January 29, 2005

パッチギ!

 わしさぁ,恥ずかしながら,TVのコメンテーター程度でしか井筒和幸って人を知らないんだよね。作品はホーントに知らない。大島渚もそうだけど,最早映画撮らないのがステイタスみたいな。四六時中「ばかやろこのやろ」とか言ってるのもちょっと似てるし。あと『タモリ倶楽部』なんかでの,ゆる〜い企画の時に突っ込んでる,気のイイおっさんのイメージ。
 ま,大島監督と違って『のど自慢』『ゲロッパ!』とか,撮ってはいるけど,申し訳ないが観たい気分になるような感じじゃなかった。今時のオシャレ系とは一線を画し,泥臭く,地についてる分にはいいけど“垢抜けないおっさんが居酒屋でうだうだ若者にする,自己満足的浪花節伝説話”の臭いがどうしてもあるんで,行く気が起きなかった訳。

 えぇえ〜そりゃもぅ。大いなる偏見です(大汗)

 1968年。反戦と学生運動とマルクス主義と,自由とグループサウンズとフォークが渦を巻くように世間を取り巻いていた時代の,京都の高校生・ 松山康介はモテたい・ハメたいとヘアスタイルを変え,音楽をやってみようか,等と同級生の紀男とうだうだ過ごしていた時,朝鮮学校の女子・キョンジャとガンジャが日本人高校生に因縁をつけられていた。
 キョンジャの兄・アンソンは朝鮮学校の番長格。あっという間に日本人高校生をフクロにし,スクールバスまで襲う始末。運悪く乱闘騒ぎに居合わせた康介達だったが,そうそう悪いこともなかった。だって,可愛いキョンジャに出会えたのだから。


 全共闘世代が戦中・後世代を嫌ったように,我々高度経済成長期以降の,ノンポリ・シラケ・のほほん(言い回しが古いね,とにかく)で育った人間には,闘争と理想論理武装と煽動革命ってのが,酷く胡散臭く見えるんだよねぇ。生きてる時代それぞれの,苦悩や思いってのは優劣があるもんじゃないんであって,あんたらの当時の観念で測れるモンじゃないのよ,と。それは,今の子供の鬱屈を“心の闇”と画一的に語っちゃう嘘臭さにも似てね。

 劇中にもそぉいう日教組的な教師が出て来て「うわ,この調子でやられたらかなわんなぁ(汗)」と後悔したりもしたのだが。

 主人公・康介は我々と同じ,世の中に対してなぁんの疑問も問題意識も持たない,文字通りの平々凡々な高校生で,でも「イムジン河」との運命的な出会いと,キョンジャやアンソン達と仲良しになって行くうちに,己の知らなかった事〜強制連行された在日朝鮮人の歴史〜を垣間見,そこにある深い深い溝と哀しみを感じて行く。
 何か,くやしーよね。この時代だからこそ,の輝きとか,生き様とかが。
 親世代同士の先入観や,過去のわだかまりを忘れろ,とはその重みからは到底言えた義理ではないが,しかし,そんな垣根を一瞬その時だけでもひらり飛び越えた康介・アンソン達が限りなく羨ましい。喧嘩とハッタリと,若さ故の早熟と見栄っ張りはどこの青少年も一緒だった。それはその時,今一緒に生きてるからこそ感じられるんだよね。そんな時代の一体感みたいなモノがあるんだよなぁ。

 今,何が欠除してるかって,皆で一緒に時代を生きてる感なんじゃないのかねぇ。流行歌とか,そぉいう些末〜なことじゃなくてね。そこの共同意識があれば,自ずとその時代の歌も流行も自分の想い出の一部になって行く。そこら辺が希薄だよね。

 若い役者陣がとにかく身体いっぱい使ってるとこがまたよし。ちょっとバトルシーンが多過ぎて食傷気味ではあったけど。ガンジャ,気風のイイ女の子でいいね!変なサブカルにぃちゃん坂崎=オダギリジョーは出番ちょっとなのにインパクトが強過ぎだ(笑)

 注意:わしは右も左も関係なく,情動・普遍・本能基本で語るので,そういうバックボーンもありません。ゼッタイに思想的な突っ込み・反論は止めて下さい。そういったご意見を頂戴しても,反応致しませんのでご了承下さい(『トリビアの泉』八島君風)。
 

 

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Posted by ゆえひさ at 01:48│Comments(9)TrackBack(27)

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『さらば戦争!映画祭』に行った。 http://www.eigasai-60.com/ 井筒監督が、映画祭の最後に行われたトークで、パッチギの続編を構想中だと明らかにした。
【さらば戦争!映画祭】 パッチギ2 構想進行中!【反米嫌日戦線 LIVE and LET DIE(美は乱調にあり)】at November 23, 2005 03:39
DVD。めちゃくちゃいいからということで。井筒監督と京都、オダギリジョーさん。…ときたら見るしかないでしょ。井筒監督の、あのいつも怒っているような、ちょっと抜けているような顔がたまらない。帰って早速見..
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□COMMENT...Thank you!□
TBありがとうございます!こちらからも送らせていただきました。
>変なサブカルにぃちゃん坂崎=オダギリ・ジョーは出番ちょっとなのにインパクトが強過ぎだ(笑)
↑↑これ、笑いました〜〜〜!
どんどん壊れていくオダギリ・ジョーが、ちょっとやり過ぎなんじゃないってくらいに濃すぎて、可笑しかったです。
この監督の映画は、初めて観たのですけど、喧嘩シーンに興奮してしまいました。あの時代背景や歴史、思想的なものなど盛りだくさんなのに、うまくまとまった映画だったなぁ、と思いました。
Posted by ペペ山田 at January 29, 2005 02:39
ペペ山田さん

 オダギリ君,凄かったですよね〜日々ぶらぶらしている似非自営業者で,昔の旦那衆みたいな匂いのする役でしたが,いくらなんでもスウェーデン帰りのあれはスゴ過ぎです…(笑)
 わしも今回が井筒監督作品初,でした。
 どうもこの監督本人の映画評ってのには「偏り過ぎじゃ!」と反感すら抱く時があったんですが,この作品には素直に感銘を受けましたねぇ。
 各方面で評価の高い『ガキ帝国』や『岸和田少年愚連隊』あたり,遅かりしではありますが,観てみようかな,と思いました。
Posted by ゆえひさ at January 29, 2005 16:37
TBありがとうございます。
私からも送らせていただきますね。
井筒監督の映画、私もこれが初めてです。『岸和田』が評判いいのは知っていたのですが、何となく見逃していました。
でも、『ゲロッパ』はDVD借りて見たんですが、出だしがあまりにも退屈で15分で挫折したんですよね(笑)。
今回はあの悪印象を見事に払拭してくれました。
もしかしたら、私の今年の邦画No.1になるかもしれません。
Posted by ちょし at January 29, 2005 20:12
ちょしさん

 どうもどうもこんばんは。

 ちょしさんは『ゲロッパ!』ご覧になってるんですねぇ。実はこれ公開されてた当時,職場の人に勧められたんですけど,あらすじ読んでイヤぁな予感がして止めたんです(苦笑)
 主演の塩谷君ってわし,戦隊モノアイドルってこと全然知らずに観てたんですが,実に自然で良かったですわ。
 井筒監督って人は,大人の役者を使うより,発展途上の子達を鍛えるように撮るのが向いてるんでしょうかね。相米慎二監督みたいに。
Posted by ゆえひさ at January 30, 2005 00:18
トラックバックさせていただきましたぁ^^
僕はこの映画の時代背景が勉強できて良かったと思います。正直、日本の歴史に疎い(それなりには知っているつもりではありますが・・・・・・・)ので、このような事を経験した人間が描いたのは素晴らしいと思いました!!
Posted by 黒子 at January 30, 2005 00:23
黒子さん

 わしもこの時代はオンタイムじゃないんですよ。丁度上司の世代にあたるのかな…だから,オンタイムの人にはそれはそれは,ノスタルジーな話なんでしょうが,そこを通り越して,ちゃんと普遍な青春映画にしてるところがエラい!とエラそーに思う次第で。
 普遍と,問題意識と,その時代の熱を見事に混ぜ込んでますよね。別に歴史を知らなくても,その思いが伝わってるんですから。
Posted by ゆえひさ at January 30, 2005 14:41
TBありがとうございます。

曲がよかったですよね。
Posted by lewa at March 30, 2005 23:00
lewaさん

 こちらこそわざわざコメント有難うございます。曲,これだけ話題にはなってますが,メディアではあまり聴かないですねぇ。
Posted by ゆえひさ at April 02, 2005 16:57
はじめまして。
新潟総合テレビで金曜深夜不定期OA中のDISINFO TVです。
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今回は第1回・第2回の放送にゲスト出演して頂いた井筒監督の「パッチギ!」DVDスタンダードエディションをなんと井筒監督サイン色紙付きで2名の方にプレゼント!
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Posted by DISINFO TV at November 02, 2005 19:53