今回は伊坂幸太郎を紹介したいと思います。
さて、伊坂幸太郎という名前を聞いたことがあるでしょうかね?ミステリ界では急成長の注目株、気鋭の若手作家なんだけど、一般にはそんなでもないかもしれない、と思う。
デビュー作は、新潮ミステリ倶楽部賞という新人賞を受賞した「オーデュボンの祈り」である。あらすじだけでも結構読みたい、と思ってしまうのではないかと思うぐらい、ストーリー自体面白い。
仙台在住だった男は、知らぬ間にいつのまにかある島で目が覚めた。その島は、そこに住んでいる人に言わせれば、「日本」という国からは鎖国状態なのだという。その島にはさまざま不思議な人間が揃い踏みで、嘘しか言わない画家、殺人を許された男、食べ過ぎて動くことの出来なくなった八百屋のおばさん、など。
その中にいて、最も不思議な存在は、人の言葉を喋り、未来を見通すことのできる「カカシ」だ。優午というそのカカシはしかし、ある日バラバラにされて頭を持ち去られているのが発見される。さて、未来を知ることの出来るカカシは、一体何故自分の死を知ることが出来なかったのか・・・
どうでしょうか?誰がこんな不思議でシュールな設定の話を考えることができるでしょう。ある意味ファンタジーでありながら、間違いなくミステリーでもあり、どのページを読んでもワクワクし、すぐにでもページを捲りたくなる。
それ以上に、彼が紡ぎだす文章というのが独特で、とにかく魅力的だ。どことなくふんわりふわふわしているのに、掴みところがないということもなく、ふとした思考の転換や発想の奇妙さが、どこにもかしこにもちりばめられている。
特に会話が果てしなく魅力的で、どの会話を切り取っても、自分の自分の人生にはありえなかったしこれからもありえないだろう会話だし、あーそんな会話してみたいなと思わせてくれる。自分の人生に貼り付けてみたらどうにも違和感の残る会話であるのだが、その会話が不自然ではない世界を作り上げてしまう。
そういう魅力的な作品である。
デビュー時そこまで騒がれなかったような気もするが、その後出した「重力ピエロ」「ラッシュライフ」が出世作となった。
その内、「ラッシュライフ」の方はまだ読んでいないのだが、「重力ピエロ」は読んだ。作家紹介なわけで、作品紹介ではないから少し控えるけど、放火と兄弟の優しい物語だ。会話や世界はまさに伊坂テイストであり、しかもミステリーとしても飛躍し、それ以後「このミステリーがすごい!」というエンターテイメント系のランキングで毎年の常連なったし、「重力ピエロ」では直木賞候補になった。
その後、「陽気なギャングが地球を回す」「チルドレン」「グラスホッパー」「アヒルと鴨のコインロッカー」と立て続けに作品を発表し、今年発表した三作全て「このミス」のランキング20位以内に入った。「チルドレン」「グラスホッパー」は直木賞候補になり、「アヒルと鴨のコインロッカー」では吉川英字文学新人賞を受賞。短編でも日本推理作家協会賞を受賞し、今最ものっている作家である。
仙台在住で、作品のほとんどが仙台を舞台にしている。1971年の生まれでかなり若い。「重力ピエロ」で直木賞候補になった時は、70年代生まれで初めての直木賞候補だった。
俺は、本当にどれでもいいから伊坂の作品に触れて欲しいと思います。といっても古本屋ではなかなか見付かりません。最近、半額でもいいから買おう、とおもっているけど、全然見つけられません。未だに「オーデュボンの祈り」「重力ピエロ」「陽気なギャングが地球を回す」の三作しか読んでいません。
というわけで、お金に余裕がある方は是非新刊で買ってください。そしてそれを古本屋に流してください。それを俺が買いますので。お願いします。
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