April 18, 2011

あっ 遊びに行ったんじゃないからね。 べっ 勉強しに行ったんだよ!

先月,第58回日本生態学会大会に参加するため,会場となった札幌市に行ってきました。

このような大会に参加すると,真面目なBlogを運営している研究者なら,学会で報告された新しい研究成果などを紹介するところなのでしょうが,残念ながら私は××なので,その辺りの報告はありません。

私がここで紹介するのは,学会が終わった後に,夜の札幌の街で勉強したことです。



まず,1軒目のお店は「ごまそば鶴喜 大通り二丁目店」。

そして,ここで注文したのは,冬メニューの【エゾもみじ南蛮そば】・・・820円

エゾもみじ南蛮そば

一昔前ですと,ソバ+鹿肉の組み合わせは,ソバの上に薄っぺらくて味気のない堅い肉がのっているだけの,不味い料理の代表格でしたが,鶴喜さん鹿肉は

肉厚&柔らか〜♪

たいへん美味しく頂きました。



次の2軒目のお店は「Soup Curry lavi MARUYAMA」。

そして,ここで注文したのは【エゾシカto野菜カレー】・・・ライス並盛で1,300円

エゾシカto野菜カレー

スープを大盛りにしたので,写真では分かりにくいですが,具はエゾシカ角煮,じゃがいも(レッドムーン),ニンジン,ピーマン,かぼちゃ,ブロッコリー,インゲン,なす,ウズラ卵と盛り沢山です。

スープカレーの中の鹿肉の角煮はというと

とろとろ・うまうま♪

脂身が少なく,熱を加え過ぎるとすぐに堅くなる鹿肉に,どのような魔法をかければ「とろける角煮」になるのか,とても不思議です。

こちらも,たいへん美味しく頂きました。



さらに,3軒目のお店は「夜空の味付けジンギスカン」。

そして,ここで注文したのは【日高産 エゾシカ肉】・・・850円

日高産エゾシカ肉

店員さん 「表面を炙る程度で,火を入れすぎないのが美味しく食べるコツです。塩をつけて食べてください。」

とのことだったので,いわれるままに食したら

肉厚&じゅうしぃ〜♪

鰹のタタキに似た食感の厚切り肉の中に,うまみが凝縮されています。

こちらも,たいへん美味しく頂きました。



そして,最後の4軒目のお店は「イタリア料理 il Pino」。

そして,ここで注文したのは,ディナーメニューの【エゾ鹿コース】・・・3,500円

・エゾ鹿自家製ハム&前菜盛り合わせ

エゾ鹿自家製ハム&前菜盛り

・彩り野菜のサラダ

・ぱりぱり揚げパスタ

・エゾ鹿ミートソース生パスタ

エゾ鹿ミートソース生パスタ

・エゾ鹿のカツレツ

エゾ鹿のカツレツ

・Dolce or チーズ

の6品。

パスタのソースは,赤身肉のうまみが凝縮されていて,それがトマトの酸味とよくあっています。

またカツレツは,サクサクの食感のする,軽やかな一品でした。

どちらも,たいへん美味しく頂きました。



少し前まで「鹿肉」といえば,低脂質なことから「健康に良い」ことを売りにしているのはよいものの,加熱するとぱさぱさで味気のなくなる「不味い食材」でした。

また料理の種類も,「もみじ鍋」か「鹿刺し(刺身)」ぐらいしかなく,気軽に食べれるものではありませんでした。

ところがここ数年,調理技術が向上し,赤身のうまみが凝縮した柔らかくて美味しい鹿肉料理を食べられるお店が,急激に増えている印象を受けます。



このように私は,夜の札幌でたくさんのことを勉強してきました。

「ただ,美味しいものを食べてきただけじゃないか。」

と,思った君。

「勉強は,机の上だけでするものではなく,現場でするもの!」

などと,自己の正当性を主張してみたりして・・・
 
Posted by Y田 at 01:28  |Comments(2)TrackBack(0) | ニホンジカ

April 14, 2011

卒業?

それは2010年10月20日の朝,一本の電話から長い一日が始まりました。

町役場 「もしもし,Y田さん?」

私 「あっ はい・・・」 (まだ半分寝ぼけている)

町役場 「住宅地にクマが出ました。まだ住宅地にいるかもしれません。」

私 「・・・えーーーーっ!!」 (さすがに目覚めた)


クマ捕獲セットを揃え,急いで現場に行くと,民家の窓ガラスが大きく割られています。

クマに割られた窓ガラス(勝山)

ここは,山から800mほど離れた,住宅地のど真ん中。

「こんなところに,まさかクマが。」と思いながら軒下を調べてみると,ありました。

クマの足跡(勝山)

間違いありません。ツキノワグマの仕業です。それも大きさからして,オトナのクマでしょう。


そこで,この家の方にお話を伺ってみると,

住民 「午前8時45分頃かな。家の中で作業をしていたら,庭の犬がうるさいので,なにかな? と思っていたら,突然ガラスの割れる音がしてビックリした。」

とのこと。

それは確かに,ビックリします。


そして次に,クマを直接目撃したと思われる別の住民の方に,お話を伺ってみると,

住民2 「ガルル ワンワン!!

興奮して吠えるだけで,らちが明きません。

しかし,住民2(庭に係留されている犬)の近くで,興味深い痕跡を見つけることができました。

それがこれ。

犬とクマの痕跡(勝山)

ガラスこそ割れていませんが,何度も窓枠が攻撃されています。

「前日には,このような泥は付いていなかった。」そうなので,この時のクマの痕跡とみて,間違いないでしょう。

これらの痕跡から,クマがガラスを割った理由を考えてみました。



日が昇り,人間活動か活発になってきた住宅地から,クマは急いで住宅の間を縫うように山へ戻っていました。

そんな移動の途中,クマは突然,1頭の威勢のいい犬(住民2)と遭遇します。

クマは驚き,犬(住民2)を攻撃しようとしますが,相手はそれなりに強そうですし,攻撃すると自分自身がけがをするかもしれません。

そこでクマは,犬(住民2)の代わりに窓を攻撃し,その攻撃の欲求を満たそうとしました。

このような欲求が満たされない場合に,それを別の形で満たそうとする行動を「代償行動」といいます。

早く自由になりたい青年が,「信じられぬ大人」を直接攻撃せずに,代わりに夜の校舎の窓ガラスを壊しまわるのと同じです。



しかし,疑問も残ります。

なぜクマは,山から遠く離れた住宅地の中に,明るくなるまでいたのでしょうか?

その答えはすぐに見つかりました。

それは,柿・柿・柿・・・

柿(勝山)

住宅地の中は,収穫されずに放置された柿だらけです。

それも,何年も収穫していない木が多く,熟して腐敗した柿の実が層になって堆積し,強いにおいを発しています。

さらに,柿の木の下を丹念に調べると,ありました。

柿の食痕(勝山)

大型の動物の食痕です。おそらく,クマのものでしょう。

クマは,住宅地の中に大量にあるご馳走(柿)を夢中になって食べていて,山に戻るのが遅れてしまったようです。



結局この日は,住宅地の中でクマは見つかりませんでした。

しかし,人里に美味しいご馳走がある限り,クマは再びやってくるでしょう。

クマの食欲をそそるものを,人里から除去することが,被害対策として重要です('06/11/19のBlog参照)。



さて,そういう私ですが,食欲の誘惑に連敗中です。

この体型からの卒業は,当分無理そうです。。。
 
Posted by Y田 at 01:04  |Comments(2)TrackBack(0) | ツキノワグマ

March 25, 2011

余波

今日はひさびさに,'10/02/13のBlogで紹介したモンキードッグ(サル追払い犬)について書きます。

kai&Kotetsu

私の手元に来た当初,この子たちは,サルに全く興味を示しませんでした。

「コテツ(写真・右)」にサルを見せても,人にじゃれるばかりですし,「カイ(写真・左)」に至ってはサルが怖く,必死で逃げようとしていました。

そこでサルの放獣時に,逃げるサルを追いかける訓練('07/12/25のBlog参照)を繰り返してみたところ,最初に「コテツ」が,その後すぐに「カイ」もサルを追いかけるようになりました。



結果,「コテツ」は2010年3月に,「カイ」は同6月にモンキードッグデビューし,立派にその役目を果たしていました。


ところが,順調に進んでいた彼らに,突然アクシデントが発生しました。

それは,


東日本大震災。


地震が発生した時,私は出張中だったため('11/04/19のBlog参照),地震後なかなか彼らに会うことができませんでした。

そして地震発生2日後に,ようやく彼らに会ってみると・・・


変。


なにかが,変です。

尻尾を振って出迎えてくれると思っていたら,地面の臭いを嗅ぎながらウロウロするばかり。

「おかしい」と思い,さらに詳しく様子を見ると,

 ・食欲の減退。

 ・下痢。

 ・今まで聞いたことがないような声で鳴く。

 ・落ち着きがない。

 ・サルを見ても興味を示さず,放した人の周りをウロウロする。

などの症状が認められます。

間違いありません。彼らは過度に「ストレス」を貯め込んでいます。

原因はおそらく大地震と,その後も続く余震。さらにその時,私が近くにいてあげられなかったことでしょう。


そこで,彼らのストレスを発散させるように介抱(といっても,ひたすら一緒に遊び,甘やかしているだけですが)をしていた矢先の15日22時31分頃。

彼らが外で騒ぐので,あやしていたその時。

今度はいきなり,富士山を震源とする震度5強の直下型地震が私たちを襲いました。

「コテツ」は怯えて犬小屋に引きこもり,「カイ」は硬直して動かず,そして我が家の食器たちは粉々に・・・。

地震直後の「コテツ」

現在,介抱(といっても,ひたすら一緒に遊び,甘やかしているだけですが)のかいもあってか,彼らのストレス行動は徐々に減り,23日にはサルを追いかけるようになりました。

今も弱い余震が続いているので,予断は許しませんが,今のところよい方向に向かっている気がします。



さて,いままで彼らの「怯えっぷり」について書いてきましたが,私は彼らの臆病さを笑うことができません。

震度5強の揺れが来た時,歩くこともできず,ただ怯えることしかできなかったのは,私も同じです。