専門店 ピッポ」
JR駅を出て駅前通りを南東に70mほど進むと右手に現れる。静鉄の草薙駅も至近である。赤い日除けの下にあるのは、木材が柔らかく優しいメルヘンな店構え。絵本や児童文学の専門店なのだが、古本も扱っているらしい。軽い木製フレームの扉を開けると、絵本がお店中にドワッと広がっている…しかし!所々に未整理の古本の山!児童文学だけでなく、漫画や表紙イラストがイカした昔の大衆小説なども積まれている。棚や大きな平台を見て行くと、本はピカピカでスリップがちゃんと頭を覗かせている。…新刊か…では何処に古本ゾーンが…と店内をウロウロ。とこの時、初めて店内に誰もいないことに気付く…奥にいるのだろうか?そして左奥に進んで行くと、二本の棚に古本が並んでいるのを発見。演劇・シナリオ・岩波少年文庫・児童文学・「こどものとも」・「かがくのとも」・「PeeBoo」・SF少々・児童科学本・「科学大観」・登山などが並んでいる。帳場の棚に並んでいるのも古本っぽいが、手を出すことは出来ない。おっ、帳場前に絵本古本棚もあるぞ。新刊がメインのお店で古本は少ない。何かを探しに来るよりは、新刊絵本を見るついでに覗くぐらいのスタンスが良いようだ。しかしそれでも欲しい本はしっかり見つかった。本を手に、奥に向かって「す・い・ま・せ〜ん」と声を掛けてみる。反応は無く、チャカポコと雨垂れの音が空しく聞こえて来る…。何度か声掛けを繰り返し、終いにはかなりの大声で「すいませーん!」と言ってみる。しかし誰も現れない…うーんどうしよう。こうなったらお金と『○○を買いました。代金です』とメモでも置いとくか…と思ってたら、表からご婦人が戻って来て「あら!すいません」。ふぅ〜良かったぁ。朋文堂新社「山の科学/原田三夫」を購入。
静岡古本行を短い時間だがたっぷりと楽しむ。一店入れないお店があったが…。しかし私の頭は、昨日買ってさっき読了したばかりの「日本のミイラ」にだいぶショックを受けているのだ!おぉ、ミイラよ!不思議で素敵なミイラたちよ!まさかこの齢になって、静岡で自分の中にミイラブームを起こしてしまうとは…しかし気持ちの持ってき方に困るマイブームだな…。
●県総合運動場「古書 悠悠堂書店」
静鉄の島式ホームから、地下道と改札を抜けて『総合運動場』方面へ。そしてすぐ東にある大通り『南幹線』へ出て、東北に300mほど。二つ目の信号を過ぎて、前方に高速の陸橋が近付いた所で、左手マンションの一階に広がる店頭棚群が目に入って来る。軒の日除けは跡形も無く、骸骨のようなフレームだけが残っている。店頭左端にはボロボロの黄色い立看板があり、『古本・CD・レコード』の文字。七本の店頭棚は六本がコミックで、左端の一本に50均文庫が並んでいる。ガゥ〜ンとうるさい自動ドアから店内へ。縦長で右側がより奥まるカタチである。壁際はすべて本棚で、フロア手前に縦に背中合わせの棚が二本、右側中ほどに横向き棚が一本、右側最奥に縦置き背中合わせの棚が一本。中央左側にはガラスケースで造られた帳場があり、白髪を刈り込み黒縁メガネがお洒落な“いしかわじゅん”風男性が、膝元のテレビで大河ドラマを鑑賞中。左側はコミックばかりなので、一瞥しただけで右側へ。真ん中通路は左側が雑誌ラックで、帳場のガラスケースにはプレミアアイドル写真集・漫画雑誌・文学雑誌・パンフレットなどが飾られている。良く見ると帳場の背後に絶版コミック棚が一本。向かいの通路棚は、新書・廉価サブカル本・ハーレクイン・ノベルス・雑学文庫。足元には廉価コミックが詰まったダンボールがズラリ。入口右横は雑誌ムック棚で、右壁は実用・絵本・児童文学・ガイドブック・資格・ミステリ&エンタメ・サブカル・時代小説・日本文学・新書・アダルト・自然・生物・鉄道・旅・登山・釣り・囲碁・将棋と奥まで続く。手前の通路棚には日本文学文庫、真ん中の横向き棚にはジャズ・アイドル写真集・J-POP本が収まっている。奥の壁棚には、映画・美術・科学・詩歌・みすず本・哲学・思想・宗教・歴史が並び、フロア棚には海外文学文庫・日本純文学文庫・岩波文庫・教養文庫・絶版文庫の姿。左壁棚には語学・大判美術本・静岡関連本・京都・東京・郷土本が並び、足元にはレコード箱が置かれている。広くて本の量も中々の街の古本屋さん。ソヨソヨとした緩い棚造りの風が、優しい気持ちを呼び起こす地元店なのである。値段は全体的に安めで嬉しい。静岡県地学会「東海自然歩道の地学案内」小学館文庫「小さな博物誌/河合雅雄」創元推理文庫「樽/F・W・クロフツ」を購入。
●草薙「子供の本専門店 ピッポ」
JR駅を出て駅前通りを南東に70mほど進むと右手に現れる。静鉄の草薙駅も至近である。赤い日除けの下にあるのは、木材が柔らかく優しいメルヘンな店構え。絵本や児童文学の専門店なのだが、古本も扱っているらしい。軽い木製フレームの扉を開けると、絵本がお店中にドワッと広がっている…しかし!所々に未整理の古本の山!児童文学だけでなく、漫画や表紙イラストがイカした昔の大衆小説なども積まれている。棚や大きな平台を見て行くと、本はピカピカでスリップがちゃんと頭を覗かせている。…新刊か…では何処に古本ゾーンが…と店内をウロウロ。とこの時、初めて店内に誰もいないことに気付く…奥にいるのだろうか?そして左奥に進んで行くと、二本の棚に古本が並んでいるのを発見。演劇・シナリオ・岩波少年文庫・児童文学・「こどものとも」・「かがくのとも」・「PeeBoo」・SF少々・児童科学本・「科学大観」・登山などが並んでいる。帳場の棚に並んでいるのも古本っぽいが、手を出すことは出来ない。おっ、帳場前に絵本古本棚もあるぞ。新刊がメインのお店で古本は少ない。何かを探しに来るよりは、新刊絵本を見るついでに覗くぐらいのスタンスが良いようだ。しかしそれでも欲しい本はしっかり見つかった。本を手に、奥に向かって「す・い・ま・せ〜ん」と声を掛けてみる。反応は無く、チャカポコと雨垂れの音が空しく聞こえて来る…。何度か声掛けを繰り返し、終いにはかなりの大声で「すいませーん!」と言ってみる。しかし誰も現れない…うーんどうしよう。こうなったらお金と『○○を買いました。代金です』とメモでも置いとくか…と思ってたら、表からご婦人が戻って来て「あら!すいません」。ふぅ〜良かったぁ。朋文堂新社「山の科学/原田三夫」を購入。
静岡古本行を短い時間だがたっぷりと楽しむ。一店入れないお店があったが…。しかし私の頭は、昨日買ってさっき読了したばかりの「日本のミイラ」にだいぶショックを受けているのだ!おぉ、ミイラよ!不思議で素敵なミイラたちよ!まさかこの齢になって、静岡で自分の中にミイラブームを起こしてしまうとは…しかし気持ちの持ってき方に困るマイブームだな…。
2011年04月16日
4/16愛知・川名 古書 百萬文庫
鶴舞で地下鉄鶴舞線に乗り換え、三駅先へ。『名古屋古本屋ロード』(2008/06/14参照)も改めて歩いてみたいが、今日はその時間は残念ながらナシ。およそ十分弱で着いた、陰鬱な70年代的駅構内から『2番出口』で地上へ。明るく白く空が広い街路には、すぐ横に子供たちが全力で遊んでいる『川名公園』があり、目の前には南北に延びる『川原通』。まずはそこを北へ歩いて行く。街中なのだが、右手には広大な空地や造成中の公園が続き、遠くまで見通せるのがとにかく気持ち良い。やがてナナメの『安田通』とぶつかる『川原通7交差点』。そこから一旦東南に下り、すぐ次の信号で北東へ延びて行く道に入ると、少し間延びした商店街的風景。200mほど前進すると、右手に七店が連なる住宅兼店舗長屋が姿を見せる。その左から二番目の二階上部には、色褪せた『古本』の看板が!さらに近寄ると、まず目に入って来るのは、黄色と黒と赤文字のドギツイ日除け看板。こってり系ラーメン屋に見えなくもないが、日除けの下には間違いなく店頭棚が存在している。入口を中心に左右に“コ”の字型に棚が組まれ、ビニールに包まれた50円均一文庫の姿!右に海外ミステリ・海外文学・日本文学一部・岩波文庫、左に日本文学がズラッと並んでいる。棚にはブランクがあり、文庫も日に焼けてザラつき気味だが、中々惹き付けられるラインナップなので、お店の中が早くも気になりながらも、一冊一冊しっかり確認する動きになってしまう。スピードを奪われながらもどうにか見終わり、コミック文庫と日本文学文庫の間を通って店内へ。うむむむ…薄暗く文庫本ばかりが挑み掛かって来る不敵な光景…これはいいな…。入ってすぐ右側に、本棚に囲まれた帳場があり、二人の男性が原発についてクールに議論中。壁際はすべて天井までの本棚、真ん中には長めと短めの背中合わせの棚が一本ずつあり、長めの棚の入口側には横に張り出した本棚がある。帳場下にもしっかりと本棚。そして店奥には、本棚に囲まれた小部屋も確認出来る。まずは帳場下の古い海外文学文庫に心奪われながら、続いてフロア棚の左棚手前&張り出し棚に吸引される。そこは絶版プレミア文庫中心の棚造りとなっており、戦争・探偵・海外SF&ミステリ・幻想・落語・サンリオ文庫・教養文庫・旺文社文庫・創元SF文庫が並び、私の心はすでにこのお店を良いお店だと認定してしまう!早速文庫を三冊ほど掴んでしまい、左端通路へ移動。入口部分はコミック文庫で占められているが、奥は190円が基本の雑学&日本文学文庫。マイナー作家まで網羅し、品切れ・絶版も多く並んでいるようだ。奥壁棚にもそれは続いており、右端に時代劇文庫が集まっている。とにかく楽しく面白く、自然と本の背をじっくり眺めて行くことになり、私はもはや独り牛歩戦術歩行…。真ん中の通路に入ると、ここは280円以上文庫のゾーンとなっており、絶版度・日本近代&純文学度・教養度・探偵度がグンとアップしていた、興奮必至の品揃え!…うあぁ、私の速度はもはやカタツムリに貶められた…。右側の短めフロア棚には、海外文学文庫がたっぷりと収まっている。帳場前から続く右壁棚は、講談社学芸文庫・ちくま学術文庫・岩波文庫・新書・ブルーバックスが並んでいる。興奮と疲労を抱えながら、ようやく奥の小部屋に突入。左側にはハヤカワ文庫・創元推理文庫を核とした海外文学190円均一文庫、右には新書(絶版あり)、そして古い岩波文庫・改造文庫・新潮文庫が、茶色く黒くうずくまっている。新書とブルーバックス以外は、とにかく文庫嵐が吹き荒れているお店である。絶版・品切れ文庫も多く、グッドな棚造りは、半ば夢の世界かと思えるほど!値段は安めで、プレミア値もかなり抑え目の良いお店なのです!ふう〜ぅ、静かなる興奮を湧き上がらせながら、一時間以上お店に滞在してしまった。五冊の文庫を手に帳場に向かおうとすると、息を切らせてたくさんの買物袋を手にしたアジア人が飛び込んで来た。そして帳場の、まがい物フライトジャケットを着たオヤジさんに向かって「バクマンはありますかぁ?マンガのマンガです」と質問。「バクマン?…う〜ん、バク…マン…。そこに漫画は並んでるから、あるんならそこだよ」とアドバイス…「BAKUMAN」はまだ文庫サイズでは出てないと思います!旺文社文庫「落穂拾い・雪の宿/小山清」中公文庫「大阪自叙伝/藤沢恒夫」創元推理文庫「陸橋殺人事件/ロナルド・A・ノックス」文春文庫「年の残り/丸谷才一」(野呂邦暢解説!)ハヤカワミステリ文庫「時の娘/ジョセフィン・テイ」を購入。
「百萬文庫」で時間を大いに使ってしまい、この後の計画が大幅に狂う。もちろんその甲斐は充分にあったのだが…。と言うわけで予定を変更し、荒畑駅近くの「御器所書店」へと向かう。このお店は二年ほど前に訪れたことがあるのだが、その時は古書市のために臨時休業しており、入店叶わなかったのだ。今度こそ!の思いを胸に、お店の前にたどり着くと、何とシャッターが閉じられている。そしてそこに貼紙があり、三月いっぱいで営業を終え、岐阜県で7/16から新たに営業を再開すると書かれていた!…何てこった。こうなったら意地だ。いつの日か絶対に訪ねてみせるぞ!
2011年04月02日
4/2静岡 大岡 weekend books
新宿から、小田急線・東海道線・御殿場線と乗り継ぎ、コンクリ杭に囲まれた屋根も無い駅。ポカンと長閑である。改札を抜けて長閑な駅前から踏切を渡って、駅の南側へ。そのままうねった車通りの多い道を、道なりに南方面へ進んで行く。やがて現れるセブンイレブン手前の小道を東へ。ここからは完全なる田舎の住宅街である。ズンズン進んで行くと、道はやがて石垣に挟まれた坂道となり、東海道線の下を潜ることとなる。そのまま今度は南に進むと、直線が一キロほどキレイに続く長閑な田舎の道。道端に多い道祖神や、大きな家々の様子を楽しみながらテクテク。緩やかに上下している道には、この陽気のせいかユラユラ逃げ水が出現している…久々見たな。やがて先には『旧国一通り』にぶつかる信号が見えて来る。お店や事務所がチラホラ目に付くようになると、右手に駐車場を備えた二階建ての横長なお店が現れる。軒には木枠で地が桜色の店名看板、一階右側はガラス張りで入口があり、左はショウウィンドウで古いピアノや椅子が置かれている。田舎道に忽然と現れた立派なお店である。入口左側には安売り棚があり、雑誌・文庫・単行本・音楽CDがざっくりと収まっている。入口右脇には『10:00〜16:00、休みは水曜、古本・雑貨・CD・焼菓子・コーヒー』と書かれた黒板。戸を引いて中へ入ると、白を基調としたお洒落で抑制の効いた余裕のある空間…き、緊張。正面と右側がカフェ&雑貨スペースで、左の漆喰壁に囲まれた空間はCD&ギャラリー的スペースとなっているようだ。正面のテーブル前には大きな階段状になった、アンティークっぽい平台があり、絵本関連本や暮らしのビジュアル本が並べられている。正面奥は一段高くなり、床はオイルの染み込んだ板張り。壁には大きな本棚が設えられている。胸くらいの高さの書架用梯子あり。右奥がカウンター帳場となっており、白髪の紳士と若奥様な女性の姿。左壁に飾られた多数の谷川俊太郎本を眺めてから、本棚の前へ。並んでいるのはキレイな本ばかり。セレクトコミック・外国・暮らし・生活・デザイン・美術・女流文学・セレクト日本文学・セレクト海外文学・食・エッセイ・随筆・大人ファンタジー・絵本&児童文学(海外翻訳中心)・鳩山郁子…。上品で清楚で美しい棚造りである。女子&乙女から美しい母へ、な流れ。野溝七生子・尾崎翠も並び、しっかりとした根深さも見せたりしている。値段は普通〜高め。途中、車で駆けつけた女性は、棚の前でカクッとしゃがみ、本の背を追いながら「ハァ〜アァ」と悩ましいため息をついていた。お店に相応しい丁寧な応対で精算を済ませる。外に出ると先ほどと何ら変わらぬ、長閑な田舎道。くしゃみを連発しながら、帰りは沼津まで徒歩で戻る。マーブルトロン「私が1ばん好きな絵本 100人が選んだ絵本」青林工藝社「青い菊/鳩山郁子」を購入。行きのコースを逆にたどり、小田原で小田急線に乗り換える際、街に出て「お濠端古書店」(2009/05/03参照)を訪れるが、店主が外出中で入店叶わず。そのまま帰るのも癪なので、「守谷のパン」と言うお店で甘食を購入。空気が多めのフワフワで、半分パンのような弾力で、ほど良い甘さ。美味しい!
2011年02月12日
2/12愛知・蒲郡で古本と別れとオヤツパン二店!
遠くに行きたくなる病が、激しくぶり返し抑えきれなくなったので、比較的天候が安定しているであろう土地を選んで西へ!その濁点の響きが特徴的な『がまごおり』は、山と港に挟まされた、高い建物の無い長閑な地方都市であった…。
●蒲郡「花木堂書店」
北口からロータリーの突端に進み、左右に見える大きな通りではなく、真ん中の『蒲郡北駅前信号』から、ビルとビルの隙間の小さなうらぶれた商店街を北に進む。するとすぐに『市役所通り』に行き当たり、交差点の四隅に低層の古い集合住宅兼店舗が集まっている光景。そして北東側の交差点脇に、早速古本屋さんが出現している!一階に組み込まれた店舗は外壁がタイル張りで、看板などは見当たらず、代わりにドアや窓に『朝日歌壇』掲載の短歌と共に、紙にプリントされた店名が貼り出されている。『営業中』の札を確認して、いざ店内へ。お店は入口部分より二段高くなっており、土足で上がり込む仕組み。壁際はぐるっと本棚、真ん中に小さめの背中合わせのスチール棚が四本、入口側に小さな丸テーブルあり。入口部分はワゴンと本棚が一本。右前方に帳場があり、その奥のカーテンの向こうに、本を持った店主のシルエット。「いらっしゃいませ」と小さく言い、こちら側に登場。私は会釈をして、右の100均文庫ワゴン、左の100均文庫&ソフトカバー棚を眺めてから、店内に足を掛ける。すると店主から何か言われた、が何と言ってるのか判らない。「ハイ?」と聞き返すと「背中のそれを外してください。ここは狭いから」と、私の背負うディパックへの指摘であった。「判りました。何処に置いとけばいいですかね?」「そこのテーブルの上に」。よし、準備完了!帳場の手前にはガイドブック類の棚があり、足元には朝日ソノラマ文庫。テーブル横の手前棚には、児童文学・児童入門書・絵本・図鑑・最近刊文学。ナナメの左窓下には、サブカルムック・自然・園芸・ペットが並び、左壁の実用・最近刊ミステリ・ノベルス・日本文学・海外文学と続いて行く。林立するフロア棚は手前から、赤川次郎&西村京太郎文庫・SF&推理文庫・ミステリ&エンタメ文庫・日本文学文庫・時代劇文庫・雑学文庫・海外文学文庫・海外ミステリ文庫・日本純文学文庫・新書、そして岩波文庫・朝日文庫・教養文庫・講談社文庫・ちくま文庫・中公文庫のノンフィクション系&教養系が、セレクトされた並びを見せる。奥壁に、漫画評論・エッセイ・随筆・言葉・女性関連・医療・ノンフィクション・宗教・オカルト・詩集・歌集・句集が収まる。さらに帳場横に、音楽・映画・演劇・三河&蒲郡関連・歴史・戦争・美術と言った構成。古い本はそれほどないが、程好くセレクトされた棚が連続する。海外ミステリに交じる角川文庫や、詩歌句の充実についつい引き込まれてしまう。値段は安め〜普通で、値段の書かれていない本は、文庫→100円、雑誌&新書→200円、単行本→300円となっている。二冊を選び、先ほどから本の整理をしながら「ちきしょう」などと口走ったりしている、ちゃんちゃんこ着用の中学教師風壮年店主に精算をお願いする。彼は終始無言で手続きを進め、袋詰めした本を手に動きを停止…値段を告げないのか。と思いつつお金を手渡す。その生活感溢れる姿とは裏腹に、無口でハードボイルドなご店主であった。集英社「憐れみの処方箋/エルヴェ・ギベール」国民文庫「映画をつくる/山田洋次」を購入。
●蒲郡「みその書房」
続いてそのまま脇道の『駅前商店街』を北上して行く。昭和と言う時代の匂いを全くもって隠し切れない、寂しい商店街を楽しみながらツラツラと300mほど。すると『銀座通り』にぶつかる右手手前に、本日の二店目を発見。むぅっ!このお店は…古本屋オーラがデロデロと流れ出している!面取りされた角の壁面は、長い風雪に耐えて来たブリキ看板と、壁一面を覆う『古書一般 切手 古銭(切手と古銭は渋いイラスト付き)』の大看板!ドキドキしながら右側のサッシ扉から店内へ。天井が高く、ちょっと変則的な店舗で、古い古い木造の店内。真ん中の木製の背中合わせの棚を境に、小さく左右に分かれたカタチである。壁際には造り付けの本棚が張り付き、ナナメ壁の裏側もしっかり本棚。左奥に茶色く輝く小さめの帳場があり、老婦人おひとりで本の値付け中。完全に時空を歪ませている光景に感嘆し、小さくひとつ息を吐く。右壁には児童文学・児童書・全集類・日本文学・古い実用&学術本。棚にブランクはあるが、本の茶色度がかなり高い。足元には古い雑誌&グラビア誌の山、それにエロ雑誌木箱。通路棚には、松本清張文庫・雑本文庫・春陽文庫(時代劇)・オカルトノベルス、そして下にエロ雑誌木箱。奥壁は、日本文学・思想・ノンフィクション・山岳・短歌(大量!充実!そして古い!)社会・雑誌附録・囲碁・将棋・戦争など。左側ゾーンに入り、通路棚裏側は新しめなアダルト、ナナメ壁棚には結構多めな絶版漫画と少量の貸本漫画・怪奇漫画・通常のコミック・辞書・美少女コミックが収まっている。帳場の背後には厳めしい箱入り本が並び、愛知&蒲郡本・資料本類が確認出来る。アダルト・一部コミック以外以外時間が停まり気味だが、そこにしっかり味があり、本当にほぼ昔の古本屋さんである。古い短歌本と絶版漫画(雑本的ではあるが)が充実!値段は安め。二冊を探し出して帳場に声を掛けると、「これはサンコミックスなんで少しお高くなりますよ」とドキッとする言葉!「お幾らでしょうか?」「200円です」「いただきます」と即答。こんなやり取りを交わしていると、突然「もうお店を閉めることになったので、在庫一掃セール中なんですよ」「ええっ!…そうですか。いつお閉めになるんですか?」「春から夏頃をメドに…今まで贔屓にしてくださってありがとうございます」とペコリ。恐縮しながら「あ、初めて来たんですけど、またそれまでに来られたら寄らさせていただきます」「そうですか。ではその時には勉強させていただきます」と再びペコリ。うぅっ、一見の客に優しいお言葉…少し胸が熱くなる。「ありがとうございます。長い間お疲れ様でした」「いえいえ」とニッコリ。あぁ、こんなお店に出会ったその日に、閉店を告げられてしまうとは!蒲郡周辺のみなさん、夏までにぜひ「みその書房」で思い出作りを!サンコミックス「かたばみ抄/あすなひろし」「東海古書店地図帖 愛知・岐阜・三重」を購入。
ちょっと心をかき乱された蒲郡に別れを告げ、隣駅の三河塩津へ向かう。目的は古本屋さんではなく、“ぐるぐるパン”の売っている『ミシマパン』!その渦巻状の、砂糖とバターでほんのり味付けされたパンは、蒲郡出身の知り合いに教えていただいた、蒲郡のB級オヤツグルメなのである!何度かオミヤゲにいただいた、素朴な味のトリコになって早三年。と言うわけで“ぐるぐるパン”以外にも、ラスクや揚げたぐるぐるを購入し、大満足で蒲郡行に終止符を打つ。ありがとう、G.M.G(GAMAGORI)!!
●蒲郡「花木堂書店」北口からロータリーの突端に進み、左右に見える大きな通りではなく、真ん中の『蒲郡北駅前信号』から、ビルとビルの隙間の小さなうらぶれた商店街を北に進む。するとすぐに『市役所通り』に行き当たり、交差点の四隅に低層の古い集合住宅兼店舗が集まっている光景。そして北東側の交差点脇に、早速古本屋さんが出現している!一階に組み込まれた店舗は外壁がタイル張りで、看板などは見当たらず、代わりにドアや窓に『朝日歌壇』掲載の短歌と共に、紙にプリントされた店名が貼り出されている。『営業中』の札を確認して、いざ店内へ。お店は入口部分より二段高くなっており、土足で上がり込む仕組み。壁際はぐるっと本棚、真ん中に小さめの背中合わせのスチール棚が四本、入口側に小さな丸テーブルあり。入口部分はワゴンと本棚が一本。右前方に帳場があり、その奥のカーテンの向こうに、本を持った店主のシルエット。「いらっしゃいませ」と小さく言い、こちら側に登場。私は会釈をして、右の100均文庫ワゴン、左の100均文庫&ソフトカバー棚を眺めてから、店内に足を掛ける。すると店主から何か言われた、が何と言ってるのか判らない。「ハイ?」と聞き返すと「背中のそれを外してください。ここは狭いから」と、私の背負うディパックへの指摘であった。「判りました。何処に置いとけばいいですかね?」「そこのテーブルの上に」。よし、準備完了!帳場の手前にはガイドブック類の棚があり、足元には朝日ソノラマ文庫。テーブル横の手前棚には、児童文学・児童入門書・絵本・図鑑・最近刊文学。ナナメの左窓下には、サブカルムック・自然・園芸・ペットが並び、左壁の実用・最近刊ミステリ・ノベルス・日本文学・海外文学と続いて行く。林立するフロア棚は手前から、赤川次郎&西村京太郎文庫・SF&推理文庫・ミステリ&エンタメ文庫・日本文学文庫・時代劇文庫・雑学文庫・海外文学文庫・海外ミステリ文庫・日本純文学文庫・新書、そして岩波文庫・朝日文庫・教養文庫・講談社文庫・ちくま文庫・中公文庫のノンフィクション系&教養系が、セレクトされた並びを見せる。奥壁に、漫画評論・エッセイ・随筆・言葉・女性関連・医療・ノンフィクション・宗教・オカルト・詩集・歌集・句集が収まる。さらに帳場横に、音楽・映画・演劇・三河&蒲郡関連・歴史・戦争・美術と言った構成。古い本はそれほどないが、程好くセレクトされた棚が連続する。海外ミステリに交じる角川文庫や、詩歌句の充実についつい引き込まれてしまう。値段は安め〜普通で、値段の書かれていない本は、文庫→100円、雑誌&新書→200円、単行本→300円となっている。二冊を選び、先ほどから本の整理をしながら「ちきしょう」などと口走ったりしている、ちゃんちゃんこ着用の中学教師風壮年店主に精算をお願いする。彼は終始無言で手続きを進め、袋詰めした本を手に動きを停止…値段を告げないのか。と思いつつお金を手渡す。その生活感溢れる姿とは裏腹に、無口でハードボイルドなご店主であった。集英社「憐れみの処方箋/エルヴェ・ギベール」国民文庫「映画をつくる/山田洋次」を購入。
●蒲郡「みその書房」続いてそのまま脇道の『駅前商店街』を北上して行く。昭和と言う時代の匂いを全くもって隠し切れない、寂しい商店街を楽しみながらツラツラと300mほど。すると『銀座通り』にぶつかる右手手前に、本日の二店目を発見。むぅっ!このお店は…古本屋オーラがデロデロと流れ出している!面取りされた角の壁面は、長い風雪に耐えて来たブリキ看板と、壁一面を覆う『古書一般 切手 古銭(切手と古銭は渋いイラスト付き)』の大看板!ドキドキしながら右側のサッシ扉から店内へ。天井が高く、ちょっと変則的な店舗で、古い古い木造の店内。真ん中の木製の背中合わせの棚を境に、小さく左右に分かれたカタチである。壁際には造り付けの本棚が張り付き、ナナメ壁の裏側もしっかり本棚。左奥に茶色く輝く小さめの帳場があり、老婦人おひとりで本の値付け中。完全に時空を歪ませている光景に感嘆し、小さくひとつ息を吐く。右壁には児童文学・児童書・全集類・日本文学・古い実用&学術本。棚にブランクはあるが、本の茶色度がかなり高い。足元には古い雑誌&グラビア誌の山、それにエロ雑誌木箱。通路棚には、松本清張文庫・雑本文庫・春陽文庫(時代劇)・オカルトノベルス、そして下にエロ雑誌木箱。奥壁は、日本文学・思想・ノンフィクション・山岳・短歌(大量!充実!そして古い!)社会・雑誌附録・囲碁・将棋・戦争など。左側ゾーンに入り、通路棚裏側は新しめなアダルト、ナナメ壁棚には結構多めな絶版漫画と少量の貸本漫画・怪奇漫画・通常のコミック・辞書・美少女コミックが収まっている。帳場の背後には厳めしい箱入り本が並び、愛知&蒲郡本・資料本類が確認出来る。アダルト・一部コミック以外以外時間が停まり気味だが、そこにしっかり味があり、本当にほぼ昔の古本屋さんである。古い短歌本と絶版漫画(雑本的ではあるが)が充実!値段は安め。二冊を探し出して帳場に声を掛けると、「これはサンコミックスなんで少しお高くなりますよ」とドキッとする言葉!「お幾らでしょうか?」「200円です」「いただきます」と即答。こんなやり取りを交わしていると、突然「もうお店を閉めることになったので、在庫一掃セール中なんですよ」「ええっ!…そうですか。いつお閉めになるんですか?」「春から夏頃をメドに…今まで贔屓にしてくださってありがとうございます」とペコリ。恐縮しながら「あ、初めて来たんですけど、またそれまでに来られたら寄らさせていただきます」「そうですか。ではその時には勉強させていただきます」と再びペコリ。うぅっ、一見の客に優しいお言葉…少し胸が熱くなる。「ありがとうございます。長い間お疲れ様でした」「いえいえ」とニッコリ。あぁ、こんなお店に出会ったその日に、閉店を告げられてしまうとは!蒲郡周辺のみなさん、夏までにぜひ「みその書房」で思い出作りを!サンコミックス「かたばみ抄/あすなひろし」「東海古書店地図帖 愛知・岐阜・三重」を購入。
ちょっと心をかき乱された蒲郡に別れを告げ、隣駅の三河塩津へ向かう。目的は古本屋さんではなく、“ぐるぐるパン”の売っている『ミシマパン』!その渦巻状の、砂糖とバターでほんのり味付けされたパンは、蒲郡出身の知り合いに教えていただいた、蒲郡のB級オヤツグルメなのである!何度かオミヤゲにいただいた、素朴な味のトリコになって早三年。と言うわけで“ぐるぐるパン”以外にも、ラスクや揚げたぐるぐるを購入し、大満足で蒲郡行に終止符を打つ。ありがとう、G.M.G(GAMAGORI)!!
2011年01月23日
1/23静岡・西焼津 焼津書店 焼津店
静岡駅を過ぎると東海道線は、海に落ち込む山裾をしばらく進む。最初の目的地は焼津で、着いた途端にTV時代劇『素浪人 花山大吉』の焼津の半次のテーマ(正式タイトル『風来坊笠』)が、頭の中で激しくリフレイン。その痛快な脳内ミュージックをBGMに、船員御用達の古本屋さんを探し当てると、はぁ…哀しみの定休日。がっくりと肩を落としながらも、“半次のテーマ”は相変わらず脳内ヘビーローテーション。海を見ることなく駅へ戻り、売店で買ったおにぎり(美味)を食べつつ隣駅へ移動。北口を出ると小さなロータリーで、客待ちのタクシーは、運転手がみんな車内で横になっている。ロータリーから真っ直ぐに北に進むと、すぐに小石川が現れる。その川に沿って北東へ歩んで行くと『豊田交差点』…東の方角に『古本』と大書された、巨大蝿叩きの如き真っ赤な看板が、頭を空に突き出している。迷うこと無くお店の前に導かれ、ホッとひと息。店前に駐車場を完備した、キレイでしっかりとしたお店である。その佇まいは簡素なギリシア建築のようで、もろにリサイクル古書店風…。明るく広い店内に入ると「いらっしゃいませ」の声が降りかかり、BGMにはひたすら嵐が流されている。う〜ん、コミックと新しい本ばかりだな…と右奥の古本ゾーンへ向かう。右壁際に、児童文学・絵本・女性実用・旅行ガイド・趣味&カルチャー雑誌群が並んで行く。向かいの通路棚は105円均一で、文庫・ノベルス・新書・単行本・ムックがズラリ。文庫には絶版が少々と、古い文学本も混ざったりしている。しかしそれほど目ぼしいモノはナシ。右端から数えて第二第三通路も古本で埋められており、雑学文庫・105円岩波文庫・新書・105円新書・ハーレクイン・ラノベ・ティーンズ文庫・Blノベルス・海外文学文庫・日本文学文庫・時代劇文庫など。文庫は定価の半額が基本となっている。奥壁に進むと、右からスポーツ・趣味・辞書・自己啓発・教育・ビジネス・精神世界・サブカル…ほぉ、良く見ると古本は左端まで続いている。映画・日本文学・文学評論・全集類・海外文学・ミステリ&エンタメ…おっ!野呂邦暢!これは持ってるが、あまりに安いから買い!チョコチョコ古めの本も顔を出すので、ちょっと目が離せない。最後に左端通路へ。ここは古い本が多いな。左壁際に美術・陶芸・ビジュアルムック・民俗学・書・少量の紙物が並び、後はアダルトがレジまで続く。向かいの通路棚は、歴史・静岡郷土本・全国各地郷土本、そして後は絶版漫画と古い少年漫画誌の構成。お店の外周通路が古本で埋まっているのである。基本はリサイクル古書店だが、古い本の取り扱いもあり、捨て難い雰囲気。値段は安め〜普通となっている。そしてこのお店、隣駅にも支店が二店あり、この辺りでマイナーチェーン店として隆盛を誇っている模様。いずれ改めて、残り二店も訪ねることにしよう。文藝春秋「野呂邦暢作品集」…この本は前は沼津で購入した覚えが…静岡、ありがとう!読売新聞社「日本の秘境/柞木田龍善」TBSブリタニカ「日本SFアニメ創世記/豊田有恒」を購入。この後、清水駅で途中下車し、以前訪れて入店叶わなかった「山一書店」を再訪する。ところが今日もお店は開いていなかった。おじいさんが出入りしていたので、しばらく張り込むように離れた場所から様子を伺う…辛抱強く15分ほど耐えたが、やはり開く気配はナシ。このお店は、いつか絶対入ってみたい!…それにしても、今日も八時間あまりの電車移動。連日はさすがに身体にガタが来る…。
2010年12月18日
12/18静岡・本吉原 渡井書店
富士山が見事なフォルムを見せてくれる、東海道線・吉原駅ホームの西端から、跨線橋を渡って岳南鉄道のホームへ移動。ローカル色満点の電車を待っているのか、多数の鉄道ファンがカメラを手にしてウロウロしている。緑色でガラスの汚れた二両編成の電車に乗り込み、三駅先を目指す。電車は製紙工場の間を進み、到着した無人駅は、崖のように高い工場の壁の下に張り付いた、日陰の駅であった。ホームから下りて踏切を渡り、北の大通りへ。どこまでも付いて来る富士山は、やはり美しい。通りを西に向かって進み、ひとつ目の信号『和田町公園』のある脇道を北へ。200mほど進むと、渋い街の商店街の道に突き当たるので、そこを西へ。素敵な古いパン屋のある十字路を過ぎると、右手に『本』の文字が見えて来た!あれか〜、とお店の前に仁王立ち…しかし何だか古本屋さんっぽくない。店頭には『ゆうパック』『年賀ハガキ』の幟が翻り、窓には新刊雑誌のポスターがペタペタ…おまけに見えている店内は新しい雑誌ばかり。…うわぁ、こんなとこまで来てやっちゃったなぁ〜、とお店の前を力なく離れ、ちょっと先の交差点で対策を考える。「古本屋名簿」を見ると、ちゃんと『古書一般』って書いてあるけどなぁ…。仕方ないからちょっと戻って、「weekend books」に行ってみるか。しかし!その前にもう一度確認しておこう。そうだ、静岡の地図を買うことにして店内を偵察すれば…と未練たらしく再びお店の前。意を決してサッシを開けると、奥深く天井の高い店内。その最奥に立っていた、老齢の神代辰巳風店主と視線がガッチリ。少し気圧されたので、頭をちょっと下げる風にして右側通路へ避難する。入口の左横にレジがあり、壁は本棚、フロアには右に長い背中合わせのラックがあり、左に天井までの背中合わせの本棚が一本。新刊雑誌・アダルト雑誌・コミック・文庫・ノベルスなどで、ラックも棚も埋まっている。新刊ばかりと思ったが、良く見ると所々に色褪せた本が顔を出している。…う〜ん、古本にも見えるし、棚晒しの新刊にも見えるし…と奥まで行って真ん中通路をレジ前へ。そして左端のアダルト通路に入り込むと、右側棚と奥の部分に古本たちが集まっていた!よかった!古本だぁ〜。こりゃ入ってみないと判らないな。難関を乗り越えた達成感に包まれながら、右側棚から視線を動かして行く。充実の静岡関連本(文学・歴史・自然・民俗学・鉄道・地理など)・歴史・日本刀・江戸風俗・箱入り資料本、そして奥壁に書・心霊・映画・演劇・骨董・陶芸・日本文学・文学評論が並んでいる。新刊書店とアダルトの山を突き抜ければ、古本と対面出来るお店である。ジャンルは硬めなので、値段も高めな傾向。神代店主に精算していただき、満足しながら外へ。出たところで、お昼ゴハンをまだ食べていないことに気付く。先ほどの素敵なパン屋『日東ベーカリー』で、アンパンとカレーパンとオミヤゲのドーナツを買い、帰りの電車の中でムシャムシャ。口を動かしながら車窓を眺めると、鉄道ファンのカメラの砲列がそこかしこに出現している!…何だかスゴイことになってるなぁ。みなさんの写真に、パンを食ってるオッサンの姿が写り込んでいないことを、願って止みません。雄山閣「日本の首塚/遠藤秀男」を購入。2010年12月11日
12/11富山・富山 今井古書堂
越後湯沢より、特急・はくたか6号に乗り換える。最初は枯れ木と枯れ草の山間と、トンネルと水の無い水田が続くだけだったが、一時間ほどで日本海と接触!予想外に穏やかで緑がかった海は、海岸沿いを西に列車が進んで行くと、その色を次第に青く深く変化させて行く。やがて左には、雪を被って霜降り肉のようになった立山連峰。その神々しいまでの険峻さに目を奪われながら、列車はゆっくりと市街地へ滑り込む…。
駅南口のロータリーから脱出し、東寄りにある市内電車の停留所『富山駅前』から、古い路面電車に飛び乗って大学前方面へ。路面電車、いやチンチン電車は、もう乗るだけでニコニコ出来る幸せな乗り物である。三駅目の『丸の内』で下車すると、そこは『城址公園』の真ん前。南に接する『国道41号』を渡って東に向かい、二本目の小道を南に進むと『市民プラザ』の裏手に出る。建物に沿うように南に歩き、突き当りを東に向かうと、視線の先『城址大通り』の向こうには、看板文字が派手な『総曲輪通り商店街』が見えている。そして大通りの手前、市民プラザ裏手に目指すお店を発見!小さな古い三階建てビルの一階が店舗となっている。路上には青い立看板、前面はガラスとサッシで構成され、上部には店名(こちらは「今井書店」と書かれている)、窓は一面『本買受』の貼紙で覆われている…どう見ても不動産屋の店構えである。サッシを開けて店内へ…ほぉう、芳しき古本の香りが充満している。コンクリ床の店舗は奥行きがあり、両壁には合計二十本以上のスチール棚がベタリ。フロア真ん中には片側八本ずつの背中合わせスチール棚がズズイッと二本。その先には木箱の重なりがあり、最奥に倉庫的棚も交えた広い帳場が見えている。そこには横向きに石原慎太郎風店主が座り、壁のテレビでサッカー・プレミアリーグを観戦中。出入口の左右では、ビジュアル本&ムック・雑本棚、和本の置かれたラックがまず目に入る。右壁には、世界文化・思想・哲学・社会・中国・演劇などが、多様にカオスにひたすら並んで行く。奥の方はビジュアル本・大判本・図録・作品集が収まっている。向かいは新書から始まり、雑学文庫・教養系文庫(ジャンル分けあり)・岩波文庫・海外文学文庫と並ぶ。奥に進むほど絶版率が高くなり、大いに見応えあり。そして棚脇の木箱には、さらに絶版文庫が続いた後に、唐突に出現した感のある貸本漫画群が収まっている。貸本漫画はこの裏側と、左側の棚脇にも置かれている。立ったりしゃがんだりして、上へ下へと忙しなく視線を動かしながら真ん中通路へ。右側にはハーレクイン・海外文学文庫・日本文学文庫・時代劇文庫、そして奥に探偵小説文庫・日本純文学文庫・日本近代文学文庫がズラリ。ここも絶版が目白押しなので、目が皿になること請け合いである。向かいは、古典文学・日本語・俳諧・文学評論&評伝・日本文学・宮澤賢治関連・源氏鶏太・八切止夫・戦前文学本が収まる。左端通路は、壁際に富山関連本(自然・文化・文学・民俗学・歴史)・美術・骨董・民芸・日本刀・民俗学・風俗・江戸・米騒動・薬売り、そして後は箱入り資料本が並んで行く。通路棚は、考古学・古代史・歴史・宗教・禅・北陸資料本。単行本は硬めな並びだが、日本文学評論と富山関連本が突出。そして絶版文庫と貸本漫画が驚きを与えてくれる。しかし、値段は高めのスキ無しなのであった…。相変わらずサッカー中継に夢中の店主に声を掛け、素早く精算。無事に富山での輝かしい第一歩を、美しく刻むことが出来ました!教養文庫「茶室と庭/重森三玲」を購入。
しかしその後が大変であった。第一歩に続いて第二歩も、と市内電車『上本町』横のお店を目指すが跡形も無し。空には突然厚い雲が垂れ込め、冷たい風が吹き始める。続いて富山駅まで戻り、北口から『富山ライトレール』に乗り込み、路面電車とはちょっと違う、低い視点と快適な乗り心地で、富山港近くの「伊波世書店」を目指す。突然の雷雨にめげずにお店にたどり着くも、銀のシートで目隠しされた扉はピッタリと閉ざされていた…。そして富山滞在タイムリミットが近付いて来る。しょぼくれて駅まで戻り、はくたか19号に乗車。…これなら八時には東京に着くな…と思っていると、強風のため糸魚川にて運転見合わせ…あぁ、私は東京に何時に戻れるのだろうか…。
駅南口のロータリーから脱出し、東寄りにある市内電車の停留所『富山駅前』から、古い路面電車に飛び乗って大学前方面へ。路面電車、いやチンチン電車は、もう乗るだけでニコニコ出来る幸せな乗り物である。三駅目の『丸の内』で下車すると、そこは『城址公園』の真ん前。南に接する『国道41号』を渡って東に向かい、二本目の小道を南に進むと『市民プラザ』の裏手に出る。建物に沿うように南に歩き、突き当りを東に向かうと、視線の先『城址大通り』の向こうには、看板文字が派手な『総曲輪通り商店街』が見えている。そして大通りの手前、市民プラザ裏手に目指すお店を発見!小さな古い三階建てビルの一階が店舗となっている。路上には青い立看板、前面はガラスとサッシで構成され、上部には店名(こちらは「今井書店」と書かれている)、窓は一面『本買受』の貼紙で覆われている…どう見ても不動産屋の店構えである。サッシを開けて店内へ…ほぉう、芳しき古本の香りが充満している。コンクリ床の店舗は奥行きがあり、両壁には合計二十本以上のスチール棚がベタリ。フロア真ん中には片側八本ずつの背中合わせスチール棚がズズイッと二本。その先には木箱の重なりがあり、最奥に倉庫的棚も交えた広い帳場が見えている。そこには横向きに石原慎太郎風店主が座り、壁のテレビでサッカー・プレミアリーグを観戦中。出入口の左右では、ビジュアル本&ムック・雑本棚、和本の置かれたラックがまず目に入る。右壁には、世界文化・思想・哲学・社会・中国・演劇などが、多様にカオスにひたすら並んで行く。奥の方はビジュアル本・大判本・図録・作品集が収まっている。向かいは新書から始まり、雑学文庫・教養系文庫(ジャンル分けあり)・岩波文庫・海外文学文庫と並ぶ。奥に進むほど絶版率が高くなり、大いに見応えあり。そして棚脇の木箱には、さらに絶版文庫が続いた後に、唐突に出現した感のある貸本漫画群が収まっている。貸本漫画はこの裏側と、左側の棚脇にも置かれている。立ったりしゃがんだりして、上へ下へと忙しなく視線を動かしながら真ん中通路へ。右側にはハーレクイン・海外文学文庫・日本文学文庫・時代劇文庫、そして奥に探偵小説文庫・日本純文学文庫・日本近代文学文庫がズラリ。ここも絶版が目白押しなので、目が皿になること請け合いである。向かいは、古典文学・日本語・俳諧・文学評論&評伝・日本文学・宮澤賢治関連・源氏鶏太・八切止夫・戦前文学本が収まる。左端通路は、壁際に富山関連本(自然・文化・文学・民俗学・歴史)・美術・骨董・民芸・日本刀・民俗学・風俗・江戸・米騒動・薬売り、そして後は箱入り資料本が並んで行く。通路棚は、考古学・古代史・歴史・宗教・禅・北陸資料本。単行本は硬めな並びだが、日本文学評論と富山関連本が突出。そして絶版文庫と貸本漫画が驚きを与えてくれる。しかし、値段は高めのスキ無しなのであった…。相変わらずサッカー中継に夢中の店主に声を掛け、素早く精算。無事に富山での輝かしい第一歩を、美しく刻むことが出来ました!教養文庫「茶室と庭/重森三玲」を購入。しかしその後が大変であった。第一歩に続いて第二歩も、と市内電車『上本町』横のお店を目指すが跡形も無し。空には突然厚い雲が垂れ込め、冷たい風が吹き始める。続いて富山駅まで戻り、北口から『富山ライトレール』に乗り込み、路面電車とはちょっと違う、低い視点と快適な乗り心地で、富山港近くの「伊波世書店」を目指す。突然の雷雨にめげずにお店にたどり着くも、銀のシートで目隠しされた扉はピッタリと閉ざされていた…。そして富山滞在タイムリミットが近付いて来る。しょぼくれて駅まで戻り、はくたか19号に乗車。…これなら八時には東京に着くな…と思っていると、強風のため糸魚川にて運転見合わせ…あぁ、私は東京に何時に戻れるのだろうか…。
2010年11月21日
11/21静岡・沼津 十字堂書店
逃していたお店を求め、本日の仕事ノルマを片付けすっきりして、一年一ヶ月ぶりの沼津へ。夕方に駅に着くと、富士山はすでに黒い影。それでも南口の大きなロータリーは、柔らかな陽気で迎えてくれて、空も雲も遥かに高い。ロータリーから延びる『さんさん通り』を南へ。しばらく行くと、左手の脇道に「長島書店」(2009/10/18参照)健在なり!さらに進んで『大手町交差点』を通過。左手に時折現れる、お城の石垣の一部に惹かれつつ、路上の枯葉で足を滑らせながら先へ。やがて『通横町交差点』で『御成橋通り』とクロス。東には狩野川に架かる大きなトラス橋、西に進路を採り交差点をひとつ通過する。南側歩道の屋根付きの古びた商店街に入り込むと、おっ!そこで目指すお店が待っていてくれた!歩道をすっぽり覆った薄暗がりの屋根の下、軒看板には繊細な洋菓子屋風フォントの店名と、『婦人倶楽部 小説現代』の文字。元は新刊書店だったか、新刊も販売していると言うことか?入口上部窓に『古書誠実買入 御報参上』の看板があるので、古本屋ということを確認出来てホッとする。店頭には木製雑誌ラック・小さな平台・錆だらけの鉄枠ラックが置かれているが、そこに並んでいるのはすべて新刊の週刊誌&漫画雑誌となっている。店内は広めで三人の先客あり。壁際はぐるっと造り付けの本棚で、下には平台が付いている。手前側には背中合わせの平台付き棚が一本、奥にはアダルト雑誌がズラッと並んだ平台と、小さな文庫面出し平台が置かれている。文庫平台は、アダルト平台と奥の帳場にピタッと着けられているので、左右の行き来は中央でしか出来ないようになっている。表にバイクが乗り付けられ、息を切らして男性客が入店。即座にアダルト雑誌を手馴れた感じで物色して行く…良く見ると、他のお客もすべてアダルト目当てであった。このDVD&インターネット隆盛の時代に、何とも心強き戦士たちの姿!なので私は店内では、4:1の少数派なのである…。入口付近はムックラックと、左右共紐で括られた全集類から始まり、やがて左壁は日本文学・時代劇・歴史・随筆・評伝・映画・推理小説・芸術・風俗・世相・ノベルス・オカルト・三角寛・アダルトがカオスに並んで行く。70〜80年代の本が多い。下の平台はアダルト雑誌一色である。通路棚には、実用・将棋・新書・ノベルス・文庫が並び、下の平台には雑誌と文庫が少々。狭い中央通路を通って右側へ。手前側は通路棚・壁棚共に結構多めに文庫がズラリ。壁棚の平台にも、古めの文庫が背を上にズラッと奥に続いて行く。壁棚は途中にアダルトを交えつつ、歴史・科学・日本文学・社会など。新刊は完全に週刊誌+アダルトで、古本は棚を眺めるのは楽しいが、心を撃ち抜く本が見つからない…いい本が無いわけではないのだが…まぁこればっかりは相性もあるのでしょうがない。値段は普通。帳場には蜷川幸雄風老店主がおり、雄大なオペラを聴きつつ、時々口ずさんだりもしている。お客さんと血液の数値の話で盛り上がり、とても和気藹々な店内。これからも沼津の戦士たちのために、他の二店と古本屋さんをよろしくお願いします!新泉社「銀座/松崎天民」を購入。帰りに「平松書店」(2009/10/18参照)にも立ち寄り、相変わらずの本の山をスキャンしてみる。むぉっ!一番上に文藝春秋「野呂邦暢作品集」を発見!1700円なので相場よりかなり安いぞっ!と勇んで購入し、旅をいい思い出で締め括るのであった。
2010年11月12日
11/12山梨・哀しみの富士急行
思い切って早めに行動開始し、山梨まで足を延ばす。大月駅より単線の富士急行線に乗り換え、紅葉の始まった秋の山の中を走り抜ける。駅間は意外に短く、ウネウネとカーブが連続し、無人駅もある、そんな路線である。父の実家が三つ峠駅にあるので、小学生の夏休みはこれに乗って田舎を訪ねるのが楽しみであった…よもや大人になって、古本屋を訪ねるためだけにこの路線に乗ることになるとは…あぁ…。多少の懐かしさと悔恨と、古本屋さんへの溢れんばかりの期待を胸に、私は山梨県の懐へ深く分け入って行く。最初の目的地は標高503mの『都留文科大学前駅』…こんな近代的な駅が、いつの間に富士急行に生まれたのだろうか。駅前にも巨大なスーパーを備え、蝿捕り紙が下がるうどん屋が駅前にあったような、私の過去のイメージからは完全にかけ離れてしまっている。そのスーパーの脇を抜け、裏の駐車場を突っ切り大通りへ。東の交差点から北へ進路を採り坂道を下る。50mほど進むと、坂上にお店を見せる感じで「村内書店」の看板が目に入った。が、シャッターは冷たく残酷に下ろされていた。
大学の近くだし金曜日だし、開いてると思ったんだけどなあ〜…ガクッと肩を落としつつも、諦めきれずにお店の周りをウロウロ。しばらく坂道を下ってブラブラし、戻って来る時に『もしやおばさんが開店準備を始めているのでは…』などと妄想するが、当然シャッターは一ミリも動いていない。看板の『新刊と古書売買』の文字を恨めしく見上げ、駅までトボトボ。続いて大月方面に引き返し、標高445m『赤坂駅』近くにあるお店を目指す。この行程の救いは、富士急行の列車数がまぁ多いことであろうか。おかげで酷いタイムロスせず移動することが出来た。こちらは無人駅で、停車と同時に車掌がホームに走り出し、降客の切符を集めている。寂しい改札から真っ直ぐ進み『国道139号』を西へ。次の『四日市場交差点』を南に向かうと、緩やかにカーブしながら下る田舎の裏通り。街中に張り巡らされた水路の音が、懐かしく心地良い。…基本的には、お店はないだろうと思っている…それでも足は進んで行く。すると右手に塗装屋の看板…?その下に目指す「岡本書店」の看板がっ!
これは!?と驚きながら、看板の下から続く小道を覗き込む。しかしそれは、完全に人家へと続く私道の趣き…ん〜どうなんだこれ?しかし奥にさらに目を凝らすと、一棟の建物が目に入り、軒には古本屋さんの店名看板…あれは店舗なのだろうか?勇気を搾り出して一歩踏み出し、足音を立てないようソロリと奥まで入り込む。そこは建物に囲まれた中庭で、人気の無い塗装屋の事務所もある。恐る恐るお店に近付き、ガラス窓から中を覗き込んでみる。そこには括られた本やダンボール箱が積み上がる倉庫的光景!お店として営業している状態ではない!これではもし招き入れてもらったとしても、本を見るのは一苦労であろう。
よく見ると、横に連なる二棟の建物にも「岡本書店」とあり、そこにも乱雑に積み上がる本の影…。う〜ん、誰か人がいれば何か聞けるのだが。猫が一匹グルーミングしてるだけではどうしようもない。煌々と明かりの点いた塗装屋さんにも人影は無し。横にある黒板に『不在の時は…』と電話番号が大書されている。とその時!塗装屋の奥の机からガバッと跳ね起き、私を注視する制服姿のヤンキーギャル!寝ていたのだろうか?それにしても私は完全に闖入者である。住居不法侵入である。途端に気弱になり、首を傾げつつ偶然迷い込んだ風を装い、焦って退散。しかし帰り道、例えお店に入れなくとも、あの娘にお店について聞くべきだったな、と後悔。私は富士急行の中で哀しみに暮れながら、遅い昼食のパンを齧る。二店を確認しただけの収穫ゼロで、山梨に別れを告げる…。そのまま美しく潔く帰宅しようと思っていたら、阿佐ヶ谷「銀星舎」にフラリと寄ってしまい、ハヤカワ文庫「スパイのためのハンドブック/ウォルフガング・ロッツ」を購入して、今日のツアーを終わらせる。
大学の近くだし金曜日だし、開いてると思ったんだけどなあ〜…ガクッと肩を落としつつも、諦めきれずにお店の周りをウロウロ。しばらく坂道を下ってブラブラし、戻って来る時に『もしやおばさんが開店準備を始めているのでは…』などと妄想するが、当然シャッターは一ミリも動いていない。看板の『新刊と古書売買』の文字を恨めしく見上げ、駅までトボトボ。続いて大月方面に引き返し、標高445m『赤坂駅』近くにあるお店を目指す。この行程の救いは、富士急行の列車数がまぁ多いことであろうか。おかげで酷いタイムロスせず移動することが出来た。こちらは無人駅で、停車と同時に車掌がホームに走り出し、降客の切符を集めている。寂しい改札から真っ直ぐ進み『国道139号』を西へ。次の『四日市場交差点』を南に向かうと、緩やかにカーブしながら下る田舎の裏通り。街中に張り巡らされた水路の音が、懐かしく心地良い。…基本的には、お店はないだろうと思っている…それでも足は進んで行く。すると右手に塗装屋の看板…?その下に目指す「岡本書店」の看板がっ!
これは!?と驚きながら、看板の下から続く小道を覗き込む。しかしそれは、完全に人家へと続く私道の趣き…ん〜どうなんだこれ?しかし奥にさらに目を凝らすと、一棟の建物が目に入り、軒には古本屋さんの店名看板…あれは店舗なのだろうか?勇気を搾り出して一歩踏み出し、足音を立てないようソロリと奥まで入り込む。そこは建物に囲まれた中庭で、人気の無い塗装屋の事務所もある。恐る恐るお店に近付き、ガラス窓から中を覗き込んでみる。そこには括られた本やダンボール箱が積み上がる倉庫的光景!お店として営業している状態ではない!これではもし招き入れてもらったとしても、本を見るのは一苦労であろう。
よく見ると、横に連なる二棟の建物にも「岡本書店」とあり、そこにも乱雑に積み上がる本の影…。う〜ん、誰か人がいれば何か聞けるのだが。猫が一匹グルーミングしてるだけではどうしようもない。煌々と明かりの点いた塗装屋さんにも人影は無し。横にある黒板に『不在の時は…』と電話番号が大書されている。とその時!塗装屋の奥の机からガバッと跳ね起き、私を注視する制服姿のヤンキーギャル!寝ていたのだろうか?それにしても私は完全に闖入者である。住居不法侵入である。途端に気弱になり、首を傾げつつ偶然迷い込んだ風を装い、焦って退散。しかし帰り道、例えお店に入れなくとも、あの娘にお店について聞くべきだったな、と後悔。私は富士急行の中で哀しみに暮れながら、遅い昼食のパンを齧る。二店を確認しただけの収穫ゼロで、山梨に別れを告げる…。そのまま美しく潔く帰宅しようと思っていたら、阿佐ヶ谷「銀星舎」にフラリと寄ってしまい、ハヤカワ文庫「スパイのためのハンドブック/ウォルフガング・ロッツ」を購入して、今日のツアーを終わらせる。2010年10月17日
10/17静岡・南伊東 岩本書店
熱海駅から伊東線に乗り換えると、『リゾート号』と言う名のロマンスカーのような電車で、車内は左右非対称の座席配置!山側は縦に座席が並び、海側はベンチシートが窓に向かって並んでいるのだ!何と不公平な列車なのか!…そんな違和感たっぷりの車両に飲み込まれ、南へ。伊東駅で乗客のほとんどが降車し、そこから路線も伊豆急行へと切り替わる。そしてたった一駅進んだだけで、リゾート地の面影は一掃され、山間の海も見えない田舎町となるのである。暗い構内を抜けて掃き出し口のような駅舎から外に出ると、寂れた通りが目の前に一本。高架沿いに北に向かって進んで行く。ひとつ目の十字路はそのまま直進し、次の『SUZUKEN』と言う会社の脇道を東へ入り込む。大通りを越えると、道の先には竹林の緑…その左手手前に、電柱に括られた『古書買入』の看板を発見。伊豆半島の古本屋さんにたどり着いたのである。自宅らしき大きな家の横に建てられた白い平屋の建物がお店で、腰回りがナマコ壁風に意匠されている。建物脇に外灯店名看板があり、庇のある出入口は少し奥まっている。玄関右には100均文庫壁棚、その脇にも100均海外文学文庫棚が置かれている。左にはガチャガチャも。壁棚は二重に本が並んでおり、70〜90年代が中心。開けっ放しの扉から中に入ると、明るく風通しの良いキレイな店内で、右の広い帳場では身だしなみのしっかりとした老婦人が店番中。左側に向かって展開する横長の店内は、奥の壁際に本棚とガラスケースが設置され、そこから手前に向かって横向きに、長い背中合わせの棚が一本、平台付き横長ラックが一本。手前窓際に雑誌ラックと本棚が並び、その他にも色んな隙間に小さな本棚がチョコチョコ。フロアの棚は左壁に接地しているので、通路はすべて袋小路となっている。ウィンドウから光が降り注ぐ手前通路には、100均単行本&新書がまず並び、大判ビジュアル本・ファッション&カルチャー雑誌・美術作品集・美術ムックが集まり、ちょっと新刊書店のようでもある。真ん中の通路には、アダルト雑誌・静岡地方出版新刊本・官能文庫・江戸・世相・歴史・骨董・京都・詩歌が収まる。帳場側の棚脇に背の低い新書棚あり。最奥の通路は、手前側に映画・選書・ミステリ&エンタメ・日本文学文庫・ノベルス・戦争・時代劇文庫・随筆&エッセイが並び、奥の左壁際にハーレクイン棚。奥壁棚にコミック・岩波文庫・岩波現代文庫・絶版文庫(少量)・現代史。ガラスケースには文学プレミア本や伊豆資料関連が飾られているが、何故だか「しばわんこカルタ」などの軽いモノも並列されている。帳場前には静岡関連新刊や歴史本の小さな棚。街の古本屋さんと地方出版本屋と教養的古本屋さんが、融合せずに店内で同居している感じである。ジャンルの不思議な配置と棚の乖離が、このお店を読み切れないモヤモヤした空間に仕立てあげているのだろうか。それでも、店頭のちょっと古めの文庫は全部見ないと気が済まないし、静岡本と岩波文庫の充実は嬉しい。ちなみにこのお店では、本の値段はページに挟まれたオリジナルスリップに記されている。値段はちょい安〜高めと様々。老婦人は計算機で一度計算してから、さらにレジを打ち精算…仕事が丁寧です。海の匂いを嗅ぎとることなく、歩道で踏み割れた銀杏の香りを吸い込みながら、山裾の駅へととんぼ返り。さらば、伊豆半島!ちくま文庫「にくいあんちくしょう/本橋信宏」静新新書「今は昔 しずおか懐かし鉄道/静岡新聞社編」を購入。
