2004年08月28日

∀ガンダム(福井晴敏)

私はガンダム世代ではない。ガンダムを見たことがないし、どんなキャラクターがいるのかもまるで知らない。ガンダムという世界観も何も知らずに、この本を手に取った。
さすが福井、としか言いようのない作品である。
基本的な話はこういうことだ。ガンダムが戦闘を繰り広げ、そして地球を滅ぼしてしまってから数千年後の世界。地球には過去の悲惨な記憶を失い、急激な発展を望むことなく日々生活している人びとがいる。一方かつて月に流れ着いた人類がいて、ムーンレスというその人種は、復活した地球へ帰還することだけを夢見て、人口的に作られた生活空間の中で暮らしている。
そして月の女王ディアナが地球帰還作戦を決行することで、月と地球との対立が起こる。一方で過去の遺産であるガンダムが、ムーンレスの襲来に呼応するかのように姿を現し、ムーンレスであり地球への偵察隊であるロアンが、奇しくもそのガンダムを操り、ムーンレスと闘うことになる。
ロアンを中心にさまざまな人間の思惑や感情がうねり、戦闘に巻き込まれていくことでそれぞれが自分と向き合い、悩み、反発しあるいは協力し合うことで、それぞれが何かに対して自分なりの結論を見つけていく。多くの人間が命を落として行き、残された人間達はそれぞれの道を歩んでいく。
全然説明しきれてないけど、こういう話だ。
福井晴敏の描くキャラクターは魅力的だ。もの凄く人間臭くて、そしてたくましい。極限状態における心理描写、そして悩み苦しむさまの見事な描写。そういったものの積み重ねによって描かれる”人間”は、本当に存在しているかのようなリアルさがある。
ただ難しい世界ではある。わからないことが多かった。すごくもったいなく思う。ここでどうしてこうなんだろう、と思ったことについて誰か教えてくれたりしたらいいなと思うのだが。
こんな話しをもっと読みたい。わくわくさせてくれるようなキャラクターやストーリー。とても楽しかった。

福井晴敏「∀ガンダム」


∀ガンダム上

ターンエーガンダム〈上〉ハルキ・ノベルス


∀ガンダム下

ターンエーガンダム〈下〉ハルキ・ノベルス
 

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