女子高生の沙耶が病院の裏庭で出会った少年。桜の木の下の彼に淡い想いを抱くようになるまでにそう時間はかからなかった。だが、天才ピアニストだったという彼の病気を知って―――。「桜の下の人魚姫」
菜穂子はピアノを専攻している女子大生。その腕は大学の誰からも認められるほど。その菜穂子が憧れていたヴァイオリニスト・ユリスが彼女に練習のパートナーを求めてきてから、菜穂子は気持ちを揺さぶられ始めた。「月のしらべ 銀のみち」
すっかりお気に入りの作家さんになりました。
今回も涙できそうかな、という感じで読み始めましたが実際には泣きませんでした。感受性が弱いのかしら?
「桜の下の人魚姫」は人魚姫の童話もあって悲恋かと思ってたんですけども。そうじゃなくて、未来がある終わり方で良かった。
「月のしらべ 銀のみち」もそうですが、情景描写が緻密で綺麗です。本当に、この人の書かれる世界は綺麗です。それこそ儚い感じがする。
そのくせ、非常に人間くさい。「桜の下の〜」も「月のしらべ〜」も生々しいほどの心の葛藤が描かれているし。そういうところに惹きつけられてしまうんですけれどね。
■沖原朋美/コバルト文庫