2007年08月23日

東京バンドワゴン(小路幸也)

さてまあ僕はこれまでいろんなところでずっと言って来たように、どうも家族というものが苦手なのである。どうも馴染めないというかダメで、親とも兄弟ともこれまでしっくり行ったことがあんまりない感じです。
まあそれはとりあえずいいんですけど、僕が結局分からないのは、僕は自分の家族のことが苦手なのか、あるいは家族というものそのものが苦手なのか、ということです。これはさすがにまだ分からないわけです。
僕はもちろんこれまでに一つの家族しか経験していません。偶然その家族が僕に合わなかった、という可能性はあるでしょう。例えばこれから僕が万が一にも結婚するようなことがあって新しい家族を作るようなことになれば、おぉなんだ家族っていいものなんじゃないか、とか思ったりするのかもしれないし、逆にあぁやっぱり僕は家族というそもそもの集まりが苦手なんだなとか思ったり、まあどっちかはまだ分からないのだろうな、と思います。
ただ、これまで経験した家族というのがどうもあんまり好きではないので、新しい家族を経験したい、つまり結婚したいなという風にはあんまり思えないのは事実ですね。まあ恐らく結婚しないだろうなぁ、とも思っていたりするし。
さてちょっと話は変わって、大家族の話をしようと思います。よくテレビでやっているあれです。
僕はあの大家族のテレビ番組なんかを見ていると、もちろんやっぱり家族ってめんどくさいなぁ、と思うのと同時に、あぁいう生活もちょっとは羨ましいなぁ、と思ったりするわけです。
めんどくさいなぁ、と思う部分は、まあ説明する間でもないですけど、人がいつもいっぱいいてうるさいとか、分担しなくちゃいけない仕事がたくさんあるとか、あんまり個人個人の願いが叶わなそうだなとかまあそういったことですね。実際大家族っていうのはホント大変だろうな、と思うわけです。洗濯だの料理だのっていうのももの凄い量になるし、あれだけ子供がたくさんいればトラブルも絶えないでしょう。
一方で羨ましいなぁ、と思える部分は、きっちりとしている点です。
大家族で生活をするというのは、きっちりルールが存在していてそのルールがきっちり守られているということです。もちろん破るやつは出てきますけど、そうするときっちりと怒られるわけです。
僕はそういう風に、何事もきっちりとしているというのが好きなわけです。大きなものがいくつかのシンプルなルールで運行している、というのがいいですね。
だから大家族の子供たちは、下の子の面倒も見るし、買い物にも行くし、洗濯物も畳むわけです。食べ終わった食器は自分で流しに持っていくし、料理の支度を手伝ったりするわけで、そういうことを自然とやるわけです。ルールを守らなかった子供には親がきっちりと叱り、ルールが絶対であるということを示すわけです。当然親もそのルールを守っているわけで、だからこそその背中を見ている子供たちも自然とそのルールを守るようになっていくわけです。
逆に最近増えているだろう一人っ子なんかの場合だと、そのたった一人しかいない子供がルールブックになったりします。子供はワガママを言い放題で、何でも買ってもらったり、なんでも与えられたりするのでしょう。なんか間違っている気がしますが、しかし子供が一人しかいない環境ではそれも仕方ないことなのかもしれないな、とか思ったりします。
家族の温かさとか言ったものは正直僕にはよく分からないのだけど、しかしこの世のどこかに、あるいは未来のどこかに、僕にぴったり合う家族の形があればいいなぁ、と思います。もしそれに出会うことが出来なくても、まあそういうものが存在するのだ、ということだけでも分かると嬉しいかもしれませんね。ちなみに、この「東京バンドワゴン」の家族だったら、いくらでも仲間に入れて欲しいものです。
そろそろ内容に入ろうと思います。
本作は四つの短編を収録した短編集になっていますが、まず作品全体の説明をします。
舞台は、下町に古色蒼然と存在するある古本屋一家です。
その古本屋は三代続く伝統ある店で、お店の名前は「東京バンドワゴン」です。昔からこの名前だったので、当時はかなり珍しがられたそうです。
現在の主人は堀田勘一。でこの家族はとにかくやたらたくさんいるわけで、勘一の息子で伝説のロッカーである我南人、我南人の長女で画家でシングルマザーの藍子、藍子の娘で花陽、我南人の長男でフリーライターの紺、紺の妻で元スチュワーデスの亜美、紺と亜美の息子で研人、我南人の愛人の子で旅行添乗員の青、とまあたくさんいます。こういった面々がみな一つ屋根の下で生活をしているわけで、それはそれは騒がしいものです。古本屋の隣では手作りのカフェも併設していて、男は古本屋を、女はカフェをそれぞれ切り盛りする、という感じになっています。
さてこの家族には、二年前に亡くなってしまった、勘一の妻だったサチという女性がいます。この物語の視点は、この天に昇ったサチが務めます。時々運がよければ紺と会話をすることは出来ますが、それ以外には家族に何も出来ない身でありながら、いつも空の上から家族を見守っています。
ではそれぞれの内容を紹介しようと思います。

「春 百科事典は何故消える」
東京バンドワゴンでは奇妙なことがありました。朝、店のものではない百科事典が二冊棚にささっていて、それが夕方になると姿を消すのです。たったそれだけのことで実害もないのでしばらく様子を見ることにしたのですが、次第に状況が分かってきます。しかし、その話が解決したと思ったらまた別の問題が持ち上がり…。

「夏 お嬢さんはなぜ泣くの」
藍子の様子がどうもなんとなくおかしい。どこがというほどでもないのだけど、なんとなく何かに気を取られている、というか…。
プレイボーイである青に嫁入りに来たのだといって、牧原みすずさんという女性の方が押しかけてきました。その日から住み込みで働くことになったんですけど、よく気が付く女性で働き者。しかしどうもみすずさんも青も沈んだ顔をしているような気が…。
その他にも、猫の首輪に文庫本の切れ端がついていたり、あるいはストーカーが現れたり、なんだかバタバタしています。

「秋 犬とネズミとブローチと」
岐阜のある温泉旅館の主人が、大量の古本を処分したいと言ってきました。その鑑定のために紺が出掛けて行くことになったんですけど、しかしこれが一騒動になりまして…。
一方で、老人ホームで嘘の外泊届けを出した女性を巡って、ちょっとした縁から東京バンドワゴンの面々が駆り出されることになりました。さてその女性は一体どこへ行ってしまったのやら…。

「冬 愛こそすべて」
勘一が風邪をこじらせて寝込んでいます。もうすぐ青とみすずさんの結婚式があるというのに大丈夫でしょうか。
青が結婚するのだから、我南人の愛人だった人にも連絡を取って式に出てもらえばいいじゃないという藍子の言葉に、我南人は藍子をあるところへと連れ出すのだけど…。
一方で青とみすずさんが式を挙げる神社の神主さんがある本を見つけたと言ってやってきました。それは、夏目漱石の「それから」の初版本だったんですけど、そこには東京バンドワゴンの先々代が書いたと思われる家訓がたくさんありました。そしてその一つに、「冬に結婚するべからず」というのがあって、さて皆どうしようか悩んでしまいます。そういえばこの神主さん、今浮気をしているのではないかと疑われているのですねぇ。

というような話です。
いやはや、とにかくべらぼうに面白い話でした。もともと本作の評判は知っていたんですけど、予想以上に面白かったなという感じでした。素晴らしい!
まず何よりも素晴らしいのは、とにかくこの東京バンドワゴンの面々の描き方ですね。大家族の生活をうまく描きながら、いろんな人の特徴をどんどんストーリーの中に盛り込んで行く感じは素晴らしいものがあります。一人一人が本当に突出した魅力あるキャラクターになっていて、それぞれがそれぞれに役割を持っていて、誰かの出番が少ないということもなく皆均等に話に登場してくる辺り、かなり作家の腕があるのだろうな、という風に思いました。
とにかくこの家族を巡ってはいろんな複雑な事情があるわけで、藍子がシングルマザーだったり、我南人の愛人の子がいたり、青の押しかけの嫁入り候補が飛び込んできたりとまあ大騒ぎですけど、でもそういう話もストーリーの中にうまく織り込みながら何らかの進展を見せるので非常にうまいなと思いました。
一つの短編の中にいくつかの出来事を盛り込んで、まあそれらが密接に関係することも関係しないこともあるんですけど、あれだけ短い話の中にこれだけいろいろ詰め込めるのは見事だと思いました。
とにかく読んでいて、この東京バンドワゴンという家族が非常に羨ましく思えてきます。みんな気持ちが優しいいい人ばかりだし、先々代が残した家訓を未だに律儀に守ろうとしているし、家族のどんなことでも(多少諍いはあるにせよ)大らかに受け入れてくれるし、毎日ドタバタしてるけど楽しそうだし。こんな家族の一員として生まれたら、僕も楽しかったかもしれないな、とか思ったりします。
さて本作を読んで僕が一番感心したのがその視点についてです。先ほども書きましたが、本作はもう死んでしまってこの世にいないサチという女性が視点を務めているのですけど、この手法はかなり新しいなという風に思いました。いや、もちろんこれまでにもこういうやり方はあったかもしれませんが、それは作品の必要性からそうしてきたものばかりだと思います。すぐ思いつくのは有栖川有栖の「幽霊刑事」ですけど、この作品の場合、確か何かの事件に書き込まれて命を落とした刑事が、死んでからその事件の真相を解くというような話だったはずで、これだと死んだ人間が視点人物になるのは必然だと言えます。
しかし本作のような作品の場合、視点人物が死んでいる必要性はまるでないわけです。でも、そういう小説でこういう視点を採用したことで非常に大きな利点が生まれているように思います。
この死んだ人が視点人物であるといいうのは、一人称でありながら神の視点を持つことができるということです。通常一人称の小説の場合、その視点人物がいないところの描写は出来ないという問題があるのですが、死人であれば割と自在にあっちこっち移動出来るわけで、そういう意味で都合がいいわけです。また一人称の小説なので、三人称のように堅くなることもなく、また内面の描写も自然に描ける、というわけです。こういう形の視点をとった小説はこれまでにもあったかもしれませんけど、少なくとも僕が知る限り本作がもっともいい効果を上げているという風に思いました。お見事です。
これ確か続編があったはずなんですけど、それもすぐ読みたいですねぇ。僕は小説を映像化するのはあんまり好きではないですけど、でもこの作品は連続ドラマなんかにしたらかなり面白いような気がします。僕はあんまりタレントの名前とか知らないんですけど、誰がどの役をやるのがいいかなぁ、なんて思いながら読んだりするのも面白いかもしれません。とにかく是非読んでみてください。最高に面白いと思います。かなりオススメです。

小路幸也「東京バンドワゴン」


東京バンドワゴンハード

東京バンドワゴンハード
 

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この記事へのコメント
こんばんは。

コメントを残す人が他にいなくなってしまい、困りましたね。
皆さん、お忙しいのでしょうか。心配です!

この本は、おもしろそうですね。亡くなった妻の視点って、どういうものでしょう。興味が湧いてきました。透明人間になって家族の動向を見守ってくれるのでしょうか。まさか「千の風になって」ということではないでしょうし…(笑)、斬新な描き方ですね。今度読んでみます。と、言うか もう図書館に予約しました。水柿クン以来、可笑しい話(笑える話)に無性に手を出したくなります(笑)。

今日も『数学ガール』を少しだけ(第7章まで)読みました。数列は奥が深いですね。私の頭では余り理解できませんでしたが、階乗の!のマークを使わずに「下降階乗べき」で表すと、なかなかスマートになることは分かりました。!=ビックリです(笑)。格子を書いて場合の数を求める問題は中学入試の定番です。昔々、訳が判らないままに子供と頭をひねっていましたが、こういう背景があったのですね。難しかった筈です(泣)。

通りすがりさんが書いてくださったオイラーの定理は、私も学生時代にちらっと学びましたので、名前だけは記憶の片隅にあります。
そこで思い出しましたが『博士の愛した数式』の中で、こんなにエレガントな数式はない、と博士が絶賛していたのはこれじゃなかったですか。iとeとπがみんな出てくる、と博士(映画では寺尾聡)が言っていたような…

博士の言葉を引用します。

>本当に正しい証明は、一分の隙もない完全な頑固さとしなやかさが、矛盾せず調和しているものなのだ。(中略)なぜ星が美しいか、誰も説明できないのと同じように、数学の美を表現するのも困難だがね。

でも残念なことに、昨日私が買った参考書にはこんな高度なことは載っていません。難易度が☆ひとつというレベルの本ですので(泣)。出版社の名前がマセマ出版、いかにも数学っぽいですよね(笑)。数学が「数が苦」になるか、「数楽」になるかは本人次第というところでしょうか。

読書は大崎善生さんの『ドナウよ、静かに流れよ』を読んでいます。日中は片付けと掃除に追われていまして、本が開けませんでした。体を使うのも好いものです。

では、この辺で。今日は暦の上では処暑という日に当たるそうです。暑さが収まるという意味があるらしいですが、明日から一体どうなるのでしょうか? もう晩夏ですよね。
Posted by dradonworld at 2007年08月24日 00:29
こんばんわです。

ホントですね。dradonworldさんは変わらずコメントをしてくれるので嬉しい限りですね!まあ、僕もなかなか人のブログとかにはコメントできない方なので、まあしょうがないだろうなぁ、とは思うんですけどね。

この本は面白いですよ〜。ホント、亡くなった妻の視点というのはかなり斬新でした。まさに、透明人間みたいな感じです。ありそうでなかったような手法だと思いました。東京バンドワゴンの面々もかなり面白いので、読んでると楽しくなってくるんじゃないかな、と思います。

僕が毎日見ている数学のあるサイトに、数学オリンピック予想問題、みたいなものが載っているんですけど、その問題の中に見慣れない記号がありました。「!」ではなく「!!」だそうです。どういうことでしょうね。「!」だったら、その数までのすべての整数を掛け合わせればいいわけですけど、「!!」だとどうなるのか分かりません。まさに二重にビックリです!数学は奥が深いなぁ、と思いました。
場合の数を求めるために必死で書き出すのはよくやりましたよね。実際は論証をしなくてはいけないんですけど、大まかな答えを知るのにはいいですよね。でも、確率とか場合の数とかはとにかく一番苦手でした。あれは難しいですね。

確かに、博士が絶賛してたのはこのオイラーの公式かもしれません。あんまり正確には覚えてないんですけどね。でも数学というのはその美しさが際立っているところがやっぱいいですよね。もちろんその美しさを理解するのはなかなか難しいわけですけど…。

数学は、初めのうちから理解しようとすると挫折しそうな気がします。初めは、記号とかをとにかく覚えてしまうしかないんですよね。で、覚えた記号を使って計算をする。そうすると段々面白くなってくるわけで、多少忍耐を必要とするかもしれません。僕が数学で一番好きな点は、一度証明されたことは絶対に覆ることはない、という点です。

「ドナウ〜」は聞いたことがありますけど、どうですか?確か実話を元にした話だとかなんだとかっていうような記憶があるんですけど…。男女が失踪するとかそんな話でしたっけ?
掃除は、一度始めてしまえば割とのめりこめるんですけど、始めるまでが大変です。なかなか腰が重いのです。我が家には特に誰かがくるというわけでもないので掃除もうっちゃり気味です。よくないですよね。

暦の上では、というのは、あれやっぱよくないですよね。いつも思うんですけど。だって、実際とは全然違いますもんね。なんの気休めにもならないよ〜、と思ってしまいます。そういえば本屋では「暦」というものを売っていますが、どんな内容なのか未だに知りません。何に使うかもさっぱりです。そんなに「暦」を使うような機会があるんだろうか、と不思議です。世の中不思議なことだらけです。

ちょっと今月はいつも以上に本を買いすぎているのでかなり飽和しています。ホント、一ヶ月ぐらい仕事を休んでひたすら本を読んでいたいものです。
Posted by 通りすがり at 2007年08月24日 02:41
こんばんは。お月様だけは秋の月ですね。今日は上弦よりややふっくらです。お帰りの頃は、もう西の空でしょう。

『ドナウ〜』を読み終えました。ドナウ川に入水した男女(心中)の実話をルポ風に書いた物です。両親や友だちの色々な思いが交錯しますが、ちょっとしたボタンの掛け違いがこんな悲劇を生んでしまうことに胸が痛くなるような話でした。若い(女性は19才)ということは思い込みも人一倍強く、周囲の心配に耳を傾けられないのでしょうね。ミステリめいた作品かな、と思って読んでみましたが、なかなか重い現実を突きつけられました。余りおススメという作品ではありません。

『数学ガール』は、今日は随分進みました。この本の構成は本当におもしろいですよね。いつも教わる一方だったテトラちゃんがsinxを微分してテイラー展開(これは初めて知りました)を導く所なんて、すばらしい進歩(というか目の付け所が良い)ですよね。それと

>sinxというのは名前に過ぎない。…中略…数式としての見かけは違うけど、関数の性質は同じ…

という発見も凄いですよね。私には sin π/6=1/2 くらいの感覚しかなかったですが、そういえばこれも関数だったなぁ、と目から鱗でした。水面下で繋がっている本体の部分を見ないで、そこから出る泡のような事象(例えば前述のsinなど)しか覚えていないので、数学=計算→面倒くさい、になるのでしょうね(笑)。

テトラちゃん、ますます好きになりました!!

図書館の本を検索しましたら『素数ゼミ』というタイトルの本が見つかりました。素数、おもしろそう!と思い、この本も『東京バンドワゴン』と共に予約しましたら、夕方には受け取れました。ところがこの本は大活字(小中学生向き)のセミの話でした。数学じゃないのか?とがっかりしましたが、13年、17年ごとに大量発生する「素数ゼミ」の秘密が載っていました。土の中の生活が余りにも長くなると生存率も下がるそうですので、地上に出るまでの期間は15年前後のようです。素数になることのメリットは最小公倍数が大きいということです。大きくなると違う品種と交尾する確率がその分下がりますね。違う品種のセミと交尾(交雑というそうです)すると、地上に出ても交尾する相手が極端に少なく、子孫を残せません。そのような理由で、13年、17年周期で地上に現れるセミは、その数が多くなるそうです。無駄な交雑が防げるからです。なるほど! 理に適っていますよね。

では、この辺で。『東京バンドワゴン』もこれから読んでみますね。苦手なはずの数学の話が多くなりましたが…(汗)
Posted by dradonworld at 2007年08月24日 20:47
こんばんわです。僕はバイト先から帰る時も、暗いけど歩きながら本を読んでいます。そういえば長らく月なんか見てないような気が…。

「ドナウ」はそこまでオススメではないですか。「パイロットフィッシュ」はそこそこ面白かった記憶があるので気になる作家ではあるんですけどね。今家に、「四分の一のなんとか」みたいな感じのタイトルの文庫があったはずですが…見つけられません(泣)

そうそう、sinxのテイラー展開の話は僕もすごいな、と思いました。確かテイラー展開したsinxを因数分解するとかなんとか、そんな感じの話じゃなかったでしたっけ?それで結局その話から、ある式が証明できてしまうんですよね。300年前に死んだ偉大な数学者と同じ方法で証明が出来たわけですよね。まあそれを最後まで誘導しきるミルカさんもすごいと思いますけどね。

数学は、いろんなところとの密接な繋がりがあったりするので面白いんですよね。数列と母関数の関係もそうですね。ホントはもっと数学が出来ると楽しいんだろうな、と思うとちょっと悔しいですね。

「素数ゼミ」というのは名前だけは有名ですね。確かに地上に出るまでの期間が素数になることで生存率は高まるでしょうけど、でもそれもまだ仮説の一つに過ぎないようですよ(僕の拙い記憶によると)。でもすごいですよね。自然界にも素数というものが出てくるわけで、数学というのはやはりある意味で真理なのだろうなと思います。

これでdradonworldさんも数学は余裕になってきましたね!僕はしばらく数学関係の本を読むことはないですけど、是非是非参考書なんかでいろいろ学んでくださいね!「東京バンドワゴン」もかなり面白いですよ。楽しんで読んでくださいね〜。
Posted by 通りすがり at 2007年08月25日 02:48
こんばんは。今日は数学の話題はなしです(笑)。

『東京バンドワゴン』を読み終えました。ほのぼのした楽しいお話でしたね。通りすがりさんがお生まれる前にテレビドラマで放映していた「寺内貫太郎一家」を彷彿させる作品でした。寺内一家の脚本は向田邦子さん(お名前だけは、ご存知でしょうか?)で、橋田寿賀子さんよりずっと軽いホームコメディでした。やはり大家族のドタバタを描いていましたが、おばあちゃん役が加藤治子さんで、この『東京〜』の語り手のイメージにピッタリです。
私の田舎の家は住み込みの店員さんや下宿人まで含め多いときは12〜13人いました。体験者として、大家族は好いような悪いような…ちょっと断言できません(汗)。何しろ、いつも騒々しいですし、自分のプライバシーなんて、ありませんでしたので。今のようにドアではなく、どの部屋もふすまを開ければ自由に行き来できましたので、自分の部屋にいても落ちつきません。じっくり勉強に取り組めなかったのは、多分そのせいです(笑)。さすがにトイレは3カ所ほどありましたが、お風呂は一つしかなく、一人でゆっくりお風呂に入ることが当時の夢でした。いつも妹と一緒だったからです。

この『東京〜』はそれぞれのキャラが本当に可笑しいですね。まず、古書店の長男であるお父さんがロックミュージシャンという点が世間の常識からするとエッ(?)ですし、愛人の子を引き取って育てたり、娘もシングルマザーの道を選んだり…となかなか波瀾万丈です。でも、そういう細かいことにこだわらず、皆すくすく大きくなっていったところが好いですよね。登場人物の懐が広いということでしょう。青とすずみさんの結婚式は感動でしたね。大女優として母親役を「演じる」ことを自分に課したはずなのに、やはり一部綻びてしまいました。段々話が繋がってきて、ケンちゃんの家族(娘と孫)、花陽の父、青の母が判明するところもほのぼのとしたこのお話の最後に相応しいなぁ、と思いました。浅田次郎作品(人情物語)を軽い味つけに直した感じです。

古書店の経営は難しそうですね。まず値つけ、これが全てでしょう。目利きと言われるように、自分の鑑定眼を養わなくてはなりませんが、これも慣れだけではなさそうです。やはり、修業でしょうか。セドリが最後に本を返してくれた話は好かったです。この本の登場人物が皆善人という構成も巧いですよね。大成功です!!

私の場合、図書館はいつも分館(支店のようなものです)を利用していますが、今日は出かける用事がありましたので、本館に行ってきました。特別に借りたい本があったわけではありませんが、月刊誌や雑誌をペラペラめくってきました。斜め読み状態です。お知らせとしては、ダ・ヴィンチの今月号(隔週発売)に森見さんの特集が載っていたことです。「森見登美彦の生涯」とあって、生い立ちは元より、これからの人生設計(予定?)が書いてありました。65歳頃、竹藪に入りフェードアウトとか…(時々現れ、生きているのか死んでいるのか分からない状態になるそうです)『新釈 走れメロス』の「山月記」の虎を連想してしまいます。竹は森見さんの卒論のテーマだそうで「バンブーカンパニー設立」などという記述もありました(笑)。ちょっと手にとってお読みくださいね。

本屋(リブロ)に寄りましたら、金城さんの「映画篇」の大きなポスターが貼ってありました。<どんな本を読んで、どんな感想文を書くの?>という手書きのPOPもありましたが、子ども達も大変ですね。夏休みの宿題の追い込みの時期です。新潮文庫の売り上げランキングの3位に「朗読者」がありました。これはちょっと意外です。1位「夜のピクニック」2位「しゃばけ」だそうです。

今夜も月がきれいですよ。本を読みながら帰るなんて、危なくありませんか。しかも、暗いので目に悪そうです。時々は空も見てくださいよ。では、この辺で。
Posted by dradonworld at 2007年08月25日 23:51
こんばんわです。今日はバイト先の人の演劇を観に行って来ました。なかなか面白かったですが、長くてちょっと疲れてしまいました。

向田邦子というのは作家として知っています。むしろ脚本家だったということを知りませんでした。そういえば本作の最後には、「これまでのすべてのテレビドラマへなんとか」みたいなことが書いてありましたね。やはり何らかのテレビの影響を受けているのだろうな、と思います。
住み込みの店員さんって、何か商売でもやっていたんですか?ってもしかしてこの話僕聞いてたりします?モノ覚えが最強に悪いのでもしそうだったらごめんなさい。
確かに、プライバシーがないのは厳しいかもしれませんね。でも僕の中での勝手なイメージでは、子供の頃からそういう環境であれば特に疑問に思うことなく慣れてしまうのではないか、と思っていたんですけど、やっぱりそううまくはいかないですよね。ふすまを開ければ、というのもやっぱり落ち着かないものです。せめてドアで仕切られていたらまだ違ったかもしれませんね。
風呂は、僕も小さいことは兄弟三人(僕と妹と弟)でいっぺんに入っていました。懐かしいですね。その頃はまだ仲がよかったということですけど。さすがに小学校のある時ぐらいからなくなりましたけど。

この作品のキャラクターはみんないいですね。我南人はかなり気に入っています。破天荒でありながら、決める時はびしっと決める。メリハリのついている辺りがかっこいいですね。まあ愛人との間に子供がいるというところには目を瞑りましょう。青とみすずさんの結婚式でトリッキーなことをやってのけましたからね。
花陽と研人の二人の子供もなかなかいい味を出している気がします。ちゃんと一人前だな、という気がしました。周りにきちんとした大人がたくさんいるからちゃんと育つのも道理かもしれませんね。

古書店は、店売りはもはやうまくいかないようですね。大体ネットに移行しているみたいです。でも出来れば東京バンドワゴンみたいに、カフェを併設してでもなんとか頑張って欲しいものですよね。勘一も頑固で、ある社長に感想文を提出しないと本を売らないみたいなことを言っていて、だから東京バンドワゴンはまだまだ余裕があるということでしょうね。セドリ本が返ってきた話は僕もいいなぁ、と思いました。かなりミステリアスでしたしね。

「ダ・ヴィンチ」の特集は面白そうですね。森見登美彦は、真面目な風を装ってとんでもないふざけたことを言ったり書いたりするのですごいなぁ、と思います。しかし、竹が卒論のテーマというのもまたすごいですね。どんな卒論なのか、むしろそれを出版して欲しいですよね(笑)

「朗読者」が売れているのは以外です。恐らく当店で新潮文庫の100冊のランキングを取ったら、「精霊の守り人」か「黄色い目の魚」か「夜のピクニック」辺りが1位ではないかなと思います。あんまり自信はないですけど。「朗読者」はあんまり売れていません。

「映画篇」はなかなか順調ですよ。それぞれの短編が微妙にリンクしていていいですね。映画を介して人と人が関わって行くというのがなかなかいい感じです。

本を読みながら帰るのは、まあ危ないんですけどね。でもなかなか止められません。もう中毒なもので(笑)。でも、暗いところで本を読むと目が悪くなる、というのは迷信だそうですよ。科学的な根拠はないそうです。だからと言って目に良いかというとそんなことはもちろんないんですけどね(笑)。
Posted by 通りすがり at 2007年08月26日 00:34