2011年09月11日

コミックいわて(岩手県)

内容に入ろうと思います。
本書は岩手県知事が企画し、岩手県が発行した、岩手県出身の漫画家10名によるアンソロジー作品です。本書は今年1月に出版され、既に三刷まで行ってるんですが、三刷の分の収益の一部を災害義援金に充てることになっているそうです。四刷目以降はどうなるのかはわかりません。

普段あんまりマンガは読まないので、収録作家とその作品内容をざっくり紹介しようと思います。

池野恋:代表作「ときめきトゥナイト」
収録作「風のおくりもの」 転校したばかりで友達のいない少年の目の前に、「サブロー」と名乗る謎の存在が現れる

神田♥ジョセフィーヌ:
収録作「ジョセ チャリing」 地元盛岡を自転車でフラフラする旅行記のような感じ

とりのなん子:代表作「とりぱん」
収録作「かもしか温泉」 無人の温泉にやってきたカモシカが見つけてしまったもの、それは…

そのだつくし:
収録作「幸来来」 リストラでUターンした主人公は、同窓会で旧友に、「年に一度はバカになろうぜ」と誘われるが…

吉田戦車:代表作「伝染るんです。」
収録作「0歳児、北へ」 自分のDNAが含まれてなさそうな娘に、故郷・岩手の空気を吸わせるべく地元を回る

佐藤智一:
収録作「メドツ日記」 カッパ淵で捕まえてきたカメ。それは実は…

地下沢中也:
収録作「バンカラの恋」 バンカラが異様なまでにもてはやされるとある高校の話

飛鳥あると:
収録作「キリコ、閉じます!」 霊が見えてしまう高校生の女の子のお話

小田ひで次:
収録作「ひで次くん山へ!」 歳を取ったせいか岩手山が気になる。そこで登ってみることに…

くどうよしと:
収録作:「イーハトーブを歩く男」 岩手で、どうも見たことがあるような人が多数目撃される…


というような話です。
個人的な話なんだけど、ついちょっと前に盛岡に遊びに行ったことがあるんで、ここ行った!っていうところが本当に多くて、そういう意味でも凄く楽しめました。「ジョセ チャリing」で書かれている街並みは知ってるところばっかりだったし、カッパ淵も行ったことあるし、さんさ踊りは行けなかったんだけど、ちょうど僕らが行った一週間後がさんさ踊りで、なんとなく街がさんさに向けて動き出してるみたいな雰囲気があったりしました(岩手を案内してくれた方がさんさで踊るって言ってましたし)。ホント一回しか行ったことのない土地なのに、知ってるところ・話題がホントたくさん出てきたんで、個人的になんか凄く面白かったです。
僕が一番気に入った話は、地下沢中也「バンカラの恋」です。これはホント、ちょっと斬新すぎて感動しました。正直、岩手っぽさは全然ない話なんだけど、伝統的なバンカラ生徒(自分でも書いてて意味がわかりませんが)が校内で異様な人気を獲得している中、その当人はその雰囲気を冷ややかな目線で見ている、というような、やっぱり書いてても意味不明な感じですが、この意味不明さ、僕大好きです。普段マンガ読まないし、本書に収録されているマンガ家さんの作品、たぶんどれも読んだことないと思うんだけど、地下沢中也さんの作品は、ちょっと他のも読んでみたいって気にさせられました。
他にこれはいいなと思ったのは、佐藤智一「メドツ日記」と、飛鳥あると「キリコ、閉じます!」です。「メドツ日記」は、カッパ淵で釣れたのが、どう見てもカメにしか見えないんだけど、実はカッパだった、っていう話で、しかもそいつ喋れる!メドちゃんがいい味出してます。「キリコ、閉じます!」は、結構絵が好きな感じ。黒髪パッツンの女の子、なかなかいいです。
しかしまあなんにしても、地方自治体が先導でマンガを出版しちゃうって面白さが本書の大きな魅力の一つですね。マンガが始まる前に、本書で扱われている岩手にまつわる題材の説明とか、岩手出身の漫画家・岩手を暑かったマンガの紹介なんかもあって、結構力はいってるなぁ、っていう感じがしました。色んな作家から原稿集めてきてただ組んで出版した、ってだけではない、これを出版することで岩手の良さを知ってもらいたい、というような意志を感じました。
普段マンガをほとんど読まないんで、マンガとしてどうなのか、という評価は僕にはなかなかしにくいんですけど、凄く個人的な感想でいえば、ついちょっと前に盛岡に行ったばっかりだったんで、知ってる場所・題材が多くて凄く楽しめました。地下沢中也さんは個人的に注目!一ついうと、表紙はもう少しなにかやりようはあったかなぁ、という気がしなくもないです。

岩手県「コミックいわて」


 

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