舞城の文章は「圧倒的な文圧」って言われて本当に何かおしつぶされんじゃねえのってばりの文章を書き殴る。書き殴るって表現は舞城のためにきっと用意された言葉のはずだ。書き殴る書き殴る書き殴るってそして実際に何かを殴りまくって何かを表現しようとする作家。
村上春樹の文章に文圧を加えてゴニゴニグニュグニュ攪拌して解体してくっ付けて引き裂いて叩きつけたような文章でもう本当に何を言いたいのかさっぱりわからんくて意味不明の領域。それでも舞城の作品は結構好きだったりするし少なくとも村上春樹よりも何かが伝わってくるような気がするのは俺だけかも。
なんてえかロックのビートに乗せてラップを歌ってるような文章でビートって言葉の意味特に分かってないで使ってたりするけどそんな感じでリズム感が結構あるような気がしてスピードはマックス。ヤク中の独り言をテープに録音したような人の思考をマルマルズバット抜き出したような何かを省いたりせずに全部載せの文章がやっぱ文圧を引き出したりしてんだろうな。
作品は表題作である「熊の場所」と「バット男」と「ピコーン!」の三作。
「熊の場所」は小学生の主人公がクラスメイトの猫殺しに気づいちゃってめっちゃ怖くなったんだけど親父の言葉を思い出してそれってのは昔山で熊に襲われたときの話で怖くなって逃げて森から抜け出したけどこのまま逃げたままだと一生恐怖は拭えなくてだから拳銃を持ってまた森に入って熊を殺したって話。恐怖を消し去るにはその源の場所にすぐ戻らねばならないっていう親父の言葉を思い出してそいつんちの直行。ちょー綺麗な母ちゃんが不釣合いで天才的なサッカーテクを持つそいつにひるみながらサッカーでボロボロになって克服。何となく仲良くなって家とか行ったりするけどでも観察は止められなくて猫を殺すとことか見たいけどそんな場面には出くわさなくてでもその内犬もいなくなったりして・・・みたいな話。
「バット男」はバットを持って街で人を脅すんだけどでも小心者で結局バット奪われて殴られるバット男ってのが有名になってでもそいつある日ぶっ殺されちゃう。それだけなら主人公の生活に無関係だったのに、同じバスケ部だった奴の彼女が4万でそのバット男とセックスしちゃったりしてたから大変。彼氏はバスケにしか興味なくて彼女はでもそんな彼氏のことが好きでたまらなくて気を引こうとしてバスケ部の先輩とかと寝ちゃうんだけど周りの皆が気づいてもそいつだけは気づかないようなバスケバカ。主人公は相談を受けたりしてイヤイヤだけどアドバイスしたりしてでもそれでも全然どうにもならなくてそんなわけで4万でバット男とセックスしちゃうわけ。で結局誰が父親なのか不明なまま彼女は妊娠で彼氏は高校辞めて結婚することにして出版社で雑誌記者として働き始めて割と成功してでも家庭では諍いがもうめちゃくちゃでお互い両思いなのに何故か足りなかったり届かなかったりしてすれ違いでそれでも子供が出来て期待したのに全然ダメで彼女は子供を連れて失踪・・・みたいな話。
「ピコーン!」は暴走族みたいな集団にあるカップルがいて彼氏は浮気と喧嘩を繰り返してて彼女は浮気相手の女をメッタメタにぼこしてそれでも彼氏のことは殴らずに大好きででもそんな生活からなんとか抜け出したいけどまともになれるはずのない彼氏に代わってかなりIQ一杯の彼女が大検を受けることを決意する。それを彼氏に話すとおどおどしながらもフェラチオ100万回を要求。なにをしてもそれを撤回しないので仕方なくフェラチオの奉仕者になり不断の練習を重ね努力し抜きまくりそのうちマスターし一人前のフェラチオ師になってでも同時に勉強もバイトもしてその内彼氏もバイト始めて真面目になってフェラチオもいいよなっていいだしてでも続けてそんなある日彼氏が無茶苦茶な格好で殺されているのが見付かる。もう取り乱して泣き崩れる彼女だが犯人を見つけようと自慢の頭をフルフルフル回転させて捜査捜査捜査。ピコーン!と何度か閃いて犯人みつけちゃるぞ・・・みたいな話。
さてこんな感想を読んでこの本を読みたくなる人がいるのだろうか少し心配だけどまあ彼の(というか男なのかどうかも不明だけど。覆面作家だったりする)作品をなんか1個読んでみたら世界が開けるかもです。
舞城王太郎「熊の場所」
熊の場所
熊の場所講談社ノベルス