2005年01月06日

魔剣天翔(森博嗣)

久々の森博嗣Vシリーズ。
小鳥無の少林寺拳法の先輩である関根杏奈は、フランスから帰国した飛行機のアクロバット集団「エンジェルマヌーバ」のメンバーの一人。小鳥無はそのイベントの招待状をもらい、いつものメンバー、つまり保呂草・瀬在丸・香具山やその周囲の人間に配る。
一方保呂草は仕事で各務というジャーナリストに会う。用件は唯一つ。その世界でも名の知れた有名な美術品「エンジェルマヌーバ」を手に入れること。噂ではその「エンジェルマヌーバ」は、関根杏奈の父であり世界的に有名な画家である関根朔太が所有しているということになっている。もちろん否定しているのだが。
そうしてイベント当日。保呂草を除いた面々が揃い、アクロバット飛行を瀬在丸の解説付きで見ている。そんな中、関根杏奈の所属する「エンジェルマヌーバ」の飛行機二機が墜落する。そこからごたごた色々あって、小鳥無は大分巻き込まれ、保呂草は依頼人に振り回され、祖父江と瀬在丸は相変わらずで、そうして最終的に事件の幕(まあ幕らしきもの)を瀬在丸が下ろす、みたいな話。
さて今回は何がどう密室かというと、墜落した二機の飛行機のうち一機から死体が発見された。飛行機は前後二人乗りで、後ろが操縦席になっている。死亡したのはパイロットであり、死因は銃で胸を撃たれたことによるもの。そして、背中から撃たれている。
これが今回の密室。後ろで飛行機を操縦していたはずのパイロットをどうやって後ろから撃ち殺したのか。
まあ解決は、俺は思いつかなかったけど、なるほどな、という感じ。
なんかまだまだわからないことが多くて、でもそれはなんとなく次の「恋恋蓮歩の演習」で明かされそうだから、早く読みたいな。
まあでも、そこまでそんなにいいか?って感じの話。あんまりって感じ。やっぱVシリーズを読んでて思うのは、S&Mシリーズの方が圧倒的に面白かったよな、ということ。
というわけで、森博嗣の本を読むときのお決まりで、気に入ったページを折ってしまうので、いつものようにそれらを抜き出してみましょう。今回はあまり多くない。

(前略)ファスナをいっぱいに開けたナップサックのようなものだ。その柔軟さは、すなわち曖昧な「形」に象徴される。何か大きなものを中に入れれば、その形になるだろう。ファスナが閉まらないうちなら、放り出して身軽になることだってできる。それが「若い」という意味だろう。
(後略)

(前略)つまり、偶然というのは、人が偶然だと感じる、ただそれだけの評価であって、その気になって観察すれば、自然界のいたるところに偶然は存在する。木の葉は偶然にも、私の足もとに舞い降りる。こんな奇跡的なことが無限に発生して、日常を形成するのだ。
(後略)

(前略)「命をかけるものが、あるからこそ、人は生きているんです」
(後略)

森博嗣「魔剣天翔」


魔剣天翔

魔剣天翔講談社ノベルス


魔剣天翔(文庫)

魔剣天翔―Cockpit on Knife Edge講談社文庫
 

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