2012年02月07日

男も女も三角関係

・・・って下手な韓流ドラマのタイトルみたいですが、ではなくて大河「平清盛」第5回の感想です。

その前に、下の記事、何ちゅう落ち着きのない文章書いてんだ私・・・。あらすじを思い出しながら思いつくまま走り書きして、ろくに推敲もしてないので見苦しくて済みません。
手直ししようと思ったのですが、かえって中途半端な文章になりそうなので、清盛の台詞で間違っていた処1箇所直すに留めました。

書き直す代わりに、書き足りなかった事を1つだけ追加。
最後の忠盛清盛父子の会話のシーンで、忠盛が去り際に清盛に投げかけた台詞「殿上はお前が思っているよりも面白き処ぞ」、これは清盛の目指す生き方「面白うない世を面白く生きてやる」に対するものなんだな、と気付きました。後々、出世して行く清盛が、いつかこの父の言葉を思い出す時が来るんだろうか?
にしても、あれだけ酷い目に遭いながら、「殿上は面白い」と軽く笑い飛ばす忠盛の何と格好いい事か!藤原忠実が「太き男よ」と表していた通り、肝の据わったスケールの大きさを感じさせる素晴らしい立ち居振る舞いでした。


さて第5回の感想。前回は一対一の対決、という図式が其処此処で見られたのですが、今回は3人の人物の対比が目立った回でした。

先ずは清盛・源義朝佐藤義清の若造3人組。道端で出逢うなり喧嘩を始めた清盛と義朝を、義清は自宅へ連れて来て「場所を提供してやるから、友達同士、好きなだけ喧嘩しろ」とからかいます。「友ではないわ!!」と口を揃えて反論する清盛と義朝。ホントに可笑しいわこの2人。
で、その後、この乱世をどう生きるべきか、という真面目な話題になった時、三者三様の答えが返って来ます。義朝は武士の力を示す好機故に「強さを磨きたい」、義清は「美しく生きたい」、清盛は「面白く生きたい」。
同じ年頃の3人の生き方を明瞭に描き分け対比させる事で、今後の展開を視聴者に判り易くしようとする意図が見て取れます。果たして3人共初志貫徹なるか、それとも何処かで挫折するのか、今後が楽しみです。

しかしここでも「面白く生きたいなどとふざけた事をぬかしおって!」と喧嘩になる義朝と清盛。好きなだけやって下さい観てて楽しいから。子犬の喧嘩のような2人の様子を、義清がすかした顔で笑って見ているのも可笑しい。
この3人の組み合わせいいわあ〜、と嬉しく思っていたら、義朝が中盤で東国へ行ってしまって凄く残念!清盛と義清では全てにおいてレベルが違い過ぎて、喧嘩にならず、清盛が一方的にライバル意識剥き出しにする展開になるんだろうか?


お次は宮中の三角関係。鳥羽上皇たまちゃん(璋子)、得子(なりこ)がお昼のメロドラマ状態に突入。

回を追う毎におっそろしくパワーアップして来ているモンスターたまちゃん。今回もすんごい台詞が炸裂します。
「何故私の元へ入内したのか?」 という鳥羽さんの問いに、「法皇様が行けって言うから・・・、でも私、辛くて淋しくって寝込んじゃったの。そしたら貴方が法皇様の処へ里帰りしろって言ってくれて、お陰で法皇様に存分にご寵愛して貰っちゃった。もう嬉しくって、こんな気遣いしてくれるんなら、貴方の子を産んでもいいかって思ったの。うふ。」鳥羽さん、ぶち切れ。「お前も物の怪じゃ!!」
・・・鳥羽さんの切れっぷりも、回を追う毎に凄まじくやばい状態になって来てます。怒髪天を突く仁王像のような形相の鳥羽さんを見ても「え?え?どうして怒るの?」と心底解ってないたまちゃん。壇れいさんの演技が上手いんだなあ。ホントに無邪気で全く悪意のない、無垢な童女のような表情がその場の凄惨さに拍車をかけてます。恐ろしや。

で、狂ったように笑いながら、雷鳴轟く土砂降りの庭に転がり出て来た鳥羽さん。偶然其処にいた得子を見て、たまちゃんが崇徳帝の元へ入内させるよう進言したのはこの女の事か、と気付きます。錯乱した状態で得子を襲う鳥羽さん。
何処かで読んだ感想に「この時の鳥羽上皇は、崇徳帝に入内する筈の得子に自分の子供を産ませる事で、璋子に子を産ませた白河法皇のように自分もなってやる、と考えたのでは」と書かれていて、うわ、だとしたらまじで救いようがないわ、と背筋が寒くなったのですが、あの場面で其処まではっきり描かれていたかな?事後に「入内は諦めよ」と言っていたから、自分が手を付けちゃった以上は崇徳帝の后にするのはまずいと思ったって事だよね?

その得子。帝の元へ入内出来ないと言われても困るんで、急遽ターゲットを鳥羽さんに変更した模様。たまちゃんとの間に何があったのかは判りませんが、ライバル心を剥き出しにして鳥羽さんに迫ります。
「これっきりでおさらばって、つれなくないかい?あんた、あのいけ好かない女の所為で随分と傷付いてるじゃないか。あんな奴の好きにさせとく手はないよ。汚れ役だったら引き受けるからさ、あたしと組まないかい?悪いようにはしないよ」(意訳)と、何故か極道の妻みたいな雰囲気に。
次回から鳥羽さん・たまちゃん・得子姐さんの火花を散らす三つ巴が展開するのか・・・きっついな〜。たまちゃんに仕える堀川局の心労が解る気がして来た。


3つ目は、女3人の対比。たまちゃん、得子姐さん、忠盛の妻・宗子、それぞれの妻としての心構えの違いがはっきり解って面白かったです。

たまちゃんは「妻というのは、『入内しなさい』と命じられてなるもので、子供(世継ぎ)を産むのが務め」という、超ドライな考え、というか「愛情」というものが完璧に欠落した、まるで「良い子馬を産ませる為に、種馬に種付けして貰うサラブレッドの雌馬」みたいな状態。
得子には、「傷付いている男の心の隙に入り込み、のし上がろうという野心」が見て取れる。
殺伐とした上の2人に対して、宗子の場合は、「何もかも解った上で、傷付いた男に寄り添い、重荷を共に背負って生きる決意をした、芯の強い武家の妻」の心映えの美しさが滲み出ていました。

忠盛が他所の女に2人も子を産ませているのを知っていながら動じる事もなく、冒頭のシーンであっけらかんと「三男四男は他所にいますから」と言ってのけた時の宗子の笑顔を見て、何と太っ腹な妻かと感服しました。と同時に忠盛にちょっと失望。舞子と宗子という優れた心映えの女を妻にしていながら、他の女に子を産ませるとは・・・。まあ史実ではそうなんだろうから仕方がないんだろうけれども。
で、海賊討伐に連れて行って貰えなかった我が子家盛に、「何故、前妻の子・清盛がいると知りながら嫁いだのか」と聞かれ、「何もかも話してくれた忠盛様が余りに痛ましく、その背負っているものを共に背負って、支えて行きたいと思い、清盛の母になろうと思った」と答えます。
この時の和久井映見さんの演技がまた素晴らしく、何もかも呑み込んで、夫とその一族を支えて行く武家の妻としての覚悟が出来ているのが、柔らかいけれども凜とした表情から見て取れて、深い感動を覚えました。

同じ「女を愛する事で傷付いた男」に対する姿勢を明確に描き分けていて、これも今後どうなっていくのかがとても楽しみになりました。


最後に今回気になった点。事ある毎に清盛を排除しようとする叔父・忠正の姿勢には流石にうんざり。

海賊討伐に赴くに当たり、清盛が初陣を許され、家盛が京に残るよう命じられた事について、またしても嫡男がどうの跡継ぎがどうのと一悶着起きるのですが、以前ならわめき散らして役目を放棄して飛び出して行ったであろう清盛が、「俺は跡継ぎになる気などない!今回の海賊討伐も、平氏の者として扱ってくれなくて結構!荷物運びでも何でもするぜ!」と笑い飛ばしたのを見て、「ああ、無理してるな〜、この子なりに精一杯頑張って角が立たないように冗談めかして場を収めようとしてるんだな〜、偉いな〜大人になったよな〜」と思って見ていたのに、安芸の宿営地に着いた処でまた忠正が話を蒸し返す。
皆の前で口論になるだけでなく、清盛と2人きりになった時に、とどめを刺すように、「赤子は誰が見ても可愛く、思わず笑みがこぼれるものだが、俺は赤子のお前を見ても笑えなかった。災いの種にしか見えん!」と吐き捨てます。そのやり方が大人げないというか陰湿というか。

流石に此処は清盛に同情しました。彼を我が子としたのは忠盛であって、清盛にしてみれば、自分が望んで嫡男にして貰った訳じゃなし、物の怪法皇の血を引いていると言われても、そんな自分ではどうしようもない事について責められても、途方に暮れるしかないのに。
これまで見ていて気持ちよかった松ケンくんの落ち込む姿が、此処で初めて可哀想に見えましたよ。上手く成長させて行ってますねえ。

忠盛も宗子も清盛を嫡男として育てて行くと腹を括っているのだから、いつまでもそれに文句を言う忠正の方がかえってトラブルメーカーになっている気がする。
忠正こそいい大人なんだから、少しずつでも変わろうとしている清盛の姿勢を感じ取ってやらないと・・・。道を逸れそうになったら叱り飛ばしてもいいけど、努力しているのを一切認めず、存在そのものを全否定するのは駄目だろう・・・。
それこそ蔑まれる存在である武士が、持てる限りの力を尽くしてその境遇から這い上がり、やがては貴族や「王家」をも凌ぐ勢力になって行く事を否定するに等しいと思うのだけど。


来週はいよいよ海賊討伐。相当な予算を注ぎ込んで撮ったらしいですが、派手にチャンバラが展開するだけで人間ドラマのない、「パイレーツ・オブ・ヘイアン」にだけはならないよう祈るばかりです。

・・・ええとここで一旦切ります。前回も書いた本のご紹介は後程改めて。最近やたら長い文章ばかりで面白みがなくて済みません。
Posted by 成瀬 尋古 at 16:46  |Comments(2) | 歴史 , 映画・ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
成瀬さま。
お久しぶりです。
「平清盛」見てますよ〜録画して。
まだ、5回目は見ていないのですが・・・・

私の感想は、まず、「源頼朝」と「北条政子」についてです。
歴史上の人物で好きな人々なので自分の中でのイメージが強くて・・・今回の配役はとっても不満です。

特に「政子」さん。
もっと、堂々とした姉さんじゃないと。
今回の「政子」さんは、なんか山賊の使い走りみたいで。
これが、愛人の家に火を放つほどの人とは思えません。
脇役だからといっても配役に手を抜かないで欲しかったです。
そして、やたらめったら、ほこりの中を取り乱して走るのはやめてほしいです。
夫である「頼朝」さんでさえ「こっわ〜」と思う人物なので、ドスの効いた落ち着いた雰囲気は崩さないで欲しい。

そして!!なんといっても『たまちゃん』。
最高です。あの天然ぶり。
取り乱した三上さんもステキ!
ここにりょうさんも参戦するのですね。

楽しみです。

なんだか、私事ばかり書いてすみません。
つい・・・興奮してしまいました。

それでは、また。
Posted by みつる at 2012年02月07日 20:58
★みつる様

こんばんは〜、寒い日が続いていますが、お変わりありませんか?

頼朝と政子、駄目ですね。凄く違和感があります。
あれが今の清盛と同じ10代の設定なら、まだ我慢出来る気がするのですが、壇ノ浦の戦いの時なら頼朝は38歳、政子28歳という事になり、いくら何でもあの薄っぺらさはないだろうと・・・。

頼朝、ナレーションは棒読みな上に、内容もナルシストな中学生のポエムみたいで、聞くたびに激しく脱力します。
台詞の方も酷いもので、三種の神器の剣が海に沈んだまま見つからないという報告に、「見つからなくても構わん」て・・・、何の為にあんな処まで追っかけて行ったんですか。

政子は政子で、何であんたが馬を飛ばして伝令やってんのよ・・・と。
10代のお転婆娘なら、気儘に馬であちこち走り回っててもまだ何とか誤魔化せるでしょうが、頼朝の正室が神事の最中に伝令って・・・。夫の傍にいてどっしり構えてなきゃいかんでしょ・・・。
「山賊の使いっ走り」、まさにその通りだと思います。折角大柄な杏さんを起用しているのに、勿体ない。

2人共、後半辺りから本編にも登場するのでしょうけれど、その頃には中井貴一さんを始め、素晴らしい演技で観る者を惹きつけているベテラン俳優さんがごっそりいなくなると思うので、非常に不安です。

そのベテラン組の壇れいさんと三上博史さん、いいですよねえ〜、凄みが違う。
たまちゃん、演じるの凄く難しいと思うのです。壇さんのたまちゃんは、背筋が凍るような言動がエスカレートしているにも関わらず、可愛らしくて綺麗でほんわかしていて、観ていても「罪」とか「汚らわしさ」を感じないのが凄い。
だからこそ、鳥羽上皇も憎み切れずに此処まで来たんだろうなと思えてしまう。

鳥羽役の三上さん、初回で床に伏したたまちゃんの為に花を摘んでる時は、優しくて穏やかな気品のある佇まいだったのが、どんどん心を病んで行く姿がもう・・・。
涙目で怒りながら叫んでいる姿、巨大なセントバーナードを前に全力で威嚇しているチワワみたいで、もう誰か保護してあげてよと言いたくなりますよ・・・。

この2人と三角関係に突入するのは、5話で初登場の得子(松雪泰子さん)ですよ〜、りょうさん(堀川局)は、相変わらずたまちゃんのお傍で神経性胃炎になりそうな顔をして耐えておいでです。おいたわしや・・・。

来週また大きく話が動きそうですね。
色々突っ込みながら、楽しんで行きましょう!
Posted by 成瀬尋古 at 2012年02月08日 22:47


 
※半角英数字のみのコメントは投稿できません。