2004年12月02日

ぼくのミステリな日常(若竹七海)

若竹七海のデビュー作。なかなか凝った構成だ。
始まりは、登場人物である「若竹七海」が社内報の担当になったことから始まる。創刊に向け着々と準備を進めていくが、読みものとして面白く、という上司の意向から、毎月短編小説を載せることに決まってしまった。さてプロに頼むお金はない。さりとて自分で書くのも・・・迷った挙句先輩に相談したところ、匿名でいいなら引き受ける、という人物を紹介してくれることに。そして、会ったこともない「匿名作家」から送られてくる12編の短編が本書の大半を占める。
一つ一つの作品はミステリータッチで、それぞれの話もしっかりしているように思う。設定としては、誰かの話を聞き、その情報だけで推理していこう、みたいな感じ。まあどうなんだろう?と思うような話もあったりするけど、概ねそれなりにまとまった短編を12編楽しめると思う。
そして最後に。「若竹七海」はある決意を持ってその「匿名作家」に会いに行く。今までの12編の短編が全て絡み合い、伏線ではないだろうと思っていた細かい描写なんかが一気に伏線へと変化していき、最後に作品全体としてのミステリーが完成していく。
なるほど、新人にしては(とかなり偉そうだけど)大分凝った構成だし、すごいものだな、と思った。
ライトにさらっと読めると思うので、気軽にミステリーを楽しみたい方にはいいのではないでしょうか?

若竹七海「ぼくのミステリな日常」


ぼくのミステリな日常

ぼくのミステリな日常創元推理文庫
 

この記事へのトラックバックURL

http://blogs.dion.ne.jp/white_night/tb.cgi/302038