2004年11月20日

天井裏の散歩者−幸福荘殺人日記−(折原一)

やはり折原氏の作品はトリッキーだ。
話は、ある男が「幸福荘」という古びたアパートに入居するところから始まる。この「幸福荘」とは、そこに住む小宮山という作家を慕って、作家志望者や編集者なんかが集まる、あの「トキワ荘」のような場所だった。男も作家志望で、201号室に入り、そこに備え付けられているパソコンの中に、一枚のフロッピーを見つける。
その中には、<文書1>から<文書6>までの文書が収められていた。そして物語の大半をこの六つの、フロッピーに収められているという設定の文章に費やされている。
それぞれの文章は書き手がそれぞれ変わって、内容は「幸福荘」を舞台とした、事実なのかフィクションなのか判断のつかない物語である。前の人の文章を踏まえて次の物語が進み、それが収められたフロッピーの持ち主も転々として、フロッピーに収められた文章であることを意識していないと取り残されてしまう。少しだけ複雑。
そして最後にいくにしたがって二転三転。まあその点はさすがだなと思う。
もしかしたらわざとそうしているのかもしれないけど、いつも文章や会話がひどい。わざとそうすることでトリックを鮮やかに見せる、みたいな意図があるのかもしれないけど、どうなんだろう。これでもう少し文章やら会話やらがよければもう少し普通の人も手に取るんではないかと思うのだが。
まあさすがの日本の叙述ミステリーの旗手、といった作品です。

折原一「天井裏の散歩者−幸福荘殺人日記−」


天井裏の散歩者−幸福荘殺人日記−
天井裏の散歩者―幸福荘殺人...角川文庫―角川ミステリーコ...

 

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折原一著 「天井裏の散歩者」を読む。 このフレーズにシビれた。  自業自得! それがわたしの今の偽らざる気持ちです。あの男たちのために、わたしがどれだけ迷惑をこうむったか、その精神的な苦痛を考えれ..
折原一 「天井裏の散歩者」【ご本といえばblog】 at 2005年03月09日 20:05