2007年08月26日

ゾラ・一撃・さようなら(森博嗣)

例えば今僕の目の前に100億円があったら、そしてその100億円が自分のものになるとしたら、僕はどう感じるか。
僕はきっと何も感じないだろう。使い切れないだろうな、とは思うかもしれないが、何に使おうか、とウキウキするようなことはない。もしかしたら、あぁ、面倒なことになるな、と思うかもしれない。100億円なんて持ってたら誰かに命を狙われたりするだろうな、みたいな。
周りの人間はとにかくお金が欲しいみたいなことを言う。僕にはあんまりその感覚が理解できなかったりする。100万円くらいなら現実的なお金だ。1000万くらいでもまだ認識できるかもしれない。でももう億を超えたらダメだろう。ダメな気がする。
みんな、お金を手に入れたら何をするつもりなのだろう。きっとやりたいことがたくさんあるのだろうな、と思うのだけど、やりたいことなんか世の中にそんなに一杯あるだろうか、と疑問だ。少なくとも、僕にはない。お金を掛けてしたいことはほとんどない。
僕にとってお金というのは、生活を保障するものでしかない。つまり、生活を困らないようにするためだけのもので、お金を使って何かしたい、というようなことはない。
だから僕は、お金持ちになりたいと思ったことは一度もないのだ。豪邸もポルシェも美女も、別にどうでもいい。というか、金持ちになったらめんどくさいことばかりだろうと想像される。お金を守らなくてはいけないし、いろんな人との付き合いもあるだろう。お金を持っている、ということを周囲にアピールする生活をしなくてはいけないし、税金がどうのだとか、ああ想像するだけでめんどくさい。
たとえば今僕が宝くじの一等3億円が当たったとしよう。僕なら、仕事を辞めてどっか適当なところに隠居して本を読んで適当に暮らしていくだろう。他の人ならどうするだろう。とりあえずしばらく豪遊して遊んで暮らすのだろうか。分からないが、恐らく僕は大分人とは違うのだろう。
お金に執着がないというのもまたダメだろうと思う。とにかくホントにお金に執着がなくて、例えば人にお金を貸したりとかすると、まあ返ってこなくてもいいか、とか思うのだ。というかそもそも貸したことを忘れてしまうので、返してくれと言ったこともない。
一度こんなことがあったのだけど、友人が借りた金を返すよと言って俺にお金を返してきた。でも僕の記憶では、そのお金が返ってきていたはずだったので、俺もう返してもらったよ、と言ったのだ。その時は、恐らく金に執着のない俺の記憶が間違っているだろう、という話になって金を受け取ったのだけど、それくらいどうでもいいのである。
まあその内、というか将来絶対、僕はお金に困ることになるだろう。そもそも年金も払ってないし。けど、まあそれは仕方ないし、まあどうでもいいし、どうしようもないことだろう。まあ何にしても、間違っても僕が金持ちになることはないから大丈夫だろう。何が大丈夫かって、まあよくわからないのだけど。
そろそろ内容に入ろうと思います。
探偵である頚城の元に、ある依頼が舞い込んで来た。志木真知子という超絶的な美人が依頼人であり、彼女の依頼は、ある美術品を取り戻して欲しい、というものだった。
法輪清次郎というタレントにして元都知事が、ゾラという殺し屋に狙われているという噂がある。依頼人が取り戻して欲しいと願っている天使の演習という美術品は、その法輪が所有しているという話だった。法輪がゾラに殺されてしまう前に是非取り戻して欲しいのだ、という。とりあえず頚城は、出来るかどうか検討してみる、と告げた。
頚城は考えた末、法輪の本を出したいのだという口実を設け法輪に近づくことにした。法輪の自宅にも行くことができ、またとあるきっかけから法輪の自宅に滞在できることになった。
一方頚城は、依頼人である志木の魅力にやられていた。会う度に惹かれていく自分に気づく。罠かもしれないと自覚はしているものの、しかしその誘惑に勝てはしなかった。
ゾラは本当に法輪を暗殺するのか。また、天使の演習は手にすることは出来るのか…。
というような話です。
本作は森博嗣の最新刊ですが、うーむ今回はちょっと微妙だな、という感じがしました。なんというか、まあ普通の小説かな、という感じでした。なんというか、あんまり書くこともないなぁ、というか。
志木真知子という女性はなかなかに魅力的だなと思いました。確かにこんな女性がいたらメロメロになりそうだな、という感じがしました。
というか頚城という男はなかなかモテる男のようで、なんかフィリップ・マーロウみたいな探偵ですけど(いや、正直よく知らないで書いてますけど)、赤座という女性とか水谷という女性とか、頚城の周りにはいつも女性の姿があって羨ましいなぁ、と思いました。
事件自体はまあなんとなく予想通りという感じで、まあ一瞬驚きの展開になりかけましたけど、最終的には予想通りになりました。
これは、まあシリーズになったりはしないでしょうねぇ。まさか、ゾラという暗殺者が活躍するシリーズが出来たりして。
まあそんなわけで、あんまりオススメは出来ません。まああんまり読まなくてもいいかなぁ、という感じではありますが、どうでしょうか。

森博嗣「ゾラ・一撃・さようなら」


ゾラ・一撃・さようならハード

ゾラ・一撃・さようならハード
 

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ゾラ・一撃・さようなら(集英社)森博嗣【本の口コミ情報:ブログでbook!】 at 2007年08月28日 07:29
作者 森 博嗣 誤解されるから、とかではないよ。単に、女は信用できないだけだ。 そうですか。僕は頷いた。冗談だろうか、と少々考える??..
ゾラ・一撃・さようなら ZOLA with a blow and goodbye(小説)【家でします。】 at 2009年03月31日 03:27
この記事へのコメント
こんばんは。以前クレィドウザスカイに書き込みしたものです。

保呂草さんのほうがハードボイルドかなーというのが感想です。
おっしゃる通り内容が普通でしたね。
でも最後まで飽きないで読めたので、僕は良いと思います。
Posted by mana at 2007年08月28日 00:06
こんばんわです。お久しぶりですね。

なるほど、保呂草と比べるという発想はなかったですね。確かに近い物を感じますけど、やっぱ保呂草の方がいいですね。

森博嗣の作品には過剰に期待をしてしまうからダメなのかもしれません。S&Mシリーズ・四季シリーズ・スカイクロラシリーズといったような傑作群を知ってしまったために、やはり期待は高まるというものです。ちょっと前に出た「ZOKUDAM」はかなり面白いと思いましたけどね。
Posted by 通りすがり at 2007年08月28日 02:42