2008年10月12日

■ Hyper-V Server 2008を使い始める

2008年10月初めにMicrosoftからHyper-V Server 2008の無償提供が開始された。
というわけで、私の環境でもHyper-V Serverを使うことにした。

Hyper-V ServerはWindows Server 2008のServer CoreとHyper-Vを組み合わせた感じのものとなっている。Hyper-V ServerにはWindows Serverのライセンスはついていないので、Hyper-Vを使用する以外の目的で使用してはいけない。
Server Coreの場合、各種設定はコマンドラインで行う必要があるので、普段GUIで操作することに対するコマンドライン操作を知っていることが比較的重要になる。

以前ここで記入しているとおり、私はHyper-V Serverを動かすマシンを持ち合わせていない。というわけで、このために1台マシンを組み立ててみた。
CPU: AMD Phenom 9500 (2.2GHz, 4Core)
Memory: 8GB (2GB x 4)
M/B: BIOSTAR(映泰) TA790GX XE
HDD: HGST(日立グローバルストレージテクノロジーズ) HDP725050GLA360 (500GB, S-ATA)
CPUは2007年末の懸賞に当たったエラッタ解消前のPhenomで、それ以外は普通に購入したものだったりする。これ以外にケース、電源、光学ドライブが必要なのだけども、家に転がっているものを流用していたりする。
マザーボードはこれを入力している時点でAMD CPU向けの最新チップセットとなるAMD 790GX。オンボードとしては比較的強力なグラフィックス能力を持っているものなのだけども、購入時はちょうどBIOSTARからMicroATXのものが発売されているを確認していたので、それを購入。そこにPhenomと8GBのメモリを載せるかたちとなる。
組み立ては難なく完了し、Hyper-V Server 2008のインストールにかかる。インストールはさほど時間がかからない。Microsoftがインストール時間を短縮する技術を確立したことで時間をかなり短縮できているのだけど、Server Coreに近い構成なのでインストールする量が少ないという部分も多少影響していると思う。
インストールは当然問題なく完了。インストール後の構成を表示すると、ネットワークを認識していなかった。多分、オンボードのLANを認識するには別途ドライバをインストールする必要があるのだろう。そのあたりは面倒だったので、手持ちのイーサカード(Intel Pro/1000 MT Desktop Adapter)を装着して認識させている。

インストールが完了した後は、Hyper-Vを管理するためのアカウントを作成する。
アカウントを作成する
net user {ユーザ名} /add *
ここで、Vistaマシンで使用しているアカウント同じ名前・パスワードのアカウントを作成する必要があるのだけども、パスワードはWindows Server 2008既定の複雑性規則をパスしている必要がある。本当ならローカルセキュリティポリシーで変更ができるのだけども、コマンドラインでそれを変更する方法を探していなかったので、メインPCの管理者アカウントに合わせる形にした。(私はVistaPCを既定で作成される管理者アカウントと普段使用するための標準ユーザアカウントを作っていて、標準ユーザアカウントは複雑性規則を満たしていない単に長い文字列をパスワードにしている。なので、複雑性規則を満たしたパスワード使用している管理者アカウントを使用した、と。)
あと、初期設定を行っておく。私はリモートデスクトップ上で設定作業を行いたいのでログオン後に表示される構成設定(Hvconfig)で「7」→「E」→「1」の順に入力し、VistaやWindows Server 2008からの高いセキュリティレベルを持ったクライアントから接続できるようにした。

管理マシンのWindows Vistaには、VistaからHyper-Vを管理するための機能をインストールする。

Windows Vista用のHyper-Vリモート管理更新プログラム(KB952627) (Microsoft ダウンロード センター)

上記プログラムをインストールするとHyper-Vマネージャが管理ツールより起動することができる。もちろん、毎回管理ツールから起動する方法を採らなくても、スタートメニュー下部のテキストボックスにHyper-Vと入力すればすぐに見つけてくれたりする。
これにより、Hyper-V Serverと接続できれば仮想環境の管理が行えるようになる。1台のVistaPCと1台のHyper-Vの構成の場合、VistaマシンからHyper-V Serverマシンが見つからなかったので、Hyper-V Serverマシンが見えるようにファイアウォールの変更を行う。
コンピュータ名が見えるようにプリンタとファイルの共有を有効にする
netsh advfirewall firewall set rule group="ファイルとプリンタの共有" new enable=yes
これでマシン名が見える状態になったのだけど接続は失敗する。調べているとDCOMの設定を変更する必要があるみたい。
  1. スタートメニュー下部にdcomcnfgを入力、検索されてきたdcomcnfg.exeを右クリックし「管理者として実行」を選ぶ。
  2. コンポーネント サービス ダイアログの左ペインの「コンソール ルート」→「コンポーネント サービス」→「コンピュータ」→「マイ コンピュータ」を表示させ「マイ コンピュータ」を右クリックし、「プロパティ」を選ぶ。
  3. プロパティ ダイアログの「COM セキュリティ」タブを開き、アクセス許可の項の「制限の編集」をクリック。
  4. アクセス許可 ダイアログの「グループ名またはユーザー名」にある「ANONYMOUS LOGON」をクリックすると、下部に現在のアクセス許可が表示されるので、「リモートアクセス」にチェックを付ける。「OK」をクリック。
  5. プロパティ ダイアログの「OK」をクリック
  6. コンポーネント サービス ダイアログを閉じる
(エンジニアの魂: Microsoft Hyper-V Server 2008の情報を一部引用)
一応これで、私の環境ではHyper-Vマネージャを管理者権限で起動させることで仮想環境の作成・実行といった管理が行えるようになった。

Hyper-Vマネージャも様々な設定を行えるのだけども、比較的重要なのは仮想ネットワークの管理だろうか。
右ペインの仮想ネットワークマネージャをクリックすると、仮想ネットワーク マネージャ ダイアログが開く。仮想ネットワークとしては「外部」(仮想マシンが物理ネットワークアダプタを使用し外部との接続を行う)、「内部」(物理PCと仮想マシン間の接続を行う)、「プライベート」(仮想マシンのみが使用する)の3つが選べるが、ここでは外部との接続を想定しているため「外部」を選ぶ。
基本構成が作成されるので、その仮想ネットワークの名前、使用する物理ネットワークアダプタなどを設定する。…どうやらオンボードのネットワークアダプタが認識しているようなので、先ほどつながらなかったのは単純にハードウェアの設置方法が適切でなかったのだろう。
この設定により、複数のLANポートが用意されているマシンを使用していれば仮想マシンごとにポートを振り分けることができる。負荷が小さいと見込めるネットワークなら集約して使えるだろうし。
この仮想ネットワークは統合サービスをインストールした仮想環境で使用できる。

仮想マシンはHyper-Vマネージャの「新規」→「仮想マシン」で作成できる。この辺りの設定はVirtual PCやVirtual Serverとあまり変わらないので、戸惑う部分は少ないだろう。
後々の目的もあり、Windows Vista Enterprise x64をインストールするための環境を用意する。Hyper-Vマシンには8GBのメモリを載せているので7900MB程度までが指定できる。目一杯設定してもいいのだけども、一応1.5GBを割り当てる。また、仮想マシンには1,2,4のCPU数の選択もあり、ここで2CPUを使用する設定を行った。
ハードディスク等の作成も終えて起動、DVDメディアを入れてインストールを開始する。メインPCで用意しているVista Enterprise x86と同じくらいの時間でインストールは完了。Virtual PCとは違い、インストール完了後のパフォーマンス調査が失敗せず終了する。ちなみに、WEI(Windows Experience Index)は1.0。グラフィックスが1.0以外は4.5以上を指しているのでパフォーマンスは全く問題ない。
インストールを完了した後は仮想マシンを表示している画面から「操作」→「統合サービス セットアップ ディスクの挿入」で統合サービスのインストールを行う。このインストールが完了することでマウスカーソルのシームレス化や仮想ネットワークの使用が可能になる。

私はMSDN Subscriptionの契約を結んでいるので、本来であればHyper-V Serverを使わずともWindows Server 2008を使ってHyper-Vを使うことができる。だけど、MSDN Subscriptionで利用できるソフトウェアは原則として開発・テストの用途でのみ使用でき、それ以外の目的で使用するとライセンス違反となる。
なので、Hyper-V Serverを導入したという経緯がある。Hyper-V Serverの仮想マシンに開発者用ライセンスに基づくOSのインストールを行っても、それを開発目的で使用するのは何ら問題ない。

これからしばらくはHyper-V Server上の仮想マシンで色々と使うことになるだろう。今までVirtual PCやVirtual Serverでお遊びでやっていたLinuxインストールもHyper-V Server上で試してみることになるのかな、と。

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