河岸忘日抄(堀江敏幸)
その船は、空も飛べたし、陸も走れたし、もちろん水の上も進むことが出来たという。地球上のどんな場所にだって行くことが出来た。
ただその船は、どうしても湖だけには入りたがらなかった。後に船はこう語った。一度入ったら出られなくなってしまうような気がするんだ、と。
一銃「船」
今日はちょっと時間がないのでショートショートも感想も適当にいきます。
主人公はとある事情から、異国の繋留船で暮すことになった。耳の遠い大家、時折やってくる少女と郵便配達員。時々買い出しに出る以外船から出ない、そんな日常を送っている。
そんな中で、日々主人公が感じる言葉の集積が本作です。
どうにも僕には合わない作品でした。堀江敏幸の作品は、「雪沼とその周辺」というのを読んだことがありますが、これは短編だったからよかったのだろうな、と思います。ちょっと僕には、この作家の長編を読むのはなかなかキツイ気がします。書いていることが難しすぎてイマイチ理解できないのと、どうにもストーリーがなさすぎてちょっと退屈に感じてしまうわけなんですね。
ストーリーはほとんどなくて、たまに訪れる人との交流を除けば、後は主人公が読んでる本・聞いている音楽・昔見た映画、そういうものについて触れられていきます。他にも、ちょっとしたことから深く考えることになる思索や、前の住人に関するちょっとした謎めいた出来事なんかが描かれますが、やはり読んでてどうも退屈なんですね。ものすごく文学寄りの作品だろうと思いました。ストーリーやキャラクター重視の現代の小説を読みなれている僕には、ちょっと厳しかったです。
まあそんなわけで僕はオススメしませんが、この著者はうんざりするほど数々の賞を様々な作品で獲っているし、本作でも読売文学賞を受賞しているようです。かなり評価の高い作家なので、読んでみるのもいいかもしれません。
堀江敏幸「河岸忘日抄」
河岸忘日抄文庫
Posted by white_night at 12:22
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本の中身は(2008)
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こんばんは。
豪雨の中、帰ってきました! 早く普通の秋らしい天気にならないのでしょうか。
本当にイヤですね(泣)。
堀江さん、私は大好きですが、お若い方にはあっさりし過ぎて退屈かも知れませんね。氏はフランス文学出身の方で翻訳も手がける作家です。文学賞もたくさん受賞されていますが、ストーリーの展開で読ませるというタイプの作家ではなさそうです。敢えて言えば文体の端正さでしょうか。昔々の私小説では自分の家族や貧しさを淡々と綴り、ひとつの世界を見せるという手法の作家もいましたね。あるいは無頼を決め込んで自堕落を売り物にしたという強者も…。でも、読者に好まれたのはその内容ではなく文体の巧さだったと思います。
堀江氏の世界はかなり幻想的だと思いますが、いかがですか。この好さが分かるには、通りすがりさんがもっともっと歳を重ねないと無理かも知れません。読みやすさからすると『雪沼とその周辺』が一番でしょうね。彼の作品の欠点は小説かエッセイか判断に苦しむものが混在している点です。一つの事象が発展して関連する別の物へ行くのは構いませんが、本人の思索の部分が入ってきたりすると、なかなかその世界に入り込めません。
保坂和志さんもちょっと雰囲気が似ていますね。純文学という言葉が死語になっていますが、これぞ純文!という感じです。単純明快ではない、という意味でですよ(笑)。
私の方は忘れてしまいましたが、私は昨年一時期彼の作品を集中して読みましたので、通りすがりさんにこの本を薦めたのは私でしたか?
だとしましたら、本当に申し訳ありませんでした! ジェネレーションギャップということでお許し下さいね(泣)。
私は『気をつけ、礼。』(重松さん)を読み終え『季節風*秋』(同じく)に移りました。こちらは心にズシンと迫るものがあります。軽重取り混ぜて読書、というのが私のスタイルとして定着してきました。好いのかどうかは判りませんが…。
そうそう大崎梢さんの『夏のくじら』を読みましたが、成風堂シリーズの方が面白いような…?
また川上弘美さんの『ニシノユキヒコの恋と冒険』も、読了です。通りすがりさんもそのうち読まれると思いますので、その時まで伏せておきます。ただし問題は、その時に私の方が内容について殆ど忘れてしまう可能性が高いことです(笑)。
では、この辺で。雨の情報ですが消防庁で流している「アメッシュ」というHPが非常に便利ですよ。10分置きに更新していますので、雨雲の移動が良く分かります。ご活用下さいませ。
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http://tokyo-ame.jwa.or.jp/
こんばんわです。靴が濡れるのが嫌だったので、バイト先から裸足(靴下は履いてましたけど)で帰ってきました。ちょっと足の裏が痛いです(笑)
堀江さんは、気になる作家ではあるんですよ(そうそう、先に書いておきますけど、「河岸忘日抄」はドラさんに勧められたわけではないですよ〜)。「雪沼とその周辺」は割とよかったんですけどね。あの文体で長編はちょっと退屈だなぁ、という感じでした。途中からほとんど飛ばし読み状態だったので、文章が巧いのかどうかもイマイチ判断できないですねぇ。
確かに幻想的な話が多いと思います。ファンタジー的というのではなくて、日常からほんの少しだけ浮いているみたいな、そんな非日常さがありますよね。確かにまだまだ僕には早いのかもしれないですねぇ。難しいものです。
そうですね。「河岸忘日抄」には、エッセイっぽい部分も結構あったりしましたね。もちろん主人公の思考を借りてということですけど、あちこちいろんなところへと思考を飛ばして、いろんなことについて思いを巡らせていました。
保坂さんも読んでみたいとは思ってるんですけど、やっぱりまだ僕には早そうな作家ですかね(笑)。まあ気が向いたら読んでみることにしますね。
「季節風」はもう秋まで出てるんですね。まだ春しか読んでないですからね。夏・秋と読まなくては。僕の場合は、もうジャンルも軽重もグチャグチャという感じで、統一性の欠片もない読書ですが、自分のスタイルとしては気にいっています。
大崎梢は、書店を舞台にした話の方がいいですよね。「なんとかのうさぎ」みたいなタイトルのミステリがありましたけど、あれも微妙という感じでしたしね。是非また書店を舞台にした作品を書いてもらいたいものです。
確かに、「ニシノユキヒコ〜」を読むのはまだしばらく先になりますね。内容を忘れてしまうのはお互い様です。もう少し記憶力がちゃんとしていればな、といつも思います。
「アメッシュ」はすごいですね。しかもそれを、消防庁がやってるんですね。面白いなと思います。やっぱり救助とかに必要な情報だからでしょうかね?分かりませんが、ちょくちょく見てみようと思います。ありがとうございます。