2004年09月28日

大誘拐(天藤真)

破天荒な誘拐小説だ。
刑務所で出会った三人組が、以後犯罪から足を洗うため、金を一気に調達してしまおうと誘拐を計画する。狙うは大大大富豪のおばあちゃん。おばあちゃんが突然始めた山歩きの途中、三人組は誘拐に成功する。
ここから怒涛の展開。主従が逆転する。おばあちゃんは三人組の計画の穴を見抜き、なんと自ら計画を立ててしまう。身代金はなんと百億円!
そしてここから、人質でありながら何故か(もちろん理由はあるが)誘拐犯のトップになったおばあちゃんと警察の知恵比べが始まる・・・
ミステリー作家であれば誰しも、「密室」と「誘拐」は書きたいのではないか、と俺は勝手に思っている。だからこそこの二つをテーマにした小説はそれこそ山のようにあるだろう。各作家ともある知恵ない知恵を絞って新しい設定を捻り出そうとするわけだけど、この作品はなんといっても新鮮だ。言い忘れたがこの作品は1978年に出版された作品であり、著者は俺が生まれた83年に亡くなっている。携帯もパソコンも出てこないけど、最近の作品にもひけを取らないほどの出来だと思う。
百億円の身代金を一体どうやって掠め取るのか、そして何故おばあちゃんは誘拐犯に協力したのか。とても楽しい作品です。

天藤真「大誘拐」


大誘拐

大誘拐―天藤真推理小説全集...創元推理文庫
 

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