2011年08月31日

「関東大震災をめぐる社会のありさま」近現代史講座第2期第1回のご案内

皆さま

岡資料館企画「もう一度学ぼう! 日本の近現代史」連続公開市民講座は、おかげさまで大好評をいただき、毎回多くの参加者を得て、多くの活発な意見交換がなされています。

そしてまた、この秋より、第2期の講座を開始いたします。
第1回は「関東大震災をめぐる社会のありさま」です。
大地震が起きたとき、その混乱と不安のなかで、一体何が行われたのか。
その意図は何だったのか。人々はどう考えどう動いたか。
東北大震災、大津波そして原発事故という、まさに再び「国難」のいま、私たちがあらためて知らなければならない歴史です。
ぜひ多くの方、ご参加ください。

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もう一度学ぼう! 日本の近現代史 第2期 
第1回 関東大震災をめぐる社会のありさま
レポーター:葛西よう子

 日時:2011年9月10日(土)14時〜16時
 場所:長崎市立図書館 研修室

 ※どなたでも自由に参加できます。
  参加費(資料代):各回300円(7回通し共通券:1500円)

 ※毎回、参加者相互の意見交換を予定しています。


【講座概要】
大震災と火災:大正11年9月1日、正午2分前大震災が関東地方南部を襲った。
震度7.9。東京では下町の被害が激しく、134ヶ所から出火、二百十日前の風にあおられて、都心部を全焼した。死者10万、行方不明4.5万人に及んだ。

戒厳令がしかれた:内相は「米騒動」の時の内相で「萬歳事件」の時の朝鮮総督府政務総監として朝鮮独立運動を弾圧した人、警視総監はその時の警務局長だった。

流言斐語:1日夜には「社会主義者や朝鮮人の放火が多い」「不逞朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだり、放火、強盗、強姦をする」の流言が拡がり、2日午後には東京全市に拡がった。警察は臨戦態勢を取り、自動車、ポスター、メガホンで情報を全市に撒き散らした。内務省警保局長は全国の地方長官に打電した。軍と警察の情報網に乗せられて、流言は強力な情報となった。この中で各地で青年団、在郷軍人会、消防団などで自警団が作られ、通行人を尋問して、朝鮮人らしいと思った人々が惨殺された。その数6千人といわれる。3日には南
葛飾労働会の7人が警察によって斬殺されて埋められた。

当局の宣伝:アナーキストで「太い鮮人」の発行者朴烈と愛人金子文子が「摂政殺害を企てた疑い」で逮捕され、3日に大々的に新聞報道され、自警団の人々の逮捕が始まった。
大杉栄と妻、伊藤野枝殺害事件:16日行方不明となり、友人が探していた所、20日「時事新報」「読売新聞」が号外で殺害を報道した。もはや事件は隠せなくなり、憲兵分隊長甘粕大尉が軍法会議にかけられ、懲役10年の刑となったが、この時全国に甘粕助命の署名運動が起こり、署名しない人は「非国民」との風潮が起こった。

東北大震災後の今、この関東大震災後の状況を私たちはどう考えるか。朝鮮人や社会主義者を標的として国を一つにまとめようとする動きは、今の「日本は一つ」につながらないか。大災害後国や国民がどんどん内向きになることは、怖くないか。日本人の結束、共同体以外のものの排除が起こらないか。皆さんと共に考え、議論しましょう。


■全7回の案内■
2011年9月〜2012年3月

9月10日
第1回・関東大震災をめぐる社会のありさま
1923年首都を襲った大地震の最中に発生した朝鮮人虐殺、大杉栄殺害、そして戒厳令の布告。人々を凶行に駆り立てた流言はなぜ拡がったのか?震災被害の背後にうごめく国家の暗部を暴く。

10月8日
第2回・「男子の本懐」と昭和恐慌
「憲政の常道」という政党政治が展開した1920〜30年代は、同時に深刻な恐慌状態におちいった時期でもあった。当時の経済情勢を政策の決定・遂行という政治判断の問題として考えてみたい。

11月12日
第3回・宗教は強制なのか、それとも共生か
古来から、戦争前後には宗教により勇気づけられた軍団と布教の新規開拓を狙う宗教者が必ず存在した。しかし、心までは奪われまいと素手で抵抗する民衆の姿はあまり注目されていない。対照的な2つの存在を見る。

12月10日
第4回・大正デモクラシーから昭和ファシズムの時代へ
「冬の時代」を乗り越え、普通選挙制度を手にした日本国民は、なぜ、昭和ファシズムの時代を迎えることになったのか? 
「捨石埋草」となった市民の視点からこの時代を読み解く。

2014年
1月14日
第5回・「近代国家」中国の形成と日本の動き
第一次世界大戦後の軍閥割拠が続くなか,孫文は革命の道半ばにしてこの世を去り,その後を継いだ蒋介石は北伐による中国統一をめざす。そして中国侵略を進める日本との対立。1920年代の中国の状況は学ぶ。

2月11日
第6回・「挙国一致」の諸相
自由に意見が言えない社会はどのようにして作られたのだろうか?「満州事変」、5・15事件、「転向」ノ過渡期としての1930年代前半を考える。

3月10日
第7回・日本は朝鮮で何を教えたか
「併合」された朝鮮半島で、子どもたちは何を学ばされたのか。当時の教科書の分析を中心に、植民地支配の実態を考える。

以上