2005年12月24日

ハリーポッターと賢者の石(J・K・ローリング)

ハリーポッターの感想だけど、ディズニーの話をしようと思う。
何故ディズニーはあそこまで熱狂されるのか?
最近、ディズニーシーに行く機会があった。僕にとっては生まれて初めて(ディズニーランドは小六が最後だが)だったが、とにかく圧倒された。あんなすごいテーマパークはないし、というか既にテーマパークのレベルを超えている。
あの空間が、まるまる別次元であるかのようなのだ。日本にいるということが信じられなくなるくらいだ。
もちろん、アトラクションも面白い。ショーはそこまで興味があるわけではないけど、でもかなり幻想的だし、手が込んでるなとも思う。でも、そういうところなら他のテーマパークだってやっているかもしれないし、やろうと思えば出来るかもしれない。
そうではなくて、ディズニーの最大の魅力は、その細部のリアリティにあるのではないかと思う。
統一感のある世界観を作り上げよう、という発想がまずなければああいうものは作れない。
どこを見ても、何かがある。立ち止まったり近づいてみたいと思わせるような何かが、そこら中にある。ウォーリーみたいに、まだ何かあるんじゃないか、と思わせるような空間がそこに設定されている。
うまいな、と思ったのは、アトラクションに並んでいるときのことも考えられている点だ。あれだけのテーマパークだから、必然的に並ばないとアトラクションには乗れない。他のテーマパークでは、ただの通路に客を並ばせるけれども、ディズニーは並ばせるところも面白み溢れる空間に作り上げて、客を決して飽きさせない。
これは、リピーターが沢山生まれるのも分かるし、他のテーマパークは太刀打ちできないわ、と心底感じたものだ。
さて、ハリーポッターの話であるが、この作品を読んでいて僕はディズニーを連想したのだ。小説とテーマパークという、あまりにも異分野の二つだけれども、似ているなと感じた。結果として、世界最大級のテーマパークと世界最大級のセールスを記録した小説、という似たような結果も生み出してはいるのだけれども。
ディズニーに行く人とハリーポッターを読む人の感覚は、本当に似たようなものではないかと思う。初めて触れる人は、その世界にまず圧倒される。魅力的なアトラクション(キャラクター)や破綻のない世界観(ストーリー)、そして細部までこだわりぬかれた作りに、凄いなと感じる。そしてそれからは、まだ見つけていない何かがあるんじゃないか、と考えてリピーターになる。構造が同じだ。
もちろん、ハリーポッターのような特徴を持った作品は他にも沢山あるだろう。ただ、商業的にここまで成功したのには、もう一つ他の作品とは大きく違う点があると思う。
それは、ディズニーもそうだろうが、まず子供の心を掴むということだ。
本作は別に、子供向けとして書かれているわけではない。それはディズニーが子供向けではないのと同じだ。しかし、子供の心をがっしり掴んで離さない。作品の質が高いこともあるだろうが、まず子供を熱狂させるというのが、商業的に成功した理由ではないかなと思う。
さて、もう一つの話題。
魔法が使えたら何をするか、と考えたことは、少なからずあるのではないだろうか?
僕は、魔法とは少し違うんだろうけど、ドラえもんの「もしもボックス」がもしあったら何をしようか、と考えたkとがたぶんあったはず。その時何を考えたかは覚えていないけど。奇しくも、確か映画でのストーリーだったと思うが、のび太がもしもボックスで、魔法を使える世界にしてほしい、と願ってそうなってしまった、というような話があった。
今だったらどうだろう。僕は、自覚しているけれども、本当に欲がない。大抵の人が思い浮かべるような欲を、強く願ったことが本当にない。今、魔法が使えたりもしもボックスがあったとして、僕は何がしたいだろう。食べものを口にしなくても生きていける体にしてほしい、掃除・洗濯をしなくてもよくしてほしい、死ぬまでぎりぎりお金に困らないだけのお金が欲しい、読むスピードを変えることなく(速読みたいな感じで本は読みたくない)今の100倍の量の本を読みたい、作家になりたい、とまあそんな感じだろうか。僕に欲がないことをわかっていただけるだろうか?
しかし、魔法が文化とうか技術として存在するなら、面白いかもしれない。困っている人が助かるような魔法ならなおいい。いばっている人や金持ちがよりよくなるような魔法ならいらないけど。
さて、というわけで内容に入ろうと思います。
と書いてはみたものの、ほとんどの人は内容を知っているんではないか?と思ってしまうほど本作は売れています。僕が働いている本屋でも、ハリーポッターの発売日はすごいものでした。確か5巻の発売の時だったと思うけど、普段の売上の二倍以上にもなり、しかも1日の売上の半分がハリーポッターでした。まあ一応書いてみましょうか。
ヴォルデモートという最悪の魔法使いに出会って唯一殺されずに済んだ幼子。魔法使いだった両親が殺されたため親戚の家に預けられることになったその幼子こそ、ハリーポッターでした。
ハリーは少年と呼ばれる年齢になりました。親戚の家で形見の狭い生活を強いられています。ハリーは、自分の出自については何も知らされてはいなかったけど、ある日届いたハリー宛の手紙によって、ハリーの人生は大きく変わります。
魔法学校への入学許可書。
ハリーは、自分が有名人であることに戸惑いながらも、学園生活をスタートさせていきます。
しかしその内に、ハリーは学園内の不穏な動きに図らずも気付いてしまいます。「賢者の石」と呼ばれる力を持った石が学園内にあり、しかもそれを誰かが狙っているらしいのです。
ハリーは、友人であるロンとハーマイオニーと共に、規則を破り危険を冒しながらも、何とか見えない敵に立ち向かっていく…。
というような話です。
登場人物が活き活きと描かれているところが、かなり魅力的ではないかと思います。僕は、外国人作家の小説を読むときの最大の難関である、登場人物の名前を覚えられないというものがあるのですが、本作では、名前をちゃんとは覚えられないけど、それでもああこれはあの時のあいつか、という感じで、ちゃんと思い出すことができました。これは、かなりちゃんと特徴を書き出してくれていないと僕には難しいので、さすがだなと思いました。
ストーリー自体は、まあ結構ありふれたものに手を加えているだけ、という感じがしたけど、何よりも伏線が見事でちゃんとしていて、本作はミステリじゃないけど、ミステリが好きな僕としてはかなり評価できました。関係ないと思っていたものが後々ちゃんと関係してくる、というだけで僕的にはかなり嬉しかったりするわけです。
読んで、ああ大衆受けする作品だ、という感想をもちましたが、いやこれは古典として残ってもおかしくはないかもしれないとも思いました。それはまあ、いいばかりの評価では決してないですが。僕は、「古典」という評価は
大勢の人間の幻想から出来上がっている、と考えているので、本作が古典として残ってもまあ不思議ではないな、と思ったわけです。
最後に。本作の翻訳家で、出版社の社長でもある松岡佑子氏ですが、本作の最後にもいろいろとエピソードが載っていますが、メディアファクトリーから出版されている文庫「君へ。(ダヴィンチ編集部編)」という本の中にも、短いけどエピソードが載っています。そちらもどうでしょうか?僕的には、ハリーポッターという超大な作品を、静山社という弱小出版社(もちろんそれは、ハリーポッターを出版する前の評価ですが)に委ねた著者の判断が、正しいとかそういうことではなくて、やっぱり伝わるものは伝わるんだという、なんだかそんな気分にさせてくれて、まだまだ捨てたもんじゃないな、という感じがします。

J・K・ローリング「ハリーポッターと賢者の石」


ハリーポッターと賢者の石ハード

ハリーポッターと賢者の石ハード
 

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この記事へのコメント
子供の頃、映画化される少し前に私が初めて買った小説です。
当時は月刊なかよしやちゃおや父が買っている週間ジャンプやマガジンなど漫画ばかり読んでいました。
ある日、本屋でオススメと書いてあり何か引かれたので
もらったばかりのお年玉で買ったのは覚えています。
それ以来、このシリーズにはまり毎回映画を観に映画館にいくようになり
本のほうも、もちろん買い続けております!
Posted by 閲覧者 at 2010年06月26日 12:18
僕はファンタジーがそんなに得意じゃないみたいで、ハリー・ポッターもあんまりという感じでしたね。なんかおどうもファンタジーの世界観にはあんまり入れないみたいです。面白いんでしょうけどね、きっと。
しかし、あのシリーズは高いから、子供が買うにはハードル高いですよね。
Posted by 通りすがり at 2010年06月26日 19:54
えぇ、約2500〜3000円くらいですから
当時は子供だった私もやりくりして本やゲームを買ってました。
私は恋愛ものや官能やBL、戦争ものは相入れませんね。
苦手とか、嫌いだとかの理由で…
Posted by 閲覧者 at 2010年06月27日 15:29
昔は何故か雑誌とか買ってたなぁ。
本は時々親に買ってもらってた気がします
あんまり覚えてませんけど…
Posted by 通りすがり at 2010年06月27日 21:25
思い出の本ですか、ありますねそういうの!
保育園の頃買って貰った絵本や小学生の頃の童話や図鑑とか…
中には親戚の人から貰った。
私が生まれる前や赤ん坊の頃のバーコードがない本もありますよ
Posted by 閲覧者 at 2010年06月28日 13:54
思い出っていうわけでもないんですけど、
小学生の頃なんかは「ズッコケ三人組」シリーズばっかりずっと読んでました。
確かそのシリーズは買ってもらってたと思うんだよなぁ。
Posted by 通りすがり at 2010年06月30日 14:23
ズッコケ三人組ですか、
小学校の頃。
少し読みましたが、ああいう漫画みたいな児童書は怪傑ギョロリ系のしか覚えてません…
実写版はなんとか、覚えてますが。
そういえば何年か前、最終巻?の、ハチべエともーちゃんとハカセが大人になった「ズッコケ中年組」が発売されましたね。
Posted by 閲覧者 at 2010年07月01日 23:50
僕ももう覚えてませんけど、小学生の頃はメチャクチャ楽しく読んだという記憶があります。むしろ実写版なんてあるんですね。
「ズッコケ中年組」は出てましたね。僕の記憶では、部屋の積ん読のどこかにあると思うんだけど…
Posted by 通りすがり at 2010年07月02日 12:38
実写版ズッコケ三人組はNHKで一昔前に放送されていました。
当時は、夢中になって見てましたが最後らへんは観てないです。
中学に上がった頃に漫画に近い児童書はイトコにあげててもうないので、
個人で読むことは無いでしょうね。
私の思い出の本は、図書室にあった絶滅動物や古代生物の謎をとく勉強系の漫画でした。
タイトルはもう、思い出せませんが内容は覚えています。
Posted by 閲覧者 at 2010年07月03日 01:59
僕は図書館ってあんまり好きじゃなかったんですけど、
時々行く時に好きだったのは、偉人とか野球選手とかの伝記をマンガにしたやつですね。
もうあんまり覚えていませんけど、面白かった記憶があります。
Posted by 通りすがり at 2010年07月03日 20:42
多分、学研社のでしょうか?
私の子供の頃は図書館は無く、移動図書館でした。
2週間に一度、来るのが楽しみでしかたなかった記憶があります…
そういえば、今も私の母校にある
あの夏休みの宿題、読書感想文の本探しが大変でしたよ。
なにせ、学校の図書室は本が消え
借り損ねたら、移動図書館を待たなければいけなかったのですから…
Posted by 閲覧者 at 2010年07月04日 02:45
移動図書館っていいですね。
僕は経験ないです。
移動遊園地みたいに、面白そうですね。
そういう本の出会いをしてみたかったなぁと思います。
Posted by 通りすがり at 2010年07月05日 00:35
そうですね。
今は病院や老人ホームなど体が不自由な人の所にいっているとか…
Posted by 閲覧者 at 2010年07月05日 05:06
なるほど、それはいいですね。
刑務所なんかにも行ったらいいような気がするんですよね。
刑務所にもよるかもしれないし、今と昔では違うみたいですけど、
やっぱり大した蔵書はないらしいですからね。
Posted by 通りすがり at 2010年07月06日 11:16
警察の世話になった事はないですから、刑務所の事は、よくわからないけど。
確かに限られているでしょうね
Posted by 閲覧者 at 2010年07月08日 16:25
警察の世話になった事はないですから、刑務所の事は、よくわからないけど。
確かに限られているでしょうね。
いろいろ規定があって…
Posted by 閲覧者 at 2010年07月08日 16:27
すみません。エラーで二重投稿になってしまいました。
Posted by 閲覧者 at 2010年07月08日 16:29