2010年05月16日

たをるじロードショー 堺雅人祭り。

●クヒオ大佐
実在の詐欺師を題材にした謎映画。

主演の堺雅人に釣られてDVDで観ました。

主人公のクヒオ大佐は自称エリザベス女王の双子の妹とカメハメハ大王の末裔との間に生まれたアメリカ人で空軍のパイロット。
しかし、実は正真正銘の日本人で結婚詐欺師。

あの手この手で女性を騙して金を巻き上げるが、
被害者である弁当屋の女主人の弟に正体がばれてしまったのが運の尽き。
一気に人生の下り坂モードに突入してしまい、
今度は弟に金をたかられるハメになってしまう。

なんとか期日までに金を工面しようと新たなカモを探すもなかなかはかどらず、
挙げ句にまたもや女主人から金を巻き上げる始末。

さすがに進退窮まったかに思えた時、
女主人がクヒオに告げる。
「一緒に死んで」と。

果たして、クヒオはどうするのか?

というふうに書くとドタバタコメディのように思えますが、
実際はほとんど笑うところはありません。

堺雅人は付け鼻の特殊メイクで奮闘していますが、
芝居自体は大真面目です。

三谷幸喜が撮れば徹底的に笑える映画にしたでしょうが、
どちらかというと「クヒオ大佐」という人物の生き様を延々見せられる感じです。

というのも、この大佐、観てる側からするとどこまでが演技でどこからが本人なのかがはっきりしないのです。
大佐の内面を描くシーンが何ヶ所かあるにはあるのですが、
それもある意味こちらの期待を裏切っています。

こういうドラマでは人を騙すキャラクターがそれがばれないように悪戦苦闘する姿に笑い、
ばれたところで取った行動に感動するのが常套手段だと思うのですが、
この映画にはそのどちらの要素も薄いです。

すなわち、大佐は詐欺がばれても大佐のまま四苦八苦し、
ばれた後も大佐のままなのです。

そこが、なんとも不思議な映画なのですが、
ネットでのこの映画の評の中に、
大佐は実は精神疾患を患っているのではないか?
という指摘がありました。

なるほど、病気とまではいかなくても、
大佐自身がもはやどこからどこまでが本当の自分なのか判らなくなっているのだとしたらこの映画は結構納得がいきます。

特に虚実ない交ぜのラストあたりは、
ある意味「未来世紀ブラジル」と比較できるほどの恐怖を内包しているのかもしれません (´ω`)

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